2020年07月一覧

Dr.コトー診療所2004 特別編 3話 感想|主題歌だけが不足(泣)

 

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※本作のシリーズは去年夏の再放送で視聴済みですが、特別編「2004」は未見です。

※本作への愛は足りない頭で1話の記事にしたためたので、

前回から純粋な感想として書き残しています。

 

私がドラマを名作だと感じる理由の1つとして「"間"がきちんととれているか」

挙げているんですが、やはりその考えは外れていないようです。

当時も思いましたが、台詞の量も、劇伴のかかるタイミングも絶妙なんですよねぇ…

 

島の人たちでどんちゃん騒ぎする時は思いっきり騒ぐ一方で、

大切な人の命と向き合う時は、やりきれなさと後悔の気持ちを

噛みしめるかのように沈黙の時間が続く。

ここで悲しげな曲調の劇伴を流せば山場として大いに盛り上がるだろうけど、

本作の場合は「あくまでも"添え物"だ」と言わんばかりに

劇伴がかかる頻度がとにかく少ない。

だから、どんな想いで話しているのか、その人にどんな思い出があったのか…

島で交わされている会話の内容にどんどん聞き入ってしまうし、

私たちは画面の外で無関係なはずなのに、

まるでその場にいる人々の間に流れる時間や空気感までダイレクトに伝わって来る

感覚にさえ襲われます。

 

物語は正一(小林薫)と剛洋(富岡涼)の試練のお話。

まずは正一のターン。昌代(朝加真由美)の看病をしながら足を踏み外し、

夫婦共々倒れてしまった時の「自分が"いつもの彼女"を奪ってしまった現実」に

ハッと目が覚めたような表情が切なくて…。

ノートの隅っこの「死にたい」という文字を見た時の彼の心情を表した

小刻みに揺れるカメラワークも、

奥さんとの馴れ初め話を聞いたコトー先生(吉岡秀隆)のシーンも

静かに募る絶望感を覚え、胸がキュッとせずにはいられませんでした。

剛洋の方も、ひな(尾崎千瑛)を危険な場に連れて喘息を起こさせてしまった事に対して

こんな自分が医者になって良いんだろうかという葛藤が最初はあったかもしれません。

 

しかし、どんな状況でも人を支えてくれるのは、自然いっぱいの大らかな島の風景の存在。

崖から見上げる夕陽。辺りいっぱいに咲くひまわり畑。

エメラルドグリーンの透き通った海。そして大海原の中照らされる朝日まで…

風景をメインに人物を引きで撮る映像が多くて、

それが島で懸命に生きる人たちを細やかながら見守ってくれているようで。

どのエピソードもウルッと来てしまいました。

途中でかかった「Believe」も、これからの未来に幸あれ!という

さり気ない鼓舞の気持ちを込めた上での選曲ですよね。

(合唱で歌ったわ。懐かしいねぇ…)

 

剛洋の行為に対して良い所に気づいてくれた親御さんも素敵だけど、

真正面からしっかり叱ってくれる父の存在もまた頼もしく。

人間性が良い人ばかりだから、コミュニティの輪が深まっていくのも頷けます。

富岡涼くんの寝ぼけ眼な演技も、作られた感じがなくて上手かったなぁ。

急に叩き起こされて父の船に乗った不思議な真夜中のこと、

大人になってもふと思い出す時が来るのでしょう。

 

来週で最終回。

お話自体は何も言う事ないし、もう十分満足なのですが…

銀の龍の背に乗って」成分が足りなさ過ぎる。

提供バックで流れただけじゃ満たされん!!(笑)

最後こそあの崖と海のシーンと共に、ガッツリ流してくれますように。

 

 

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ハケンの品格(2020) 3話 感想|SNS啓発でも真相探りでもなくカレー作り

 

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えっと〜…会社には正社員がいて、ハケンがいて、スーパーハケンがいるけど、

社員食堂には正社員以上の業務をこなすアルバイトが一人いて

後はみんな業者さんって感じなの?

よく分かんない社員体制だなぁ。

そういう場所は普通、パートやアルバイトが多くいるもんではないのかな。

美味しいカレーを作れるレシピがその人しかいない事になっているのも謎すぎる。

労働者は誰が管理してるの?材料費の生計は?領収書は?

