2023年08月一覧

ハヤブサ消防団 4話 感想|時間遡り演出で二度びっくり

 

 

ネットニュースwikipediaによると…

初回の平均世帯視聴率は10.5%、2話は9.4%、

そして、1週分空けて放送された前回(3話)は7.5%だったそうです。

当然ながら、初回は世間の注目度は高く、

2話以降は「視聴継続を決めた人」「とりあえず様子見する人」が見るため、

初回から2話、2話から3話と回を重ねるごとに

視聴率が徐々に落ち始める事自体は何ら珍しくはないのですが、

本作の場合は、3話でガクンと落ちています。

 

やはり、"完全連続型"のドラマであるにもかかわらず、1週お休みを挟んだのが…

挟まざるを得なかったとしても、まだ放送が始まったばかりの2話で…っていうのが

大きく響いた結果だと思います。

編成の組み方次第で、連続モノならではの醍醐味や

物語への吸引力がいかに削がれてしまうのか?が改めて分かりました。

私としては、今期TOP3に入るほど本作を好意的に見ているだけに、

つくづく勿体ない事をしたなぁとは思うんですが…

まぁでも、前回で再び興味を取り戻したお陰か、今回は面白く感じられましたね。

 

今回はミステリーには欠かせない、トリックの魅せ方の上手さが光った回でした。

特筆すべきは、時間遡り演出を"あえて"取り入れてきた事です。

過去に飛ばさず、現在のパートをそのまま進めていっても

別に支障はなかったと言えばなかったでしょうし、

彩(川口春奈)が何者なのか?についても、

映子(村岡希美)と一緒にいた前回のラストシーンを含めて

既に怪しさを漂わせてはいたのですが。

冒頭で、宗教を彷彿とさせる意味深な映像と、

彩と一夜を過ごしたと明かす太郎(中村倫也)のモノローグを提示してきた時に感じていた

「えっどういう事?」というザワつきを

終盤で別の意味に変える手法をとってきたのには、思わず唸らされました。

 

どうりで、言動に時々違和感を覚えた訳だ…

それじゃあ動画制作も経験しているって言うわな…と、

まるで、パズルのピースがカチッとはまったようでした(笑)

宗教団体についても、小さな集落で代々伝わる習わし程度のものだと思っていたので、

ここにもビックリ。

 

また、彩と2人で蛍の光に見惚れるシーンで、

マムシにビビりましたが、よく考えたら蛍も虫でした」と太郎が言っていましたが、

これもささやかな"匂わせ"になっていたんですねぇ。

「蛍=綺麗なもの」という先入観はどことなく、

彩に一目惚れしてしまって以降、全く疑おうとしなかった太郎の心境と重なりますし。

そう言えば虫が苦手だったんだった…とふと気づくくだりは、

彼女の正体を知った途端、一気に不気味な存在に感じてしまう点と

「我に返る」で共通しています。

中々洒落た掛け合わせだったと思います。

 

彩が宗教団体「アビゲイル騎士団」の信者だと分かった所で、

次回は彩の過去とその団体の実態を深掘りしていく内容になりそうですね。

ここまでは正直、疑惑に疑惑を上乗せする展開続きで大きな進展はないし、

事件とはあまり関係のない消防団のお仕事パートの描写も多いので、

普段だったら「引き延ばし」「早く事件の方を進めて欲しい」とツッコミがちなのですが…

個性の強いバイプレイヤーズたちによる掛け合いと

役者さんを引き立てる脚本と演出のお陰で、

脱線している箇所も楽しく見られちゃったりしております。

 

今回で言えば…池井戸作品だからか、途中で「日曜劇場」ちっくな勧善懲悪が

盛り込まれていたのにはクスッとさせられましたが。

中でも、ツチノコ捕獲イベントのシーンで、

後ろでぴょんぴょんしている勘介(満島真之介)と省吾(岡部たかし)には癒されました(笑)

 

 

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ばらかもん 5話 感想|「修行を積むための場所」から「帰る場所」に

 

 

ビルが並ぶ景色や、タイマー機能付きの信号は

他のドラマでは普通に見慣れているはずなのに、

本作で映し出されると凄く異質な感じがするのは……

もうそれだけ、島で描かれる物語に惹きつけられてしまっているって証拠ですね。

 

