「夢って、追いかけない方が良いの?」
この言葉を聞いた時、うわぁ…残酷な視点盛り込んでくるなぁ…と。
まだ希望を持ち続けたい年頃の小学生がそれを言ってしまうっていうのもあるけど、
真壁夫婦の出産に立ち会っていた時に生まれた太一(伊藤駿太)が…
っていうのがまたグサッとくる。
そうだよなぁ。子供だと人生経験があまりにも少ないから、
物事の裏側までは察する事が出来ない。
試合の勝ち負けじゃないけど、
子供の時にいっぱい遊ぶであろうゲームの「ゲームオーバー」とも似ている。
勝ったら&ステージをクリアしたら成功。負けたら&クリア出来なかったら失敗。
若ければ若いほど勝敗をつけやすい。
でも…そんなはっきりとした子供の視点が描かれたからこそ、
以前の里穂子(有村架純)の「10年間の頑張りが無駄になるとは限らない」ももちろん、
「負けたって事が失敗とは限らない」「人間関係をいくつ築けたかが勝敗を決めるんだと思う」
と話す俊太(神木隆之介)の考え方にも、
酸いも甘いも嚙み分けてきた者ならではの奥深さが増した気がします。
"勝敗"に対して、1つの意味しか知らない子供と、複数の意味を知っている大人の対比…
バーベキューでのくだりは、とても惹きつけられるものでした。
太一くんは今はちんぷんかんぷんでも、俊太の言葉の意図が分かる時がいつか来るはず。
"終わり"を彷彿とさせる残り火や、カップに少し残ったコーヒーのカットを
時々挿入していた演出も、もうすぐ解散を迎えるマクベスを表しているようで印象的。
でも、彼らにとっては"終わり"ではない。
焚いている火が消えそうになっていたらまた点ければ良いし、
昔を懐かしんではじっくり語り合う機会はまた訪れるかもしれないし、
飲み干したコーヒーは、春斗(菅田将暉)がネタ作りをする原動力に変わっている。
そうそう、俊春(毎熊克哉)について触れてくれていたのも良かったです。
彼の就職先がブラック企業なんじゃないかと少し不安だったんですけど、
そこで働く事に対する想いを聞く限りだと、もう心配はいらないみたいですね。
周りの大切な人を満足させてみて、そういう生き方が出来た時に初めて
自分を満足させられる気がする…の部分が、
昔も今もマネージャーとして尽くしてきたつむぎ(古川琴音)と重なりました。
彼もマルチ商法にハマって仕事も友達も失って、どん底状態に陥って引きこもり…なんていう
一見"負けた"と捉えられる経験を過ごしてきたけど、
その充電期間が今の自分に繋がっている。
春斗だけが何も進路が決まっていない状態ですが、
彼のように、一旦立ち止まって休んでみるのもアリなのかも…とも思わされました。
コントの方は、2人の様子の実況=サッカーの試合の実況、司会者=歯科医者と
2つの意味がかけられているのも面白かったです。
厳格な父親を演じる潤平(仲野太賀)…きっとその役に愛着が湧いてしまうでしょうねぇ。
次回は最終回って事で…
解散が失敗じゃないとは分かっていても、春斗大好きな2人のエピソードを見てからだと
やっぱり寂しいものはありますよ…(泣)
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