2020年夏ドラマ一覧

恐怖新聞 2話 感想|爪痕残す南無阿弥陀仏ガール

 

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黒木瞳さんにホラーの印象はなかったけれど、おお…凄く馴染んでる。

かじっている遺骨が一瞬お菓子に見えてしまって(というか、遺骨を初めて見た…)、

それもあって余計にゾッとさせられました。

 

でも、どうしてそんなに落ち着いてられるんだ!!と震えた声で

詩弦(白石聖)を怒鳴るのも無理ないんですよね。

いくら未来が見えていたとしても、あんなに冷静でいられるのが不思議で堪らない。

親の死に様を目の前で見てしまったパニックと、父の娘に対する想いを知ってしまったパニックで

頭がいっぱいいっぱいになって、動揺を隠せないと思うんですけど…

いや、もうおかしくなり過ぎてあの様子になったんでしょうか?

血だらけの服になっても今回の事件を分析している辺り、

もう精神がやられてしまっているのかも。

 

元愛人・諸積の件は、桃香(片山友希)もそうですけど、

単に勇介(佐藤大樹)を翻弄して現場から遠ざけるための

「神様のいたずら」的なポジションだと思っていたので、

まさかこっちがサイコパス凶悪犯になるとはーーー!!という驚きはありました。

南無阿弥陀仏と書かれた包丁ケースに、やけにフォームの良い走り方に、

最後の血ブシューーーーーーに………もう色々とインパクト残し過ぎて、

この子誰だ!?と思って調べてみたら、どうやらグラビアをやられているらしく。

日比野友香さん、まだ役者としての出演経験が少ない状態だったとしたら

各方面にかなり爪痕を残したんじゃなかろうか(笑)

個人的には、同じ枠の「リカ」のターミネーターリカと同じくらい恐怖を感じたわ。

あ…どっちもクセありありの走り方だったのが共通点かw

 

シャワーを浴びる詩弦に徐々に近づいていく演出だとか、

ともを(坂口涼太郎)の足元の方へ下りていくカメラワークだとか、

気持ち悪さしか残らないクライマックスと劇伴の間の"ズレ"だとか、

視聴者の不安を煽っていく作りは、やはり「引き込む」点からしたら

上手いなぁと思います。

 

ところで、もう一つ気になったのは、刑事の聞き込み調査が終わった後の、

怖い経験をしたあまりに桃香が勇介の腰回りをぎゅっと掴むシーンなんですが…

まさか今後三角関係になって行くんじゃなかろうか?なんて展開が脳裏をよぎりました。

詩弦は刑事に「俺と手を組まないか?」って言われているし…

もし本当に組むのだとしたら、それはそれで、事件を未然に防いで解決する

別ジャンルのドラマになってしまいそう(笑)

 

 

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おじさんはカワイイものがお好き。 4話 感想|想いがすれ違う2人に「ぐんぬんぬ」

 

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う、うわぁ〜〜〜〜〜〜〜ん…………そうなってしまうのか〜!!!

もう下手な恋愛ドラマより切ない。

恋愛もののジャンルじゃないのに凄く心に響くものがあるよぉ…(泣)

 

前回の感想でも、小路さん(眞島秀和)が心の声が多いのに対して

現実では口下手な点に触れて、それは自分も同じだといった内容を書いたけれど、

そういう"共通点"があるからつい「小路さんには上手く行って欲しい」

という親目線のような気持ちで見てしまいます。

気づけば、それはサプライズって言わないんだよ…

ケンタくん(今井翼)も、リストバンドをおそろいにしようって言ってくれる事を

どこかで期待していたんじゃないかな…

なんて、ついついお節介なツッコミばかりしている自分。

思っている事は言葉にしないと伝わらないよ!というのを、説明台詞でもナレーションでもなく、

一人の日常生活を通して掘り下げていってくれる脚本、とても上手い。

 

小路さんとケンタくんの仲が拗れていく度に胸が苦しくなる分、

今回は鳴戸くん(桐山漣)の存在にかなり癒された気がするなぁ…。

あのアド○ック天国風の演出に乗せて短パンファッションショーをやっている時

真純くん(藤原大祐)はモデルになりきっている一方で、

ポーズが堅いのも面白かったんですけど、

最後の膝パァン!が謎過ぎてツボにはまっちゃって(笑)