今回は帰京回。

よって、舞台が東京と島で分断された事で

どうやって話を紡いでいくのかが気になっていたんですが…

子供たちが清舟(杉野遥亮)との微笑ましい思い出を

自由に語る展開を持ってきたのには、なるほど!と思わされました。

 

コマの飛ばし方を教えたら、誤って家の方向に飛ばしてしまい

ガラスを割って怒られてしまった話。

「絵画は書道に通じるものがある」と得意気に言って描いてもらった絵が

小学校の低学年みたいな絵だった話。

泣いた時の清舟の反応をこっそり楽しんでいた話。

謙太郎(加藤叶和)が語ったのをきっかけに、

他の人たちも、自分と清舟しか経験していない出来事を共有して場が和み始めたり、

話を聞いていたなる(宮崎莉里沙)が後悔の言葉を口にしたりするあの一連のシーンは、

彼らにとって清舟がいかに、当たり前の日常に彩りを添えてくれる存在だったのかを

物語っているようでした。

 

その想いは、清舟も同じで。

彼の場合は…作品を書く"原動力"でもあり、

自分が自分らしくいられる"支え"にもなっていたんですね。

「型にハマった字」から脱出するために島に行って、

そこで今までの自分とは違う作品を生み出せて、無事に一皮剥けた…では終わらず、

今度は、東京では同じ作品は書けないのではないか?

それって"自分の作品"とは言えないんじゃないか?という事に悩まされていたものの。

子供たちと電話をしてからは、

張り詰めていた糸がプツッと解れたかのような笑みを浮かべていたのが印象的でした。

清舟からしたら、もはや可愛い妹&弟みたいなものなのかもしれません。

 

また、今回の作品は「石垣」だった訳ですが、

それを思いつくまでの回想の重ね方も素敵だったと思います。

「いつの間にか、帰りたい場所になっていた」から始まる清舟のモノローグとともに、

1話でなると見た夕陽…2話でのゼッケンを着用した子供たちが走る光景…

3話での魚が釣れなくて笑った"あの頃"…今回の「待っちょっけんね〜!」…

で、トドメは、4話での石を積む作業が結構得意だと気づいた自分…と、

これまでの象徴的なシーンを、段階を分けて見せていく演出は

まさしく「石を積み上げて作った壁」を意味する「石垣」そのもので。

彼があの作品を書いたのも納得いくものになっていました。

 

インパクトと華やかさで言えば正直、前回の「星」の方がありますし、

今までの作品もそうだったのですが…

ある意味"感謝の手紙"のつもりでもあったのでしょうね。

「新しい自分」を表現してきた数々の作品とは打って変わって、

想いを書にしたためたかのような作風。

東京でも作品が書けた事で、自分の成長を実感します。

そして、「島でしか斬新な作品が書けない」のではなく

「島の人々の存在が創作活動の励みになっている」と知った清舟が再び島に帰ろうと決意する…

ターニングポイントには相応しいお話でした。

 

母・えみ(長野里美)の反対で終わったけれども、次回からは新章突入だそうで…

予告を見てみると、ヤスば(鷲尾真知子)に何かが起こりそうな気配が

漂っているのが気になりますね。

途中、育江(田中みな実)と病院でやり取りするシーンが盛り込まれたので、

なんでだろう?とは思っていたんですが…

そこでの会話が前フリになってくるんでしょうか。

とりあえず、ちょっとだけ覚悟しながら見てみます…。

 

 

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トリリオンゲーム 4話 感想|トップに立つ者にしか分からない孤独と闇

 

 

以前のテイストに戻りましたね。

そして、いつもノリと勢いだけでやってきたハル(目黒蓮)から、

初めて闇めいたものを感じさせました。

楽天家だったり、コミュニケーション能力に長けていたり…という

ポジティブな部分は今まででも描かれていれど、

公式サイトにある「悪いことにもブレーキの利かない危険な男」の部分は

あまり掴めなかっただけに、今回でより主人公の魅力が増した気がします。

 

中でも、ハル、案外恐ろしい人なのかも知れない…と思わされたのは、

ガク(佐野勇斗)と社内で2人きりでいるラストシーンでした。

ハルが少し段差のある場所に立っていて、ガクを見上げる構図になっていたのです。

何気ないシーンなんですけどね。

でも、個人的には、彼が何を考えているのか全然分からなければ、

この先も一生同じ土俵に立てる事はないのだという

2人の関係性を物語っているようで、ちょっとゾクっとさせられたんですよね…。

 

