2023年夏ドラマ-ばらかもん一覧

ばらかもん 11話(最終回) 感想|"ともに"生きていくんだね。

 

 

なる(宮崎莉里沙)はやっと「お父さん」と呼べたけれども、

正式に"親子"の関係になってからは

父・優一郎(岡田義徳)とは再会出来ないままでしたし、

美和(豊嶋花)もお酒や経営の勉強をするシーンはなし。

そして、調理師を目指しに東京へ行った浩志(綱啓永)もまだまだ駆け出しの状態で…と、

それぞれの未来を描き切らないまま終わった最終回。

最後だからと何年後の世界もガッツリ描かない所が、

島ならではの伸びやかさも感じられつつ、余韻が残っていて良かったです。

 

もしかしたら続編があるのでは?って期待するよりかは、

このドラマの世界で生きる人々の日常は、私たちの見えない所でも

今後ずっとずーっと続いていくんだろうなぁ…と想像出来る、

そんな内容に仕上がっていました。

 

ただ1つ惜しい所を挙げるとするなら、

「田舎は温かい」「田舎の人は優しい」といった先入観を持つYouTuberが

清舟(杉野遥亮)との関わりを通して変わっていく前半のエピソードは、

別に最終回に持ってこなくても…とは思いましたね。

「先入観の払拭」を描いた前半と、「離れていても繋がっている」を共通項に

清舟と清明遠藤憲一)、なると優一郎、美和と巌(宍戸開)の

3組の親子の強固な関係性を描いた後半のエピソードはテーマが違い過ぎて、

個人的には、同じ1話内での話なのに全然噛み合っていない印象を受けたのです。

実際、CMが明けてからYouTuberはしれっといなくなっちゃってましたし(笑)

清舟が島の人として認められる回は以前にありましたし、

YouTuberと対になるようにして描かれた、郷長(飯尾和樹)の

"田舎の人だから"優しいって訳じゃなく、

1つ1つの行動にもちゃんと理由があるのだととれる発言はタメになっただけに、

清舟と、過去の自分を彷彿とさせる彼らの交流は

丸々1話分で見たかった気がします。

 

本作、「今回の話はこの段階で描かない方が…」とか

「単独の話でも行けたんじゃ…」とかっていうツッコミはもちろん、

堂々巡りな話も何回かあって、

全体構成において、気になる部分がちょいちょい見受けられたのは勿体なかったですね。

 

でも、そこを含めても、好きな作品として記憶に残り続けると思います。

島が舞台で、書道が取り入れられていて、ハートフルで、主人公の成長物語で…って

私の好みの要素が全部詰まっている時点で間違いなし!ではあったんですけど、

明確な答えのない芸術の世界で「自分らしさ」を模索していく姿を

コツコツと描いている所に心動かされる作品でした。

分野も次元も違いますが…私もこうしてドラマ感想ブロガーをやっている身で、

誰かの素晴らしい感想を読んだ時に、自分の語彙力と文章力のなさに落ち込んだり、

感受性豊かな人が時々羨ましく思えたり、

プレッシャーに押し潰されて、どうやって言葉に起こせば良いのか分からなくなったりする事が

何度も、今もあります。

だからこそ、「俺は父さんみたいにはなれない」

「島にいるからこの作品が書けた」と言いながら

繊細な一面を見せる様子には強く共感させられましたし、

成功と挫折を繰り返した結果、書道教室を開くという新たな夢を見つける清舟の成長には

元気づけられた気がして、どことなく自分と重ねながら見てしまってました。

 

清舟が最後に書いた字は、初回と同じ「楽」。

初回では1人で書いていたのが、最終回ではなるを初めとした子供たちにも

サポートしてもらいながら書いている辺りに、

島に来てからの清舟の変化と「こんな書道家でありたい」という決心を感じさせましたね。

道教室の先生になって以降は、"書道家"として書に向き合う事から遠ざかっていた彼が

久しぶりに書いた字が「楽」っていうのが良いなぁと。

今後また壁にぶち当たる時が来たとしても、みんなで作り上げた「楽」の思い出があれば

きっとまた乗り越えられるだろう…そう思わせてくれるだけでなく、

ラストでは、もう1つ初回の象徴的なシーンだった夕陽を重ねて、

なるとこれからも共に生きていく事が示されていて、希望の持てる締めだったと思います。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

 

↓今までの感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


ばらかもん 10話 感想|時間は流れ続けるからこそ…

 

 

本来経営者である自分がやるべきお金の内訳作成を

川藤(中尾明慶)がやってくれてニヤリ…じゃないのよ、清舟(杉野遥亮)(笑)

でも分かる。付き合いが長ければ長いほど、相手の方が何だかんだで世話を焼いて、

面倒な事も結局1人で引き受けてしまうのってあるあるなんですよねぇ。

 

