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知ってるワイフ 7話 感想|結局は「元春が悪い」で終わるw

 

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前回「俺が沙也佳(瀧本美織)を幸せにする」と言って始まった第2章。

なるほど…元春(大倉忠義)の決意を、"あの頃の思い出"をほぼ挿入しない形で、

澪(広瀬アリス)とのやり取りを減らした形で見せてきましたか…。

でも、彼はやっぱり出来る人ではないので、沙也佳と関わっていく中で

「俺は今の生活に満足しているんだろうか」「このままで良いんだろうか」という葛藤や

一緒にいてどことなく楽しくないという不満も描かれていて、

暗喩的に澪への未練も表現されている。

この演出は面白いですね。恋愛モノとしては結構新感覚。

 

ただ…これは個人的なイメージですけど、

韓流っぽさが再び顔を覗かせた気がしなくもないです(笑)

夫婦喧嘩で沙也佳が怒鳴っている姿が初回の澪と重なってしまう所だとか、

誹謗中傷で書き込む言葉に「整形美人」が出てくるとか、

「どこかに連れてって」「どこ?」「遠い所」なんてファンタジーな会話が

急に繰り広げられるのだとか。

特に"怒り"の感情をヒステリックに見せる印象が強い。

女性が怒鳴っているシーンを見ると、どうしても心がズキズキしてしまいますなぁ。

 

回を重ねるごとに、少しずつ沙也佳に同情したくなったけれど、

今回の「自分の事が最優先」的な自分勝手っぷりにはちょっと引く。

でもさ…よくよく考えたら、これはある意味策略なんですよ。きっと。

現に、澪だって元春の手を頭に乗せたり、母を置いて元春と2人っきりになったり

かなりあざとい行為をしているのに、責められる描写は全然ない。

既婚者の元春の前で母が澪の事を「私が思い描いていた理想の嫁」と褒めるのは、

沙也佳を"結婚するのを間違えた相手"と例えているようなもんでしょうし。

澪を良い印象づけるために、結構酷いキャラに描かれているとは思うんですよね。

そもそも、ビハインドで悪口を書く気にさせたのは2人が原因なのに、

何の心当たりもない様子で「なんでそんな事したの?」みたいな冷ややかな目で

見られているのが可哀想。

 

まぁ…結局は「元春が悪い」で落ち着くんですけど。

婿の立場で贅沢な暮らしさせてもらってる事に対して感謝の言葉もかけず、

頭の中は元妻の事ばかりなくせして「だから謝っただろ!」「俺は召使い」は、ない(笑)

沙也佳は彼のどこを好きになって結婚したんでしょうねぇ。

社長令嬢だったらパーティーでいろんな人と知り合う訳で、

ごく普通の銀行員に恋に落ちる事は早々ないだろうに…ビビッときたのがどこなのか知りたい。

 

上原(小関裕太)は最終的に当て馬ポジで終わるとは思ってます。

後は…元サヤで終わるのかどうか、本当に分からない。(基本的に応援はしている。)

だって全然学習してないんだもん(泣)

 

 

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にじいろカルテ 5話 感想|隣の芝生は青く見える…ってやつデスね。

 

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すごいわ…4コマ漫画のオチを見ているようだったわ。

最終的に命の尊さに行き着く事の多いイメージの医療を扱ったドラマで、

「俺以外みんな死ね!」で終わったものがあったでしょうか(笑)

主題歌も雰囲気も全てデスデスデスデスで吹き飛びましたよ。

でも、奇抜なオチも含めて、かえって良かった気がします。

「自分はこんな辛い過去を抱えていた」「どうして自分は周りより劣っているのか」

といった心の傷を利用してお涙頂戴にしないで、

「それはみんなで笑い飛ばそうぜ!」という勢いで押し通した所に好感が持てる。

 

歌関係なしに、常にオール5で、常に機転を利かせるなんて早々出来る事じゃないから

太陽(北村匠海)は良い意味で"普通じゃない"んだけど。

"普通"である事にコンプレックスを持った原因は、多分、通知表に書くコメントで

「特に何も問題はありません」の一文で済ませた

担任の存在から始まっていて(子供の個性に気づいてあげるのも大事な仕事なのに!!)、

もっと早くから村人達と交流出来ていたら

そんなに思い詰める事はなかったんだろうなぁ…と思います。

周りに凄い人達がいるから自分は何にもないんだと落ち込む。

「そんな事ないよ」と言われても「いや、それはあなたが凄いからじゃん」って

捻くれて捉えてしまう。

私も彼みたいなケースは仕事の時によく起こるから、

何で悩んでいるのかも何となく分かったし、彼の気持ちもひたすら共感出来る。

 

朔(井浦新)が2人に過去の出来事を告白するくだりはもう少し後かな?

