いいね!光源氏くん 8話(最終回) 感想|いとをかしなハッピーエンド

 

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まさか、ラストに泣かされるとは思いもしなかったわ〜…。

以前ハワイに飛んでしまったあの方法が鍵となっている事から、

ただ源氏物語の世界に帰って終わりという訳ではなさそうだし、

タイムスリップが失敗してまた現代に戻ってきちゃった!なんてオチも

あり得ると思いながら見ていたら…

一人で花火を見る沙織(伊藤沙莉)の隣に静かに現れるんだもの。驚いちゃった。

きっと、二人で花火を見る事を強く願い続けていたのだろう…という

光源氏千葉雄大)の強い願いが伝わる、印象的なシーンでした。

自由に場所を行き来出来る体になったのかどうかは謎ですけど(笑)

 

他にも、頭中将(桐山漣)の行方とか、最終回だけ和歌がなかったとか、

意味あり気に映っていたおばちゃん店主は結局何だったとか色々思う所はありましたが、

とにかく!! 数少ない今期のドラマで最後を迎えられただけでも、個人的には満足してます。

逆に全ての要素を描ききらない方が、続編にも繋げやすいかもしれませんしね。

 

緊急事態宣言で世の中がピリピリしている真っ只中に始まり、

今それが解除されて落ち着きを取り戻そうとしている時期に去って行った本作。

予期せぬタイミングだったとは言え、本作は今あるべくして作られたような

運命的な作品だったと思うのです。

だからその分、画面の向こうでは、仕事したり、恋したり、家事したり…の

私たちと特に変わらないようなごくごく普通の日常を過ごす沙織の事が気になりましたし。

また、不器用で何かとこじらせてるように見えて、実は自他共に誠実であり続ける

まっすぐで綺麗な心の持ち主である彼女が、光源氏と出会ってどんどん恋する乙女になっていく

繊細さを表す伊藤沙莉さんの演技が本当に上手くって、

回を増すごとに「二人には絶対に幸せであって欲しい」という想いを重ねながら見てもいました。

 

悪い人が誰も出てこないのも良かったなぁ。

千葉雄大さんはひたすら光源氏という役に合っていたし、

悪い役の印象があった桐山漣さんのイメージも変わりました。

ただの小悪魔キャラかと思いきや、意外としっかり者なんだぞ!というのが伝わる

入山杏奈さんのキーパーソン的存在感も光りました。

 

本作は結局3話と4話の感想しか書けませんでしたが、その後も楽しく見てましたよ。

いきなり光源氏が消える衝撃展開だったり…

RPGの世界を思わせるタイムスリップの設定だったり…

見終わった後にショックが残る余韻だったり…

癒し要素だけではない、良い意味で裏切られ続けられるような捻りも効かせた作品でした。

 

 

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行列の女神〜らーめん才遊記〜 6話 感想|ラーメンの隠し味はこだわりと柔軟性。

 

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今回は、ラーメンを一口食べた時の目に焦点を当てたカットが

時折挟み込まれているな〜と思ったら…

なるほど、芹沢(鈴木京香)の言う「落とし穴」のアドバイスで納得。

お客様の"目線"になったコンサルとは何か?がテーマだったのですね。

 

倫子(松井玲奈)の関西弁むき出しになった時の謙虚さのないような、

威張ってそうな態度は前から気になっていたので、

ガツンと核心を突かれた姿にはスカッとしました。

最初の頃がどうだったかは分かりませんが、きっと、経験を重ねていくうちに

いつしか目先の評価や実績ばかりを求めるようになってしまったのでしょう…

まぁ、本来なら福花(夙川アトム)がビシッと言うべきではありますが(笑)

これを機に初心に帰って、またゆとり(黒島結菜)とライバルでい続けて欲しいもんです。

 

芹沢の発言でコンサルタントとはどうあるべきかをしっかり提示しつつも、

同時にさり気ない白坂(小関裕太)への鼓舞にも繋がっていた描かれ方も秀逸でした。

ストレートに人情話に持ってきて感動させるって訳ではなくて、

場面を咀嚼していくと心のどこかがジワッと

温かい気持ちになれる所が良いんですよねぇ、このドラマ。

ラーメンに愛を。同じ業界で働く人々にリスペクトを。そしてクライアントには誠実さを。

こんな主人公達の指導を受けている社員が羨ましいなぁと思えちゃいます。

 

