2021年05月一覧

半径5メートル 3話 感想|物に囲まれた人生だってアリ

 

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「私は捨てる勇気を持つうちに、夫が必要でない事に気づき捨てました」

ゾッとする台詞から始まった今回のエピソード。

しかし、話を進めて行けば行くほど、それとは真逆の方向に進み、

ある物にまつわる思い出や感情を互いに共有する事で精神的な充足を得られ、

自分とは違う相手の価値観に触れて初めて幸せな人生に繋がる…という

ほっこりさせられる内容に。

 

前回の感想と若干被りますが、どんなネタでも忖度なしで

容赦なく追究するイメージのある女性週刊誌が舞台の作品から、

人の言いにくい本心や心境に寄り添っていく話が生まれるというギャップが魅力的です。

そして、1つの物事に対する新たな見方も教えてくれます。

 

物の取捨選択というテーマが取り上げられたら、

テレビでその話題を膨らますために指標になってしまいがちなのが

「今後も使う可能性があるかどうか」。

しかし、本作の場合は、物を捨てる事が全てだとは決して押し付けません。

周りに物が散らかっていたままだったとしても、

偶発的な出来事がきっかけでそれが創作物のヒントに直結する人だっているし。

子供が巣立って役目を果たし、母からしたら自分の好みに合わないただのテーブルでも、

父にとっては自分の半生を投影させるほどの思い入れがあったりする。

オークションで何に価値を見出すのかをみんなで語るシーンも含めて、

特定の物にこだわりを見せる姿を様々な視点で描いていく所もまた、

その人の人生の"片鱗"を覗かせる面白さがありました。

 

中でも、家には「いつか使うかもしれないから」「思い入れがあるから」

「資料になりそうだから」でいろんな物をたくさんとってあって、

捨てるのが大切だと分かりつつも、

ただの口先だけの状態で終わってしまっている風未香(芳根京子)には共感。

提灯記事というワードが劇中で出てきましたが、

日常生活でも、相手には捨てたら?って簡単に言えるけど、

自分の事になると積極的に捨てられないのと一緒ですね。

彼女の気持ちを汲むかのように「選べんのかな?本当に大切な物って」

と呟く宝子(永作博美)の台詞が真理だとも思います。

やっぱり、人そのものを分かっている脚本家がこの手の作品を書くと、

1つ1つの台詞にも突き刺さるものがあります。

 

娘たちが自立したんだから私も新しい事を始めたいと言う母の様子を見て、

「リコカツ」の宿屋に就職した某母のエピソードが頭に過ぎりましたが、

こちらの方は夫婦生活が長く続きそうな結末で良かったです。

ヨガ…可愛らしかったですね。テーブルで好みが分かれていただけで、

それ以外は愛し合っているというよりかは仲良しって感じでしたし。

 

最後に仄めかした宝子の"過去"は…

椅子での「5年以上生存した者はいない」に関係してくるのかな?という気もします。

無理し過ぎて病気を抱えてしまったとか?

まだ分からないですけども。

 

 

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着飾る恋には理由があって 5話 感想|駿か社長かで揺れ動き始める豆柴真柴…

 

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誰かに警察に連絡してと頼むより、真柴(川口春奈)のいる会社に真っ先に向かっても、

ワゴンで遠くへ逃げるような人じゃなくて良かったですね(笑)

ブコメだから、そこらへんはマイルド。

駿(横浜流星)も陽人(丸山隆平)を呼んであげて、優しい世界で溢れている。

個人的には、その役目は真柴にやらせた方が自然だったかな〜…とは思いますけども。

だって、今の仕事に迷いを見せる舟木(黒川智花)の想いに同感したのは彼女の方ですし、

いくら見かけた事がある人だったとしても、いきなり盗難行為させられたら

自分の身に危険を感じて、周りに助けを求めてしまうもんじゃ…ないんですかね?

