冒頭から超個人的なイメージを書いてしまうと…
宮藤官九郎さんの脚本は、私にとっては
ゴーヤチャンプルーみたいなものだと思っているんですよねぇ。
コメディタッチで展開されていく物語に
最初は「なんじゃこりゃ!?」とあまり惹かれずにいるんですが、
回を重ねるにつれて台詞から"真意"が見えてきたり、伏線が回収されたりして
その作品の良さがだんだん分かってくる…みたいな。
つまり、初回の段階だと、独特さの方が勝ってしまって掴めない事が多い。
そんなイメージを抱えていたからか、本作は大衆受けしやすいように
"クドカン節"が抑えめに作られていたのが意外でした。
控えめに作られていると言っても、台詞の節々から出てくるキワドさや面白さは健在だし、
特に「退院しました!」「実は録音してました!」っていうくだりは
とんでもなくひどい(笑)←褒めてます
「さんたまプロレス」も、多分視聴者が「あれ一本足したら…」と想像するのを
分かっている上で設定したんだと思ってます。
でも、笑えるやり取りをトントン拍子で進めていった分、後半の重さが効いてくる。
認知症疑惑のシーンでは、空気を読まずに答えまくる秀生(羽村仁成)の存在が
気まずい雰囲気を作るのに一役買っていて、
徐々に神妙な面持ちになってしまう大人たちから考えさせられる"余白"が感じ取れましたし、
「介護に特別な感情を持ち込まない方が良いですよ」
「介護保険サービスを受けるのは国民の権利」などと、
介護が軸の話だけあって、かなり現実的な面にも触れている印象がありました。
しかし、本作が一番伝えたいのは、きっとそこではない…んでしょうねぇ。
寿一(長瀬智也)が「なんで俺が」というような言葉を
風呂場で投げかけた時にハッとしましたよ。
25年間顔を見せていなくても"家族だから"いつまでも繋がれるけど、
逆に顔を見せなかったから「普通に介護出来るよね?」と圧をかける
父親の呪いもこの物語には含まれているんだと。
そんな感じで、表向きは楽しいけれど、深く深く本作を捉えて行ったらゾワッとさせられる…
コメディとシリアスが同居した、
毎回見終わった後に不思議な余韻が残る作品になりそうな予感がした初回でした。
戸田恵梨香さんの悪い女っぷりも新鮮で、堪らんですね。
細い方だから、寿三郎(西田敏行)の膝の上に乗って軽い!って言われるのも
全然頷けますし(笑)
次回予告で後妻業かどうかを言及されているあたり…多分違う目的があるんでしょう。
家族のしがらみの中で、他人のさくら(戸田恵梨香)が
どう関わっていくのかにも注目したいです。
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