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3000万 1話 感想|お金は人をハイにする

 

 

お…面白かった〜!

白線の真ん中まではみ出して駐車している、危なっかしさ漂う冒頭のシーンから、

5分くらいでもう本題に入るのも掴みとしては抜群でしたし、

数話分の内容を1話で展開するもんですから、

最後までドキドキしながらあっという間に見られました。

 

三者から見たら「いやいやなんで嘘つくの」「早くお金返そうよ」と

ツッコミたくもなってしまうんですけど、

夫婦の気持ちもちょっと理解出来てしまう自分がいたんですよね。

例えば、義光(青木崇高)が結局お金を警察署に渡せられず、

家に持ち帰ってきて息子・純一(味元耀大)に嘘をつくくだりなんかは、

なんでそこで嘘ついちゃうの…

っていうか、息子も一緒に行って自ら警察に謝った方が

罪が軽くなったかもしれないのに…と思いつつ、

同時に、あの時を思い出させてトラウマになるのを防ぐ、息子のためでもあるんだろう

というのは察せられますし。

警察が家に押しかけてきて、報告出来るチャンスを完全に逃した祐子(安達祐実)も、

あ〜あ…と思いつつ、自分は捕まりたくないからと

自己保身に走ってしまう彼女の心理も分かってしまうのです。

 

根拠のない「自分は大丈夫」という自信がついてしまうのは、手元に大金があるから。

3000万という数字は絶妙で、非現実的ではあるけど億以上の並外れたものではなくて、

あったら嬉しい、家計においても助かる金額なんですよね。

だからこそ、2人は得たチャンスを失いたくなくなってしまう。

嘘に嘘を重ねてしまっている罪悪感に、

この大金を返して面倒事から逃れたい理性的な自分と

大金に手を染めて楽に過ごしたい本能的な自分とで葛藤しているWのストレスで、

ロールケーキを貪り食べる裕子の姿が印象に残りました。

 

かつての栄光もなくなり自虐的に生きている義光と、

言いたい事をはっきり言えず、理不尽な日々に慣れようとしていた祐子が

大金と出会って一転、弾け散らかしているロック調の音楽とともに

表情が生き生きとし出すラストも、

お金は人を狂わせるというのを突きつけられたようで恐怖さえ感じましたね…。

 

本作は、海外では一般的なWDRプロジェクトという、

複数の脚本家が集まって、役割分担をしながら共同執筆する手法をとっています。

初回はスピーディに展開していきましたが、この枠では珍しく、全8話と長めです。

なので、そうなってくると、新キャラ(事件関係者)の登場や新たな事件・騒動の勃発、

あとは新事実と、話をあちこちで膨らませる可能性は当然ある訳で…

本作が最終的に面白いと感じられるかどうかは、

作風に慣れてきた5話以降にかかっている気がします。

 

とにかく初回は、期待して良かった…と思える出来でした。

次回以降も今回のような、人間の愚かさや狡さを突きつけ、

ハッとさせられる内容が続いていく事を期待します!

 

 

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Shrink-精神科医ヨワイ- 3話(最終回) 感想|知ってるのと知らないのでは見え方が違う

 

 

1話のパニック症も、2話の双極症も事前に名前は知っていたけれども、

今回のパーソナリティ症は初耳。

これは…知っているのと知らないのとでは、彼女への印象も相当違うでしょう。

怒らせると厄介で、面倒臭い子で済まされてそうですが、きちんとした病名があったんですね。

知識の浅い私には、すごく勉強になった回でした。

 

彼氏の優(細田佳央太)のリスカも、両親の共依存にも驚きましたが、

それだけ、誰もがパーソナリティ症にも、共依存の関係にもなりやすいって事なんですよね。

まぁ、そんな事を言ってしまったら、他の病気だってなる可能性は秘めているんですけど。

でも…この病に関しては「こういう性格だから」で自他共に納得しちゃって、

精神疾患だとは自覚しづらい。

1話で「日本は隠れ精神疾患大国」という言葉もありましたが、

パーソナリティ症を抱えた患者も、中々多いのではないかと思います。

 

私も…風花(白石聖)の言動を見ながら、自分の学生時代を思い出しておりました。

リスカまでは行かなかったけれども、私も昔は、友達にべったりくっつくタイプだったなぁって。

部活で仲良くなった子が自分を嫌いだと分かった(そう言わせるほど怒らせちゃった)時には

ショックを受けて、それ以降、人とどう関わっていけば良いのか分からず部活内で孤立して、

結果、退部…なんて過去もありましたし、

大学に入ってからは、自分が一番仲良いと思っている高校の友達が

大学で新しく出来た友達と遊ぶ頻度が増えた事に対してやきもちを妬いて、

1人、部屋で怒ったり、泣いて落ち込んだりもしてました。

だから、自分に優しく接してくれる相手が救世主のように思えて、手放したくないっていう

風花の気持ちも、手にとるように共感出来たかな。

今思えば、当時の私も…だったのかも?なんて考えちゃいます。

 

