きのう何食べた? 11話 感想|親の気持ちはゲイでもノンケでも同じ

 

f:id:rincoro_ht:20190406010220p:plain

 

再びクリスマスのお話。

ドラマ内で同じ時期・行事を取り扱うのは斬新な事ですが、

1年を通してどれだけシロ(西島秀俊)が周りの人々との関わりで

変われたかを表現するには、適切な構成だったと思います。

時間が経つのはあっという間だよなぁ…もう今年が終わるよ!という驚きも

実感出来て、何だかリアル。

 

「親の気持ちは、ゲイでもノンケでも同じ」

私はまだ親の経験はないけれど。

正式に結婚を決め、母自身が子供を産んで家族の形を作ってきたように、

その過程で感じた同じ「幸せ」を我が子にも味わってもらいたい…として、

つい世話を焼きたがる両者の親の気持ちは理解出来ます。

だから、子供は産まない、結婚の話にまで持っていかないなど、

自分の生きてきた人生とは真逆の人生を選ぶようになってしまったら、

どこかで育て方を間違えたのかな…とショックになるのもごく自然な訳で。

シロは「親が自分をショックに思っている」のを分かっていて、

あの決断をしたんですよね。

 

「俺がゲイだと知った時、きっと俺の事を可哀想な子だと思っただろう」

「こんな風になってしまったのは、私たちの育て方が悪かったんじゃないかって、

自分を責めたかもしれない」

だから、息子を想う親のためにも、自分はちゃんと幸せだよという形を

"パートナーと二人で"見せに行く。

孫が出来るのは勿論嬉しい事でしょうが、それよりもお腹を痛めて産んだ子が

今こうして相手と幸せに過ごせているんだと分かる事が、何よりも嬉しい。

これが一番の親孝行だと思います。

 

言葉を振り絞りながら率直な想いを告白するシロの姿に涙し、

ジルベール磯村勇斗)の茶々入れっぷりに笑みを溢す。

シロを囲む3人からは、温かい空間が生まれていました。

 

ああ、最終回は寂しいなぁ…。

 

 

↓前回の感想はこちら↓

kimama-freedays.ddns.net

 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

インハンド 最終回 感想|未来は、僕たちの手の中にある

 

f:id:rincoro_ht:20190413021604p:plain

 

本当に面白いドラマだったなぁ…。

見終わって、まず感じた率直な気持ちがこれでした。

集団エボラ感染という大規模な騒動から始まり、

高家濱田岳)の感染、有機野菜のもたらす奇跡と、

最終回の形に相応しい盛り上げを見せてくれたんじゃないでしょうか。

 

何かハプニングとなる展開を用いて一旦視聴者に不安を募らせてから、

最後には怒涛の大逆転でワクワク感を持たせる作りは

本作は得意としていると思っていましたが、

今回でその"強み"を集大成として昇華させていった印象です。

 

「僕は虫と同じくらい人間が好きになったんだ」

「それはお前のせいだ。お前が僕を変えたんだ。」

「お前に聞きたい事がたくさんある。だからずっと僕のそばでいてくれ」と

涙をこらえながら伝える紐倉(山下智久)の姿に、目がじんわり熱くなりつつ…。

助かるだろうと心の底では分かっていても、高家の顔のやつれ具合で

本当に亡くなるんじゃないかとソワソワしつつ。

このシーンは、紐倉にとって高家がいかに大切な存在であったか、

彼がいなくなったらどれだけ悲しいか…の「紐倉の純粋な感情」が

溢れ出ていたものだったと思います。

 

有機野菜に付いた菌をヒントにエボラ感染が解決した後は、パスポートネタも回収。

紐倉は海外へ研究しに行き、高家国境なき医師団の一員として活動し、

牧野(菜々緒)は外務省に返り咲く…というオチでした。

スパイの件はやはり御子柴(藤森慎吾)だった訳ですが、

ただの悪い奴でもなく、仕事の出来る風見鶏!で、仲間だと認めている人々が

誰一人失う事のない展開になっていたのも良かったです。

 

本作は視聴前から、予告映像とそこで流れた「ウォオオオ〜♪」という劇伴を見聞きして、

また山Pが変人役を演じるのもあって かなり期待していた作品でしたが、

最後まで期待を裏切る事なく、いや、期待以上に密度の高い内容を見させていただいた…

という満足感の残るものでしたね。

「本当に良い作品」は、脚本も演出も、劇伴も、主人公や各キャラクターのハマり具合も、

何もかもが魅力的に見えてくる。

 

今まで俳優・山Pの代表作と言えばコードブルー!の印象でしたが、

インハンドにガラッと変わってしまいそうです。

お世辞とか盛ってるんじゃなくて、本当に!! 

自信満々で何を考えてるか分からない不思議ちゃんな「天才」だけに留まらず、

実は人間に対して情があったり、リスペクト心を持っていたり…などの

「人間らしさ」も備わっていた主人公。

そんなギャップが感じられる点が山Pの風貌には合っていたと思いますし、

また、入谷の件で固く閉ざしていた心を、仲間との関わりで徐々に打ち解けて行く

成長過程も丁寧に演じられていたと思います。

好きなキャラでした。

 

3人での掛け合いは毎度クスッとさせられる所が満載ですし、

ゆるゆるなイラストの挿入もあって、気軽に楽しく見られるドラマとしてはまず

十分に成立していました。

ですが、冒頭で「面白いドラマだった…」と率直な気持ちを書いた理由は、

菌や寄生虫の持つ「残酷さ」「可能性」の両極端の要素を

現代で起こりうる社会問題を絡めて存分に見せていったから。

菌=汚いからと言って排除する、潔癖だらけの社会にしてはいけない。

綺麗過ぎる事は逆に危険。あくまでも、菌と人間が共生する社会づくりが大切。

何でもかんでもクリーン化する日本に警鐘を鳴らした、

"今だからこそ放送すべき"作品だったと思います。

菌や寄生虫だけでなく、時に人間の生き方におけるヒントをも

提示してくれる所もありましたしね。

 

3人の拠点地はバラバラにはなりましたが、政府絡みはなくなっていない訳で…

またいつか、続編でお会いしたいです。

劇伴は今期1番お気に入りで、サントラを買っちゃいましたし、

OP曲の方もポチッと予約しちゃいました…♪

 

 

↓前回の感想はこちら↓

kimama-freedays.ddns.net

 

↓今までの感想はこちら↓

kimama-freedays.ddns.net

 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする