プリズム 9話(最終回) 感想|プリズムから生まれた出会いと別れ…そして繋がり

 

 

3人がお互いに夢のために再出発し、再会してはまた1つの夢へと向かう事になる最後のくだり…

個人的には、同局で放送されていた「古見さんは、コミュ症です。」

「今目の前に広がってる海は、世界中どこでも繋がってるよ」「だから心も繋がってるよね」

というやり取りを思い出しながら見ておりました。

 

その作品は、繊細で不器用な人々が、深い友情関係を築いていく姿を描く作品であり、

上に書いたやり取りはあくまでも、引っ越しが迫ってきていて、

初めて出来た大切な友達との別れを惜しんでいる人を励ますために生まれたものだから、

本作のテーマとはちょっと違うんですけども。

でも…離れ離れになったとしても、何か叶えたい夢や目標があればすぐに共有したい、

会って話がしたい…で集まれる関係性って、歳をとればとるほど減っていって。

"今"を生きる人にとって、そんな繋がりを持続出来る事が

いかに貴重かを考えさせられる点では、ある意味共通していると思うんですよね。

 

男女とか結婚とかは関係なく、離れていても相手の存在を感じながら

"パートナー"として自由に愛する事を決めた3人。

3人はまだまだ若いし、仕事も板についてきたばかりで

この先どう転んで行くかも分からないから、いろんな可能性がある。

これからに向けてのワクワクした気持ちをテラリウムに閉じ込めたかのようなラストも…

それぞれが抱く希望や未来を感じさせて良かったです。

 

一方で、「パートナーシップ制度」で"認められる関係"を作ろうとしている2人もいて。

一見すると、結婚にこだわっているとも取れるけれども、

制度を使う事は不正や犯罪を生ませない、

人生をより過ごしやすくするための1つの手段でもあるから、

こういった形で幸せを育んでいくのも、それはそれで素敵だなぁ…と思わされたのでした。

 

他にも、陸の妹・香蓮(小野莉奈)が恋に落ちた相手が還暦の人だったり、

綾花(石井杏奈)が子供を授かったり、梨沙子若村麻由美)にモテ期が到来したり、

まさにプリズムと言わんばかりの多様な恋模様を

最終回に一気にぶち込んで来たのにはびっくりしましたが(笑)

でも…皐月(杉咲花)と陸(藤原季節)、

耕太郎(吉田栄作)と信爾(岡田義徳)の関係性を通して、

複雑な心境を抱えている人々がほんの僅かな一歩を踏み出すまでの過程が

今までに描かれてきたので、盛り込み過ぎよりも、

みんなが幸せであって欲しい…と願う気持ちの方が勝ってしまいましたね。

 

中々変えられない自分に苦しんでいる…

そんな朔治(矢島健一)の本心にも触れられていたように。

現実世界ではこういう人が多いのだろうという事も、

LGBTも尊重しようという風潮が広まりつつあると分かっていて

それに順応していかなければならないのに、

自分の価値観がつい妨げてしまう人がいるという事にも十分に理解のある、

どの世代にも相手に目線を合わせて手を差し伸ばしてくれる

優しさに包まれた作品だったと思います。

…と同時に、皐月が自身のモヤモヤしていた感情を大きな声でぶつけられるまで、

自分の意志で自分の道を切り開いていくまでの姿を描いた成長記としても

興味深く視聴しました。

杉咲花さんの幼げな顔付きのお陰で、見守りたくさせられた部分もあったのかもしれません。

 

重くて辛い…場合によっては視聴者を選んでしまいそうな題材を、

緑いっぱいの自然と原由子さんの主題歌で和らげて、見やすさに繋げてくれる

バランスのとれた作りも好きでした。

 

で…来週からは、本作の余韻を吹き飛ばした「オリバーな犬」の続編ですね。

最終回でいかにも続編ありますよ風の予告を作っていたので、

こりゃないだろうな〜と思っていたら…本当にやるんだから驚きですよ(笑)

次回作も別ベクトルで楽しみます〜♪

 

 

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