ずるいよ…ずるいでしょ…
あんなの、心掴まれるに決まってるじゃん…
見終わった後にぶわっと襲ってきた感情、なんて例えたら良いんだろうなぁ。
分からなくなってしまった。
とわ子(松たか子)と八作(松田龍平)は再婚する事はなくて、でも互いを想い合ってて、
でももう叶いもしない"もしも"の世界を語り合っているから
今も相手への未練たっぷりなのね…って切ない気持ちになった訳でもないし。
感動ともちょっと違う。
何と言うか、「心が軽くなった」という表現が一番近い気がしています。
それにしても…結局最後に勝つのはSeason1なんだなぁ。
ドラマやアニメでいう、シーズンが増えて行くにつれてどんどん見栄えを豪華にしていくんだけど、
やっぱり無印が一番面白かったよねっていうのと同じ原理だ。原点こそ最強。
大史に向けて言っていたであろう
慎森(岡田将生)の「あいつは最悪」「髭をちゃんと剃らない人」は、
図らずしも八作にもかかっていたのだ…と気づかされて、ちょっとニヤリ。
三人の元夫ととわ子との関係性は点と線みたいなもので。
7話で大史(オダギリジョー)が言っていた持論をまさに体現している回でもありました。
彼女の存在は三人の元夫にとっては、ずっと頭の片隅に残しておきたい"点"で、
離婚しても同じ時間を共にしたこれまでの過程は"線"。
大史と再婚する疑惑を知って、自分と彼女を繋ぎとめていてくれた線が
彼に奪われてしまうと察した三者三様の行動が、
何だか"らしい"なぁと思えて、これもまた面白い。
かごめ(市川実日子)に想いを伝えられる事のないままとわ子との結婚を選んだ過去のある
不器用な八作は、「結婚出来て幸せでした」「ありがとう、幸せになって下さい」と、
下手したら死ぬのか!?とも取れるような意味深な感謝の言葉を伝えに行く。
鹿太郎(角田晃広)は、まぁ、実際は中の人の仕事が忙しくて出番が減ったって所でしょうけど、
バッティングセンターでの争奪戦に参戦しなかったり、
リモートでしか登場しなかったりした事から踏まえると、器の小さい彼だから、
とわ子が自分の知らない誰かと幸せそうな様子を見たくなかった=現実逃避
を物語っているようにも見えます(笑)
で、1聞いたら10返すほど理屈っぽい慎森は、第四の夫が大史だと気づいた途端
猪突猛進と言わんばかりに自宅にズカズカ入り込んで、本心を聞き出そうとする。
個性…ありまくりだったなぁ。
慎森に関しては他人の目線で見ているから可愛い!ってなるんだけど、
とわ子目線だったら面倒臭い人でしかないんだろうなぁw
しかし、最終的には、大史はSeason4候補から外れる事になった。
別れる前に存分の愛を与えて、一本の道を真反対の方向に進み出すシーンだけで
「あ、別れたんだな」と思わせるなんて…
まさに大人だけの極上なラブストーリーを見せてもらえているんですね。贅沢だわ〜…。
でも、誰かと結ばれる結末じゃなくてホッとしました。
大史が本当に良い人か探りながら観察していたのもあり、
そんな事も知らずとどんどん深みに嵌っていってしまうとわ子を
素直に応援出来ない状態でいましたから。
独りでも幸せになれる、あなたを選んで独りで生きる事にしたとも言っていたけど、
「3人で生きていこうよ」
が、個人的には本作を象徴するメッセージだと思っています。
冒頭に戻りますが、私が「心が軽くなった」のはこの台詞にあるんですよ。
幸せを追い求めるのは2人でも、もちろん1人でも良い。
でも、"独り"になるとどうしても心が折れてしまう時がある。
だから、そんな時は幸せだった思い出に縋ったって、
もう夫でも友達でもないけど今でも付き合いのある相手と
共存していく選択をとったって良いのだと…
とわ子だけでなく、八作の、鹿太郎の、慎森の、そして視聴者の
肩をポンと押してくれるような優しさが、この台詞に詰まっているように感じられました。
公式が「最終回らしい内容」とうたっていた通り、
結論は既に出ちゃっている気がするんですけど、最終回はどう締めるんでしょうかねぇ?
次回予告を見ると、またしれっと新しい男性が登場しているし…
本当、どうするんだろう。謎!
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