燕は戻ってこない 1話 感想|追い詰められている女性たちが縋るもの

 

 

こ、怖面白かった…。

ストレートな怖さも、じわじわ襲ってくる怖さも、どちらも味わった初回でした。

 

後者のように感じた一因としては…本作で描かれる女性たちが、

・家賃や生活費を払うのに精一杯で、派遣の雇い止めも間近に迫っているリキ(石橋静河

奨学金返済のために、風俗で働くテル(伊藤万理華

・義母や夫から、子供を産むよう急かされている悠子(内田有紀

と、常に"何か"に追い詰められている所が共通点になっているんですよね。

そこから来る圧迫感が、見ている側の私も苦しい気持ちにさせられるというか…

後に恐怖に繋がったんだと思ってます。

 

そんな彼女たちとは反対に、男性はどこか自分本位の人物に描かれているのも特徴的です。

例えば…リキに嫌がらせをしてくる隣人・平岡(酒向芳)は、

朝からそんな事が出来る余裕があるくらいですから、

恐らく年金暮らしで暇を持て余しているのかもしれない。

そして、悠子の夫・基(稲垣吾郎)も知的で妻想いに見えるようで、

実は義母の意見に流されているだけであんまり寄り添えてはおらず、

ペットのネーミングからしても、単に「バレエダンサーである自分の血を引き継ぐ子」が

欲しいとしか考えていないのです。

 

追い詰められた結果、リキは「プランテ」に尋ねてみるんですが、

彼女がいつも薄暗い部屋で生活していた分、あの施設の入口までの通路が妙に明るくて、

それが「この道を歩けばあなたは幸せになれますよ」と示しているかのようで…。

中に入ればどピンクの服を着た女性がいて、

会話をしている最中には、バックの水槽の泡がブクブクと音を鳴らしていて…

もしかして、騙されるのでは?一度足を突っ込んだらもう抜け出せなくなるのでは?

と不安にも思えてしまうんですよね。

 

この物語の女性たちは、鮮やかで色とりどりのサラダやミックスサンドのような

充実した生活は送れていない。

食べ物と人物のリンクのさせ方も、おお?これは何を表現しているんだろう?と

目を引いてしまいます。

冒頭で映されたゆで卵も、ブチュッと生々しい音を立てるスクランブルエッグも…

食べ物を美味しそうに映すドラマがここ最近散見されただけに、

あそこまで美味しくなさそうに映すドラマは結構新鮮です(笑)

 

黒木瞳さんに朴璐美さん、今回は登場されなかった富田靖子さんと

主要人物を囲うキャストもかなり強烈。逃げ道がなさそうですよね。

 

代理出産」がどうしてもセンシティブな題材なので…

ややエンタメに脚色し過ぎかな?と思わなくもないですが。

とりあえず、初回は興味深く見られました。

最終的にどんな形に収まるのか、楽しみです。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

 

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