「原宿で売られている短パンを履くと猫が寄ってくる説」を完全に信じて

あれもこれもと何着も買ったり、お茶!もし良かったら!って言う時の声が大きかったり、

真純くんの目指している夢に驚きも笑いもせず真っ先に褒めてくれたり… 

ああ、本当に何事にも真面目に向き合う人なんだなぁ…という性格が伝わって、

ますます魅力的なキャラクターに映りました。

この2人が友達になる展開は意外だったものの、

自分の"好き"に自信が持てなくなりかけていた者同士だったからこそ

すぐに打ち解ける事が出来たのかも。

 

このまま仲が深まっていくのだろうと感じるほどの仲良しっぷりを見せていた2人は

思うように距離を縮められず。

逆に「私は一人だけでも構わない!一人でも十分楽しい!」と意地っ張りな一面を持っていた人に、

ある出会いをきっかけに一気に互いの心を励まし合う関係にまでなれる友達が出来たりする。

趣味を笑い話に変える人もいる。

(ただ、男性はともかく、泣くほど引いてる元カノの気持ちはよく分からない…w)

いろんなタイプの人間がいるなぁ。

人間を観察するのってこんなにも興味深い事なんだなぁ。

「いつ何が起こるか分からない」そんな人生のターニングポイントも

楽しく、優しく見守る面白さがあるから、やっぱり好きです。このドラマ。

 

次回で最終回は早過ぎる。ずっと見ていたいのに…。

 

 

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竜の道 二つの顔の復讐者 7話 感想|竜二の作戦の方が上手く行ったかも…

 

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ついさっき知ったんですけど、美沙(松本穂香)と双子の関係は

原作では幼馴染になっていたんですね。

どおりで…なんか不思議だなぁと思っていたんですよ。

だって、アラフォーのイケメン2人が、20歳前半くらいの妹に

同じ恋愛感情を抱くなんて…いや漫画みたいな設定だな!そして歳離れ過ぎやろ!って

ずっとむず痒い気持ちで見ていたから、ここは(笑)

双子の間には美沙ではない別の妹がいて、それで小さい頃からの長い付き合いである美沙の性格が

妹と重なってしまうから、つい守りたいという「特別感」が芽生えてしまう…

という設定にしておいた方が、共感はしやすかったんじゃないでしょうか。

 

で、復讐計画にしても、源平(遠藤憲一)を竜一(玉木宏)が直接殺すんじゃなくて、

二見(小市慢太郎)を利用して彼が一線を超えるように仕向けるっていうのも…

最終回前を考えると、復讐ものの醍醐味である冷徹さと華麗さははないし…。

曽根村を味方だと思い込んでいた辺り、やはり最初からヤクザにお金を積んで

殺してもらえば良かったのに…としか思えず(汗)

というか、どうしても2人でやる事を限定的に考えたら、

竜二(高橋一生)が言っていた「自分がまゆみ(松本まりか)と結婚し、

正式な跡取り息子になってからキリシマを内部から潰して、源平から家族も会社も奪う」

という作戦の方がまだ確実に上手く行きましたよね。

実際、まゆみはもう自分が変わったと認めているほど、

竜二にはどんどん赤裸々になっていってますし。

 

さて、来週は再び2時間スペシャルとの事ですが、

新ドラマとまる被りなんですよねぇ…

役者の演技で引き込む世界観は好きなので、それがたっぷり見られるのは嬉しいけど、

ドラマ好きとして悩める選択肢…(笑)

うーん、どちらを優先しようかしら。

 

 

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生放送!!半沢直樹の恩返し 感想|最終回前にまた特番が見たい!

 

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あ〜面白かった!

まさにタイトル通り「恩返し」でしたね。

放送日に間に合わなくて延期…となれば、

本来ならこの1時間分を撮影に回したり、役者さんなら大事をとって休ませたりする

貴重なお時間になるんですけど、それをわざわざ主要キャストを揃えて生放送企画を立てて、

しかも過去の製作秘話だけじゃなくDVDの特典でしか見られないような

非公開シーンまで見せて下さるんですもん。贅沢の極みだ。

冒頭の茶番劇も非常にメタメタしくて、もう掴みから爆笑でした!