私がもし駿だったら、「どうした?大丈夫?」じゃなくて「えっ!この人やばい!!」

って気持ちが勝ってしまいそうですw

 

舟木と陽人の関係性を通して真柴の成長を描きたかったのは分かるから、

シェアハウスの住人達の物語に、外部の人間の事情が差し込まれる展開になるのは

いらない要素だったとは思わないけど。

真柴の仕事経験談と重ねるんだったら、もう少し視聴者が察しやすいように

彼女の抱える背景を以前からチラ見せしてみても良かったんじゃないかという気もしました。

彼女についてよく知らないのに、今回でいきなり"苦しい心境"を見せられても…ですし。

 

で、相手との距離が縮まりつつあるタイミングで

昔好きだった相手が戻ってくるという王道パターンを、5話でやってしまうんですね。

真柴が葉山(向井理)にもまだ気持ちがあると、何となく気づいていた駿。

だから一歩引いている感じなんですが…じゃあなんでキスしたのかは分からない(笑)

更に言ってしまえば、「もっと知りたいと思えるうちは、一緒にいるって決めた」なんて

告白に近い言葉を真柴は投げかけてからピクニックに出かけたのと、

雨の中で葉山と再会したのは、

時間軸で言えばどっちが先だったのかもちょっと分かりづらい。

まぁ…駿の隣に寝かせていたってなると、後者が後の出来事で良いんですかね。

 

ちなみに、毎回描かれる駿目線の話は、今回のが一番重要性を感じさせました。

彼女が聞き逃した部分で本音を語るくだりもお馴染みでも…

ああ〜、なんでそこは聞かなかったんだ〜…ってじれったくなっちゃうもんなんですよねぇ。

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 6話 感想|突然のオダギリジョー。いろんな意味でカオス!

 

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放送開始前、私は本作を「3回も離婚した大豆田とわ子ってどれだけ面倒臭い人なのか

見て確かめよう!」という気持ちで見始めましたが、まさかこんな展開になるとは。

 

回を重ねるごとにとわ子(松たか子)よりも三人の元夫の方が面倒臭そうなのが分かって、

今回の前半部分では、三人の元夫が可愛く思えてくるぐらい

彼らに近づいては構ってアピールをする女性達の方が面倒臭そうで。

でも、(特に心を悩ませる意味合いで)人生において一番面倒臭いのは

人間には抗えない"運命"だった…という三段オチときた。

 

開始から41分まで予告&妄想以外で一切現れなかったのにもかかわらず、

餃子パーティのシーンでは、自身の経験談を女性同士で愚痴り合うくだりだけで

「とわ子は良い人だった」という彼女の"像"を浮かび上がらせ、

その場にいなくても存在感を静かに残した描写は面白いなぁと思っていたし。

他にも数分に一回は笑えるレベルの充実した内容を見させてもらえたから

色々書きたい所はあったんですけど…最後が衝撃過ぎて色々と吹っ飛んでしまいましたよ。

あ、でも…「こんな恋人、どこ探したっていないよ」は

今後の人生で絶対言う事はないだろうし、言う人も見かけない自信がある!!!

とは書き残しておきたいです(笑)

 

それにしても、とわ子が登場する前の魔の41分間のお陰で、

前回のラストから今回のラストまでが全く繋がらなくなってしまいましたねぇ。

門谷(谷中敦)に拉致されたのを回避した件は、

「親友に関する連絡が病院から来て心配になったから、

自力で何とか抜け出したって事にしておいてね」みたいな感じで

視聴者に委ねるだけで終わりそう。

かごめ(市川実日子)に何があったのかだけは知りたいのですが…

もしかしたら、こちらも詳しく描かれる事はないのかも。

 

1つ考えるとしたら、かごめが今までしてきた事は、自分の周りを整理するための

ある意味での"終活"のようにも見えるし。

一緒にやろうと言っていた漫画も1人でやると決めたのは、

その覚悟に対してとわ子を巻き込まないようにしようと

腹を据えている部分もあったんじゃないか…とは捉えられるけど、

これも想像にしか過ぎない。

本作はあくまでも「とわ子と三人の元夫が送ってきた人生を覗き見"させてもらう"ドラマ」

だと思っているから、本人の中で思い出したくない出来事があれば

その気持ちを考慮して"あえて"深掘りはしないスタンスをとっているんですよね。きっと。

 

何も分からないまま1年が過ぎてしまったけれど、本人の事情は本人にしか知りえない。

自分は大豆田とわ子ではないので、とりあえず本編で描かれる内容を見届けるしかないんだな。

ポッと現れたオダギリジョーさんが第四の夫になるのか?友人になるのか?