色々と設定に無茶があり過ぎでしょ。

 

SNSに動画投稿した新人社員を叱って教育するでもなく、

"バイトテロ"と言われた牟田(六角精児)にあの時の真相を確かめて

炎上騒動を釈明しようと問題解決に動くでもなく、

不味くなったカレーを以前の味にすれば顧客との信用関係を取り戻せるとも到底思えません。

美味しければ良いの?そんな単純で終わる訳ないじゃん。

ニュースで取り上げられて、スーパーで調味料が売られていれば

回収してくれと申し付けるまでお怒り状態なのに、

「ブロガーがここのカレーを褒めてたから行ってみよっか♪」ってなるのでしょうか。

  

大前(篠原涼子)の描写にしたって、「彼は誰よりも職場を愛していた」と美談をする割には

やっている事はただカレーを作っているだけ。

"汚れた社内をぶった斬る、主人公による痛快スカッと話"が見たいのに、

シーズン2になってからどうも"主人公をどう面白おかしく見せるのか"に焦点を当てて、

活躍する尺を長めにとっている内容になってしまっているのが気になります…。

それに、片付けを頼むシーンも、正社員ではなく新人派遣2人に任せているのも

「派遣は任された仕事を時間内でこなすのみ!」という

彼女のポリシーと矛盾しているような…?

 

とにかく、なんで13年間も経営が保てているのかは知りませんが、 

「人」よりも「お金」しか目がない会社だって事は理解出来ました。

 

主人公を立たせるために周りの設定や人物を露骨に無能にするのは

個人的には好きではないし、

こういったエンターテインメントな作品は、コメディ強めの大衆受けする話に見せかけて

実は世相を反映させた考えさせられるような要素をも含ませているべきだと考えています。

 

なので、私には合わないって事でもうリタイアしちゃおうかなぁ…と思ったんですが…

次回は東海林とのやり取りが復活するとの事で、あと1回だけ様子見します。

これで少しはモチベイション♪が上がってくれると良いのだけど。

 

 

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探偵・由利麟太郎 3話 感想|歪んだ愛を生んだ雅なピンヒール

 

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今回の殺害動機は単純明快。

単純明快ながらも、腕時計を見られるくだりや、帰宅した時の旦那の受け答えの間、

そしてハーブティーに使用する葉っぱをちぎる所をわざわざ映すといった

いくつもの"ヒント"を視聴者に提示していた印象で、

今までよりも自分で動機を推理する時間が作れて、楽しく見られた気がします。

 

三津木(志尊淳)第一発見者=重要参考人として牢屋に入れられて出番が減ってしまった分、

今回は由利(吉川晃司)の台詞量が多めでしたが、

その分「由利が手がかりを掴む」「考え事をする」といった捜査過程を

じっくり描写してくれた満足感も覚えました。

こうして見ると、三津木に喋らせ過ぎてたんだろうな〜…と。

でも、寡黙で落ち着いた先生と気さくで行き当たりばったりな助手の

正反対の組み合わせだからこそミステリーものは面白い訳で、

4,5話は前後編になりますから、2人の見せ場をもう少しバランスよく出来たらと思ってます。

 

単純明快と言っただけあって、

犯人も前回に引き続き序盤の時点で分かりやすい。

犯人探しよりも役者のクレイジーな演技に重点を当てたというのが頷ける結末。

ネタバレしちゃいますけど、浅利陽介さんが悪そうな顔してるのは

何だか新鮮味がありましたねぇ。

しかし、ピエロ…黒い服で仮面被れば良いものを、

なんでピエロなんて目立ちやすい格好にしたんだろうってのは置いといて…(笑)

 

強いて言うなら、脱いだピンヒールの捨て方はちょっと無理がある気もしましたが、

3話が一番展開的には良い出来でした。

ピエロの題材に合わせた軽快で奇妙な劇伴、ピンヒールで顔を突き刺された遺体のグロさ…

「気味悪い」と恐怖心を駆り立たせる演出の安定感よ!

 

 

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