今回は、清舟のマネージャーで、どうやら"親友"で、酒癖が悪い以外に

あまり深く描かれる事はなかった川藤と2人の関係性に

やっとスポットライトが当たりました。

困ったらすぐに川藤に助けを求めるような目で見てくる清舟の様子も含めて、

清明遠藤憲一)とは別ベクトルで、長年支えてもらっていて、

マイペースに生きる彼を軌道修正してくれる人だったんだろうな…という

明かされない学生時代まで自然と想像させられました。

 

また、前回でなる(宮崎莉里沙)が清舟に対して

「半田先生は半田先生。それ以外思いつかないよ。」と返していたけれども、

今回では川藤が「半田先生は半田先生だろ」と言っていたのが、妙にジーンと来てしまって。

言葉を反復させる事で、清舟にとってはなるの他に、

川藤も特別な存在なのだと思わせる描写をしてきた所も良かったです。

で…なるはなるで、「仲直り」ではなく

「仲直し」って言い切っちゃう所が彼女らしいなぁ…と。

そこにはきっと、人付き合いが当たり前にある島で生きてきたからこその、

"日常"が消えないで欲しいという切実な願いが込められているんでしょうね。

川藤が経営方面でフォローする一方で、

なるは2人の人間関係を繋ぎ止める仲立ち的ポジションで徹底していて、

両者の優しさを感じさせる内容に仕上がっていたと思います。

 

他にも、美和の父・巌(宍戸開)が酒店を畳むという

サブエピソードが用意されていましたが、

これが何気に、今回の話の軸になっていたんじゃないでしょうか。

店を畳む理由が、市内に大きなスーパーが出来たから…との事でしたが、

地元の人々との交流重視でゆったりとした商売をやろうが、

利益重視で積極的に商売をやろうが、時間は流れ続けて、いつか終わりが訪れる訳で。

つまり、不変なんてものはないというのを示しているのです。

 

そんな酒店と対比させるように、清舟が書道教室を一から作ろうとしている過程だけでなく、

将来の夢が何なのかが分からなかった美和(豊嶋花)が

父の店を継ぐためにお酒や経営の勉強をしたいという夢を持ったり、

彼女に触発された珠子(近藤華)がコンクールに出す用の原稿を思い切って投函したり、

試験に落ちた浩志(綱啓永)に再びチャレンジするよう背中を押す清舟だったり…。

時間は待ってくれないからこそ、後悔する前にそれぞれが新たな一歩へと進み出す姿が

描かれていたのが印象的でした。

それと同時に、見た者がインスピレーションを受けて行動に移すのが

芸術の理想のあり方だと思っている私からすれば、

清舟の動きに次々と影響を受けていく様はまさしく、

彼がいつも言っている「字で人の心を動かす」を体現していたとも思います。

 

東京で挫折した清舟が島で一念発起…誰かに支えられている事を知る…

設定だけ見れば、やはり堂々巡りな感じではあるんですが。

ただ、前回とは違って、今回は島ならではの"人と人との繋がり"が

直に伝わってくる内容になっていたので、満足に見られましたね。

 

世間知らずだった清舟が独自の書道教室を開くというエピソード自体は、

ビジネスドラマとしても純粋に楽しめそうな気がしただけに、

いきなり半年後に飛んだのは驚きましたし、

正直、後半になってからお別れを仄めかす頻度が高くない?とも思わなくもありません。

でも、いろいろ言いつつ、最終回は寂しさで目頭が熱くなってしまいそう…。

余韻たっぷりのラストで終われる事を願います。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 


ばらかもん 9話 感想|なんとなく堂々巡り?

 

 

前回でなるの父親に、自分の代わりに面倒を見てほしいと

託されたエピソードを反映させているためか、

動物園でなる(宮崎莉里沙)を肩車したり、公園で気にかけたりなど、

いつにも増して、清舟(杉野遥亮)の行為の節々に"パパらしさ"が垣間見えた所や。

島に来ても住民たちからは他人行儀な態度をとられる神崎(荒木飛羽)と対比させつつ、

東京では呼ばれない「半田先生」というあだ名が島では定着している辺りに、

清舟のもう1つの居場所がそこで徐々に構築されてきているのが

感じられた所は良かったんですが…

この2点以外を除けば、今回の話は全体的に「んん?」ではありましたね。

何と言うか…堂々巡りになってしまっているのかな?

 

個人的には、5話・6話前半・7話の内容を混ぜて

焼き直しされているように見えたんですよね。

だって…今回の「島に戻る」のくだりも、

なるとの会話で自分の進むべき道が見えてきたくだりも、

5話で、東京でなるたちとテレビ電話をして、

彼らの存在が創作活動の励みになっていると気づいたエピソードで描かれていますし、

「石垣」という作品を描いた事で、

清舟自らが「方向性が見えた気がした」とも既に語っているんです。

そして、7話の親が島に来る話では、清明遠藤憲一)と書道対決をする形で

自分では到底超えられそうにない父の偉大さを悟って不安になっていましたし…。

だから、今回で父の仕事ぶりを見ながら

「俺は…親父みたいになるのは無理だって思っちゃったんだよ」と言っているのを聞いて、

7話ではお互い"ライバル"として認め合ったのに、

また、父親=師匠を"世間に認められる書道家"の基準とする

考え方に戻っちゃうの?とも思えてなりませんでした。

 