楽しみですね。

 

 

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イチケイのカラス 7話 感想|日高も白いカラスの1人だった

 

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「正義は複雑」と日高(草刈民代)と言っていたけれど、

正義はストレートに"正義"である事が示された回。

 

11年前の真相に迫る件は、通常だったら最終回まで引っ張りそうな内容ですし、

そこまでの展開で、上層部の闇を小出しに見せていく形で

視聴者が憎い感情を持つよう煽ったり、法廷内でラスボスを悪人に仕立て上げて

懲らしめたりする事も出来そうなものですが、

勧善懲悪あるあるの暗くて重いエピソードの積み重ねじゃなくても

痛快劇は描けるんだなぁ…という新たな発見がありました。

 

ここまで、みちお(竹野内豊)の自由奔放さにどんなに呆れていたとしても、

時には調査を禁ずるよう上から命じられたとしても、

それでも互いで足りない部分を補い合いながら、正しい事は正しくあるべきだと考えて

目の前の仕事に全力を尽くしていくイチケイメンバーの姿が描かれてきました。

天秤を持った像をバックに、みちおや駒沢(小日向文世)から

11年前の案件について問いかけるシーンもあったし。

もちろん、日高を慕っている坂間(黒木華)との関係性も。

これら全ての要素は、今回のエピソードに集約されていて…

自分はどうあるべきなのか?と葛藤を見せる日高を表現するための伏線になっていたのですね。

 

正義をもって職務を全うし続けるメンバーの仕事ぶりを見てきて、

日高も本当は彼らに近い想いを抱えていたら良いな…

いやでも、初心を忘れて、やっぱり上からの権力に呑まれてしまったのかな…などと、

最終的にどんな答えを出すのか緊張しながら見守っていた分、

間違いは間違いだと潔く認める彼女の姿には気持ちの良さが感じられました。

上に行けば行くほど、認められない人も多いですから。

 

そして、個人的にみちおらしいなぁ…と思えたのが、

終盤で日高に白いカラスの置物をあげるシーン。

確か初回で「何にも染まらないから法服は黒い」「イチケイのカラスになれよ」と

言っていたのを思い出しました。

みちおも弁護士だった頃は、検証をやりたくても裁判員の判断でやらせてもらえず、

合議制による多数決で自分の意見を聞いてもらえなかった過去があった。

日高も同じで、モヤモヤとした部分が頭の片隅に残っていても、

周りからの「君は間違ってない」という言葉に流され、今に至った。

弁護士から裁判員になったみちおと、高裁の判事を辞職した日高。

それは自分らしい正義感を貫き通せた証=黒いカラスに近づけた瞬間でもあり、

その気持ちをどうか忘れないで…という意味合いで、

応援のつもりで"何色にも染まってしまっていた"頃の置物を渡してきたんでしょうね。

 

坂間が日高の事を尊敬しているのを普段から知っているからか、

法廷で"あの発言"をした事に対しても、今どんな心境なのかも

あえて聞かずにそっとしておく所も、みちおなりの優しさを感じさせます。

どこが好きなのか率直に聞いて坂間の心に寄り添おうとする青山(板谷由夏)も、また優しい。

「心の中で泣いている入間くんの分まで泣いてるんですよ」

という駒沢の台詞もありましたけど、

多分、坂間も、日高が正しい人だと知れて、安堵の気持ちで泣けてしまったはず。

良かったねぇ…。

 

いろんな人々の持つ正義感の根底にある、優しさに触れるお話でした。

面白かったです。

そして、今回で決着した事で、この先の展開はどうするのかが全く読めなくなりました。

高裁の誰が指示したのか…とか、何となく深い所までは追究しなさそうですしね。

 

 