 

先週までのあらすじもダイジェスト版風の短い動画を用意していたのもそうですが、

ああ…本当に視聴者を楽しませる事を第一に考えて

みんなが一丸となって作品づくりに励まれているんだなぁ…という気合いが

この生放送を通じてビシビシ伝わってきて、

やっぱり、役者さんも作り手も、心からイキイキされているのが見える作品が好きだと

改めて感じた時間でもありました。

 

しかしまぁ…黒崎(片岡愛之助)が「マンマンよ!」と言った時の鼻息が

かかっている顔をしていたという半沢(堺雅人)だとか、

ちん…ぼつ!がお気に入りの様子の堺雅人さんとか、渡真利(及川光博)の実態とか、

本編だけなら絶対聞けないような面白話&ネタがいっぱい飛び交ってきたので、

1時間じゃあ足りなさ過ぎましたよ…

及川光博さんも仰っていたけど、視聴者の質問…多分応募がきた内の1,2割くらいしか

答えられてないですよねぇ(笑)

安住アナと久本雅美さんは「ぴったんこカンカン」の組み合わせ。そしてヒロミさん。

安住アナは進行係として必要なので…バラエティ班からゲストを呼ばなかったら尺が増えて、

もっといろんな視点から話を掘り出せたんじゃないかとも思います。

 

欲を言うなら、最終回前に、例えば19時からの2時間SPの形で

またこのような特番をやって欲しいなぁという気持ちがあります。

 

それにしても…膝の上に広げた手をびったり乗せながら座る堺さんが可愛らし過ぎたわ…。

香川さんは最後まで"大和田"感が出てらして、

座り方でそれぞれの個性が見えるのもまた面白い。

NGは出さない。ぶっつけ本番で、それもアドリブを入れるタイミングを考えながら

演じているっていうのも尊敬でしかない。

 

TBSなら、運動させる事で役者の素顔を見せる

東京フレンドパーク」という特番もありますけれど、

今回のようにその時その時のシーンに込めた想いを語らせて

役者の"こだわり""考え方"を覗き見る番宣があっても良いよなぁ…とも思うのでした。

 

 

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未満警察 ミッドナイトランナー 10話(最終回) 感想|これは2人のPRになったのか?

 

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「生きて罪を償え」がすんごい軽い言葉に聞こえたわ…(滝汗)

こういう台詞は今までに積み上げてきたエピソードがあって初めて生きるもんですけど、

片野坂(伊勢谷友介)の肝心の真相はみんな偶発的に起きた所から始まっていまして。

クズに仕立て上げているつもりなんだろうけど、もう一人の娘やゲスな刑事といった

「決して彼だけが悪い訳じゃない」みたいな同情させようとする要素も絡めてくるから、

一体彼をどんな人物にしたかったのかが中途半端で…。

事件そのものに最終回に相応しい重みを感じられなかったのが残念でした。

まぁ、この枠にグッタリさせられるほどの余韻を残す話を

期待すべきでは…ないんですけどね(苦笑)

 

元々は中島健人さん×平野紫耀さんでW主演!という大々的な宣伝から始まった本作。

しかし、いざ蓋を開けてみたら、"アイドル"としては裸だの、喧嘩=男気を見せるシーンだの

サービスシーンは十分にあったかもしれませんが、

果たして"役者"としては良い結果を残せたのか?と考えると、ただただ疑問でしかない出来でした。

これは別に演技の事を指しているのではないし、むしろ平野さんに関しては

以前別の作品で見た時に感じた青臭さが抜けた成長っぷりが感じられました。

一番の問題は「コンビのキャラクターの描き分け」にあると思うのです。

もっと噛み砕くと、本間(中島健人)一人だけでも

この作品って成立しちゃうんじゃない?っていう。

最終回だけ見ても、片野坂に真相を問い詰めたり、事件の謎が解けたり…などの

物語上で重要になるシーンは全て彼が担当していて、

もう一人主役であるはずの一ノ瀬(平野紫耀)は

モブ的な扱いのクラスメイトとポジションが同じように映ってしまう。

これはいかんでしょ。

 