このラストシーンがもたらす効果はもう1つあって。

こうして、彼の行動が「詐欺では?」を超えて完全に犯罪に値する事、

2人の友情(?)に亀裂が走るラストを盛り込んできたお陰で、

何となく話の腰を折っていた未来パートがようやく意味を成してきて、

今後また時間軸を行き来する事はあっても、見やすくなるんじゃないか

という期待が持てたのも良かったです。

 

前回の感想で書いた「役割分担」についても、

今回はハル・ガク・凛々(福本莉子)で明確になっていました。

ハルとガクについては、お互い別々に動くシーンも多かったが故に

個々で見せ場をしっかり設けていた印象がありました。

ガクが桜(原嘉孝)を説得するくだりは、彼でなければ成立出来なかったでしょう…。

自分を信じて着いて来てくれる者、自分の良さを認めてくれる者…

前回の話はハル以外の人物描写に物足りなさを感じたものの、

今までの2人、3人でのやり取りの積み重ねが

彼が頼もしい姿を見せるのに説得力を持たせていたと思います。

 

強いて言うなら…桜の背景描写はもっと欲しかったですかね。

大手はみんな金儲けの事しか考えないという前提があるにしても、

過去にドラゴンバンクに騙されかけたの?ってくらい

なぜあの会社"だけ"に目の敵のような表情を浮かべるのかがイマイチ理解出来なかったので、

俺は制作から外れる!といった態度も、子供っぽく映ってしまったのは残念でした。

好意的に捉えれば「青臭い」とも言えるんでしょうけど…

ただの金儲けじゃない最高なゲームを作りたいハングリー精神があるなら、

決起集会を開くよりも、アイデアが沸き立って

早速制作に取り掛ってみるのが自然でしょうからねぇ。

 

まぁでも…未来で今の仲間たちが誰もいなくなっているのを見ると、

彼らも「捨て駒」でしかないって事を表してるのかもしれませんね。

でもやっぱり、しばらくはビジネスに関わる訳だから、

もうちょっと踏み込んで描いても良い気が…とも思えてしまいます。

 

 

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シッコウ!!〜犬と私と執行官〜 5話 感想|初めて感謝された日

 

 

これまで触れなかったものの、執行官という職業や"苦労"を描く以上、

どうしても小原(織田裕二)の方が主人公に見えてしまう事が

前々から気になってはいたんですけど…

今回はちゃんと、ひかり(伊藤沙莉)が主人公のお話になっていましたね。

 

いつにも増して、執行官に関する豆知識が多く盛り込まれていたのが効いていて。

上野原(板谷由夏)に大好きなペットの仕事を勧められながらも、

執行補佐官としては日々新鮮な出来事ばかりで、

執行官の仕事にいつしか興味を持ち始めている…

ひかりのそんな葛藤が丁寧に描写されていましたし。

それに、「今の仕事に誇りを持っている自分」「やり甲斐を感じている自分」をベースに、

小原や栗橋(中島健人)を始め、登場人物たちが皆

彼女が大きな決断をするまでのキーパーソン的存在に描かれた事が、

「主人公・ひかり」を際立たせる要因にもなっていたんじゃないかと思います。

 

また、内容自体は…今回のテーマは"矜持"でしたね。

執行補佐官としての矜持を持つようになったひかりのエピソードの他に、

借金取りと言われようが、世間から報われなかろうが、

債務者にリスタートしてもらうために仕事を全うする執行官たちと、

売り上げに繋がりやすい口コミ評価と、患者との信頼関係の構築・維持に苛まれながらも

「長年この地域に尽くしている」と自負している開業医の、

2つのエピソードが用意されていました。

 

ここはさすがのベテラン脚本家といった所か、

ひかりと開業医であれば、どちらの選択肢を取れば良いのか悩み続ける姿が…

小原と開業医であれば、意思さえ貫き通せば、年齢関係なくいつだって変われる…と、

それぞれで共通点を持たせながら話を展開していっていたのが上手いなぁと思わされました。

高齢が故に、弱った足腰をコルセットで補強して何とか生きている犬も、

今の健吉(峰雷太)と重なるようで良いアクセントでしたし。

矜持と矜持がぶつかり合った結果、小原の言葉が響いて

感謝の手紙を残すまでになる…というオチも、人情劇としてよく仕上がっていました。

認められるまでに様々な想いを抱えてきた事を背中で語る織田裕二さん…

最近の作品の中でハマり役と言っても過言ではないでしょう。

 