2人が察してからかな?と思っていたけれど、前回からの流れでもう話すとは。

朔から出た話もすんごい頷けるものでしたねぇ。

出来事までの部分が端折られて、都合の良いように解釈されて、

自分なりに勝手にストーリーを作り上げてしまう。

「自分が語りやすい物語の中に人を閉じ込める」完全に的を得ている台詞。

本人も長台詞って言っていたけど、彼自身が日頃から抱えている想いだとか、

太陽を元気づけようもんなら"弱い部分"を見せてまで全力で向き合う姿勢だとか、

笑って楽しく生きると決めた意志の強さだとか…

あのカミングアウトに朔なりの人柄が滲み出ていたのも印象に残るシーンでした。

 

自分は普通だと思っているだけで、実は他とは違う個性を持っているのかもしれない。

自分が相手を羨ましく感じてしまうのは、向こうも同じだったりする。

医療ドラマではなくて、何と言うか、

心に寄り添った新たな治療法を教えてくれる…そんな作品です。

見ていて心地良いですね。

 

 

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モコミ〜彼女ちょっとヘンだけど〜 3話 感想|初出勤日にドキドキ

 

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(先々週に放送された回のため日付をいじって投稿しようかと思ったけど、

最新話が休止になったので、普通に上げちゃいます。他に上げられる感想もないしね。)

 

俊祐(工藤阿須加)の彼女っぽい涼音(水沢エレナ)が気が強そうだな…

いびられる展開が来るんじゃないかな…とか思いながら、

まるで我が子のように萌子美(小芝風花)の初出勤を見守った回。

この時ばかりは、すぐネガティブな方に考えてしまう

母の気持ちがちょっとだけ分かる気はしました(笑)

普通に面倒見の良いお姉さんで良かったです。

 

萌子美の性格的に、フリーランス…特に自分をありのまま出せる

イラストレーターとか、今回で言うフラワーアレンジメントとか、

芸術の仕事が向いている気はするんだけど、彼女はまた"誰かの下で働く"道を選んだ。

「お客さんに喜んでもらえる花が、私には分かる」その考えもごもっともではある。

でも、花屋で働く以上はある程度のルールは守らないといけないし、

涼音は結構ハッキリ物を言うからキツイかもしれないけど、

アドバイスしてくれたのは見た目のバランスとか、色合いとか、デザイン方面の話だから、

今後接客していく上では"お客様を喜ばせるための知識"として覚えておいた方が

人生において役に立つのかもしれない…と思ってます。

 

でも、偉いなぁ…萌子美。

意見がすれ違っていたら弁解してしまいそうになるのを、グッと堪えましたよ。

純粋に「これが私だから!」「私はこうでありたい!」を描くんじゃなくて、

涼音達に1つ1つ指導してもらったり、

「それはどうかな?」と言ってくれるおじいちゃんがいたりして、

理想と現実の差に悩まされながらも、考えて、考え抜いて、

自他共に否定しないように気持ちを伝える…という結末に落とし込んだ所が

大人の脚本だと感じさせますね。

 

で、父・伸寛(田辺誠一)の独立の件は…実際の所どうなんでしょうかねぇ。

自発的にじゃなくて、本当に経営状態が悪くて事務所が潰れたとか、クビを言い渡されたとか、

悪い流れで在宅ワーク(…という名の就活?)を始めたと思うんですけど。

それにしても、妻に言わずに事務所を畳んだ旦那に、涼音に言わずに妹を雇う事にした兄…

誰にも相談せずに自分で物事を決めちゃう点では、"親子"って感じがしますな(笑)

 

 

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青のSP−学校内警察・嶋田隆平− 6話 感想|いじめ問題、そんな甘くないっすよ?