これ…思うんですけど、6話の内容はどこかに回して、

7話での父から学びを得るエピソードを今回のエピソードに置き換えて、

その置き換えた話を5話と同時進行させても支障はなかったのかもしれませんね。

ややこしい言い方ですみませんが…(汗)

つまり、コンテストの関係で東京に戻ったつもりが、

清明からのお願いで、そのままホテルでの仕事を手伝うという流れにするんです。

で、父の作品に圧倒された清舟が、自分らしい作品が何なのかが分からなくなって

模索した結果、あの「石垣」に辿り着いて、島に戻る事を決断する…と。

 

どちらが子供の心を惹きつける字を書けるか競い合う対決は

それはそれで両者の個性が見えて面白かったですし、

防波堤で約束を交わすシーンも、男性同士ならではのロマンと固い絆を感じさせて

うっとり見入ってしまったんですけど。

よくよく考えてみたら、別に島での話じゃなくても良かったのかな?という気はしましたね。

今回の、清明が息子に、本格的に自分の手伝いをして欲しいと頼むのだって、

「石垣」を見て、息子が殻を破れたのを確信したから…が動機になっていても

おかしくはなかったと思います。

 

まぁ、あの内容を持ってきたのも、最後の清舟の衝撃発言も、

最終回に向けての準備も兼ねているからなのかもしれませんが…ちょっと強引でした。

6人をタイル状に並べながら「それぞれの未来は」という

テロップを表示させての次回予告も、物凄く最終回感が漂ってましたよね(笑)

清舟以外の人物にもスポットは当たっていましたし、

当初から「自分らしさとは?」をテーマに物語が紡がれてきたので、

それぞれがどの道を選択するのか?が本作のゴールになるのも妥当ではあるんですけど、

急激にクライマックスを匂わせて来たなぁ…って印象です。

 

でも、基本好意的に見続けている作品ですし、登場人物も愛しい人たちばかりなので。

最後まで本作を応援します!

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


ばらかもん 8話 感想|たとえ他人だったとしても

 

 

「お手本のような字だ」と言われたのを機に五島列島に移住してからは

自身の殻を破る作品を次々と生み出し、

その原動力になっているのは島の人々の存在だと気づき、

唯一超えられない壁を感じていた父・清明遠藤憲一)とも

師弟の関係性からライバルの関係性に変わり…と

様々な経験を通して書道との向き合い方を確立出来た今、

清舟(杉野遥亮)にとって次のフェーズに移った回だったように思います。

 

今回、書道要素がいつもより薄めだったのがそれを物語っていた気がします。

当初は"面白い作品"を書かなきゃと焦って、1人で籠る時間を作っていた彼が

住民のプライベートに積極的に関わる姿には、何だか感慨深いものがありました。

 

そんな世話焼きな清舟に加えて、天真爛漫ななる(宮崎莉里沙)が珍しく涙を流していて、

2人の新たな一面を見られた点でも印象に残るお話でした。

なるが空をよく見上げていたのは、また来年、飛行機に乗ってやってくる父親に会える日を

楽しみに待っていたからなのかな…と思うとちょっぴり切なかったですね。

 

父親に想いを馳せるシーンは他にもあって、

例えば、毎年プレゼントをくれる感謝の気持ちを伝えるために、

人目のつきやすい港で楽しそうに飛行機のおもちゃで遊んでみせたり、

缶蹴りで遊んでいるのを口実に、思いっきり抱きついてきたり、

「本当に欲しいのは、飛行機のおもちゃじゃなくてパパともっと会える機会だよ」

という本音が聞こえてきそうな、今までのおもちゃを返す行為だったり。

あれってもしかして?と想像を膨らませる事も多かったです。

 

本作は登場人物の心情をモノローグや台詞にして書き起こすのが特徴的ではありますが、

なるの口からは、謎のおじさんの正体が父親である事や

飛行機のおもちゃを送ってくれていた事に気づいていた旨が少し語られただけで、

あの頃とっていた数々の行為の理由を彼女や清舟が

説明・解釈する形をとらなかったのにはホッとしました。

 

で、もう1つ見ていて思ったのは、今回のお話は島との相性が抜群だったなぁ…という所。

何と言うか、青・緑の自然豊かなロケーションだけでも十分、

大らかさと癒しの空間を作り出す演出になっているんですよねぇ。

まぁそれは、視聴者の心に響くような撮り方が上手いって事にもなるんですけど。

 