何話か前に、一ノ瀬は頭脳派で、本間は行動派にキャラ付けが出来ている回もありましたが、

それ以外は「あれ?こっちが賢いキャラも担っちゃうの?」

「こっちも破天荒にしちゃうのか…」など、2人の描写を見ていると

何だか最後まで個性が定まってないなぁ…と感じる部分が多く。

思えば、1話で見せた一ノ瀬の「食いしん坊」の設定もいつの間にか空気になっているし、

それを踏まえた上で考えると、彼を"マイペースだけど洞察力は高い人"に、

本間を"何も考えずにすぐに突っ走るけど、その分誰にも負けない暑苦しい正義感を持っている人"

にして、もっと「凸凹コンビ」らしさを強調した作りになっていれば、

内容が微妙でもコンビの掛け合いだけで楽しめる作品になったんじゃないかと思います。

 

最後に、また偏見だだ漏れな感想になりますけど、

土9から土10に移動してから、中身の整合性もとれないのを誤魔化すために

見栄えだけカッコつける作品が増えましたよねぇ…。

2人の良さを引き出せなかったのも、原作に縛られていたからっていうのもあるんでしょうね。

 

ぶっちゃけ、警察学校を舞台にした学園コメディもので

若手役者陣の演技を見たかったです。

別に、勉強に時々恋に、互いに切磋琢磨して頑張る群像劇でも良くないですか?

 クラスメイトも存在感薄かったし…

うーん…未来ある若者をもっと大切に、としか…(汗)

 

ただ、W主題歌は唯一好きなポイントで、

どちらも違うベクトルで疾走感とクールな世界観が伝わってきて、

その曲を聴きたさに見ているような感じだったかな。

 

 

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MIU404 11話(最終回) 感想|今立っている道を信じるのみ

 

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選択肢Aと選択肢Bの世界を両方見せる展開は予想しておらず、

ちょっと戸惑いが隠せない気持ちでした。

正直、ピタゴラスイッチ&巻き戻し演出は本作の持つ疾走感を削いだような気はするし、

ここ最近は緊迫感で張り巡らされたシリアスな話が続いたため、

最終回は登場人物を限界の所まで苦しめて、苦しめて…

ある1つの手がかりをきっかけに一気に立場が逆転する、

例えば久住(菅田将暉)を再集結した4機捜が捕まえる

ドラマチックなどんでん返しになるのだろう…という思い描いていたものとは違いましたが、

逆にあの展開にした事で、軸となる「スイッチ」のワードが活きる

ラストになったのではないかとも思います。

 

もし2つのバッドエンドが、伊吹(綾野剛)と志摩(星野源)が薬に侵されて

ラリっている状態で見た幻想だったとしたら、

「オリンピックが予定通りに行われる世界」もラリっている世界な訳で。

しかし、九重(岡田健史)からのラインをきっかけに、どんどん有利な方に流れていくのも

あまりにも上手く行き過ぎていて、本当にこれが現実なのか穿った目で見てしまう。

 

でも…コロナ禍を生きる2人こそが真実なのだと願いたいし、

それならば無事に助かって、上手くやって行けているのだとも信じたい。

物語の本当の結末がどちらなのかがはっきりと明かされなかったからこそ、

脚本上では描かれない未来の話に自分の望んでいる世界を重ねて、

「きっとあの人ならこうして行くんだろうな」などと4機捜のみんなの今後を想像させる事で

心の中で本作は生き続けるんだろうなぁ…と考えると、

続編は作らずにこのまま潔く完結させてしまった方が"らしい"のかも。

間に合った事。間に合わなかった事。間に合う"ように"した事。

様々な壁に直面し、どう乗り越えて行ったかは今までも描かれてきたから。

 