他にも印象に残った台詞は…

「自分の作りたいものとお客様の求めるものは必ずしも一致しないし、

自分の作った味がお客様に受け入れてもらえるとも限らない」

これ、ラーメン業界だけじゃなくて、どの業界においても同じですね。

まだまだ若手な白坂の目線でも見ちゃってました。

 

 

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美食探偵 明智五郎 特別編 第1夜 感想|これは今後も期待できそう

 

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特別編と言えども、ちゃんと作られていて驚いたわ…。

良くも悪くもhuluでオリジナルストーリーを多く生み出している経験値が

活かされていたかのようでした。

 

今回は明智中村倫也)が美食家になったきっかけと、

2話ゲストの茜(志田未来)が犯行に及んだきっかけを描く話。

そして、2つのエピソードに共通していたのが「おじいちゃんと孫」。

これを軸として物語を繰り広げる構成になっていたのが良かったと思います。

前半ではおじいちゃんの教えによって初めて美味しいものが

何であるかを知る明智と、商店街で食べたコロッケを嬉しそうに食べる

心温まるエピソードだった一方で、

後半ではお互いの想いがすれ違った状態が故に、思わぬ形で孫の背中を押す事になってしまった

視聴者側も当事者側もやるせない気持ちばかりが残るエピソード…という、

明と暗の対比でメリハリを効かせていて、中々見ごたえがありました。

 

母の一概に"恨み"とも言えないような、複雑で異常な情念や嫉妬深さも込みでの

「お母さんのりんごジャム」のレシピを教わってきて

今の茜の姿があるのだ…と思わせる、奥行きのある未公開シーンにも満足。

ダイジェストで要点を軽くおさらいした上で、特定の登場人物も深掘りしていくという

総集編と未公開放送のいいとこ取りをしたような特別編でした。

 

まぁ、面白く見られた一番の理由は「本編自体が面白いから」って所が大きいんでしょうけどね。

2話の時点ではまだ苺(小芝風花)は真実の愛を知らない状態だからか、

誰よりも真っ直ぐで、他人の抱える心の傷にも踏み込んで行けていたという

新たな発見もあり、見る意味はあったと思っています。

この作りだと残り2話分も期待出来そうですね。

 

 

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レンタルなんもしない人 7話 感想|誰かの心に自分がいて欲しい

 

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大槻さん(西岡徳馬)は勿論だけど、不覚にも神林(葉山奨之)の気持ちにも共感…。

アンチになるきっかけは嫉妬から…という、まさしく典型的な流れですよね。

私は彼のように攻撃的じゃないし、粘着質な訳でもないけど、

「なんであんな奴がチヤホヤされてるんだ」ってイライラしてしまうのは

何度も経験した事があるからよく分かる。

自分が何か失敗して落ち込んでいる時に限って響くんですよね。そういうのって。

時間をかけて勉強したのにあの人に勝てなかった、

自信作だと胸を張っていたのに否定されたような気分を感じた…

でもたまに自分の行いが褒められると凄く嬉しくて、その嬉しさをずっと噛み締めたくて。

そんな一喜一憂の日々を過去で特に過ごしていたかなぁ。

私はどんどん溜め込んでしまう性格なので、

その点、思ったことをすぐ口に出せる行動力は凄いなぁ…と

神林に対してちょっと羨ましく思いながら見てしまってもいました。

まぁ、レンタルさんにも辛い過去があるので、攻撃を受けて

徐々に精神的に病んでいく姿は見たくはないんですが(泣)

 

大槻さんの「私の死を悲しんでくれる人がいて欲しい」という言葉も胸に来ましたね。

自分は大切な人をずっと想っているのに、相手には伝わらなくて、

後で埋め合わせが出来るだろうと微かに期待を寄せていた夢も叶わなかった。

大好きな某刑事ドラマの台詞の

「人の気持ちなんて通じ合う方が奇跡」を思い出してしまいました…。

でも、赤の他人なのにレンタルさんが葬式に来て欲しいと強く感じたのは、

僕だったら自伝は買わないという何の飾り気もないありのままの返事に

救われたから…なのかもしれませんよね。(冷たいとは思ったけど、一理はあるw)

なんもしないけど、今日もどこかの誰かがその人の存在によって

心が満たされている事実に泣けました。

 

いつもアバンだけで完結してしまう依頼パートですが、今回では完全に終わりの形をとらず、

最後に本編とさり気なく絡ませるのも捻りが効いていて面白かったです。

 

見終わると自然と涙が出てきちゃって、ふわっとした温かい心地になれる好きな作品なので、

最終回までしっかり見届けたいんですけどね…。来週にも期待します。

 

 