 

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今までは学校に警察が配属される形で

"新感覚学園ドラマ"として成立出来ていた訳ですが、

結局、主人公の過去が絡んできちゃうと

物語の向かう先は縦軸中心の話になってきちゃうんですよね。

だから、毛色が変わってしまっている感じ。

 

隆平(藤原竜也)が警察官らしく

保護者と学校の中立的存在として描かれれば面白くなったかもしれないけど、

彼が学校に来た目的は恋人を殺された事による復讐でしかなくて。

それはわざわざ警察官という外部の人間を呼ばなくたって、

訳ありの過去を持つ教師だとか、黒幕に近づくために教師だと偽る人とか、

"学校内"だけでいくらでも完結出来そうな設定だと思うんです。

まぁ、真相が明るみになっている以上、

今更「こうなっていれば…」と言っても意味ないんですが。

 

しかし、本作の作りに残念に思っている点はそこじゃない。

縦軸がクローズアップされるにつれて、"警察が学校を救う"1話完結部分の着地点が

どんどん雑になってきている事…これに尽きます。

中盤で出てきたひったくり犯が結局誰で、ただの常習犯なのか、

それとも(三枝(山田裕貴)とのシーンで「最近ここら辺でひったくり被害が

相次いでいるらしいですね」という会話がなかった事から)

機密情報を狙って教師が誰かを利用したのかが一切明かされなかったから、

無理やり事件を勃発させるための"アイテム"として描かれているような不自然さがありますし。

序盤は「教師による若手教師へのいじめ」がテーマで動いていたはずが、

いつの間にか「人手不足による業務量過多」になって、

校長対教師への構図に挿げ替わっている。

実際に部活動の顧問などのサービス残業も多くて、学校がブラック扱いされている。

そんな社会問題に突っ込みたいのは分かる。

でもさ…なんで1時間内でそこまで欲張ろうとするのかな?

「いじめは犯罪」という前回の主人公の訴えは忘れてしまったんですかね?

今回の2人の教師こそ、初回みたいにガンガン手錠で逮捕するべき相手でしょう。

教師だろうと生徒だろうと、警察だから容赦はしない"勢い"はどこ行ったのか。

風呂敷を広げるだけ広げていって、根本的な問題は回収しないんじゃあ…

本末転倒ですよねぇ。

 

はぁ…学校に深く関わっていない"第三者"の立場だからこそ、

視聴者の思っている事、行動したい気持ち全て代弁してくれて、

もっと痛快感を味わわせてくれる作品だと思っていたんだけどなぁ。

モヤる。非常にモヤる…

しれっと味方側に回った2人が「業務問題」でチャラになって、

今後も罪に問われる事はないだろうと察してしめしめなんて思っているのを想像すると…

腹立ってきますわな(笑)

 

 

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監察医 朝顔(2021) 14話 感想|「おかえり」と言い合える家族でいて欲しい

 

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ついに終わった。

長く長く感じた「孤独編」…ようやく終わった。

もうホッとしてます。もうこれが最終回でも良いくらい。←それは言い過ぎ(笑)

 

そもそも「孤独編」というネーミング自体、

視聴者に可哀想と思わせる意図的な表現のようで抵抗感を覚えまして…

そして、桑原(風間俊介)も平(時任三郎)も同じタイミングで転居させて

家族をバラバラにする意味はあったのかとも疑問でした。

まぁでも、終わり良ければすべて良しとまでは言いませんが、

久々に4人で囲む団欒や、つぐみ(加藤柚凪)と仲良く遊ぶ光景に

実家に帰ってきた時の懐かしさを感じて、思わず「おかえり」と言いたくなりましたし、

4人の間にある絆の深さを改めて噛みしめるための「孤独編」でもあったのかな…とは、

今となっては、そう思います。

 

今回の何が最も"本作らしかった"かって、

朝顔上野樹里)の大人で真面目な性格が描けていた所。

普通だったらほんの嫉妬心で美幸(大竹しのぶ)に顔を見せに行きたくないだろうし、

「実はお父さんの事が好きだったんでしょ?」なんて

オブラートに相手の気持ちを確かめる事だってあり得ると思うけど、

朝顔はそれをせず、ひたすら「お母さんと仲良くしていたお友達」として接し続けた。

どう思っているのかハッキリさせるとか、変にドロドロした展開にならなくて良かったです。

 