パーソナリティ症と診断され、「変わりたい」と思って以降、

何に怒りを感じるのか、その時々どんな気持ちになっているのかを冷静に分析して、

改善策を見つければすぐに実行出来る風花の吸収力の速さは凄まじい。

病気としっかり向き合わなければ、自分を責めるばかりで良さに気づけなかったでしょうし、

弱井(中村倫也)を筆頭に、様々な人との関わりも大きく作用していると思います。

あの施設も、通い続けていたら自己肯定感が間違いなく上がる。

やっぱり…人と話してみて、何かを共有するって大事なんだと、

本作にはつくづく学ばされます。

 

ただ…1つ、心残りもありまして。

母・昌子(中島ひろ子)の今後は大丈夫なのかと心配にもなりました。

風花が実家に帰ってきた時、風花の後ろにあった鳥が2羽向かい合って並んでいる絵が描かれた

大皿が妙に印象に残ったんですね。

両親は今でもあの関係で、今後も互いの方向が変わる事はないんだろうなと…。

きっと、ドラマでたまに見かける「昭和の頑固親父」も

キャラクターにして消化されがちだけど、

現実世界では、パーソナリティ症が絡んでいた人もいるのかもしれない。

歳を重ねれば重ねるほどプライドが増して、病院に行くなんて発想にもならなそう。

風花が1人前になってから、娘の紹介でひだまりクリニックへ

診察を受けにいく未来がいつかあったら良いけど…どうでしょう…?

風花の前向きさには嬉しい反面、複雑な気持ちにもなりました。

 

実際はこんなに上手く行かない事ばかりでしょうし、ファンタジーとか絵空事とか、

そういった意見も多かったと思います(それも、決して否定はしません)。

でも、「もしかして自分も…?」と今不安を抱えている人や家族にとっては、

治らない訳じゃないんだと安心して、少しでも希望に繋がるでしょうし、

全視聴者にとっては学びにもなる。

そういう意味ではやっぱり、前回の感想と同じような事を言いますが、

放送する意義はあったな…と。

演出家は「きのう何食べた?」「大豆田とわ子と三人の元夫」の中江和仁さんでしたが、

全体的に漂う淡く穏やかな雰囲気も好みでした。

配役も毎回手堅く、「この役はこの役者だからこそ」といった感じで、

そんな方が集っているからこそ…患者とその家族、支えとなる相手を演じるのも

相当エネルギーがいるんだとも思わされました。

 

弱井の身の上話や彼女との事は、結局謎のまま終了。

ドラマを数年見てきた経験上、大きな病院で働いていたけど、

病院の方針と自分の考えに齟齬を感じて独立したのかな…とか、

彼女が当時抱えていた心の病に気づけなかった後悔があったのかな…とか、

やんわり想像はつきますが、弱井の過去はやっぱり本人や関係者の口から知りたいですね。

 

先ほど書いた役者さんの件もあって、またすぐに、今度は1クールで…は難しいでしょうけれど。

またこのような形で、インターバル期に3話程度を不定期で放送…でも良いので、

続きの話が見たいです。

 

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新宿野戦病院 11話(最終回) 感想|ペヤングの美味さは世界共通?

 

 

ワクチンの陰謀論、緊急宣言事態解除後のお祭り騒ぎ、ホテルでの療養生活に医療逼迫…

未来の話だけれど到底そうは思えないエピソードが続く中で、

感染者と同じくらい医者の助けを必要としている人がいるにもかかわらず

先送りにされてしまう話も描く。

これも、宮藤官九郎さんがコロナ禍で常々感じていた事だったのかもしれませんね。

"過去のもの"になり、時を経て忘れ去られてしまう事に対する怖さと、

もしまたパンデミックが起きた時には、どうか少しでも変わっていて欲しいという僅かな願い。

前回と最終回は、そんな複雑な感情が入り混じった内容に仕上がっていました。

 

後半のヨウコ(小池栄子)が陽性になってからの展開はやや駆け足な気がしてしまって、

「無免許で数々の患者を治療」という、いつか向き合わなければならない問題を

抱えていたからこそ、もっと尺が欲しかったかな?とは思ったんですけど、

ヨウコが逮捕される際に、いつもの「ここは新宿歌舞伎町〜」から始まる

享(仲野太賀)のナレーションを重ねながら、様々な国籍の外国人やトー横キッズが駆け寄ってくるシーンには

考えさせられるものがありました。

日本の医師免許を取らずに医療行為したのは法律上ダメな事で、雑な治療だけれども、

享の言う通り、なぜアメリカの医師免許では認められないのか?という謎は残るし、

彼女がいなかったら救えなかった命はたくさんあった。

だから、今までの行為が「正しい」のか「悪い」のか、はっきりと境界線は分けられない。

涙を誘おうと意図して下手に走馬灯のように回想を流すよりも、

彼女と彼らだけにしか見えない強固な関係性を感じて、グッときてしまいました。

最後の手錠で拘束された腕を上げる所も、ザ・ヒロインって感じで頼もしくてね…

全力でやり切った!だから、後はよろしくな!なんて、

まごころのみんなにバトンを託してくれているように思えて、清々しさが残るシーンでした。

 