特に、ああ、このシーン素敵だなぁ…と感じられたのは、

父親を清舟となるがバス停で見送る時の、適度に晴れた空と森が引きで映されたシーンと、

「俺はお前の先生だぞ」と清舟がなるに元気づけた時に、

波の音が聞こえる海が背後に映されたシーンでした。

前者の方は、田舎ならではののどかな風景が

親の実家に遊びに行く夏休みでしか見られない特別感で溢れているように思えて、

それが年に1回の父親との再会という別の特別感と重なって

お別れが迫る哀愁を漂わせていましたし。

後者の方は、どうしても重くなりがちなテーマを、

リラックス効果のある波の音を流す事で緩和させているように思えました。

穏やかなイントロで始まる主題歌のタイミングも良く、

海から父親の乗るバスへと場面転換する辺りでかけたお陰で、

また来年も会えますように…と少し希望の持てるラストになっていた気がします。

 

家族ではないけれど、"先生"として、なるとより一層絆を深め合えた清舟。

最初は、親がいない…どうしよう…と悩んでいたなるが

授業参観に清舟を招待した件だけでも微笑ましいんですが、

周りの保護者が書の技巧について褒める中で、「父」を書いた意味を

清舟となるだけが知っているととれる、特別な関係性を仄めかす見せ方も粋でした。

「父」…その字を教えたって事は、父親から「よろしく頼む」と言われた通り、

ある意味、自分が父親代わりとなってなるを支える"決心"も含まれているのかもしれません。

 

「必要なのは確信じゃなくて覚悟だろ?

最近の若者は夢を叶えるのに他人の太鼓判を欲しがるのか?」

「お前が自信あるならそれで良いんだよ」

清舟のこの言葉でハッとさせられた浩志(綱啓永)のエピソードも、

この時期になってくると、進路で悩み始める学生も多いんだろうなぁ…と思えるだけに

もっと踏み込んで見てみたかった気持ちはありますが、

メインとはガッツリ繋がらない話も用意されている構成もまた、

いろんな想いを抱えながら生きている"日常"という事で。

とは言え、そう励まされてからは、なるに料理の腕を振る舞っていたので、

ちょっとずつ進歩していっている様子は見えますね。

 

次回は再び東京での話で、何だか落ち着きがない感じがするんですけども。

でも、そろそろ終わりが近づいている訳で…寂しさが増す一方です。

 

ところで…誕生日プレゼントでプチプチを渡していた所で

マルモのおきて」を思い出した視聴者は私だけじゃないはず(笑)

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


ばらかもん 7話 感想|防波堤で誓った父子の約束

 

 

やっぱり良いですねぇ…親子でのやり取り。

個人的な好みですけど、昔から父親と息子の関係性にほんの憧れを抱いているんですよ。

清明遠藤憲一)がきっかけで書道家を目指した清舟(杉野遥亮)の想いも頷ける、

素敵なお父さんでしたね。

 

突然の古代文字だったり、ひょろひょろ字だったり、

変化球の書で清明が子供の心を掴む術に長けているのは一目瞭然なんですが、

清舟も清舟で邪念は入りつつも、子供の目線に立った書を生み出そうと心がけていて、

そこもまた彼なりの良さではあるんですよね。

島の人々との交流がなかったら、独自の表現方法を追求するのにこだわり過ぎて、

誰が、どんな気持ちで自分の作品を見ているのかを考える余裕は持てなかったかもしれない。

清舟本人は父の凄さを改めて思い知って、自分は全然成長出来ていないんじゃないか…と

否定的になるんだけれども、自分自身を卑下していると悟ったのか、

そんな息子の書の向き合い方を"才能"だと認めて、

「お前の書は、努力と意地で人の心を打つ」と鼓舞してくれた清明の頼もしさには

グッと来てしまいました。

 

その後一瞬風が吹いた事で、清舟は斬新な作品を作り上げる。

それでますます、自分の知らない所で新しい事をどんどん吸収して

成長していっているのだと察した清明が、

今度は自分を超えてくる可能性のあるライバルだとみなし、

期待の意味合いも込めて、仕事を手伝ってもらおうと頼む気になったんでしょう。

そして、同時に"師匠"として、夕陽の見える防波堤で、

どんな状況でも書ける時を見つければ、それがお前にしか書けない書になる…

そう助言をするシーンは、実にロマンが溢れていました。

あの光景も含めて、清舟にとっては今回の出来事もまた

人生の1ページに刻まれていくんだろう…というのが想像出来るシーンでした。

 

ちょっと惜しいのは母・えみ(長野里美)の扱いで、

今回の内容において、存在意義があるような、ないような?で

中途半端な立ち位置で終わってしまったのは気になりましたね。

だって元々、清舟が島に「帰ろう」とする事に酷く反対していた人じゃないですか。

まぁ、前回の清舟と子供たちのやり取りを見て改心はしていたんですけど…

例えば、旦那と息子の書道対決で、差し入れを配るなどして2人を支えるとか、

防波堤のシーンにしても、あの場に2人だけしかいないと思いきや

実は遠くから見守っているのが分かるカットを最後に挿入するとかして、

島に行ってからの清舟の成長を強く実感する描写を加えてみても

良かったのかもしれません。

ついでに言えば、お見合い話も特に…ではありましたね。

 