最終的に、マリンちゃん含めた家族の今後もしっかり描いてくれて安心。

まだまだこれからといった所ですが、1枚の写真が撮られるまでの"あの頃"を見ていたら、

この家族ならきっと大丈夫だろう…と確信出来るラストも珍しいです。

内容も、登場人物の描き方も、物語の落とし所も、最も優れた回だったと思います。

 

 

最後に、本作とは全く関係のない事なので、ここに書くべきではないとは思いつつ、

どうしても書きたくなったので…今日の「18/40」の感想をば。

瞳子の母への説得エピソード、結婚の事でもう話を広げないのは良かったけれども、

すぐ退散となると、今回で盛り込む必要はあまり感じられないかなぁ…とか、

祐馬(鈴鹿央士)の背景描写も、別に今回の内容とは関係ないよなぁ…とか、

前回の子供っぽい大学生たちの件は結局どうなったん…とか、

いろいろと気になる部分はあったものの、

こちらも有栖(福原遥)が"お母さん"になるまでの葛藤が丁寧に描かれていたと思います。

 

以前までは、18歳にしてはあまりにも未熟過ぎる言動が多かったので

共感出来ずにいたんですが、未熟は未熟でも、今回のように

「自分の居場所がなくなってしまう不安や焦り」

「まだお母さんになる覚悟が足りていないという"気づき"」が

様々な人との交流を通して描かれていれば、全然見られますね。

彼女の内に秘めた繊細さが、映像から、演技から伝わってくるようでした。

 

間を飛ばされた勿体なさはあったものの…

出産シーンも思いの外、ガッツリ見せてもらえたのも意外でした。

今日の火曜ドラマはどちらも充実した内容だったなぁ…って事で、

こちらに感想を書き残した次第です。(次からは雑感集に書いてね…)

 

 

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転職の魔王様 4話 感想|その転職は本当に望んでいる事なのか否か

 

 

今回は何だか、番外編みたいなお話でしたね。

転職よりかは、来栖の元カノ・莉子(岡崎紗絵)と彼氏・周介(曽田陵介)の

パートナー間にある意識のズレや、

来栖(成田凌)と莉子がお互い相手に向き合い、過去の関係性にケジメをつける姿が

メインで描かれていたっていうのもそうですし。

珍しく、転職せずに解決しましたからねぇ。

 

"誰かの人生"を覗き見る話としては悪くないんでしょうけど…。

個人的には正直、前回が心揺さぶられる内容で、

グサっと刺さるものの、言葉や求職者の心情を

自分の将来と重ねながら考えさせられる本作の作りに面白味を見出していただけに、

今回はちょっと物足りない感じは否めませんでした。

 

ただ、"誰かの人生"とは書きましたが、

恋人や家族など守るべき存在がいてもそうでなくても、

自分(たち)の今後を冷静に考えた際に、

莉子のように「プライドだけじゃ生活できない」「こっちを取るならこっちを諦める」と

何かを妥協して、新たなキャリアを積もうとした経験は

多くの人が心当たりあるんじゃないかなぁとは思います。

夢は高く持っていても、中々叶いそうにないから

結局はお金が安定して稼げそうな職に落ち着いたり。良い環境に恵まれなかったり。

「"好き"を仕事に出来る」もそうですが…思い描いた人生を送れるって、一握りなんですよね。

だから莉子に、周介が漫画ではなく配達のアルバイトでしか稼げていない現実を見て、

私が彼を支えるために、もっと収入の高い所に転職しなければ…という

使命感が芽生えるのも共感は出来ました。

 

莉子の登場に伴い、事故に遭う前の来栖の過去もガッツリ描かれて、

これで全て明かされたかな?と思ったんですが、

まだ加害者の葬式に参列した件が残っていたんですね。すっかり忘れておりました。

次回は加害者親族(?)の男性が登場となると、3話連続で過去に迫る話になる訳で…

せっかちな私としては、ここら辺はそろそろ潔く完結させて、

次の段階へとステップアップして欲しいなぁとは思ってしまいますね。

 

まぁでも、「恨んでいる」発言と言い、彼にまつわる謎が多いのは確かなので、

1話でまとまり切らなかったって所なんでしょうか。

とりあえず、"もう1つの過去"回はいつもの作風に戻るよう願いつつ、

じっくり見させていただきます…。

 