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ドラゴン桜(2021) 4話 感想|坊主頭のヤンキーも今ではマスコット的存在に♪

 

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前回から勉強編に突入した本作ですが、桜木メソッド自体が斬新なので

普通に面白く見られています。

この前までバーの店主役をやられていた品川徹さんが、

今度は仙人みたいな髪型で竹刀を振り回すスパルタ教師役をやられるという

役の振り幅の大きさには、不思議と元気づけられてしまいますね(笑)

85歳かぁ…凄いわ…。

 

数学を鍛え始める生徒達と同時進行で描かれた

瀬戸(高橋海人)の家庭事情が絡んだエピソードは、

大受験をテーマにした本作から乖離しているともとれるかもしれませんが、

桜木(阿部寛)が保護者に対して「非日常な空間を作らない事が大切」と言っていたように、

なるべく生徒にストレスを与えない"通常の生活の維持"を徹底させるための

1つの解決法を実践している…と思えば、特に違和感はありません。

 

そして、初回ではウザい印象しかなかった坊主頭のヤンキー2人組の

"その後"がちらっと描かれるシーンが、今では本作らしさに繋がっており、

全体的に陰謀論が渦巻く本作において緩衝材にもなっていて、良い感じですね。

っていうか…マスコットキャラに見えて最早愛らしい(笑)

桜木の教えを聞いてちゃんと勉強するくらい根は真面目な子なんだから、

直接東大専科で教えてもらえればメキメキ実力も伸びそうは気はしますけどねぇ。

独学で早慶レベルを合格出来る可能性は低そうですが、

最終回で「俺ら受かったぞー!」って大喜びする姿を見てみたいとも思えたり。

 

強いて言えば、受かるわけがないの一点張りだったモンペが

あっさり浄化されたのが気になったので、

GTO桜とかバドミントン桜とかに時間を割くくらいだったら、

「親子の価値観のズレ」という現代の問題を提起する意味合いでも

そっちを丁寧に描いて欲しかったなーとは思いますが、

以前の事を取り上げてももう後の祭りなので仕方がない。

 

ただ、今後の内容で凄く不安なのが…"復讐"の部分をどう処理するのかという事。

ぶっちゃけ、米山(佐野勇斗)が法律事務所に接触するという

外部の話は全然興味が湧かないのです。

でも、初回で何者かに復讐するらしいエピソードを提示してしまった以上は

ここも一応描くしかないのでしょう。

まっ…2話連続で彼を従えている坂本(林遣都)はめっきり姿を見せなくなりましたが。

 

取り上げるなら早めの段階で取り上げて

あんまり尺を費やさない程度に解決していただきたいですし、

可能ならば、それは福澤演出以外の回でやって欲しい。

だって…福澤演出に任せたら「ぐぬぬ顔」「勧善懲悪」を前面に出す事に集中しちゃって

勉強要素が薄まりそうじゃないですか(汗)

別にアンチではありません。池井戸作品ならOK!って話ですよ。

 

 

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珈琲いかがでしょう 6話 感想|人を大事に思うということ

 

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今回のエピソードは「たこ珈琲」の1本のみ。

 

コーヒーを飲みに訪れたお客さんから語られる事情や思い出を身を任せながら聞いて、

何か助言を送りたくなったら直接的な表現ではなく、

コーヒーに絡めて、的確かつささやかなエールを贈る

青山(中村倫也)のスタイルが好きで本作を見ていましたが、

そうなったルーツはたこ(光石研)の人柄にあったのか…というのがよく分かった回でした。

 

朝食で何を食べたのか覚えていないほど大した物を食べていない、

今のままじゃ心の余裕なんて持てないと言う青山に対して

いつもどんな仕事してるんだ?と聞くのでもなく、

顔に怪我を負っても何があってそうなったのかを聞くのでもない。

あくまでも、美味しいコーヒーを作りたいという彼の意志を尊重し、指導し、

彼が本音を漏らすまでゆっくり待つ。

そして、本音を漏らしたと気づいたら、自分の意見や考えをコーヒーに絡めつつ、

徐々に語り始める形で支えていく。

「私はこんな生活だけど、自分が大事だ。仲間も大事。」

「(省略)でもね、私。あんたの事…今、大切に思ってるよ。」

コーヒーを時間をかけて味わうように、1つ1つ言葉を選びながら

柔らかな表情で想いを伝える役が、光石研さんに合い過ぎて泣けてきます…。

 