書道家の父と子の話から、次回はなる(宮崎莉里沙)と父の話が描かれるそうです。

今回の冒頭では、前回のヤスば(鷲尾真知子)の死を受けて、

彼女が小さい頃からあったとされる

穴の空いた岩のある神社のエピソードが描かれていたように、

「伝統・世代交代」→「(世代と言えば)親子」→「もう1組の親子」で、

少しずつテーマを変えながら、緩やかに各話で繋がりを持たせる構成になっている所も、

原作の実写化とは言え、何気に工夫されていると思います。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


ばらかもん 6話 感想|ヤスばとの思い出は、これからも

 

 

初回での印象的なやり取りや要素を重ね合わせる形で

清舟(杉野遥亮)の心機一転を表す演出は洒落ていたのですが…

今回の構成について、ちょっとだけ気になった事を。

 

前半は母・えみ(長野里美)を説得するエピソード、

後半は住民たちがヤスば(鷲尾真知子)との別れを経験するエピソードで

分かれていましたが、正直、これ…それぞれ単独の話でも

良かったんじゃないかな?とは思ってしまいました。

単独でも行けそうな話をくっつける事で、まとまりがなくなると言うか。

いや、次回予告を見る限り、両親が島にやってきてお見合い話を持ちかける…

という展開をやるのであれば、えみの必死の抵抗や、

前半は丸々カットしても支障はなかったのかもしれませんね。

まぁ、気になった部分への言及はここで終わるとして…。

 

今回特に刺さったのは、後半のヤスばと住民たちとのエピソードでした。

劇中に登場する糸巻き車というおもちゃは、

何度も遊べばゴムが劣化するなどしてそのうち進まなくなる、

勢い良く進んではパタっと止まる点で「生と死」を象徴するアイテムとして描かれています。

このアイテムが後半のテーマに一貫性を持たせていたのはもちろん、

ヤスばに作り方を教えてもらった思い出は、当時は子供だった育江(田中みな実)にも、

美和(豊嶋花)や珠子(近藤華)にも根付いていて…

今度はその教えがなる(宮崎莉里沙)たちにも受け継がれていく様は

まさしく島ならではの「伝統」「世代交代」を物語っているようで、

話に深みを与えてくれました。

 

死を扱うとどうしても湿っぽくなりがちなんですが、

本作の場合は、感情を全面に出し過ぎない描写になっていたのが意外で。

いざ葬儀の準備が始まれば、忙しさに追われて悲しむ暇がなくなるにしても、

他人の家にフラッと入っては助け合いをするほど親密な関係性ならば…

ましてや、長年この島で暮らしてきたであろうヤスばが亡くなったとなれば

ショックが大きいんじゃないかと思っていたんですが。

きっと、なるにも言っていたように、みんなには笑顔でいて欲しいというのが

彼女の"願い"だったのかもしれないと分かってからは、

住民たちの賑やかな様子も腑に落ちましたね。

 

そして、島には大名行列という風習があるみたいなんですが、

これがまた、私としては結構衝撃的だったのです。

葬式と言えばやっぱり連想されるのは、黒い喪服に、白の空間。

でも、大名行列はそれとは真逆で…

桜の花びらを撒きながら、カラフルなのぼりがずらっと並ぶ光景を見て、

こんなに華やかな見送り方があるのか!と驚かされました。

でも、この感覚は、今まで都会で育ってきた清舟も同じく受けている事でしょう。

「俺、ヤスばとの付き合いは短いけど、村の人たちの中で生きているヤスばと、

これからも付き合っていければ良いなって思います」

微かに微笑みながら、育江に一礼をして去る彼の姿から、

彼もまたこの光景が、一生心に深く刻んでおきたい記憶になるのだろう…

というのが想像出来ます。

 

スタッフクレジットは冒頭で済ませて、主題歌も流さず

清舟となるが一緒に月を見るシーンで終わるのも、余韻の残る締め方でした。

その前に飛行機雲のカットが挿入されていたのも、より哀愁を漂わせていました。

今日(16日)が最終日ですが、親の実家にいるおばあちゃん・おじいちゃんと

遊んだ幼少期を懐かしんだり、大切な人との別れに改めて向き合ったりする

お盆の時期にはぴったりなお話だったと思います。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


ばらかもん 5話 感想|「修行を積むための場所」から「帰る場所」に

 

 

ビルが並ぶ景色や、タイマー機能付きの信号は

他のドラマでは普通に見慣れているはずなのに、

本作で映し出されると凄く異質な感じがするのは……

もうそれだけ、島で描かれる物語に惹きつけられてしまっているって証拠ですね。

 

今回は帰京回。

よって、舞台が東京と島で分断された事で

どうやって話を紡いでいくのかが気になっていたんですが…

子供たちが清舟(杉野遥亮)との微笑ましい思い出を

自由に語る展開を持ってきたのには、なるほど!と思わされました。

 