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行列の女神〜らーめん才遊記〜 5話 感想|仕事は利益命!…という清々しさ

 

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ゆとり(黒島結菜)の誘拐シーンをチラ見せしたアバンといい、

橋爪(高畑淳子)のガンガンかましてくる達者で愉快な口振りといい、

終盤の3人での経営を約束したときのスポットライト表現といい…

演出面でかなり遊び心を施していた印象。

役者のやり取りも含めて、全体的に活き活きしている様子が画面上から伝わりました。

 

コメディ色を強めて、大衆的に見やすい作りに進化させただけでなく、

今回は3人それぞれの行為に焦点を当てたカットをじっくり見せる形で、

芹沢(鈴木京香)の表情を通して「この人の長所・短所は何でしょう?」と

視聴者に推理させる時間も与える巧みさ。

毎回違った角度からビジネスの在り方を教えてくれる所にはもう信頼を寄せていますが、

今回に関しては、今まで以上に視聴者の目線に沿って作られていたんじゃないかと思います。

 

店に鷹野(音尾琢真)がお客として現れて、実はかの有名経営者だった!というオチには

漫画のような都合の良さを最初は感じましたが、

それは橋爪の策略によるものだった…なんて捻りを効かせた脚本にもやられました。

 

当時賑わっていたバイトテロの件も綺麗に回収。

何か問題点を見つけても途中で口を挟まず、

誰に原因を押し付ける訳でもなく、「仕事は利益命」という軸はブレずに

俯瞰的に物事を捉えて指摘出来る主人公がとにかくかっこいいドラマです。

 

同じく経営者である橋爪も、今回でかなり賢い性格だと分かったので、

今後の切れ者同士の対決も楽しみでもあります。

あとは…3年前の品川店の件が2人の間でどう描かれていくのかが気になりますね。

 

 

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美食探偵 明智五郎 6話 感想|第1章の区切りとしては "悪くない"

  

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最後の画…素晴らしかったですね。

今回の事件の犯人が安定のあの方で、

いや、なんであんなにいた警察が周りにいないんだと軽くツッコンでいたのも吹っ飛ぶほどで、

それよりもラストを見てくれ!という作り手と演者の"圧"を感じさせられるようなお話でした。

 

マリア(小池栄子)が明智中村倫也)を火事の中助けに行き、

キスを苺(小芝風花)に見せつけるシーン。

マリアの周りで燃えている炎が、まるで愛情と嫉妬で入り混じった

彼女自身の気持ちを表しているようで恐ろしかった。

あの場を支配してしまうかのような圧倒的な存在感を醸し出す「女性」のマリアと、

明智との間の関係には絶対に手の届かない儚さと弱さを醸し出す、まだまだ「女の子」な苺の対比。

そして、あの場では主人公だったであろう小池栄子さんのオーラに飲み込まれまいと

しっかり対峙出来る演技力を見せた中村倫也さん。

前から本作の主題歌のタイミングや、メイクの妖艶さ、1枚の絵を見ているような

画作りの美しさには目を見張るものがありましたが、

その3つの要素を上手く昇華できているのは3人のキャスティングの妙なのだろうな…と

確信させられました。

 

もう1つの舞台がフランスなのと、マリアの設定自体が絵画から来ている事などから、

最後の黒バックを背景に苺が明智への想いを語るミュージカル的シーンへの場面転換も

本作らしいファンタジーの趣があり、全く違和感はなかったです。

これがコロナ対策だというのは事前に知っていたとは言えど、

テロップで表示させるのは現実に戻された気がして、入れなくても良かったとは思いますが(笑)

 

次回予告が一切流れないって事は、ストックは全部出し切っちゃったんでしょうねぇ。

今回も一部撮れていなかったけど、6話として収めるためにあのような演出をとった…と。

今の大変な状況の中で撮影・収録方法を柔軟に対応して下さり、

視聴者を喜ばせようと、見せられるだけのコンテンツをギリギリまで届けて下さった

チームの皆さん、ありがとうございました。

次回以降がしばらく見られないのは寂しいですが、

"第1章"として考えたら区切りの良い話だったと思います。

特別編は、huluで配信されているやつが組み込まれるのかな?