でも、今まで誰かに大切にされる事を知らなかった青山にとっては、

その言葉は自分の中に異物が混り込んだように衝撃的なもので、

どう受け止めれば良いのかが分からなくなった結果、

たこに暴言を吐いたまま去ってしまいます。これが最期の会話でした。

人を大切にしろと言われながら、目の前の人を大切に出来なかった。

あの時の出来事は背負うべき十字架にもなり、人生のおいての教訓にもなった。

後悔を抱えた青山は、特に継いでくれとも頼まれていない

たこの微かな夢であった移動珈琲屋を開き、

彼から教えてもらったコーヒーをいろんな人に届ける人生を選んだのは言うまでもない…。

 

今回のエピソードを知るまでは、過去と現在のあまりにも大きな変貌に

なんでここまで別人になっちゃたの!?という驚きがありましたが、

青山の話を聞いてからは、お客さんに対して優しく接しようとするのも

当時の"決意"から来ているんだろう…と頷けました。

 

しかし、ぺい(磯村勇斗)との確執が生まれた原因も明らかになって

ここで過去編は完結!と思いきや、まだまだヤクザ達が絡んでくるみたいです。

3代目ってあんな可愛らしかったんですね。いや、逆に可愛らしいから怖いのか。

ぺいもやっぱり良い人らしいのが、3代目・ぼっちゃん(宮世琉弥)の台詞

「あいつの事大好きだから、寝返りでもするんじゃないか心配してたんだよ」で判明しましたが、

彼も自分の想いに正直になって、コーヒーに救われて

いつか垣根(夏帆)も入れてみんなで珈琲屋でも開けたら良いのにな…と

思ってしまいますね。

さすがにこの妄想は甘いのかもしれませんけど。でも、ハッピーエンドであって欲しい。

 

で、この間調べ物していて分かったんですが、本作って残り2話なんですねぇ。

てっきり、深夜の時間帯に放送=全12話だと思い込んでいたので、

なんか…凄い急な感じ(笑)

元々月曜22時の「ドラマプレミア10」が時間移動して本枠になったから、

それだけ話数が少ないのもおかしくはないのか。

その前の「ドラマBiz」枠も含めると、基本的に7話か8話で終わりでしたからね。

 

 

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きれいのくに 5話 感想|それぞれの"落ちこぼれ"の行く末は…

 

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当時の登場人物の年齢を示す数字のみを

はっきり映し出してから物語を展開するという斬新な演出で、

前回は「なんじゃこりゃ!?」と度肝を抜かれたまま見終えましたが。

今回は同じ演出で「15」を出してからは、いろんな意味でエリートにはなれなかった

高校生の青春"あるある"を丁寧に描いていったという印象が強く、

そのお陰で青春群像劇の作風に変わったようにも思えて

ちょっとした停滞感を感じさせてしまいました。

前回の方が何を描きたいのかが大凡掴めていただけにね…。

 

ただ、1つだけ何となくでも分かったのは、彼らが生きているこの世界は、

誠也の父(稲垣吾郎)が劇中で「劣性」と言葉を漏らしたのを踏まえて、

それを「優劣の法則」になぞらえて、優性=トレンド顔になる者、

劣性=コンプレックスである自身の顔をトレンド顔で隠そうとする者 の

二者にはっきりと分類されて出来ている…という事。

まぁ、最近では差別的用語だとも捉えられているので、顕性・潜性とも呼ばれるらしいですが。

 

本作に登場してくる高校生や親のほとんどは劣性に属し、

コンプレックスを解消するためには何で埋め合わせしたら良いのか?を模索した結果、

誠也の両親は整形を選び、

れいら(岡本夏美)は彼氏を持ちながらもパパ活をして現実逃避する事を選び、

誠也(青木柚)も凛(見上愛)もお互い相手に好意を寄せていると気づきながら

他の異性に手を出す事を選んだ。

そして両親から色気づいたのをバカにされた誠也もまた、

誰にも内緒でプチ整形を始めたりするのかな?