コマの飛ばし方を教えたら、誤って家の方向に飛ばしてしまい

ガラスを割って怒られてしまった話。

「絵画は書道に通じるものがある」と得意気に言って描いてもらった絵が

小学校の低学年みたいな絵だった話。

泣いた時の清舟の反応をこっそり楽しんでいた話。

謙太郎(加藤叶和)が語ったのをきっかけに、

他の人たちも、自分と清舟しか経験していない出来事を共有して場が和み始めたり、

話を聞いていたなる(宮崎莉里沙)が後悔の言葉を口にしたりするあの一連のシーンは、

彼らにとって清舟がいかに、当たり前の日常に彩りを添えてくれる存在だったのかを

物語っているようでした。

 

その想いは、清舟も同じで。

彼の場合は…作品を書く"原動力"でもあり、

自分が自分らしくいられる"支え"にもなっていたんですね。

「型にハマった字」から脱出するために島に行って、

そこで今までの自分とは違う作品を生み出せて、無事に一皮剥けた…では終わらず、

今度は、東京では同じ作品は書けないのではないか?

それって"自分の作品"とは言えないんじゃないか?という事に悩まされていたものの。

子供たちと電話をしてからは、

張り詰めていた糸がプツッと解れたかのような笑みを浮かべていたのが印象的でした。

清舟からしたら、もはや可愛い妹&弟みたいなものなのかもしれません。

 

また、今回の作品は「石垣」だった訳ですが、

それを思いつくまでの回想の重ね方も素敵だったと思います。

「いつの間にか、帰りたい場所になっていた」から始まる清舟のモノローグとともに、

1話でなると見た夕陽…2話でのゼッケンを着用した子供たちが走る光景…

3話での魚が釣れなくて笑った"あの頃"…今回の「待っちょっけんね〜!」…

で、トドメは、4話での石を積む作業が結構得意だと気づいた自分…と、

これまでの象徴的なシーンを、段階を分けて見せていく演出は

まさしく「石を積み上げて作った壁」を意味する「石垣」そのもので。

彼があの作品を書いたのも納得いくものになっていました。

 

インパクトと華やかさで言えば正直、前回の「星」の方がありますし、

今までの作品もそうだったのですが…

ある意味"感謝の手紙"のつもりでもあったのでしょうね。

「新しい自分」を表現してきた数々の作品とは打って変わって、

想いを書にしたためたかのような作風。

東京でも作品が書けた事で、自分の成長を実感します。

そして、「島でしか斬新な作品が書けない」のではなく

「島の人々の存在が創作活動の励みになっている」と知った清舟が再び島に帰ろうと決意する…

ターニングポイントには相応しいお話でした。

 

母・えみ(長野里美)の反対で終わったけれども、次回からは新章突入だそうで…

予告を見てみると、ヤスば(鷲尾真知子)に何かが起こりそうな気配が

漂っているのが気になりますね。

途中、育江(田中みな実)と病院でやり取りするシーンが盛り込まれたので、

なんでだろう?とは思っていたんですが…

そこでの会話が前フリになってくるんでしょうか。

とりあえず、ちょっとだけ覚悟しながら見てみます…。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


ばらかもん 4話 感想|気晴らしに散歩をしていたのがきっかけで

 

 

締め切りが迫る書展用の作品制作をやらなきゃならない所に、

夏休みの宿題の習字を教えて欲しいと頼まれ…

看板に記載された、神社に寄付してくれた住民たちの名前を書き直す依頼が来て…

さらには船に船名を書く仕事も舞い込んできて…

この仕事が続々と増えていく流れ、

「ハヤブサ消防団」でも描かれていた事を思い出して、クスッときておりました(笑)

先週はお休みでしたけど、やっぱり両作品でシンクロしているんですよねぇ。

まぁそれは置いといて…

 

今回は島(田舎)を舞台にした作品ならではの魅力が

ぎゅっと詰まった回になっていました。

まず良かったのは、住民たちとの交流や島の習わしに触れてみる事で

"気づき"を得る様子が多く描かれていた所です。

 

例えば、最初はボソッと呟くほど乗り気じゃなかったのが、

実際に石垣の石積みを手伝ってみたら「先生は中々飲み込みが早かね」と褒められて、

自分には案外きっちりとした作業が向いていると分かってからは、嬉しそうにそれを続けたり。

看板に記載された住民たちの名前を書き直すよう頼まれた時は、

規則正しい字を書くのが久しぶりだと気づいたり。

ペンキ・刷毛・船体といういつもとは違った条件を出されて断ろうとしていたものの、

刷毛で下慣らしをしてみたら「弘法筆を選ばず」が本当だったと知ったり。

なる(宮崎莉里沙)たちが船に手形をつけた事が起爆剤となって字を書き始めてみたら、

いつの間にか重圧が全くなくなっていたのを感じ取ったり。

何かを見聞きして、体験してみる事で

"自分の知らない自分"に出会っていく清舟(杉野遥亮)の様子が

じっくり積み重ねられていたのが印象的でした。

 

