2020年02月一覧

心の傷を癒すということ 3話 感想|一人一人が尊重される社会…であって欲しい

 

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物語は、東日本大震災当時の2011年から始まり、

1995年、1996年、2000年と時が移り変わっていく。

時間軸が行ったり来たりするのはややこしくて、個人的には好みの手法ではないんですが、

本作に関してはその流れの速さもすんなりと受け入れられちゃうんですよねぇ。

 

エピソード自体も、今までの回もそうでしたが

特段「これ!」というどれか1つを強調した作りではないものの。

1つ1つのエピソードを満遍なく描く事で、作り手が伝えたいメッセージが浮かび上がり、

ミステリーのように、そこの結末に落とし込むのかという面白さもあります。

今回は「人と繋がりがある事の価値」がテーマだったと思っています。

 

避難所の責任者であり、他人の幸せを最優先してきた事で

自分を傷つけてきた校長(内場勝則)が、窮屈な想いをしていた奥さんを励まし、

それで元気付けられた奥さんはイカナゴを持って恩返しをする。

差別発言を浴びせられ続け何もかも失った父・哲圭(石橋凌)の

心のポッカリを埋めてくれたのは、第一線で活躍してきた息子の存在。

そして、どうやって現実を向き合おうとするかは"患者の意思"であり"自分の意思"では

決められない事に無力さを覚える安(柄本佑)もまた、

師匠の永野(近藤正臣)の存在によって救われる。

 

「耐えられへんような苦しさと悲しさの中で、生き延びる方法を見つけようとしたんや」

「生きる力が、強いんや。」

片岡(清水くるみ)にかけたこの台詞の重みに、泣く…。

安を始め、相手に対する優しい気持ちがあれば、いつかそのご恩が

自分に返ってくるのだという例を見たようでした。

 

一人一人が尊重される社会。

震災をきっかけに、傷つきやすい人間誰しもが居場所を見つけられる

社会であって欲しいし、これからの時代もそうあって欲しい…と

願わずにはいられない回でした。

 

 

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テセウスの船 3話 感想|雑な展開だけど、ちゃんと面白い。

 

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公式が「3話はジェットコースター回です」って宣伝していたのは知っていたけど…

いやぁ、凄いわ。「まさか」って何度言ったことか(笑)

 

父は犯人になって死刑になります。僕はあなたの息子です。

僕は未来から来ましたと宣言してしまう件。

佐野(鈴木亮平)の前で一気にこれらをカミングアウトしてしまったらねぇ…

そりゃあ、ふざけんな!出て行け!と追い出されるのも仕方ない訳で…(滝汗)

さっきまで言うか言わないか追い詰められる程迷っていたのに、

いざ告白したらしたで相手への配慮が全然ないんですもんね。

「僕は過去の事件の真相を探すために未来からやって来ました。

その事で、信じられないかもしれませんが、あなたに伝えたい話があります。」

っていう前置きをすれば、二人で結託するまでの時間も

そこまでかからなかったかもしれないのに。

 

そして、次に意外だったのは、金丸(ユースケ・サンタマリア)を味方につけた件。

視聴者からしたら完全に怪しい雰囲気を醸し出していたにもかかわらず、

心(竹内涼真)はいつから彼を信じてみようと思ったのでしょうか。

こちらに関しては、「僕は未来人です」と告白するのに躊躇しなかったのも不思議。

冒頭で逮捕される時に、突き飛ばしてノートを捨てるなんて行為をしなければ

早く協力してくれたのかもしれませんよね。

 っていうか、ライターを借りて燃やしておけば、再びタイムスリップして

同じ絶望(いや、悪化してますけど)を味わう事も減ったはず…。

 

けれども、これだけ毎回のようにツッコんでいても、"なんか"面白い。

不思議と「次回を早く見たい!」って惹きつけられちゃうんですよね。

このまま主人公の危うい単独行動が続いて

「物語の意外性」よりも「設定や展開の粗さ」が勝ってしまったら

作品に対する期待度も徐々に下がってきてしまうかも…なんて不安でしたが、

今回なんて、もう少し引っ張るであろうと予想していたカミングアウトの件や

金丸が消された件、嫌なタイミングで現在に戻ってきた件など

「ええっ!?」と驚くものをしっかり盛り込んでくれるんですもんねぇ。

 

そんな本作の良さが見えてきた所で…強いて言うなら、

「信頼関係を築く→事件が起きる→疑われて喧嘩→仲直り」の流れが

ワンパターン化してきているので、もう少し構成に捻りが欲しい感じですが。

でも、今の段階では楽しめているドラマです。

 

 

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病室で念仏を唱えないでください 3話 感想|もう少し冒険してみても?

 

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松本(伊藤英明)の仏教の教えに影響されていく 

三宅(中谷美紀)と児島(松本穂香)のお話。

 

序盤で三宅と藤森(宇梶剛士)の師弟関係が描かれたのも含め、

今回の話は"成長物語"が軸になっているものだと捉えれば、

宮島(ナオト・インティライミ)の自殺未遂のくだりはやはり盛り込み過ぎた気がして

個々の見せ所が散漫している印象は否めませんでしたが。

それでも、そのエピソードは、松本と同じ目の前の大切な人を救えない経験を味わった

三宅が宮島を励ます形で、「少し逞しくなった姿」を示す為に存在しているのだと

最後に解釈出来たのは良かったです。

 

しかし、「本作らしさ」に関しては、前回よりも更に薄まって

そこらで見かける普通の医療ドラマのような状態になってしまったのは残念…。

今回、袈裟姿で応急処置しているシーンがあったっけ?と思うくらい

「僧医である事の必要性」が見受けられませんでした。

仏教の教えを溶け込ませて見やすかった2話をベースに、

初期設定のトリッキーさを強調した1話の内容を少し加える作りにすれば

丁度良いのかもしれません。

 

そして、僧侶でもあるが故に生死という言葉に敏感な主人公を

もっと命に対して真正面に突っ走る熱血キャラに仕立て上げて、

「泥臭さ」「説教臭さ」で他の医療ドラマとも差別化すべきです。

とすると、三宅や児島よりも、

同じく強い正義感を持つ濱田(ムロツヨシ)との対立関係で

話を進めた方が面白くなるのでは?とも思います。

 

 

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