南(橋本愛)がバラしていた件については、彼女の出番がずーっとなかったので

そうかなぁとは思っていましたが、動機はとても今時で、繊細なものでした。

「怖いのはウイルスよりも人間の心」本当にそうだと思います。

コロナ禍もSNSによる誹謗中傷が多かったと記憶しております。

パンデミックが起こって、制限が課せられて家に留まる日々が続けばストレスは当然溜まる。

でも、発散出来る場所が他にないから、

ほとんどの人は手軽に使えるSNSで考えを吐き出しがちになる訳で…

そうなるといろんな人の考えに触れる訳で、嫉妬したり、比較して落ち込んだりで

ネガティブな感情が膨らみやすいんですよねぇ。

そんな彼女も最終的には、聖まごころ病院内のカウンセラーとして、新たな居場所を見つける。

「まごころ」という名前がつくのにも説得力が増して、ちょうど良い所に落ち着きましたね。

 

今期の医療ドラマの中では、何だかんだで(!?)

本作が最も医療ドラマらしい仕上がりだったと思ってます。

日曜の方は続編だし、枠のカラー的にエンターテインメントに走る事は分かっていましたが、

月曜の方は王道路線かと思いきや、個人的な事情と理不尽てんこ盛りでしたからね(苦笑)

現代社会ならではの出来事を通して、強さ、弱さ、がむしゃらさ、ポンコツさ…

いろんな感情を見せながら、目の前の患者に等身大で向き合っていくヨウコたちの姿は

良い意味で生々しく、人間臭さが詰まっていてとても魅力的なキャラクターに映りました。

白木(高畑淳子)の名前いじりも毎回の楽しみにw

当初こそ、クドカン脚本と、ほぼ関わりのなかったフジテレビの演出家の組み合わせで

相性は大丈夫なんだろうか?という心配を勝手にしておりましたが、

最終的には、どちらかがどちらかの作風に合わせるんじゃなく、

お互いが良い塩梅を見つけて歩み寄っていく…そんな作品になったのではないかと思います。

 

感想を数話書いてそのままフェードアウトかな…と思うくらい、途中までは本作にノれなかったんですが、

5話からエンジンがかかったように感じて、そこから面白くなる可能性を信じて、最後まで書き続けて良かったです。

(そして、最終回の感想をやっと完成させられました。毎度毎度遅くて、申し訳ありません。)

やっぱりクドカン作品は、私にとってはじわじわハマっていくタイプなんだな…(笑)

 

 

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Shrink-精神科医ヨワイ- 2話 感想|想ってくれる人が近くにいるという幸せ

 

 

※2話(9/7放送分)の感想です。

最新話までに間に合わなかった…大変お待たせいたしました(汗)

 

双極症は、名前は何となく聞いた事あるな〜くらいの認識で、

どんな症状なのかまでは分からず。

そんな私が最後まで視聴してみて思ったのは、

とても不安定な病気なのだな…という事でした。

 

自分がどこかおかしくなっているとは頭の奥底で分かってはいるけれども、

どうしても感情が優先されてしまう。

双極症の事を説明され、本にペンで線を引くなどして受け入れているつもりでも、

自分と周りにいる患者は違う世界にいる人間だと信じて止まない気持ちも同居している。

時間が経ってようやく状態が落ち着き、退院して社会復帰に向けて

次のステージへと進めたと思ったら、施設で出会った人がラーメンを褒めてくれたのを機に

また張り切り出し、コントロールが出来なくなってしまう。

 

早くラーメンを作りたい。こんな所で立ち止まっている訳にはいかない。

という想いが常にある玄(松浦慎一郎)。

その根底にあるのは、恐らく、小さい頃から2人暮らしだった妹・楓(土村芳)を

父親代わり、母親代わりで支えてきた背景があるからで、

俺がしっかりしなきゃという責任感と、周りを気遣える面倒見の良さが

家でも外でも長年染み付いちゃっているんですよね…。

だから、俺は大丈夫だからみんな邪魔しないでくれよ!と怒る気持ちも理解出来ましたし、

同時に、焦れば焦るほど心が壊れてしまいそうで、見ながら胸が苦しくなりました。

世間的には、その病気にかかったら大変・治すのは困難だと知られている糖尿病と同じで

共存し続ける病と言われたらね…

もしこの症状が再び悪化したら、今回みたいにまた仕事に支障をきたしてしまうのか…

また迷惑かける事になるのか…って思い詰めたくなりますよね。

 

まだ1歩目にも満たない、始まりの始まりの段階でラストを迎えましたが、

この人たちがいればきっと大丈夫だな…と

未来を想像出来る終わり方になっていてホッとしました。

仙川(小林薫)との繋がりがなかったら、解雇通告を受けた時に感情が一気に込み上げて

自殺行為に走っていた可能性だってあったかもしれない。

躁状態鬱状態の混合状態に入ったら…と弱井(中村倫也)が話していたのを思い出して、

あのシーンは本当にソワソワしていたんですよ。

そして、楓はパンダみたいな、優しさで出来ている旦那と結婚。

お兄ちゃんの事が本当に好きで、尊敬していたのだというのが分かって

ジーンともさせられるのでした。

 