加えて今回は、住民たちから思いがけない言葉をかけられて、

ハッとしたり笑みを浮かべたりする表情も多々見受けられましたね。

中でも、一番良い表情しているなぁ…と思ったのが、

美和(豊嶋花)から「先生はよそ者なんかじゃなかよ」と言われたシーン。

一瞬、こんな自分でも島の一員になって良いのかな?と戸惑いを見せつつも、

徐々に笑顔になっていく所は、

新しい居場所が出来た喜びを実感しているのが伝わってくるようで

こちらも見ていて温かい気持ちになれました。

 

次に良かったのは、ベタながらも「わらしべ長者」のエピソードが盛り込まれた所です。

島の一員になれた清舟が、今度はお返しに…とお裾分けをしようと考える流れも自然でしたが、

このエピソードを取り入れた事で、

"島のコミュニティ"の全体像が掴めるようになったのです。

住民たちの日常は以前から描かれていましたが、

今回のようにほとんどの登場人物の住まいや、

日頃の暮らしが次々と描かれるケースはありませんでしたよね。

会話の内容も良い意味でごくありふれたものばかりで、

田舎に対して何となく抱えていた「噂が広まりやすい」「世間が狭い」イメージって、

きっとこういうやり取りから来ているのかも…というのが読み取れる話になっていました。

 

また本作は、島での学びを書道でアウトプットするシーンが山場となっている訳ですが、

今回は珍しく、字を書いている時の清舟の表情にフォーカスが当たっていて、

それがより"島での成長・吸収"を物語っていた気がします。

正直、今まで書いてきた字も確かに独創的で惹きつけられはしたんですが、

おお〜凄い!とは思っても、清舟と同じく心を弾ませるまでは行かなかったんですよね。

何と言うか、"過程"よりも"結果"を重視したような作りだったから。

素人目からしたら、迫力のある字を見ただけで

大体は「優れた作品」だと捉えてしまうだろうし、

杉野さんが本作のために書道を練習されたと聞いても

制作に全部関わられているとは限らないので(プロの手も加わる事はお察ししているので)、

そうなると、視聴者が求めているのは、その時の杉野さんの表情にはなるでしょう。

今回はそこが活かされていたので、いつもよりも見応えを感じましたし。

清舟が学生たちに習字を教える際に「二度書きするな」「(ここの線は)一度しっかり止める」

「もっと筆を立てて」と注意していた事を自ら破っていた所も、

まさしく「殻を破る」を具現化していてグッときました。

 

子供たちの出番も多くて、親の実家に遊びに来て伸び伸びと暮らす

夏休みらしい仕上がりにもなっていたと思います。

それだけに、次回は東京での話が増えそうで、今から寂しいですね…。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


ばらかもん 3話 感想|芸術に正解はないが、不正解もない

 

 

1話でも、主人公が島を受け入れていくまでの変化だけでなく、

後半でメイン回として取り上げられそうな浩志(綱啓永)の

過去や"気づき"を盛り込んでいた時点で、うっすら感じていましたが…

本作って、話の展開が早いですよね。

次回予告も含めて、何となく、7話くらいまでの話を

ぎゅっと凝縮しているような感覚を受けます。

原作は今年の5月から、期間限定で連載が復活しているらしいのですが、

5年前に18巻で一旦ピリオドを打っているので、

もしかしたら、取捨選択しつつも

全10〜11話でほぼ全部を描き切ろうとしているのかもしれません(原作は未読)。

 

なぜ冒頭でこんな事を書いたのか?というのは、今回の内容にありまして。

今回は、ライバルの神崎(荒木飛羽)と川藤(中尾明慶)が島にやってきて

清舟(杉野遥亮)を東京に戻るよう説得するエピソードがメインで描かれて、

落ちてきた紙飛行機から、前回のヤスバァ(鷲尾真知子)の言葉

「そん時はな、どうぞお先に」を思い出し、実践する事自体は良かったんですが…

個人的には、前回からの今回ではなく、何話か後に回した上で

この話を見てみたかったかなぁと思えてしまったのです。

回想を交えながら、主人公が誰かの言葉をふと思い出すくだりって、

少し時間を置いてから出した方が

視聴者は「そう言えば、こんなエピソードもあったなぁ」って懐かしめただろうし、

時を経ての主人公の成長もより実感出来て、

連続ドラマならではの醍醐味が味わえたはずなんですね。

それに、島に来てからの作品が何作も生まれて、住民たちを徐々に味方につけてきた所で、

頭ごなしに自分の作風を否定する者が現れる…という流れの中で描かれていれば、

自分なりのスタイルへの迷いや葛藤も、見応えのあるものになったんじゃないかな?とも。

 

そして前回では、いろんなネタを扱っては1つの結末へと綺麗に結びつけた脚本に

工夫を感じられただけに、今回は前半部分のテンポがややスローリーなのは否めず…。

(調べてみたら、1,2話とは違う脚本家が担当されてました。)

