冒頭で「3年A組」を思わせる演出があった分、
今回の殺害動機は序盤の段階で、かなり分かりやすかったですね。
匿名である事を利用して面白半分で悪意ある書き込みをしたら、
それは誰かにとっては刃物に変わってしまうかもしれないよ…という社会風刺が混じったような、
ちょっと考えさせられるお話でした。
SNSやネットニュースでも一緒ですよね。
自分がバズリたい、この記事を読んでもらいたいという強い欲がある故に、
確証がとれておらず詳しく調べもしないで呟いた「デマ情報」を発信して、
多くの人に拡散されて、その内容が書かれた本人や店の知らない所で
イメージが勝手に操作されていく恐ろしさ…ったらないですよ。
普通だったら「グルメ大名」のアカウントを通報してしまえば済むだけの案件で、
なぜシェフ(武田真治)がたった一人のためにわざわざ回りくどい犯行をしてまで
お仕置きをしようと行動に出たのかがイマイチピンと来ず。
マリア(小池栄子)の出会いと関連付けられた「店を始めたきっかけ」以外にも、
その料理が出来るまで研究を重ねた思い出の日々とか、売り上げが乏しい中でも
お客さんからの「また来たい」といった言葉をもらえて勇気付けられたエピソードだとか、
どうしてもこの店を守りたかった熱い野望とか、
もう少しシェフと自分の店の関係性を思わせる背景描写が欲しかった気がしますが、
マリアの存在があるので、多分「ほんの殺意を彼女に利用されたから」と思えば
事足りてしまうのでしょう。
(連絡方法がテレビ電話だったのも謎ですけど(笑))
シェフが明智(中村倫也)に対して「この街には死んでも良いやつが星の数ほどいる」
と言っているシーンがありましたが、その返しとして「死んでも良い人間なんていない!」
という綺麗事な説教に持っていかない所は好感が持てました。
刑事ドラマらしく結末にハッキリ白黒つけるのではなく、
犯人に同情しつつ ちょっとしたほろ苦さを残す形で余韻を生み出す作りが、
主人公が探偵であるという設定を上手く活かせているんじゃないかと思います。
終盤では、徐々に闇落ちしていく明智の姿が。
最終回間近になったら、彼を立ち直れなくさせるマリアvs
持ち味である明るい性格で救い出そうとする苺(小芝風花)の構図が中心の
話になっていくのかもしれませんね。
ところで、クルックーの声は、意外性を考えたら
宇多田ヒカルさんだったりするんでしょうかね?
→追記:水卜アナでした。なるほど…まぁ、日テレらしいチョイスかな?
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