 

 

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浦安鉄筋家族 6話 感想|本当の意味での飯テロ?(笑)

 

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キャラクターの突飛さを重視した話が続いた反動か、今回はかなり大人し目。

晴郎(本多力)がビンタされるのを待っていたんだけど(笑)

それもなしで、ちょっと物足りず。

しかし、店を探しているだけなのにきちんと笑い所を押さえてくる

佐藤二朗さんと水野美紀さんのコメディセンスには、面白いというよりむしろ感心させられて、

中華店に入るまでの10分間は引き伸ばし感を感じさせませんでした。

 

大人し目だと思った理由の1つとしては、やっぱりキャストの人数の減少でしょうかねぇ。

今回出てきたのは、大沢木一家と店主とフグオ(小山春朋)だけ。

場を騒がしくさせる印象のある春巻(大東駿介)も金鉄(坂田利夫)も、

前回出てきた関西一家も小学生達も一切出て来なかった…というのが大きいのかもしれません。

ビンタのシーンがなかったのは99%脚本による設定ですけど、

人数を限定付ける撮影スタイルになったのは

コロナの感染拡大防止のための対策でもあるのかな〜なんて思ってしまいました。

…って、まぁこれは考え過ぎなのかしら(汗)

 

私自身、大食いチャレンジや対決を見る事自体 特に苦ではないんですが、

大量の杏仁豆腐よりもチャーハンセットジュースの色の方が

もろゲ…自粛に見えてしまって、あそこだけはさすがにちょっとしんどかったですw

結局、ご飯粒を照明にびっしり付けた犯人は誰で、

大鉄(佐藤二朗)の謎の双子設定(?)の真相も分からずじまいですが、

そこは真面目に捉えない方が、良いの…よね?

 

放送当日になったら一週間後のタイムスケジュールも判明するので、

いつも番組表で次の話があるかどうかチェックしているんですが、

あら?7発目って書かれてない…もしかして…と思ったら、

こちらもやっぱり放送中断になってしまいました。

本作の楽しみ方を徐々に掴めてきただけに、寂しいですねぇ。

↓公式Twitterより

とりあえず次回はウンコが大活躍する事は分かったので(笑)

6話まで放送したとなると打ち切りになる可能性も低そうですし、気長に待ちます。

 

来週からは勇者ヨシヒコの第1作目の再放送。

佐藤二朗さんは続投ですね。第3作目しか見た事なかったので、ちらっと見てみようかな。

 

 

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浦安鉄筋家族 5話 感想|バケー!が台詞通りなのか地味に気になる。

 

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同級生に大阪出身の子はいたけど…「冷コ」なんて言葉耳にした事なかったよ(笑)

そして、あんなにコッテコテの関西弁を初めて聞いたよ(爆)

ただでさえカオスな世界観なのに、親同士の下品極まりない←これでも褒めてる

どんちゃん騒ぎが繰り広げられるもんだから、ツッコミも笑いも止まらなかったけどw

その分、桜(岸井ゆきの)とのり子(平澤宏々路)のシーンがとてもピュアに映って、

ドタバタのコメディと乙女ちっくな話のメリハリが効いた作りを楽しめました。

 

それにしても、前から思っていたんですが、

晴郎くん(本多力)はだんだんやられ役になってきてますねぇ。

関西人の2人にビンタされる時の動きのスムーズさには笑わずにはいられないでしょ(笑)

オチはちゃんと大鉄(佐藤二朗)がつけるのも含めて、もはやお家芸みたいです。

今回はアドリブもてんこ盛りでしたしね。

アドリブシーンになると最早「佐藤二朗ワールド」になるので

(本人は一応台詞通りだそうですが)、

原作ファンからしたら不満が出てくるのかもしれませんが、

回を増すごとに役者さんに自然体さが感じられて、台詞の応酬も息がぴったり合っているのが

画面から伝わるから、個人的には満足してます。

バケー!は、台詞通りだったのか、それとも噛んじゃったのか気になる所ですが…(笑)

後者だと良いなぁ。

 

「切っても切れない お向かいさんと安い包丁」

洒落の効いた名言(?)を残すナレーションも、本作らしい独特さがあって好きです。

 

 

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今だから、新作ドラマ作ってみました 第3夜 感想|「案外悪くないかも」と思える強さ

 

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第3夜「転・コウ・生」

 

柴咲コウさんのコメディエンヌっぷりが新鮮だったわぁ。

ムロツヨシさんの魂に入れ替わった役を演じた時の、あの男勝りな動き…

二重あごを作りながら胸を覗こうとしたり、おじさんのノリで変な歌歌ったりする姿…

あんなに大胆な表情を魅せるイメージがなかったから、

次々と発せられる言動に目を奪われっぱなしでした。すっごい、可愛い(笑)

 

歌手と入れ替わっているっていうのが伝わるムロさんの美声も面白いし、

猫と入れ替わっている時の高橋一生さんの少し怯えたような目、強張った顔が

まさしく"猫"そのもので、やっぱり人を惹きつける力があるなぁ…とも再認識させられます。

そんで、3人(匹?)の猫はずっとそばで観察していたい!!