そして、その人間性の高さはお父さんから遺伝しているのもよく分かる。

歳を重ねるにつれプライドが高くなって、強がりな性格になる人が多分増えていく。

「先に謝っておきたい」「これから迷惑かけると思うけど」と

正直にありのままを伝えられる人はそうそういないと思う。

つぐみちゃんの「どうして離れ離れなの」は

そこまで深く考えた上での言葉ではないかもしれないけど、

自身の病気の件や、妻の"生きた証"と一緒に死に向かう人生を歩もうとしていて、

心に翳りのあった平に一緒に暮らす事を決断させた

"生きる希望"を見出させたきっかけになったのには間違いないですし。

三世代にわたって、親の考え方や生き様がこうやって子供に伝わって…という

日常生活においての家族の存在の大きさを感じさせたお話だったのが、

今回の満足度に繋がった理由なのではないかという気がします。

 

つぐみにクリスマスプレゼントをみんなで渡しに行って、

ドジをやらかして笑って、酌み交わしながらお喋りして…

ずっとそんな家族であって欲しいです。

カセットテープにもどんどん記録を残して欲しい。

骨よりも案外そういう思い出の積み重ねが、

心の拠り所になるのではないかな…と思ってます。

 

 

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天国と地獄 〜サイコな2人〜 5話 感想|戸田一希は女性だと分かったけど…

 

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まぁ、日高が容疑者だと疑われている以上、

彼の秘密が誰かの手によって漏洩されて会社がピンチ!という展開は

いずれやりそうな内容ではあるんですが…

う〜ん、個人的には何か引っかかるなぁ。

 

「歩道橋の彼女」と日高の関係性、

そしてその正体を突き止めようとする河原(北村一輝)の動きと

着実に事件の真相には近づいている描写はあるし、

主要な人物の一人である陸(柄本佑)が果たしてただの善人なのかどうかにも迫っているから、

決して今回の話が意味のないものだったとは言わないんだけど。

でも…本作が全10話で、中間地点だとすると、後半戦に突入する前の重要な回に

会社にネガティブキャンペーンをもたらした犯人を特定するだの、

九十九(中尾明慶)が特許を買収しようと企んでいるだの、

本作が書こうとしている"事件"からズレた話をメインに盛り込む必要ってあったのかな?

と思ってしまいました。

森下脚本は物語の中間地点からどんでん返しが続くイメージがあったので、

そろそろ驚くべき"何か"がやって来ると待ち構えていた分、

あれ?思ってたのと違ったな?…っていう肩透かしを食らった感じ。

 

まぁ、唯一進んだと言えば、やっぱり戸田一希の件ですね。

男っぽい名前ですが、実は女性。

本格的な考察はそういうのが得意な方に任せるとして…

戸田一希がラブレターに書かれていた"歩道橋の彼女"で、

(いや…河原の勘違いで、次回の冒頭で別人だと発覚する可能性も考えられるか?)

手紙を大事に残している理由としては、

彩子<日高>(綾瀬はるか)が日高<彩子>(高橋一生)と入れ替わる前に

入れ替わった相手だからなんじゃないかなぁとは思ってしまいますね。

 

日高<彩子>も触れていたけど、化粧や服装と

"女"である事を楽しんで、しかもその楽しみ方を知っている感じですし。

陸が帰ってきて、「何言ってんの!他に行くとこないでしょ?」と言われた時の顔が

完全に恋に落ちた顔でしたし。

2話の感想でも書きましたが、日高が何度も入れ替わった説、まだ有力なのかも。

 

 

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六畳間のピアノマン 1・2話 感想|憎しみは愛を知る事で取り除ける

 

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ピアノマンのメロディーとタイトルの手描きの感じからして、

心が和らぐような温かみのある物語なんだという予想に反して、

ある意味見ていられないほど「しんどい!」の連続で始まった本作。

 