住民たちを続々登場させての作戦エピソードも、それはそれでほっこりさせられましたが、

今回のテーマ「芸術には正解がない(だから冒険したって良い)」の1つの象徴とも言える

珠子(近藤華)の漫画を、もっとメインに絡めてもアリな気がしました。

誰かに後押しされたくて、勇気を出して漫画を持って行ったのに、

BLだと勘違いする瞬間を見てしまって以降、

なぜか一切触れられる事なく終わってしまいましたからね。

書道とはまた1つ違う表現方法だからこそ、描きようによっては、

漫画を読んだ清舟にヒントを出し、刺激を与えさせる

"重要アイテム"になったのでは…と思うと、ここの落とし所はちょっと勿体なかったです。

まぁ、漫画を読んでもらうシーンは次回で描かれるんでしょうけども。

 

ただ、最後は印象に残った箇所を書くとするなら…

なる(宮崎莉里沙)の存在が良いアクセントになっていましたね。

子供が故の至らない部分はあれど、紙飛行機を飛ばしたり、ユニークな釣り針を作ったりと、

大人なら中々そんな発想には辿り着かないような柔軟さを見せていて、

今の清舟にとって彼女がいかに必要な存在か?というのをきっちり描き示していたと思います。

 

また、紙飛行機のシーンの時にかかった劇伴も、そのタイミングもドンピシャでした。

視界が一気に開けるような感覚を、清舟と同じく味わう事が出来ました。

今回は思う所あり、いろいろとツッコんでしまいましたが、

やはり本作の世界観やキャラクターが大好きなのには変わりないんですよね…。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ

 

 


ばらかもん 2話 感想|1番じゃなきゃダメなんです

 

 

いやぁ…清舟@杉野遥亮さんのふとした表情がやっぱり良いです。

いつもはやらない事をして感謝された時の、嬉しさを隠しきれない表情だったり、

「俺、田舎に染まる気はないのに…」がそのまま現れ出たようなジト目だったり、

例え話でヤスバァ(鷲尾真知子)に相談した時の不安げな様子だったり、

思いがけないアドバイスを聞いた途端イキイキし始めたり。

性格は素直じゃなくても、

顔には割と出やすいタイプの主人公だからか(また、そう演じるのが上手いお陰で)、

何を見聞きしてどう感じたのかがこちら側にもスッと入ってきて、

見ていて気持ち良いんですよねぇ。

もはやこの自然体さが、本作の魅力を引き立たせているような気すらしています。

 

今回はタイトル通り「前途多難」で、

清舟のポンコツっぷりを愛しく描いた話になっていましたが、

ストーリーも何気に綺麗に構築されていると思います。

例えば…話の中で取り上げられたのは、優勝を逃した件に、体育祭用のゼッケン、

防犯ブザー、嵐の夜、黒電話、薪風呂、そして餅拾い。

こんなに多くのネタを1話内で扱おうとすれば、ただのエピソードの箇条書きで

とっ散らかって終わりかねないんですけど、

放送開始から7分程度で「島に来れば良い字が書けると思ってたのに」と嘆く

清舟のシーンを用意する事で、

これから、上しか見ていない、1番にこだわろうとする彼の変化を描くのだというのを

提示してきているのです。

 

で…日常の中に転がっている数々の"気づき"を描いた所で、

最終的には、餅拾いのエピソードを通して1つの結論を導き出す。

「たまには足元にも目をやって、大らかにどっしりと構えていれば、

意外な形で幸運が訪れてくるのかもしれない」

清舟がこんな風に考えを変えられるようになるには最適なエピソードでしたし、

パンチが人一倍餅を取っていた理由にもほっこりさせられました。

 

また、個人的な事で言えば、

焦りともとれる「俺から書道を取ったら何もないから」の台詞や、

「世の中には、取れる人間と取れない人間がいる。…俺は確実に後者だ。」と

自分を下げて考えるのには、私も心当たりあってかなりグサッと来ましたね。

悲しいかな…今私たちが生きているのは競争社会。

勝ち負けにこだわろうとしなくても、必ずどこかではそれが生まれてしまいます。

だから、就活生や社会人なら特に、今いる状況・立っている場所で

何とかして生き残ろうと必死な人も多いでしょうし、

最悪、無理がたたって、体調を壊してしまうケースも少なくありません。

常に誰かと比べられ、常に誰かから評価される…そんな日々を送っているからこそ、

本作の作風に救われ、癒されるんじゃないかなぁと思ったのでした。

なんか…真面目寄りな文になっちゃいましたけどね(苦笑)

 

今期はもう1つ田舎を舞台にした「ハヤブサ消防団」という作品がありますが、

本作では田舎の温かさ、そちらの作品では田舎の恐ろしさで

真反対の事を描いているのはもちろん、

水曜木曜と連続で放送されているのも面白いんですよねぇ。

奇しくも、雷にまつわる話も被ったというw

1つのエピソードをどうやって膨らませていくのか、

そこを見比べてみる楽しみ方も出来そうです。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

↓前回の感想はこちら↓

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ランキングに参加しております。
ポチッと押していただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