 

こういった成り切りタイプの話は、日頃から付き合いのある関係で、

かつ細部まで再現してみせる演技力の高さがないと難しい訳で、

コウさん、ムロさん、一生さんの3人じゃないと作れない

世界観だったのではないかな〜と思います。

 

脚本家が森下佳子さんなので、ただのカオスな入れ替わり劇で終わらせないだろうと

踏んでいましたが、それでもラストはそんな風にコロナを絡ませて行くのだという

意外性がありました。

世の中の不条理な状況を、ある日突然誰かと入れ替わってしまった3人に置き換えて、

その不条理を逆手にとって今を生きて見せるのだ!なお話。

普段通りの生活ではなくなってしまったけれど、それはそれで何かを見つけながら、

工夫しながら生きていけば、案外楽しい日々は送れるかもしれないじゃない?といった

森下さんなりのコロナに対するポジティブな考え方を投影させているように感じられました。

 

終盤での「俺たちでこの時代超えるんだろ!新しい時代の幕開けにゃーーー!」

と叫ぶシーンも印象的で。

3人の活気に溢れた姿で、見てるこっち側も不思議とワクワクさせられて。

本作がトリで良かったなぁ…と思えるほどでした。

 

「コロナあるある」「現代を過ごす人々の願い、希望」の作りはどれも共通していたものの、

現実に沿った第1夜、ファンタジー要素を取り入れた第2夜、そしてコメディ寄りの第3夜と、

同じテレワークドラマでも役者や物語の展開次第でかなり個性が出ていて

最後まで楽しめました。

わざわざ外で打合せや撮影をしなくても作品は作れてしまう点で、

これからのドラマの可能性を感じさせられましたし、今後もまた今回のような

斬新な作品が出てきて欲しいです。

 

しかし、劇中でもあったように、もう放送出来るものがなかったりだとか、

企画を立てたは良いがロケが出来ない…と苦しむ作り手が多い訳で、

"いつも当たり前に流れている"ドラマがいかに貴重で、時間と費用をかけながら

いかにじっくり作られているかを再認識させられる機会でもありました。

 

スタッフ、役者、全ての人々のドラマ愛が詰まった企画を、ありがとうございました。

 

 

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行列の女神〜らーめん才遊記〜 4話 感想|やる気がすべてさ〜♪

 

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いや〜、毎回見ていて清々しい気持ちになれますねぇ。

特定の登場人物の成長物語をベースにビジネスを絡ませる作りには最早安定感がありますが、

ゆとり(黒島結菜)・須田(前野朋哉)・相川(堀井新太)の3人のキャラクターの描写も、

芹沢(鈴木京香)の頼れる主人公っぷりも、

ビジネスドラマならではの知識の盛り込み方から物語のシナリオまで、

どの面においても今回が一番高水準で仕上がっていた印象でした。

 

ケルトン物件や間借り物件などのそれぞれの長所&短所…と、

まさか物件探しの段階からしっかり紹介してくれるとは思わず、

「事業を始めるにあたって色々やるべき事があるんだなぁ」という発見があるのも楽しい。

 

最終的には、本多(大友康平)の優しさで無事にお店を続けられて解決!とはなりましたが、

それは「クライアントに落ち度があると考えない」「自分達が関わった仕事は最後まで責任を持つ」

というプライドの元で、真摯な対応を芹沢が見せ続けてきた結果であって。

ぱっと見は人情話でも、目の前の失敗にどう向き合って、

どう解決して行ったのかという"成功の裏側"をじっくり見せるだけで

こんなにも印象が変わるのだと驚かされます。

 

芹沢と河上(杉本哲太)のオトナの上司によるさり気ないアドバイスを元に、

やる気が取り柄の相川と、商品を生み出す力があるゆとり、

そして培ってきたラオタの知識をふんだんに盛り込む須田…と、それぞれの良さを活かして

竹岡式ラーメンが完成!という流れも、まるでチームワークを見ているかのようで、

彼女達と同様に不思議な達成感を味わえました。

 

芹沢のラーメンを食べて、須田がここの会社で働きたいと思ったのも納得ですね。

それだけの説得力がありますもん。

最近この枠でありがちだった「人情」のアプローチを捻っている点でも、

本作は最後まで安心して見られそうな気がします。

 

 

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