 

今回は特に大きな進展はなかったですが、

こんな感じで、"落ちこぼれ"の若者達の行く末を見守った回とも言えるでしょう。

 

次回では裏整形や遺伝子の話と、いよいよ核心に触れる展開が見られそうな気がするので、

そちらの方を楽しみにしておきます。

 

 

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コントが始まる 5話 感想|「変わらないでいて」は傲慢

 

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冒頭から、ジャンルも放送枠も放送時期も

全く関係のないドラマの話題を出す事になりますが、すみません。

個人的に凄く響いた部分があったので、書かせてください。

(個人的な話もちょろっと絡んでくるので、興味がない&本作の感想だけを読みたい方は、

「ここ」から飛んでいただいても構いません。)

 

私がドラマを見ては深く心に刻まれる台詞はいくつかありますが、

今回の終盤で描かれた春斗(菅田将暉)と里穂子(有村架純)のシーンで

すぐさま思い浮かべたのは、

陸王「彼らのゴールを、勝手に作るな」という台詞でした。

その時の背景は確か、一生懸命就職活動をしても全然光が見えず、

努力したって無駄なのだと嘆く息子に対して、

父(主人公)がエールを贈る形で出た流れだったと記憶しています。

当時の私も彼と大体似たような状況で、自分の取り柄は何にもないんじゃないかと思いつめて

毎日のように泣いていた日々を送っていたので、

その台詞を聞いて「ああ、今がダメだからこの先もダメって事はないんだな」と

元気付けられていました。

 

そして今回、その時の感情と重なったのが、

学生時代に華道部部長としてコンテストに全力を注いできた時の経験が

決して無駄ではなかったと気づいた里穂子のエピソード。

               

「こうやって過去の努力が報われる事があるんだって思う時に、

昔の頑張ってきた自分を始めて肯定してあげられる気がしたんです。」

努力は必ず報われるとは言い切れないけど、だからと言って必ず報われない訳でもない。

今はダメでも、人生という長い目で見れば経験が役立つ時が来るかもしれない。

そんなささやかな優しさを込める彼女があまりにも聖母に見えて、

春斗がその言葉で励まされたのが、表情やちょっとした冗談を言えるくらいになるまで

気持ちが和らいだ"変化"で伝わってきたと同時に、

彼女の存在が彼らにとっていかに大きいものかも痛感して

思わず泣けてきてしまいました…。

良かったなぁ。このやりとりを見れば、解散を決意するのも納得ですね。

 

確かに、マクベスとして10年間歩み続けてきた

彼らの"高校時代の延長"っぽい関係性は魅力的ですし、

傍から見たらしょうもないと捉えられそうな なりきりじゃんけんも、

修学旅行みたいに川の字で夜も語り続ける3人も、

そしてコントももっともっと見ていたいとは思うし。

カラオケの延長のくだりはマクベスそのものを象徴しているようで、

このまま延長し続けていて欲しい…とも思います。

でも、「変わらないでいて」を押し付けるのは傲慢に近い。

「高校の頃から時間が止まってんじゃねぇの?」と同じ。

 

春斗の言っていた通り、自分が進みたい道に行けて成功して、

初めて"余裕"が出来たから周りを俯瞰的に見られるようになったのであって、

そもそも生活が充実出来ていない人は自分の事で精一杯で

周りなんかとても見ていられないか、嫉妬ばかりの日々が続くかするはず。

勇馬(浅香航大)本人はそんなつもりで言ったんじゃないんでしょうけど、

今まさに芸人を続けるか諦めるかの大事な時期に差し掛かっている3人に

「何にも変わってないんだね」というニュアンスで

"不変"という名の現実を突きつけるのは嘲笑と一緒なので、

同情されたくないと怒りを露わにする春斗の方に同感します…。

で、「力になりたい」は余計なお世話ですよねぇ。ここには特にイラっとしましたw

 

