
感想は1話も書かなかったものの、最後まで見ておりました。
個人的には、う〜ん…せっかく素材が揃っているのに…という残念感が
終始つきまとう作品でしたね。
私が本作でずっと気になっていたのはこの3点でした。
・野本英人と根尾光誠は転生を機に入れ替わっているのか?
・NEOXISにいる光誠は、瓜二つの英人の事をどう思っているのか?
・2人はいつ対面するのか?
しかし本編は、転生前と同じように歩む歴史をなぞる形で進んでいき、
社長である光誠(以下:英人)に関する情報はほとんど明かされないまま、
英人として生きる光誠(以下:光誠)の視点で話が展開されていくのです。
だから…なんでしょう、目的はあるはずなのに、物語の全体像が見えないために、
閉じた世界をさまよい続けている感覚が残ったと言いますか。
視聴者に考察させる要素を作るのは全然良いんですけど、
それは、「あれ、もしかして…?」と勘づかせる描写があって、
初めて考察と言えると思うんですね。
露骨な匂わせ演出は苦手ですが、本作の場合は隠し過ぎ。
気になっている所には触れられないまま最終回まで進んでいったので、
私の中では延々と進展がない、引き伸ばされている印象が強かったです。
「人はその立場にならないと分からないんだよ」と言うのなら、
やっぱり、本来だったら2012年で亡くなっていたのが急に未来を生きる事になって、
恋人だった更紗(中村アン)の元を離れる事にもなった
英人の心境にも少しは触れて欲しかった…。
2人の対面にしてもね、もっと早く見たかったな…と(汗)
前期の「リブート」で既に1人2役ならではの味わいを堪能しているだけに、
本作にもどうしても期待してしまう訳ですよ。
本作は「高橋一生が究極の二役に挑む!」とうたっていましたが、
果たしてその設定が活きていたのかは疑問です。
1人2役と言えば…イメージするのはキャラクターの演じ分け。
1つの画面にどっちも同じ人が映っているのに、
全く同じ人に見えない!役者さんって凄い!というワクワク感。
だけれども、光誠は光誠で、英人は英人でそれぞれ別サイドで話が進んでいくため、
これじゃあ1人1役だよなぁ…と思いながら見ておりました。
光誠を避けていた理由は分かりますが、それでも、ね…。
そして個人的に、それはアカン!をやってしまった終盤の展開。
なんで光誠を死なせた…?
光誠として生き続ける英人はどうなったの??
疑問が拭いきれないのに、なぜか商店街のみんなは微笑んでいるし、
主題歌含めて爽やかハッピーエンドの雰囲気を漂わせているし。
いや合ってない、合ってないから!
ちょっと待って!!と困惑した状態で終わりました(苦笑)
ほとんど情報のなかった英人に関しては、最終回で説明台詞オンパレード。
それが済んだらその後どうなったかはチラッとでも描かれないのは、
物語の締めとしてはちょっと雑じゃあありませんか?
光誠の死にしても…私としては、強い必要性を感じない限り、
登場人物を死なせる展開は好きじゃないんですよね。
いや、劇中でも光誠が「みんないつ死んでもおかしくない毎日を
生きてるんだよなって思った。」
「神様は帳尻合わせが好きなのか、いいことと悪いことはいつも交互にやって来る。」
と言っていたように、光誠が亡くなったのも何も特別な事ではなく、
死はこの世を生きる全ての人に共通するものなのだというのを表現したくて
あの締めだったんだと思いますが、
ラストで余韻を残すためにとってつけたように感じてしまって。
だったら…更紗の肩に顔を預けて眠るシーンをラストカットにして、
その後を視聴者の想像に委ねる終わり方の方が、まだマシだった気もします…。
高橋一生さんのモノローグは毎回聞いていて楽しかったですし、
やっと見られた光誠と英人の対面シーンは、入れ替わって転生しているはずなのに
もう完全に優しさと冷酷さで真逆の人になっていて、満足感は補えました。
被りますが「人はその立場にならないと分からないんだよ」という台詞も、
自分とは違う意見を見つけると
自分の物差しと正義感で攻撃しようとしてくる(←自分が正しいと思っているから)
SNSの状況を彷彿とさせて、胸に刺さるもので。
ああ、きっと本作の最も描きたかった事はそこだったんだろうと最後に理解出来たのですが、
総じて、脚本の構築の甘さが気になりました…。