東大志望で、東大もボクシングも諦めないという伊庭(高橋海人)の設定。
うん…完全に「ドラゴン桜」のネタですね(笑)
オリジナル作品だからこそ、こんな"遊び心"も盛り込める。
そして、盛り込んだお陰で、回を重ねるごとにボクシングに目覚めていって、
進学か本格的にボクシングをやるかで迷う姿がそのうち描かれる事も見えてきた感じ。
でも、今時の学生ならではの様々な情熱の形を描く作品なら、
両立していく難しさを実感し、進路に悩める人が出てきてもおかしくはないと思うので…
ベタな流れだとしても"アリ"だと捉えています。
内容自体は前回と同じく、じっくり物語を紡いでいっている印象。
こうならなければ…という嫌な予感が的中といった所か、
勧善懲悪でおなじみの、見ていて良い気はしない
「どんな手を使ってでも引き摺り下ろす」場面や、
ボクシング部の存続を気に入らない様子が確かに描写されてはいたものの、
特に不快感は残らず、むしろ面白かった…という気持ちで見終えられたのが個人的には意外でした。
これって多分、映像が演出が基本的にソフトタッチで作られている事、
コメディなら安定感のある役者さんが随所にキャスティングされている事が
大きいんだろうなぁと。
何と言っても、少し影をまとった桐沢(木村拓哉)と対になるように配置された、
厚かましさの中に可愛げもある折原(満島ひかり)の存在が良いんですよね。
彼女の"ボクシング初心者"の設定も、劇中の部員や経験者には
くどくどしく感じられるかもしれないけれども、
用語をよく知らない視聴者と同じ目線で描かれているから分かりやすい部分もあって。
Wの意味で、物語にいなくてはならない"アクセント"としてちゃんと成立出来ているのは、
登場人物が魅力的に映りづらい作品もある中で、中々凄い事だと思うんです。
そして、近年の木村拓哉さんの出演作の傾向とも言える
「主人公を"引き"で魅せる」さじ加減も、本作が丁寧に作られていると感じられる理由の1つ。
木村さん自身が元々華のある方なので、スター性を利用して
主人公を前面に押し出そうとすると、くどい印象で終わってしまいがちですが…
職員室での会話劇やボクシング部員から覗き見える葛藤など、
主人公がメインで活躍する事のないシーンも合間合間に挟まれているので、
"夢を追う者たち"を描く物語としてバランス良く仕上がっています。
まぁ、唯一気がかりなのは、桐沢の教師パートかな…?
履修生徒の名前も何名か表示されていた辺り、今回だけって事はないと思うので。
スポ根と学園の欲張りドラマにならないかどうかは、ちょっとだけ心配です(笑)
ちょっとだけね。
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