 

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何曜日に生まれたの 1話 感想|「どこ中?」のノリで聞く「ナンウマ?」

 

 

予告映像を見ても、公式サイトの作品概要を読んでも、

どんな物語になっていくのかが全く掴めなかった本作。

で、何も分からぬまま初回を見てみた訳ですが…うん、それでも分かりませんでした(笑)

 

ただ1つ分かるのは、黒目親子以外の登場人物がちょっとずつ不快って事くらいですかねぇ。

許可も取らずすい(飯豊まりえ)の部屋を調べ始めたり、

実際は大して興味もなさそうなのに「〇〇したら?」という余計なお世話な言葉をかけたり、

すいが10年間も引きこもりだと分かってからも、面白がって聞く人もいれば、

今度は漫画のネタとして利用する人もいて。

みんな変わり者と言えばそれまでなんですが…

全体的に無神経で、他人の心に土足でズカズカ入り込んでくるような人たちだらけなので、

そこで所々引っかかりを覚えてしまうのです。

 

でも、リタイアしようかなぁ…ってほどではないんですよね。

むしろ現時点では、最後まで見るつもりでいます。

「ラブストーリーか、ミステリーか、人間ドラマか、社会派か。

先が読めない予測不能の衝撃作が日曜の夜に登場!」と"何でもアリ"をうたう本作が、

すいが引きこもりであるという設定、10年前のトラウマをどう扱っていくのか?も

もちろん気になるんですけど、

個人的には、4月期に新設されたばかりの「日曜10時枠」の

カラーを知りたい気持ちの方が強いんですね。

 

例えば、日テレの水10枠なら「働く女性を応援」をテーマにした作品が多く、

フジテレビの水10枠なら「新しいヒーロー像を生み出す」をコンセプトにしていて、

TBSの日曜劇場なら「勧善懲悪」「働く人々に活力を与える作風」が主流になっていて、

火10枠は恋愛を絡めるのがマストで…と、枠ごとでカラーって違いますよね?

その決まり方は、ヒットした作品がきっかけで、

SNSでのバズりを意識&視聴率を維持しようとしてある程度方向性が定まってくるか、

新枠発表の時点でどんなドラマを制作していくかを提示するかの

2通りだと思っているんですが…

本枠の場合は、第1作目から岡田惠和さんという作家性の強い脚本家を起用しているので、

枠が、次回作がどうなるのかが中々読めませんでした。

 

でも、本作の初回を見ていて、ここが共通点かな?とうっすら気づいた事もあります。

両作とも、分野は違うとは言え「傷を抱えながら生きる女性」を描いているんですよね。

そして…今回の脚本家は野島伸司さんなので、これまた癖が強いです。

これから書く事は憶測にしか過ぎませんが、

もしも「『傷を抱えながら生きる女性』を救い上げる話を大御所の脚本家が描いたら、

どんな作品になるのか?」というのを

実験的に(もちろん、定期的に題材は変えつつ)見せていくんだとしたら、

かなり興味深い枠になるんじゃないかと思う訳です。

 

したがって、"答え合わせ"のつもりでも、今後も見ていこうと考えているのですが…

仕事に行く前日に感想を2本書くのはキツい上に、

日曜日のドラマをどちらもリアタイしたら、摂取カロリーが高過ぎになってしまうので(笑)

こちらは次回以降ゆっくり視聴する事にして、最終回放送日が後の方にズレれば

もしかしたら感想を書くかなぁ…って感じですね。

 

ところで、ちょいちょい笑わそうとする台詞を入れてきますよねぇ。

本作…というか野島作品。

一番「???」だったのは、SNSで呟いてもらう際によく使われる略称が

そのまま台詞で出てきた事。

「ナンウマ?」…そんな、聞いたら誰もが分かるかのようなノリで言われても、

初聴じゃ10割「え?なんて??」ってなると思うんですけど(笑)

 

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VIVANT 4話 感想|「お前に明日は来ない」の方だった。

 

 

今回は妙に話の進みが早かったですね。

いや…1,2話のテンポが悪過ぎたから、余計にそう感じられたのかもしれません(笑)

 