今回は前回とは違い、1人の患者に関わる人数が多く、

新しい登場人物が次々と出てきたために、シリアスな雰囲気がより増しています。

それだけ、この病気の難しさを痛感させられる内容に仕上がっていました。

また、双極症がどのような症状なのか、どう向き合って行けば良いのかを

丁寧に描いていく作風には大変好感が持て、

原作を読まれた制作陣が、この病気について視聴者にも知って欲しいという熱意と意思が

ビシバシ伝わってもきました。

一方で、前回と今回で共通していたのは、「誰かに頼ってみるのも大切」だという教え。

症状は違えど、1人で抱え込んだら体に毒なんですね…。

自己主張があまり得意ではない、周りについ配慮しがちな人が

決して少なくない現代社会だからこそ、放送される価値のある作品だとも思います。

 

適役な役者さんも多かったですね。

調べたら、過去に視聴していた作品にも

何作か出演されていたようですが…(基本、中々顔が覚えられない人間なもので…(汗))、

本作でしっかり認知した松浦慎一郎さんは、

最初は近寄りがたいように見えて、実は妹に一途で情に厚い、

ラーメン屋ではバリバリ働いているという漢気溢れる玄にぴったりでしたし。

小林薫さんは…やっぱり、師匠役でキャスティングされるのに

とても説得力のある役者さんですよね。

道場に玄が訪ねても、その場から離れず座って待っているワンカットなんかはとても絵になって、

座っているだけなのに味わい深さがある…大御所俳優は凄いなぁと改めて思わされるのでした。

 

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新宿野戦病院 10話 感想|もう経験したくないはずなのに、歴史は繰り返されていく。

 

 

「歌舞伎町ウイルス」かぁ…中々ニクいネーミングですね。

キャバクラや風俗店が立ち並んで、トー横にホームレスにパパ活に外国人に…と

雑多な人間が集って、実際に犯罪も多いからこそ

物騒で近づきたくないという偏見の目で見られがちな街ですもんね。

最初の感染者がたまたまそこでホストをやっていたのを良い事に、

誰かが上記の通称をつけ始め、拡散されていく。

感染源はアメリカですし、ヨウコ(小池栄子)の言う通り、

その患者はアメリカから帰ってきた後はそのまま隔離病棟にいるのに。

「自分は関係ないから」「自分は"そっち側"の人間じゃないから」と蔑視しているから

そんな名前がつけられるし、広まっていくんですよね。

皮肉にも、歌舞伎町が舞台である事が活きたネーミングと展開だな…と思ってしまいました。

 

内容自体は、フィクションとノンフィクションの境界線があやふやな作りで、

まるで追体験をしている気分にもなりました。

あまりにもリアルなもんですから、思い出して苦しいだけなのになんでこの話を…と

嘆く視聴者がいても決しておかしくはないし、否定するつもりもないんですけど、

宮藤官九郎さんが描きたいのはきっと、

「コロナ禍で『もう二度とあんな経験したくない』と学んだはずなのに、

歴史は繰り返されていく」なんだろうと考えています。

聖まごころ病院の面々を見てみても、マスクを直用したがらない人もいれば、

食事中というマスクを外さざるを得ない状況にもかかわらず

パーテーションを頼りに大声で喋る人もいるし、

聞き取りづらいのか、そのパーテーションをずらす人もいる。

「コロナで"良かった"」と言われるほど強力な感染力を持つウイルスが流行っているのに…です。

時間が経てば、人々の多くは経験を学びに変えず、"昔の事"として忘れ去ってしまう。

慣れって恐ろしいなと、ヒヤヒヤしながら見ておりました。

私も今年の2月にコロナにかかったので…改めて引き締まる想いでした。

 

「人間の言う事は聞かないのに、ウイルスの言う事は聞くのかよ!」と怒りを露わにする

南(橋本愛)の発言もグサッと刺さりましたね。

あれだけ尽くして働いていた日々が無駄だったと言われているかのようで、

一気に虚しさを覚えてしまう。彼女の気持ちには共感出来ます。

Not Aloneだけでなく、警察官、ボランティア、介護士などなど…

歌舞伎町で働く人は同じ感情を抱えているのかもしれません。

けれども、病気になったら、命の危機に晒されていると感じたら

人間は皆平等になるのもまた事実であって。

南にとってはやるせないけれども…果たして、歌舞伎町を離れてしまうんでしょうか。

 

内容が内容だけに、さすがにいつもよりもシリアスな雰囲気にはなっていましたが、

「ありがとう、変態。良い患者です!」とか「そんなのビズリーチじゃん!」とか、

クスッと笑える台詞も健在な所は、やっぱりクドカン作品らしいです。

特にビズリーチに関しては、芸人さんのツッコミくらい切れ味が鋭かったですね(笑)

"抜け"の部分が散りばめられているので、話も重苦しくなり過ぎずに見られます。

 

宮藤官九郎さんも、コロナ禍初期に感染されていたご経験者です。

そんな方だからこそ、視聴者に言いたい・伝えたい言葉はたくさんあると思います。

最終回でどのような答えが出されるのか…見守っていきたいです。

 

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Shrink-精神科医ヨワイ- 1話 感想|心を和らげてくれる病院との出会い

 

 

中村倫也さん主演で、ハートフルな医療ドラマっぽい…?

