謎解きミステリーがメインの話があったり、医療が舞台の話があったりと、
後半になるにつれて「失敗学」と括れば何でもアリでしょ!といった話が続いたので、
このままネタ切れして終わっちゃうのかなぁ…と心配した時もありましたが。
前回も含め、最終章は初回で感じた「失敗は成功のもと」という原点に立ち返った
本作らしい締めになっていたんじゃないでしょうか。
真奈子(松雪泰子)が度々言ってきた「また同じ失敗を繰り返さないように」。
つまりそれは、失敗を認めるためには、凝り固まったプライドやキャリアは一度捨てる
強い覚悟と柔軟性が必要とも捉えられます。
今回の大手自動車会社がリコール隠蔽を引き起こした原因も
「100年の"歴史"」「長年の信頼」にこだわり続けた所にあり、
この会社がもし中小企業であれば
失敗に対する向き合い方も大きく変わったのかもしれません。
「失敗したのを分かっていて隠蔽をする事は、ただの犯罪」
命に直接関わる仕事に就く人々には、特に肝に銘じて欲しい言葉でしたが、
素直にならないと次はないよ…という意味で自身もハッとさせられる部分がありました。
「失敗学」「事故調」なので、今回のような高齢者運転など、
実際に起こった身近なニュース&社会問題を絡めた話をもっと見たかった気はしますが、
(例えば今なら、保育士集団退職やいじめ、パワハラなど…)
真実を追求する主人公達の姿勢に全くブレがないのは良かったですし、
こちらは時々ではありましたが、大規模な実験シーンも楽しめました。
最初はノリが軽くて微妙かも…?と思っていた研究室の面々も、
イメージがいつの間にか変わるとまでは行かなくとも、
助手役の堀井新太さんと、真奈子の良き理解者役の須藤理彩さんは
最終的に存在感は残せていた印象です。
「失敗の隠蔽は犯罪」に加えて「最高傑作です!」と娘を褒める
南雲(余貴美子)博士にもスッキリ。
今思えば、失敗学に携わっている分、相手の良い所も改善すべき所も
よく見ているのが伝わる言葉選びのセンスが、本作の中で一番好きだったのかもなぁ。
最後のあのノリノリサンタ姿には、全て持ってかれた感じでしたけど(笑)
続編が作れそうなラストでしたね。またやる時が来るのかしら?
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