あまりにも物事が順調に進むもんだから、そのCDはウイルスが入っていたりしないの?とか。

もし本当にモニターもしくは別班の人で、

あのメールの送信主が太田(飯沼愛)だと信じてやって来たんだとしたら

小者なんじゃないか?とか。

普通に現れた長野(小日向文世)はただのダミーで、

経歴をスラスラ喋り出したのも彼らを騙し通すためでは?とか。

いろんな要素を疑ってかかるように見ていた訳ですが…

衝撃的なラストシーンのお陰で、今までのツッコミ部分が一気に吹き飛びましたよ。

正直に言えば、肝心の誤送金事件の犯人も、結局あの人で合ってるんだっけ?という

曖昧な印象で終わった気がしなくもないものの(苦笑)

まぁでも、ようやく盛り上がりを見せて来たので良いかな…とは思います。

 

それにしても、堺雅人さんのダークヒーローっぷりは新鮮でしたね。

いや…「お前に明日は来ない」の主人公以来かな?

個人的に"ドラマの面白さ"は、キャスティングやロケーションにいくら力を入れたとしても

脚本が優れていなければ成立しない…という考えではいるんですが、

今回に関しては、堺雅人さんが乃木を演じられていなければ、

ラストで感じたスリルやワクワク感も十分に味わえなかったんじゃないでしょうか。

 

乃木(堺雅人)が正体を明かした事で、何となくぼんやりとしていた

「敵か味方か、味方か敵か」という本作のキャッチコピーの意味も明瞭になり始めましたし、

半沢直樹」の既視感もちょっぴり薄れて、本作でどうしても"描きたいもの"が

若干でも見えるようにはなってきました。

 

よって、ここから巻き返しを期待したい所なんですが、

なんと次回は再び15分拡大するそうで、また間延びが心配になりますね…。

今回だけ通常放送だったのは、本日10時から始まった「何曜日に生まれたの」の

ためだったの?っていう冗談は置いといて(笑)

風呂敷も広がりつつありますし、これだけ拡大を連発するなら、

最初から予算に合わせて2クール放送にした方が

物語も描きやすかったのではないかとすら思えてきますねぇ。

 

 

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ハヤブサ消防団 3話 感想|お休みを挟んだタイミングが勿体ない…!

 

 

う〜ん…初期設定の紹介が終わって、物語が動き出した2話のタイミングで

1週お休みを挟んだのがデカいかなぁ…と思います。

と言うのも、今回の話が通常通りに描かれていたら、没入感も高まって

あちこちで膨らんでいく謎にワクワク出来たかもしれませんが、

休み明けとなると、風呂敷を広げただけで話があまり進んでいない印象の方が

強く残ってしまったんですよね。

ああそっか、そう言えばまだこの段階だった…なんて。

 

いや、決して内容に不満がある訳じゃないんです。

振り返りの描写だって、冒頭で約2分弱も使って、

「不審火」「山原浩喜」「怪しい男」などの気になるワードとともに

今までの話をおさらいしていく方法をとっていたのには、

空いた時間を取り戻そうという丁寧さが感じられましたし。

前回で私が指摘した、クスッと笑える要素多めの消防団パートも

今回は"ガス抜き"に徹していて、

その分、些細な違和感や不気味なシーンを増やす事で

コミカルとシリアスが丁度良い塩梅に仕上がって、

ミステリーとして純粋に見やすくなりました。

ただ単に、3話分放送した上でお休みだったら良かったのにな…ってだけなんです。

前回よりも今回の方が、早く次を見たい気持ちにさせるラストにもなっていましたしね。

 

まぁそれも、先週は平日のゴールデン帯から世界水泳の放送があったので

仕方ないと言えば仕方ないんですが。

でも、他にお休みする事となった「火9」と「水9(未視聴)」は基本1話完結モノでも、

本作の場合は完全に"連続モノ"なので…編成は大事になってくると思います。

例えば、スケジュールの都合上、どうしても2話しか事前に放送出来ないのなら、

せめて別日か当日20時から1時間設けて、「1・2話のダイジェスト版+3話の見所紹介」を

制作してみてもアリだったのかもしれません。

調べてみたら、どうやら8/5の14時30分から

1〜3話のダイジェストはやるみたいなんですけど…ちょっと遅いんですよね。

 

今回は大分あまのじゃく&編成についての感想ばっかりになってしまって

申し訳ありませんが(汗)

放送再開した事で、徐々に勢いが感じられたらな…と願っております。

あと、話はあまり進んでいないとは書いたものの、内容を見ていると…

放火事件の真相は恐らく、愛人が故に疎外される事となった母の子孫(?)による

復讐って所で落ち着くのかどうか?(だから、作品として世に出す事にこだわるのか?)