そんなぼんやりとした認識で、事前情報はほとんど入れていなかったんですが、

今日はいつもの土曜ドラマ2本がお休みだったのでこちらを視聴してみる事にしました。

※8/31当時、記事は書きかけでした。

 

手堅い仕上がりになるだろうとは思っていましたが…

う〜んやっぱり、中村倫也さんの持つ優しく穏やかな声が、

弱井先生という人物と、本作の雰囲気と上手く調和しています。

世間からは「カメレオン俳優」と称されている俳優さんではありますが、

個人的には、優しい役を演じられている方が断然好きで。

「凪のお暇」のゴンさんとか、「珈琲いかがでしょう」の青山とか…

ごく普通の街並みの中にポツンとある、ちょっとだけ非日常的な、

癒しを与えてくれる空間に佇む役が中村さんの代名詞だと思っているくらいなので。

弱井の、フランスパンがそのまま入った袋を持ち歩いているという

海外じゃなきゃあんまり見かけないような姿も何だかしっくりきてしまいました。

 

初回のゲストは、これまた「珈琲〜」で共演されていた夏帆さん。

夏帆さんは私の中では、ドラマを見ているとどこにでもいる…

という認識でいる女優さんです。

つまり、ドラマに映画に引っ張りだこと言い換えられるのですが、

出演経験が多いのも頷ける演技でした。

息遣いの荒さがリアルなものですから、見ている側も心が苦しくなりましたし、

特に観覧車のシーンなんかは、思わず口をイーってさせながら見てしまってました…。

 

雪村(夏帆)の背景描写も説明臭くなく、

視聴者が自身の経験と重ねながら自然と共感出来るように描かれており。

ある程度大きな会社に勤めているから、育児で残業出来ないからこその

仕事で周りに迷惑をかけたくないプレッシャー…

噂好きのママ友、息子が楽しそうに話す友達家族のエピソード、元夫と義母など、

比較されて(して)しまいがちな環境にいる事で生まれる不安や焦りが

手にとるように伝わってきて、それが最終的に見応えに繋がったのではないかという気がします。

 

途中まであまりにも苦しい展開だったから…

義母・文世(余貴美子)には実は精神科に通いたいくらい辛い時期があったと

判明したラストには、私もホッとさせられましたね。

息子のダメさを自認している人だったのも意外でね(笑)

そんな正直な人から、雪村自ら勇気を出して助けを求める前に

「いつでも遠慮せず言ってちょうだい」と声をかけてくれたら

彼女の心は大分軽くなるだろう…と喜ばしく感じたのでした。

 

1人の患者のリハビリに医者と看護師が付き添ってあげられる病院は

現実世界には中々ないでしょうし。

心療内科も混み合っていると聞いています。

劇中の有名クリニックほど事務的な対応と行かないまでも、

患者が多ければ多いほど1人にかける時間も少なくなって、管理も増えて、

だんだん余裕がなくなる所はあちこちにあるんだろうなと思います。

でも、「新宿ひだまりクリニック」の描かれ方・設定はあくまでも、

精神科はあなたが不安に思っているほどハードルの高い所ではない…

というメッセージ性が込められたものであり、

アメリカの話があったように、気負い過ぎずに立ち寄れる場所になって欲しい。

そんな願いから、あの街中にある一軒家みたいな、素朴な作りになったのかもしれません。

 

そして、最後にもう1つ特筆しておきたいのがサブタイトル。

今回は「パニック症」、次回は「双極症」です。

このサブタイトルの付け方がまた、私にとってはおおっと目を引くポイントでもありました。

最近では呼称を変えている病院もあるようですが、

一般的に呼ばれているのは「パニック障害」「双極性障害」なんですよね(個人的印象)。

しかし本作は「症」という表記に改めているのです。

実際に「双極症」と検索してみても、サジェストや検索結果の1ページ目には

「〜障害」が先に出てきますから、恐らく制作側が意図的に変えているのでしょう。

確かに、「障害」「障がい」と言ってしまうと、もう治るのはほぼ不可能で、

今後一生付き合って行かなければならないと捉えられそうな

重〜いネガティブなイメージが付き纏いやすいけれども、

「症」は「症状」だから、"治る"の基準は個人差があるにしても、

いつか治る日がくるかもしれないという希望は少しでも持ちやすい。

弱井が「パニック症の発作で死ぬ事はありません。

それを知る事で症状は和らいで行くはずです。」と言っているシーンがありましたが、

本作の方向性に合った、配慮の行き届いた表記だと思いました。

 

パニック症は真面目で自己肯定感が低い人がなりやすいものだと

思い込んでいた私からしたら、脳の誤作動が原因だというのは初耳でしたね。

最近では民放でも増えてきましたが、普段はあまり取り上げられない、目立たない部分を

じっくり掘り下げてくれる作品との出会いは、本当に貴重でありがたいです。

現在、火10の感想が追いついていない影響で

実質週1ペースでの投稿になってしまっているので、

本作の感想は残り2話も書く予定でいますが(あくまでも現時点での予定)。

次回は録画視聴をするので、宣言通り上げるとしても遅くはなります…(汗)

 

 

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新宿野戦病院 9話 感想|色濃い日常からの…ロックダウン再び?

 

 

月曜日は休診日で、今日たまたまやってきたアメリカのケーブルテレビ局が

仕事ぶりを撮りたいと言うので、

久々にカンファレンスを開く事にした聖まごころ病院。

1つ1つのエピソード自体が色濃くて楽しめましたが、

カンファレンスで物語を展開していくという発想が、なるほどそう来たか!と思わされましたよ。

 

医療ドラマだと、病院の多忙な実態を演出するためか、

特に繋がりもないような2つの案件を同時進行で描く回は時々見かけますが、

確かに、「その日その日の出来事」としてしまえば、話に散漫さは感じられにくくなる。

元看護師が故に、医者に息子の治療方法を指示しようとし、

終始疑ってかかるモンスターペイシェント母。

大事な部分をカッターで切って搬送されてきたセラピストの男性。

失恋で生きる気力を失い、自殺を図ろうとした19歳の女性。

年齢も職業も動機もバラバラなエピソードが用意された事で、

歌舞伎町にある病院の日常ってこんな感じなんだな…と、

画面上では映されていない日まで想像しながら見られました。

 

そして、秀逸だと感じたのは、それぞれのエピソードと

個性豊かな医療従事者の絡め方にもあります。

例えば…1件目で、星崎(佐津川愛美)が強気な態度に出られたのは、

横山(岡部たかし)の顔が妻から「寝顔を見てると殺意が湧く」と言われるほど

逆撫でる顔だったからなんじゃないか…と周りに言われるのも妙に説得力がありますし(笑)

↑物腰柔らかな感じですもんねw

2件目で看護を担当した堀井(塚地武雅)も、前々回で、自分のカミングアウトで

母は本当は悲しんでいたんじゃないかと悩みを打ち明ける姿が描かれたお陰で、

患者にかける言葉にもより一層重みが増します。

3件目で担当した享(仲野太賀)は…個人的にはどうでも良く感じていた

南(橋本愛)と岡本(濱田岳)との三角関係話がここで活きてくるのか!?と

少し驚くくらいで、彼の着飾らない本音ダダ漏れの嘆きと、

歳の近いマユ(伊東蒼)がそばにいて心強かったからこそ、

患者もまた頑張ろうと思う事が出来た。

横山、堀井、享、マユ…個々のキャラクターが活かされており、

この患者にはこの人がいなければ成立しないと思わせてくれる

バラエティ豊かなエピソードに仕上がっていた気がします。

 

訴えようとしていた星崎のいる狭い診察室に、はずき(平岩紙)、享、啓介(柄本明)と

人が次々入ってきて混雑する流れも、事態はシリアスなんですけど

何だか舞台を見ているようでクスッとしてしまいました(笑)

ヨウコ(小池栄子)の説得により、星崎は改心。

そこからなんと1年が経過し…今回はあくまでも「嵐の前の静けさ」的な回だったのかと

思い知らされるラストで終わり。

嵐の前の静けさとなると、大体、次回に繋げようとして話が停滞する事が多いですからね。

内容が充実していた分、そんな悲劇が待っているなんて…という意外性がありました。

 

宮藤官九郎さんの脚本と言えば、定期的に震災が盛り込まれているイメージですが…

今回はまさかの、新種のウイルスによるパンデミック&コロナ再来ネタ。

宮藤さんからしたら恐らく、震災と同じくらい、ウイルス感染も

「巡り巡って、いつの時代にも起こり得る出来事」と捉えられているのかもしれませんね。

現実世界でも、あたかもコロナが消え去った風潮にはなっているけれど、

ニュースで明るみに出ていないだけで感染者はまた増えつつありますし、

地震、台風、コロナと、生きている間に様々な事を経験した今、

新たなパンデミックが起こってもおかしくはない…

もう「フィクション作品の中での出来事」とは思えないんですよね。

あえてこのタイミングで盛り込んだ意味。

それは…我々現代人への問いかけでもあるのでしょう。

コロナ禍が過去のものになりつつある今、果たして本当に乗り越えられたと言い切れるのか?

再び新種のウイルスが猛威を振るおうとしている時、

学びを活かしてきちんと向き合う事が出来るのか?