感想を書きそびれた初回について軽く触れるとするならば…

最終的に、小さな希望を見つけるために明日も精一杯生きて行く人物を描く

群像劇だという方向性は分かりはしたものの。

コロナ禍であろう劇中の舞台から8年前=2012年だと想定すると、

パワハラブラック企業の描写が果たしてこの時代でも

実際にあったものなのかどうかが気になったり(どちらかと言うと2000年代のイメージ)、

主人公の解決の仕方に「半沢直樹」を参考にしたかのようなヒーローっぽさを感じさせたり、

それも自分本位でしかなかったり…という様々な部分が引っかかってしまい、

中盤までが辛い展開だったのもあって、

個人的にはあまり腑に落ちる内容ではなかったんですよね。

 

しかし、今回はかなり見応えがありましたよ…。

段田安則さんの関西弁と後ろ姿で魅せた話だったと思ってます。

秀人(原田泰造)に逃げられて一気に沸いてきた感情を吐き出した時も。

自暴自棄になって「殺してくれ!」と頼み込む時も。

ビールを美味しそうに飲んでる時も。

ずーっと泣いてた。

 

時が経ってから「もっと子育てを上手くやっていれば」と後悔する事自体は

どの親でも必ず訪れるものでしょうけど、

本作の場合は、それに息子の死と、

定年退職して自由になったからこその"孤独"が重なるから尚更辛い。

けど、決して復讐しようとはしなかった。

泰造はいつでも優しい人だった。

その優しさが息子にはきちんと届いていて、友達にも伝わっていた。

 

心に抱えた憎しみは、息子がどれだけ友達に慕われていたか、

どれだけ愛されていたかという"生きた証"を知る事で取り除ける。

憎しみからは何も生まれないから、前を向いて生きるしかない。

自分の人生ややってきた事を否定するような形で

命を絶つ人間は作り出したくない…という"強さ"を感じさせるお話でした。

 

「お風呂が沸きました」のくだりも印象的で。

最初に口ずさんでいる時はもう

自分だけが生きている事に希望を見出していないんじゃないかと思っていましたが、

あんな思い出があったと知って、また泣けるっていう…。

世の中にはいろんな音楽で溢れていて、

それが本当に小さなもので、何気ないものだったとしても、

誰かにとっては心に響く"何か"が隠れていたりするんだと考えさせられます。

あまり関係ないけど、ある音楽を聴くと、大変だった受験期の頃が蘇るのと

同じ原理なのかもしれませんね。

 

次回は恐らく、秀人がメインの話になるという事は、

やはり誠(古舘佑太郎)を共通項に

4人それぞれの視点で描かれるオムニバス形式になるのでしょう。

今回は泰造が主役の物語だったために、工事現場で生き生きとしている秀人に対して

「なんでそんな笑ってられんねん!」と怒りたくもなりましたが…

それが一変して、心境の変化に共感出来る内容だったら良いなぁ。

 

 

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俺の家の話 4話 感想|絶対権力者の前ではNOとは言えない

 

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いや、本当クソじじいですな(笑)

これは寿限無桐谷健太)が闇堕ちするのも無理ないですよ。

前回の「死に方が分からない」でしみじみしちゃったけどさぁ…

あの話を聞いちゃうと、意味、結構変わって来るよねぇ……。

だって、自分が自分じゃなくなる前に、後悔ない人生を送るために言ってしまおうか、

それとも子供のために言わないでおこうかっていう葛藤も含まれていた訳でしょ?

まぁ、結局はカミングアウトしてしまったし、

心が晴れやかになるのは当本人だけなんですけど。

でも…個人的には、ちゃんと意識がある前に言った方が良いと思うんですよ。

亡くなってから分かれば「なんでもっと早く言ってくれなかったんだ!」という

怒りをぶつける相手がいないモヤモヤは残りますし、

認知症が進行してきた場合、本人はボケた頭でもポロっと出ちゃう事だってあり得ますし。

そっちの方が精神的に来そうです。

それにしてもねぇ…さくら(戸田恵梨香)に凄いべったりだとは思ったけれど、

まさか他の女性の子供を作るほど女好きだったとは…印象が変わっちまいましたな(泣)

 