先ほど里穂子のエピソードを挙げたように、解散=終わりではないし。

本格的に喧嘩して絶交するまで行かなかったのだから、

今は離れても、芸人を続ける人、全く別の職業に就く人と進路はバラバラでも、

何年か時を経て(マクベス再結成じゃなくても)3人でまた新しい"何か"を

築き上げて行けたら良いんじゃないかと、

今回の結末に対して前向きに捉えています。

つむぎ(古川琴音)の自立の件も里穂子にとっては辛いだろうけど…

なぜ自立しなきゃいけないと思ったのか、

もう少し大人になったら分かる日が来るかもしれないから。

今はまだお互いの気持ちが上手く伝わっていないだけだから。

 

まぁでも、1つの出来事の終わりが絶望の始まりでもあり、

自身が成長していくためのきっかけでもあるという事を描いている本作だから、

簡単にハッピーエンドにはしないんでしょうねぇ…。

 

それにしても、まだ5話なんですね。

もう8話くらいまで見ている気分(笑)

登場人物1人1人に奥行きが感じられるドラマは見応えがあります。

演技面のクオリティの高さが大きいけど、

今回で印象に残ったのは菅田将暉さんのキレた時の演技かなぁ。

ある程度のキャリアと知識を蓄えた先輩ヤクザ(?)から出る威厳が

ちらっと表情に表れて、一瞬ビビってしまいましたよ。

 

 

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生きるとか死ぬとか父親とか 6話 感想|今と向き合って生きるしかない…という決意の回

 

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「インテリジェンスの欠如」から「思いやりの欠如」の展開に…。

祝儀袋に入れる用の新札を手に入れようと机に一枚ずつ並べては

必死に探している時のカメラワークがもろ防犯カメラ(第三者)の視点になっていて、

「何やってんだ、この人達は…w」みたいな

ちょっとした呆れ笑いが含まれているようなシーンが可笑しかっただけに、

トキコ(吉田羊)が生まれる前の哲也(國村隼)の醜い部分が明かされた過去には

胸が抉られるものがありました…。

 

昔の男はみんなそうだったという伯母(三林京子)のフォローは入ったけど、

何度も流産させるほど奥さんを労わろうとしなかったんだから相当酷い。

それを特に物語っているのが、妊娠して間もない奥さんに高い所にある物をとらせたエピソード。

手を伸ばした時に流れた感覚を覚えた事に医学的根拠があるのかどうか不明ですが、

少なからず、奥さんは病院で胎児の死を知り「あの時のあの行動が悪かったのか」と

自分や旦那を責める日々が続いたのは間違いない訳で。

哲也はその繊細な気持ちに気づこうとせず、

奥さんを支える事、子供について話し合う時間をほったらかしては

仕事や女遊びに邁進していたらしい過去があった事が分かります。

 

「自分が生まれる前の母を癒せない事が、私には猛烈にもどかしい」

「ありのままを書くつもりでいたのに、いつの間にか良いお話を紡いでいただけのような気がする」

自分が送ってきた人生は良い思い出の方が多いと信じたかったトキコの心情と、

本作でこれまで描かれてきた、父との関わりと通してのほっこりエピソードがシンクロ。

そして、時間をかけて考えて出た想いが

「どんなに下衆な話でも、どんなに無様で不都合な話でも、笑い倒して書こうではないか」。

父の話をエッセイに綴る意味をもう一度自身に問いかける"決意"の表現ではあるけれど、

今回の様々なエピソードは全てこのモノローグに集約されているんじゃないかなぁ…とも思いました。

 

後半戦に突入するための"転換回"という役割だけでなく。

このまま夫婦2人で生きて行くべきなのか葛藤するリスナーや、

成り行きに任せれば良いとする旦那に対してどうやって説得しようか

これから模索する形になるリスナーにも。

 