そんな考えが含まれていそうです。

 

来週は再び、病院がパニック状態になりそうですね。

最終回に向けて、どう着地させていくのか…ますます気になります。

 

 

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新宿野戦病院 8話 感想|お互い円満な形で区切りをつけられたのが救い…なのかな。

 

 

今回のOPのナレーションは日本語。

使われるとしたら最終回だと勝手に思っていたので、なぜ8話で?とちょっと意外に感じていたら、

旦那がハプニングバーにいるんじゃないかと推測した白木(高畑淳子)の怒りを

時代劇風にコミカルに演出するためっていうのもあるけれど(笑)

今回描かれた事件で、あぁなるほど…と納得。

「様々な事情を抱えた人が雑多にやってくる歌舞伎町」を表現するためか、

毎回異なる言語でその街が紹介されてきた訳ですが、

あえてこのタイミングで日本語にした事で、本作はあくまでもフィクションだけど

2024年の、現在の日本と地続きなのである…というのをさらに印象付けていたように思います。

 

それにしても、今回起こった火災事件とその実態はより一層リアリティがあって、

どうしたってあの某制作会社の事件を彷彿とせずにはいられませんでしたね。

本作の場合は雑居ビルですし、犯人特定までの流れも一捻りあったんですが。

犯人が重傷で優先的に治療されるというシチュエーションと、

犯行動機が「むしゃくしゃしていた。誰でも良かった。死刑になりたかった。」となるとね…

重なってしまう訳ですよ。

 

生配信を意味深な様子で見ていたシーンから、

アイドルに付き纏っていた後藤(北野秀気)が逆上して

雑居ビル爆破を実行したんじゃないかと思い込んでいたので、改心していたと分かって安心。

(↑赤いミサンガをつけていたから余計に…宮藤さん、確か朝ドラをご覧になっていたようなw)

別の人となると、じゃあ、ひょっとして白木の旦那なの…?と一瞬過ぎりもしたけれど、

爆破事件に関わっていなければ、無事に戻ってきてそこもまた安心しました。

惨たらしい事件描写の中で、自身がかえで(田中美久)に対して歪んだ感情を抱えていた事、

それで彼女を不安にさせていた事を反省し、

かえでも彼の誠実な態度を受け、心曇りなく卒業出来て

お互い円満な形で区切りをつけられたという所が、

唯一のファンタジー要素であり、救いになっていたのかなと思います。

 

でも、その後が良い方向に向かうかどうかは…。

もしかしたらかえでが、今回の事件の事でフラッシュバックを起こして

芸能活動を休止する可能性だってあるかもしれないですし、

後藤は犯人ではなかったものの、世間からは「ストーカー」として認識されたまま。

2人の今後は大丈夫だろうかと、気になってしまうのでした。

 

火災シーンや爆破シーンの映像は一切差し込まれませんでしたが、

それでもかなり緊張感がありましたね。

山とか、海とか、トンネルとか、そんな大規模な舞台を取り入れなくても惨事は伝えられる

というのが証明された展開・見せ方でした。

…大事故に見せようとしてCGを取り入れたら、

かえって安っぽく見えるケースもありますしね(苦笑)

事件が起こった日の流れを表す時刻の演出と、

「事件の関係者(被害者・加害者)」に誠心誠意向き合う医療従事者と警察の動向に絞って

描かれていた事が、ドキュメント映像かのような見応えに繋がったのではないでしょうか。

そして、肝心の焼けたビルの映像は、ラストにさらっと映して終わりなのは

視聴者への配慮を感じさせると同時に、

南(橋本愛)の「誰でも安心して遊べる、健全かつ衛生的な、若者の街」のナレーションに合わせて映された事から、

そう信じている裏で危険が潜んでいるかもしれないよ?という皮肉も感じさせました。

 

「I'm doctor! 被害者だろうが加害者だろうが人殺しだろうが絶対殺さん!」

「ずーっと交代で見てたんだ。ド素人はすっこんでろ!」

いやはや…ヨウコ(小池栄子)も啓介(柄本明)もかっこよかったなぁ。

特にヨウコの言葉に関しては、いつもそうですが、決め台詞っぽい演出を入れず「これが私のやり方だから」と言わんばかりにナチュラルに魅せているのが最高なんですよね。

医者としての矜持をしっかり持っていて、それを相手に声を大にして伝える所なんかは、"親子"だな…と思わされるのでした。

 

 

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新宿野戦病院 7話 感想|「かわいそう」「大変ね」の裏に隠された繋がり

 

 

主題歌のいつものイントロが聞こえてきた途端、

おお、もう終わったのか!と思ってしまった今回。

思いがけず良いお話でした。

ラストはほぼ毎回、次が気になるような終わり方をするだけに、

子供らしい純粋さが滲み出る、前歯のない少年の笑顔のサムズアップにつられて

周りも安堵から同じポーズをとる…という優しさに溢れた空気感に

しみじみと見入ってしまってました。

 

今回深く掘り下げられた人物は、堀井(塚地武雅)とその母・育江(藤田弓子)親子、

アパートで亡くなった独居老人・田辺の3人。

堀井の境遇は、親には中々理解してもらえないという意味で。

育江と田辺…いわゆる「高齢者」は、認知症や介護問題は中々避けられないのはもちろん、

ニュースではマンションやアパートでの孤独死や、

アクセルとブレーキの踏み間違いで自動車事故を起こしやすい年代として取り上げられやすい

という意味で、世間的には「かわいそう」「大変ね」といった気の毒なレッテルを貼られがち。

しかし、3人の人生はそう辛く悲しい事ばかりでもなかったのです。

 