印象が変わったと言えば、O.S.D(秋山竜次)も。

場を盛り上げるために生まれたボケキャラのイメージがあっただけに、

深い言葉が彼から出てくるとは思いもしませんでした。

「ラーメン好きなやつってさぁ、

ラーメン好きなやつの気持ちしか分かんねぇんだよなぁ」

これ…自分なりに解釈すれば、今まで医者を目指して努力してきた親が

我が子にも医者になってもらいたいという想いで厳しく教育する

ある種の"願望"と同じ原理なんですよね。多分。

人間国宝で絶対権力者の寿三郎(西田敏行)の下で育ってきた

寿一(長瀬智也)、踊介(永山絢斗)、寿限無

そして、その家族に影響されてきた秀生(羽村仁成)と大州(道枝駿佑)。

観山家の息子達も、繋がりを持つ人々も、

みんな「男なら男らしく継ぐべし」「男らしい意志を持つべし」という

見えないけど確固たる"しがらみ"の中で生きてきたんだろうなぁ…と考えさせられる話でした。

 

"長男なんだから"家を継がなければならない責任感を持つ寿一。

"弟子になったんだから"観山家のために尽くさなければならない任務を任される寿限無

"能の才能がないのなら"違う職業で家に貢献しなければならない踊介。

"能一家の孫として生まれたのなら"能が好きじゃなくても踊らなければならない大州。

初回の感想で「父親の呪いもこの物語には含まれている」といった文を書きましたが、

今回は男性中心の話に絞って、

逃れたくても中々逃れられない"家族の繋がり"を描いてきたと。

 

これは今更の気づきで、俺の家の話の「家」は「いえ」とも読めるけれど、

家庭や家族を意味する「うち」とも読める訳でさ。二重の物語になっているんですよね。

長男は能とプロレスを掛け持ちしていて、父は要介護で、個性的な子達で…という、

一見風変わりの家族を紹介する話でもあるし。

寿一が現状を知って、介護に関わっていく事で、家族とどう向き合って行くのか…という、

長い間そこに存在している"家"そのものを建て直す話でもある。

いや〜、よう捻られてますわ。

 

前半も相変わらず笑いの連続でしたし。

で…ビューティフルライフごっこって、本当に当時からあったのかしら(笑)

世代じゃないので分からないw

 

 

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知ってるワイフ 6話 感想|澪もタチ悪い気がしてきたぞ…?

 

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私は基本的に本作が好きで、好意的に見ていますが、

少しでも「おや?」と感じた所は出来る限り書き残していくスタンスを取っているので。

今回だけは引っかかる所があったので、書かせて欲しいです。

 

まず、元春(大倉忠義)と澪(広瀬アリス)の距離を縮めさせるためとは言え、

いくら何でも展開が都合良すぎるんじゃないかなぁ…と。

飲み会で上司に付き合わされて、

津山(松下洸平)が酔っ払っているからという事情は分かりますけど。

それでもあの性格上、澪が困っているなら助けに行くはずだし、

なのに津山に連絡をしている(た)様子が澪から見受けられないから、

本来今の彼氏であるはずの彼が中盤からほとんど登場してこないのが

不自然に思えてしまいました。

それに、認知症の母親が出て行ってしまって、一人で抱え込むほど不安だったのにもかかわらず、

夜遅くになっても元春に唆されるまで、警察に捜索願を出さなかったというのも何か変。

 

そして、元春自身「何も気づかなかったし、知ろうともしなかった」状態から

「気づきはしているけど、どこを改善して行ったら良いのか分からない」状態にと

段階を踏んで変化しているのも分かるのですが、

今回からは、今までの"大きな気づき"を得ていく流れをやめて、

沙也佳を幸せにすると決意した ある意味"第2章"ともとれる内容にしたためか、

結局右往左往するだけで話が進んでいないなぁ…という気も。

支店長の稟議書のくだりが、個人的には余計だったんですよね。

あの棒読みのコントが滑っている上に、浮いているようにも感じたので、

社内パートももうちょっと本筋に絡めて欲しかった。

 

引っかかった所はこれでおしまい。

で、本編に関しては…今回は最終的に沙也佳(瀧本美織)も久恵(片平なぎさ)も交えて

女の敵は女」みたいな女性同士の修羅場を匂わせる終わり方をした訳ですが。

何というか、実は澪がその中では一番タチ悪いんじゃないかなぁ…と思ってますw

もちろん、お互い別々に大切な人がいる者同士で、断ち切ろうとしているのなら、

交番に連れて行った時点で警察に任せて帰れば良い元春は言わずもがな。

でもさ…"彼は既婚者"という認識は澪にもあるんでしょ?