そこにも注目しながら見てみるつもりです。

 

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ばらかもん 4話 感想|気晴らしに散歩をしていたのがきっかけで

 

 

締め切りが迫る書展用の作品制作をやらなきゃならない所に、

夏休みの宿題の習字を教えて欲しいと頼まれ…

看板に記載された、神社に寄付してくれた住民たちの名前を書き直す依頼が来て…

さらには船に船名を書く仕事も舞い込んできて…

この仕事が続々と増えていく流れ、

「ハヤブサ消防団」でも描かれていた事を思い出して、クスッときておりました(笑)

先週はお休みでしたけど、やっぱり両作品でシンクロしているんですよねぇ。

まぁそれは置いといて…

 

今回は島(田舎)を舞台にした作品ならではの魅力が

ぎゅっと詰まった回になっていました。

まず良かったのは、住民たちとの交流や島の習わしに触れてみる事で

"気づき"を得る様子が多く描かれていた所です。

 

例えば、最初はボソッと呟くほど乗り気じゃなかったのが、

実際に石垣の石積みを手伝ってみたら「先生は中々飲み込みが早かね」と褒められて、

自分には案外きっちりとした作業が向いていると分かってからは、嬉しそうにそれを続けたり。

看板に記載された住民たちの名前を書き直すよう頼まれた時は、

規則正しい字を書くのが久しぶりだと気づいたり。

ペンキ・刷毛・船体といういつもとは違った条件を出されて断ろうとしていたものの、

刷毛で下慣らしをしてみたら「弘法筆を選ばず」が本当だったと知ったり。

なる(宮崎莉里沙)たちが船に手形をつけた事が起爆剤となって字を書き始めてみたら、

いつの間にか重圧が全くなくなっていたのを感じ取ったり。

何かを見聞きして、体験してみる事で

"自分の知らない自分"に出会っていく清舟(杉野遥亮)の様子が

じっくり積み重ねられていたのが印象的でした。

 

加えて今回は、住民たちから思いがけない言葉をかけられて、

ハッとしたり笑みを浮かべたりする表情も多々見受けられましたね。

中でも、一番良い表情しているなぁ…と思ったのが、

美和(豊嶋花)から「先生はよそ者なんかじゃなかよ」と言われたシーン。

一瞬、こんな自分でも島の一員になって良いのかな?と戸惑いを見せつつも、

徐々に笑顔になっていく所は、

新しい居場所が出来た喜びを実感しているのが伝わってくるようで

こちらも見ていて温かい気持ちになれました。

 

次に良かったのは、ベタながらも「わらしべ長者」のエピソードが盛り込まれた所です。

島の一員になれた清舟が、今度はお返しに…とお裾分けをしようと考える流れも自然でしたが、

このエピソードを取り入れた事で、

"島のコミュニティ"の全体像が掴めるようになったのです。

住民たちの日常は以前から描かれていましたが、

今回のようにほとんどの登場人物の住まいや、

日頃の暮らしが次々と描かれるケースはありませんでしたよね。

会話の内容も良い意味でごくありふれたものばかりで、

田舎に対して何となく抱えていた「噂が広まりやすい」「世間が狭い」イメージって、

きっとこういうやり取りから来ているのかも…というのが読み取れる話になっていました。

 

また本作は、島での学びを書道でアウトプットするシーンが山場となっている訳ですが、

今回は珍しく、字を書いている時の清舟の表情にフォーカスが当たっていて、

それがより"島での成長・吸収"を物語っていた気がします。

正直、今まで書いてきた字も確かに独創的で惹きつけられはしたんですが、

おお〜凄い!とは思っても、清舟と同じく心を弾ませるまでは行かなかったんですよね。

何と言うか、"過程"よりも"結果"を重視したような作りだったから。

素人目からしたら、迫力のある字を見ただけで

大体は「優れた作品」だと捉えてしまうだろうし、

杉野さんが本作のために書道を練習されたと聞いても

制作に全部関わられているとは限らないので(プロの手も加わる事はお察ししているので)、

そうなると、視聴者が求めているのは、その時の杉野さんの表情にはなるでしょう。

今回はそこが活かされていたので、いつもよりも見応えを感じましたし。

清舟が学生たちに習字を教える際に「二度書きするな」「(ここの線は)一度しっかり止める」

「もっと筆を立てて」と注意していた事を自ら破っていた所も、

まさしく「殻を破る」を具現化していてグッときました。

 