「不可逆」「自分の信じたいものだけを信じる」

「アンナチュラル」でも本作でも野木先生はずっとこれらを書き続けているので、

最終回でも必ずコロナの話題も絡めてくるだろうと思っていて。

どんな状況に立たされたとしても今の自分を信じるしかないし、

現実が悪い方向に傾いているのだとしたら、そうならないようにと自分で動くしかない…

そんな 避けては通れない現実に向き合っていなかければならないという

ある種の"ドラマの正攻法"を、社会問題を絡めて清く、美しく、まざまざと

魅せて行く作風がやっぱり好きです。

 

表向きは刑事もので、最早定番のコンビものでもあるんだけど、

コンビ以外の各登場人物にも、自分にしかない"正義感"で動く見せ場がしっかり用意されており、

九重や陣馬(橋本じゅん)、桔梗(麻生久美子)といった仲間達から、

REC(渡邊圭祐)や麦(黒川智花)などの脇役的存在まで、

どの人達にも「生」が感じられるキャラ造形も魅力的でした。

井戸の底を思えば…と言う麦の晴れた表情にこちらも救われたし、

陣馬は大丈夫だろうかと1週間心の底でソワソワしっぱなしの

時間を味わえたのもかなり久しぶりだったなぁ…。

 

 

で、来週からまた刑事×コンビものの作品が始まる訳ですが、

まぁ…本作の出来が良過ぎる上にインターバルもないから、

自然と比べられてしまうでしょうね。

正直言うと、私はあんまり期待していないのです(苦笑)

同じジャンルの作品を同じ枠で続けてやる企画力以前に

(状況が状況なので、間に違う作品が入っていた可能性はあるかもしれませんが)、

なんとな〜く、良くも悪くも「ケイジとケンジ」の二番煎じみたいな感じがしてしまうのは

気のせいでしょうか…(汗)

 

 

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未解決の女 警視庁文書捜査官 Season2 5話 感想|ダイイングメッセージに漢字は使うなかれ

 

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あのダイイングメッセージは「三」じゃなくて、「青」と書こうとしていたのかと。

漢字の方が時間かかりますよねぇ。

私がもしその状況に陥ったら、カタカナか平仮名で残してあげようと心に決めたのでした。

まぁ、書きかけで終わったのなら、犯人を探し出せなかった当時の刑事達も腑に落ちるけど…

でも…「川」とか「さんずい」とか捻らずに

そのまま「三」がつく重要参考人に絞った辺り、やはりウのカツだったのは確かですな(苦笑)

 

内容の方は、シーズン2以来最も"文書""文字"の要素が活かされていた話になっていた印象。

特に映画のアンケートから人となりを分析する所は、

文字マニアの鳴海(鈴木京香)だからこその独自の着眼点が効いていて興味深く見られました。

妄想と言ってしまえばそれまでなんですけど、

矢代(波瑠)含む行動派の刑事と頭脳派の鳴海の二者間で、どれだけ特徴を書き分けられるかで

本作の魅力が決まってくると思っているので、今回くらいの妄想なら"一人の刑事の推理"

とも捉えられますし、丁度良い塩梅なんじゃないでしょうか。

 

鳴海の描写だけでなく、

体育会系らしく、人質候補にも積極的に名乗り出る頼もしい矢代に、

口下手が故に危機的状況には体を張って守る草加遠藤憲一)に…

それぞれの適材適所っぷりが感じられたエピソード。

 

こっちのエンケンさんには幸せでいて欲しいから、最後まで家族も体も無事で良かったなぁ。

家庭を顧みず仕事優先な所とか、ジャーナリストの沖が出ていたのとか、

「竜の道」を思い出してしまった1時間でもありました。

 

 

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妖怪シェアハウス 5話 感想|ぬるっと活躍・イズ・ベスト

 

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冒頭からドラマに関係ない方の話出してすみません。

わたしゃ〜、後妻業っぽい悪女・香澄(寺田尚子)が

最後まで菜々緒さんに見えちゃいまして…(笑)

菜々緒さんの方が顔は強めなのは分かっているんですけど、

黒髪ロングな所とか、ハイヒールとか、若い子を威圧するキャラクターだとか、

色々似ている要素が多くて、つい重ねちゃっていたんですよねぇ。

だから、スカッとジャ○ンを見ているような錯覚にも陥ったし、

ぎゃふんと言わせるオチにも期待はしていたけれど…

なるほど、ぬらりひょんだけに「ぬるっと攻撃してじわじわと呪いをかける」

そんな脱力系の内容があっても良いなぁと思えるエピソードになっていました。

 

