35歳の少女 3話 感想|"成長物語"らしくなってきた!

 

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今頃?と思われそうですが、3話になって新たな発見がありました。

それは、10歳の頃の望美の声と35歳の望美(柴咲コウ)の声がほぼ同じな事。

役者の点で言ったら、柴咲コウさんが10歳の頃の望美の動きだけでなく

高くてあどけない声まで寄せて演技されている事。

 

今までにも2種類の声(モノローグと実際の話し声)を使い分ける

演出が取り入れられていましたが、

今回はその切り替えが頻繁に起こっていたために、冒頭の件に気づけたんだと思います。

それだけでなく、その演出を多用した事で何が良くなったかって、

望美の持つ子供ならではの「等身大の気持ち&感情」が前面に出た所。

結人(坂口健太郎)との代行業で「なんか全然楽しくない」と感じたり、

25年の間に変わり果てた母・多恵(鈴木保奈美)にショックを受けて

「こんなの私が大好きだったママじゃない!」と言ってしまったり。

理想と現実のギャップを目の当たりにしながらも、時間は戻らないのだから

経験を重ねて徐々に受け入れて行かなければならないのだ…という

望美の"逆境をバネにしようとする"姿が画面から伝わって来る

主人公の成長物語になっていた気がします。

 

さらには、前回で本作を「子育て奮闘記」と例えたように、

主人公だけでなく、多恵の成長も感じられる内容にもなっていました。

理由は、亀のぬいぐるみに対して「なんでこんな事になっちゃったんだろう」

「あの子が目覚めたら、嬉しい事ばっかりだと思ってたのに」

本音を漏らす台詞を挿入した事で、

多恵にも25年間眠っていた娘にどう接してあげれば良いのかという

母親なりの葛藤が垣間見えたから。

だから、最初はちょっと引いた監禁生活のくだりも

その台詞を聞いてからだと何となく理解出来る気がしましたし、

最後のハグのシーンでも"みんなに愛されているママ"だった頃の柔らかさが

少し表情に滲み出ていたのには嬉しい気持ちにさせられてしまいました…。

 

また、前回は"主人公が関与していない"場面まで万遍なく描き過ぎていて、

それが蛇足に繋がっている印象がありましたが、

今回では上手く整理整頓されており、

「主人公が変わる事で、周りも変わっていく」話としては

今回が初見の方でもどんな方向性になるのか掴みやすい仕上がりだったと思います。

 

逆にこうした事で陰鬱な場面が増え、主人公に襲いかかる現実や多恵の行動を中心に

好き嫌い分かれる方も出て来るかもしれませんが。

個人的には、本作で描くべき"目的"はしっかり果たせていた感じがしたので、

このまま二人三脚の路線で行く事を期待しています。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

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