良いですね。回を重ねるごとにより"日常"らしさが増して、
本作への抵抗感が徐々になくなってきております。
「ステイ」と言われて不貞腐れた顔したり、ショックで熱を出したり、
「ステイ」の重要さを学んでからは、今度はそれを自分でアウトプットしてみたりと…
そんな一星(北村匠海)の素直さが、まるでわんこみたいで本当に可愛いんですよ(笑)
年の差による純愛モノで、2人が惹かれあっていく様に見惚れてしまうのは
個人的にかなり久しぶりかもしれません。
そう感じるようになった理由は、
ロマンチックな雰囲気作りへのこだわりが伝わる映像美も、もちろんそうなんですけど。
もう1つは、「自分にとって忘れられない"死"があって、今がある」というのを、
鈴(吉高由里子)と一星の2人の関係性を通して、過去エピソードを絡めながら
重点的に描いているのが大きいのかな?と思ってます。
例えば…今回の相手のように突き飛ばされたり、怒鳴られたりするのは、
一星が人情深い性格である以上、初めてではないんだろうな…という事が分かりましたが、
それでも彼は、遺品を届ける事を決して辞めようとはしませんでした。
それは、自分が両親を亡くした時に、お食い初めの食器や、
自分とお母さんを撮ってくれたお父さんのカメラといったたくさんの"思い出"を
遺品整理士が届けてくれたという記憶が、頭の片隅に残り続けているからなんですよね。
そして、世界旅行も含めて、今こうして"自分らしさ"を曲げずに生きていられるのは、
引き取って育ててくれたおばあちゃんの存在がいるからなのかも…とも察せられます。
柄物だらけの服装で、発想もかなりユニークな人でしたが、
あのおばあちゃんが育てていなかったら、今の一星はいなかったのかもしれません。
一方で、鈴は10年前、まだ新人だった頃の自分が関わった患者も、
その赤ちゃんも亡くしてしまうという、同じく辛い経験をしました。
しかし、一星と少し違うのは、数々の命と向き合いつつ、
それを全部、先輩の元で学びながら(恐らく)1人で乗り越えていった…という所。
彼と出会うまでは、身近で支えてくれる人はいなかったので、
吸収するので精一杯だったんだろうなぁと。そんな背景が読み取れます。
だからこそ、自分が当時上記のような経験をしたのとちょうど同じ年齢で、
両親の死が早くにあっても、傷1つ見せず
あんなに伸びやかに、たくましく生きている一星に惹かれたんでしょう。
(もちろん、鈴も鈴で十分たくましいですが。)
一星が遺品整理士になったきっかけエピソードをガッツリ描いたのが効いていて、
今を一生懸命に生きる2人を、思わず応援したくなってしまうお話でした。
今後も2人の関係性が上手くいくと良いな…
そう願える内容になっていただけに、終盤の「黒いコートの人物」が
何やら不穏な空気を醸し出していて気になりますねぇ。
役者名を隠す演出で、鬼が過ってしまったのは置いといて(笑)
今回で本作が好きになり始めただけに、
あまりサスペンスな方向には寄って欲しくはないのですが、
一星の支えとともに、被害者遺族に立ち向かう展開に繋がるのだとしたら…
これもきっと鈴にとっては"試練"で、避けては通れないエピソードなのかもしれませんね。
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