子供たちの出番も多くて、親の実家に遊びに来て伸び伸びと暮らす

夏休みらしい仕上がりにもなっていたと思います。

それだけに、次回は東京での話が増えそうで、今から寂しいですね…。

 

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シッコウ!!〜犬と私と執行官〜 4話 感想|だったらもうちょっと同情出来るように…

 

 

ほぉ〜…女性執行官って、今年の4月に採用されるまで1人もいなかったんですね。

これはかなり初耳。

と同時に、だからか〜と納得している自分もいます。

 

この「だからか〜」は以前、執行官と犬の関係性、そして犬を扱う必要性が

明かされた時にも感じた事でした。

今回で言えば、執行関係者のキャストでひかり(伊藤沙莉)だけが紅一点の状態になっていたり、

「おっさんパラダイス」というワードを出したりしながら、今までいろんな形で

執行官の世界に若い女性が飛び込んでくる"違和感"を強調してきた訳ですが、

見ていくうちに「なんでこんなに、おじさんばっかりなんだろう…?」という

視聴者の漠然とした疑問に触れる話になっていたのです。

からくりが上手いなぁと思います。

有益な情報をすぐ明かすのではなく、

視聴者に良い意味でモヤモヤを覚えさせた段階で明かす事でスッキリさせる手法は、

ちょっとした謎解きっぽさもあるんですよね。

 

前期の知的財産と言い、本作の執行官と言い、

ドラマではあまり描かれる事のない職業を題材とした作品の何に期待しているかって、

業界の裏事情にどこまで踏み込んで、どこまで"エンタメ"に昇華出来るのか?

という所にあるんですが、今回は主に前者の方でその良さを味わえた気がします。

 

ただ、勿体ないと感じたのは、債務者・佳菜江(さとうほなみ)の描写で…。

彼女は、夫が育児を放棄していたが故に、育児ノイローゼになりかけ離婚し、

シングルマザーとして娘2人を育てながらも

借金に手を出してしまう人物として描かれていました。

先ほどの女性執行官がいない(いなかった)件はただの豆知識で済ませず、

「まだまだ男女平等になり切れていない現実の中で、女性が抱える"生きづらさ"」で

メインエピソードとも繋がりを持たせていたのは良かったのですが、

だからこそ、もっと同情出来るようなキャラにして欲しかったなぁ…

と思えてなりませんでしたね。

 

頼れる人が周りにいない。気軽にお金が借りられる世の中になっている。

普通の暮らしをしている人でも、ふとした事で債務者になる可能性は十分に秘めている。

それは分かるんですけど…恐らく、最初にひかりと小原(織田裕二)で訪問したシーンで、

悲観的な劇伴を流しつつ、泣き落としにかかろうとしたからなんだと思います。

他にも、借金をしては踏み倒す原因を元夫や子供のせいにしたり、

つけているネックレスや指輪がそれなりに高そうに見えたり、

佳菜江の言動がほとんど嘘だったり(だからか、終盤での本音もイマイチ信じられない…)、

「小原の好みの顔」だったり…何と言うか、"魔性の女"に描き過ぎでした。

 

泣きそうな表情を見せるのであれば、

例えば、2人が去った後で抑えていた感情が緩み始める…とした方が、

二面性を感じさせて、視聴者も彼女の訳ありな過去を知ろうとする気になったかもしれませんね。

あとは、お仕事をみんなより早めに切り上げてのお迎えや、仕事と子育ての両立などで

シングルマザーが苦労している日常シーンも盛り込むとか。

ガツンと言ってくれる人物もいなかったのでねぇ…

テーマの見せ方が上手かったのは確かですが、

正直、今までの中で一番と言っても良いほど、不完全燃焼で終わった回でもありましたね。

 

前回に引き続き、メインエピソードに犬が絡んでこないので、

ひかり本人がとうとう「どうも。犬は関係ないんですけど…。」と言及してきましたね。

そこはメタ発言っぽくて、クスッとさせられましたが(笑)

次回は上野原(板谷由夏)が再登場するだけに、再び犬が絡むお話になりそうです。

物語も後半戦に突入…そろそろ、結末含めて心から満足出来る回が欲しい所です。

 

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