赤ちゃんを授かって今最も幸せそうな雰囲気が漂っていても、

今後待ち受ける育児や子育ての大変さを乗り越えてこそ真の幸せが得られるのかもしれない…

とも考えられる新婚夫婦にも言える事で。

複数の出来事が積み重なって一見ややこしそうでも、最終的に語られるトキコの決意によって

「"今"と向き合って生きる事が大切だ」という…

見終わってから、不思議とそんなエールをもらえたお話でした。

 

トキコが変化を見せてからの次回は、3話で登場した友人・ミナミ(石橋けい)と

カオリ(中村優子)が再び登場するとの事で、

どんな展開が繰り広げられていくのか楽しみです。

でも、20代のトキコ松岡茉優)と哲也のエピソードにも

ガッツリ触れる所が見たいなぁ…という気持ちもありますね。

 

 

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リコカツ 5話 感想|2人よりも取り巻く人達が悪すぎる。

 

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離婚に至ってしまう理由その2:仕事編ですね…。

と言っても、本人達よりも周りに大分原因があると思いますよ。

その中でも特にかき乱しているのは、他人の事情はそっちのけにして

とにかく自分に構って欲しい自己中心的な小説家の水無月白洲迅)と、

離婚するよう誘導する一ノ瀬(田辺桃子)の存在。

 

前者は、互いに多忙な日常が積み重なってのすれ違いを描写するために、

「家でも仕事」「(電話による)拘束」「過剰労働」などの

最早ブラック企業に近い要素を織り交ぜる形で

あえて誇張した表現にしたんだろうという解釈は出来ますが、

後者に関しては、いかにも"ドラマ用に作られた人物"って感じがして、なんか不自然。

 

せっかく本作で、両親の実体験や、老後を考え始める姿を目の当たりにして、

「離婚とは?」「夫婦の在り方とか?」について

じっくり向き合っていく2人のリアルな過程が描かれているのに、

「奥さんが邪魔だから」「耕一に振り向いて欲しいから」という安易な理由で

2人に近づこうとする 典型的な恋のライバルポジションの一ノ瀬を前面に出して

物語を盛り上げようとするのは、

下手したらただのラブストーリーと捉えられそうで勿体ない気がするんですよ。

まぁ、その展開をなくしたら面白味に欠けると言えばそうなのかもしれませんが、

今回の咲に対しての宣戦布告のくだりはやり過ぎでした。

と言うか、彼女抜きにしても"すれ違い"は描けたんじゃないですかね?

 

さて、登場人物の事はここまでにしておいて…

異動の話になって「私の仕事はどうなの。辞めろってこと?」と

怒りを露わにする咲(北川景子)の気持ちには頷けるものがありました。

女性も先頭に立つ時代にはなってきたものの、なぜか知らないけど、

異動が決まって引っ越ししなければならない状態が発生した時って、

いっつも損するのは今でも女性側なイメージがあるんですよねぇ…。

なぜ「一緒に〇〇に来てくれないか?」は男性のプロポーズになってしまうのか。

でも、水戸の実家に行かせたい耕一(永山瑛太)の気持ちも分かるし。

咲は今でさえ何とか仕事に食いついていけているけど、睡眠不足の毎日で、

食事をとる時間も不規則で、職場に行っても社員に悪口言われる生活が続いたら

精神的にやられるのが目に見えているから、誘ってきた部分もあったんだと思います。

特に睡眠はちゃんととらないとキレやすくなる。

私も実際にそれでやらかした過去があるから、これ大事。

辞める事をお勧めするし、なんなら「ここを離れる=働けなくなる」と思っているようだけど

水戸でも探そうと思えば出版関係の仕事は出来るだろうし。

本作はコロナ禍の世界線とは関係なさそうですが、リモートだって全然アリですよね。

 

考えればいくらでも方法はありそうなのに、

離婚届にサインを記入するほど決意を固めてしまった2人…。

確かに「離婚したい」「やっぱり離婚しない」の繰り返しではあるんですが、

まさか前回からのこの展開になるとは想像出来ないじゃないですか(笑)

しかも5話で離婚の流れ。

これ、どうするんでしょう…単純にくっつけるだけなら普通になってしまいそうですし…

少し先が読めなくなって、楽しみになってきましたね。

 

 

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