田辺の場合、1週間前にアパートを訪ねていた娘は

孤独死なんて、情けない」と嘆いていたけれども、

実際は聖まごころ病院の常連さんとの付き合いが多く、ベッドにたくさんのお供物が渡され、

彼はいつも充実した日々が送れていたんだろう…というのが察せられる

エピソードに仕上がっていました。

 

そして堀井に関しては、自身が幼い頃から感じていた違和感を理解してくれた母親がいながらも、

親の望んだ"男らしい"人間にはなれなかった、期待を裏切る事になってしまった

後悔や罪悪感からお父さんを演じていた部分もあったのかもしれませんが、

寝ている母におやすみと言った時の微笑みの表情が何だか忘れられなくて。

男とか女とか関係なく、子供から母親への純粋な思いやりが感じ取れて、

ちょっとほっこりした気持ちにさせられたのかもしれません。

20代で若くして家を出て行った分、あと何年一緒にいられるかも分からないからこそ、

せめて母の好きな亭主関白の父になりきって、

悔いのないように少しでも母を幸せにしてあげたい…

それは立派な親孝行で、仮に演じていると知っていても、本当に知らなかったとしても、

育江は我が子の愛情が嬉しかったんじゃないかと思います。

…親子の時間が育めたから、認知症を受け入れるという現実にも向き合えた訳ですしね。

 

あと、これはあくまでも想像の域ですが、

堀井がお父さんを演じてもなお「ペヤング」というワードを口にしていたという事は、

もしかしたら、父もペヤングが好きでよく食べていたんじゃないかな?とも。

父に影響されて食べるようになったのか、

親子で好きなものが同じだったのかもまた分かりませんが…

気持ちが離れ離れのままだったとしても、父と子を唯一繋ぎ止めてくれたのが

ペヤングだったら良いな…と思ってしまいました。

 

高齢者問題とジェンダー、普段なら交わらないであろう2つのエピソードから見えてくるのは、

自分たちが"その人"を知らないだけで、

目に見えない所で優しい繋がりはあるかもしれない…というもの。

性別ではなく、ただ優秀な看護師が欲しいと言って採用してくれた

啓介(柄本明)も頼もしく映りました。

 

個人的には、5話に並んで…いや、5話以上に?好きな回になりそうです。

 

 

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新宿野戦病院 6話 感想|亀甲縛りに歌舞伎町浄化作戦に検査の重要性に

 

 

あー…前々回と前回は見やすい・分かりやすい内容になっていたのに(苦笑)

またガチャガチャ感がぶり返してきちゃいましたねぇ。

 

それもそのはず、ヨウコ(小池栄子)が日本の医師免許を所持していなかった事、

ヨウコは啓介(柄本明)がリツコ(余貴美子)と関係を持って生まれた娘である事、

南(橋本愛)の裏の顔がSM嬢である事…という

3つの衝撃的な秘密を一気に明かし、1話内で同時に動かしているんですもん。

で、そうなってくると、ヨウコはヨウコで解決しなければならない問題が出てくるし、

享の場合は、元々一目惚れしていた南へのモヤモヤの払拭に走りたくなる。

つまり、単独行動が増える。

 

今回は3話以前のように、個々で物語を展開していく形をとっているため

話が散漫になりがちなのに。

前回と同じく、中々テレビでは取り上げられにくい問題を取り上げ、

宮藤官九郎さんご自身がシャイな性格なのか、

真面目さとバランスを取るかのように小ネタやギャグをふんだんに盛り込むから、

何をどう見て良いやら…背中の痛みを甘く見ちゃいけないのと、

毎年の検査でもがんで手遅れになるケースはあるというのを

伝えたいんだと分かる終盤まで困惑しました(汗)

 

いや、正確には、ガチャガチャよりチグハグに近いんでしょうかね。

1つ1つのネタには笑えるんですよ。享と啓三の弱点とツッコミが一緒な所とか(笑)

だけど、TBSで長年の付き合いである磯山Pや金子監督なら、

あれも書きたい、これも入れたいという宮藤さんのある種の暴走をコントロールして、

絶妙な塩梅に持っていけそうな所を…

本作の演出家陣は、まだそこの連携が上手くとれていないんだろうなとは思います。

言葉を選ばずに言えば、宮藤さんの意思を尊重して、やりたいようにやらせたら

それが内容に反映されてしまったという感じ。

ただ、日本の医師免許不所持の件以外は解決出来たみたいなので、

次回からは4・5話の、1つの物事に聖まごころ病院のみんなが向き合う

路線に戻る事を期待したいです…。

 

次回は最も謎のヴェールに包まれている堀井(塚地武雅)メイン回になりそうで。

初期の頃だけですが、初回放送前からSNSでプチ炎上していた分、

男なのか女なのか問題にガッツリ触れているのにヒヤヒヤしていた部分もあったので…

なるほどな…と思えるオチだったら良いなぁと。

いや、でも…あの人は兄妹(姉弟)?他人の空似??

 

 

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