だったらなんで「もう大丈夫だから、ありがとう」と断りを入れずに

2人で長い時間を過ごそうとするのか。

もしかしたらまた母が出て行くかもしれないのに、なんで家の鍵を閉めないのか(笑)

彼女がモンスターになってしまった理由も分かる気はしましたが、

周りが見えなくなる点では共通しているのかも…とも思えてきましたよ。

 

実際、沙也佳の言う事は"ど正論"でしたからねぇ。

「あたしに嘘ついて、ずっと一緒にいたんでしょ!」

「あたし昨日から言ってたよね。話したい事があるって。

なのにあたしの事ほっといて、どういう関係なの?」

「彼女がいけないのよ。普通上司を連れ回す?」

本当に元春も澪もその通り過ぎて、もう庇いようがないのが(苦笑)

通常だったら多分、登場人物が"見ていない"所で主人公の動きを書いて、

視聴者にそれを伝えさせて、想いがすれ違う両者に対して

「違うんだよ!本当は…」とじれったい気持ちで見てしまうもんなんですけど、

本作の場合はそういうのがない。

沙也佳の事はちょっとヒステリックで怖そうだな…と思ってましたが、

今回の件を考えると、同情する方に傾きましたかね。

 

買ったお惣菜の盛り合わせとは言え。

料理の準備が終えたらすぐに、元春と2人で食事をした回数はどれくらいなのか。

今日はご飯をちゃんと食べたのか。

プライドが高い性格なだけに、心配になってきましたよ。

もう上原(小関裕太)と結ばれちゃいなよ!とさえ思います(笑)

 

 

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にじいろカルテ 4話 感想|夢ならばどれほど…にならなくて安心。

 

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キャラクターのああいう描写…弱いんですよねぇ。

いつもはノリが良くて明るい人が、実は過去に大きな傷を抱えているというギャップのある設定。

それを井浦新さんが演じるから1つ1つの言葉に計り知れない重みを感じてしまうし、

悲しみを帯びた横顔を見ていると、某作品のように雪が舞っている景色も見えてきてしまう。

でも…本作が本作なので、脳内でLemonの歌が流れる

残酷な結末にはならずに済んで良かったですけどね。

それと、あのコラボCMは、今回に限っては緊張感のある雰囲気を壊しかねなかったので、

たまには放送をしないという選択があっても良い気はしましたw

 

予告の時点で凄く重い話になるのだと覚悟していましたが、

あまりにも重たくし過ぎると今までの作風と合わなくなるし、

フラッシュバックしてしまう視聴者も出てくるだろう…という事で、

太陽(北村匠海)のブヨ刺され&尻を叩かれるという下ネタを挟み込む形で

調和を図ったのだと思っています。

前回のを見てからだと、ガッツリ"医療ネタ"を取り入れているので

少し新鮮味はなくなるし、題材的にどうしても「コード・ブルー」と重なりはしますが、

"本作らしさ"がなくならないように展開を工夫しているのが見受けられるから、

これはこれで悪くないです。

 

「真空は友達でもあるけど、私の主治医でもあるから」

この村に来て初めて認められた真空(高畑充希)。さぞかし嬉しかったでしょうね…。

前回で雪乃(安達祐実)とのエピソードを書いた直後だからか、

真空も弱音を吐いた事で本当に"友達"として

対等の関係でもいようとしているのが雪乃にきちんと届いて、

本当に彼女を信頼しきっているのだというのがよく伝わる。

そして、意外にもサバッとした性格な事が発覚。

「男と女の約束は守らないの?」発言は面白かった(笑)

 

しかし、回を重ねるごとに、みんなキャラが立ってきましたねぇ。

いや、最初からキャラは濃いんだけれど、

中身が空洞だったものが徐々に身がぎっしり詰まってきたような感じがします。

それぞれの辛い出来事が描かれると、"生"が宿ると言いますか。

 

次回は太陽がメインの話みたいですが、

きっとこの村の人々なら大丈夫だと、安心しながら見られそう。

それにしても、お尻を叩き合いながら笑う3人を少し引きで撮るシーン…

凄く微笑ましい図だったなぁ(笑)

本当に3人を見ているだけでも心が満たされるドラマですわ。

 

 

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