そわそわ、したねぇ…。ドキドキしたねぇ。
恋愛ドラマなら片想い同士が結ばれてハッピーエンドになるだろうとは
分かってはいるんだけれども、
中盤まで焦れったい方向に進むもんだから、どんな結末に転ぶのか目が離せなかったなぁ。
本作の登場人物はみんな"器用な人"になりきろうとするんだけど、
実は下手で、本当はただ強がっているだけで。
だからこそ、身近で愛おしくって、何かある度に一喜一憂しちゃって。
挫折を味わった時に、一人になった時に吐き出す1つ1つの言葉に"生"を感じる訳で。
最初の頃はぶっちゃけ、「リモートドラマはもう良いかなぁ」と思っていました。
しかし、結果的には、生きづらさを抱えながら過ごしている
人々の心に今響くのは"言葉"である事。
言葉の持つ力は偉大で、些細な事でも何でも良いから
大切な人と気持ちを共有していく所から始めようよ…といった
メッセージ性を残した作りになっていたのが素敵。
今まで"負"のイメージが強かったコロナ禍の特徴を逆手にとって、
「近づきたくても近づけない葛藤」「それを乗り越えようとする変化」という
恋愛ドラマならではの醍醐味として昇華してみせたのを見て、
まだまだこの手のジャンルは無限の可能性を秘めているのかもしれない…と。
コロナ禍を迎えて、今後どんな新しいドラマが生まれてくるかと
期待してみたくなってしまう作品でした。
美々(波瑠)と青林(松下洸平)のキスシーンも、正面からではなく、
あえて外からの引きのカットで見せる事で
ソーシャルディスタンス的演出を施した…という、
中盤から設定が忘れ去られるドラマもある中、
最後まで徹底的にコロナ禍が舞台である事を表現したラストも面白い。
本作の脚本家は言葉を自由自在に操るのが得意なのか、
「丸ちゃん」とか「私の嫌いなイチャコラ!」とか
ついついクスッとしてしまう台詞も豊富に含まれていて、
それもまた、本作を純粋に楽しむ気持ちで見て良いんだ…と思わせてくれる要素の一つでしたね。
そして、波瑠さんは「G線上のあなたと私」以来、どんどん吹っ切れている感じがします。
今まではコミカルな役をやっても どこかぎこちなさを感じていましたが、
最近は自然体な演技をされている印象ですねぇ。
明日はクリスマスイブで、恋人に、家族に…と、
誰かと過ごす事が愛おしいと思えてくる日。
その前日が本作で良かったです。
昨日に引き続き、みんなの幸せを願いたくなる気持ちにさせられました。
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