中々尻尾を出さない香澄。実は九尾の狐ではないんじゃないか?と疑っていました。

が、結果的にはやはり…でしたね。

こんこん、ひょんひょん言わせてお仕置きとはなんて可愛らしい呪いなんだと

最初は思いましたけど、ああいう歯止めの効かないものが地味に一番恐ろしかったりするのかも。

そういった意味では、「ぬら〜り上手く世渡りして行って、たまにヒョンと活躍すれば良い」

と言うぬらりひょん大倉孝二)の考えは的を得ている。

でも…本性を現した時に、尻尾が浮き出ている演出は見てみたかったなぁ(笑)

予算の問題なんでしょうかね。

 

いつも以上に自分を犠牲にして仕事に精を出す澪(小芝風花)と、

自分のペースで、自分なりのやり方で彼女の抱える問題に介入していくぬらりひょんの、

"変化"と"不変"で真逆の道を行く描写も面白かったです。

個人的に大倉孝二さんは、コメディエンヌはコメディエンヌでも、

視聴者から根強い人気を得ているバイプレイヤーの括りじゃなくて、

そこにぽつんといるだけでなんか可笑しい…みたいなスルメ的な存在感を残すタイプの

役者さんだと考えているので、とぼけた声で独特な雰囲気を作る

ぬらりひょんという役はとても合っているし、

今回のゆるコメディな結末も

大倉さんの演技がなければ成立しなかったんじゃないかとも思いました。

良いねぇ…あのテンポ。彼のような生き方がどんなに理想か…なんて、和みもしちゃいます。

 

最後に。一つ"異質だな"と感じたのは、澪と原島大東駿介)の恋愛匂わせ描写。

たまにふと見せていたのが、急にイケメンっぷりを発揮してきましたよね。

少女漫画全開の状況を思い出してはキュンキュンする澪…

次回はラブストーリー開幕との事ですけど、

恋に悩める澪を妖怪たちが応援するという展開が強めに出てしまったら、

今までの路線とはガラッと変わってきてしまいそうな気が…?

 

 

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おじさんはカワイイものがお好き。 3話 感想|パグ太郎弁当売って欲しい!!

 

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なるほど〜…。

小路さん(眞島秀和)のモノローグが多い印象はあったけれど、

それは深夜帯らしく本作を気軽に楽しむ所謂"遊び心"の一つだと思っていたから、

まさかその特徴が物語において重要になってくるとは〜!とちょっと驚かされました。

そうね…確かにバツ1とは言ってたなぁ。

推しを見る3人の可愛さに目を奪われていて、完全にサラーっと受け流してました(笑)

 

私も小路さんみたく、表向きでは静かでも心の中では結構お喋りだったりするので、

「何考えてるのか分からない」「思った事があったら言って!」と

ついつい元奥さんに言われてしまう気持ちがよく分かる。

 

モヤモヤしちゃっているケンタくん(今井翼)も、

恐らく当時結婚していた頃の奥さんの立場と一緒なんじゃないかなぁと思います。

小路さんがあの時、俺も、すっげーーー楽しいって"言いたい"止まりじゃなかったら

やきもきした感情は強くならなかったかもしれません。

ケンタくんにとっても、共通した趣味で初めて心から打ち解けあえる存在が出来たんだもの。

だから手放したくない。

どうしたらもっと仲良くなれるのかな?なんて試行錯誤しながら

相手と距離を縮める事、相手を喜ばせる事に一生懸命なんですよね。

そのひたむきさが、推しを語る時のキラキラした表情で伝わって来るので

決して「重い」とはならない。

 

「好きなものは好き!」や同性愛を描く作品は様々なアプローチで描かれてきたけど、

物に捧げる愛情でもなく、恋愛でもなくて、友情としての"好き"ともちょっと違くて、

何と言うか…推しを大事にする人をただ大事にしたいという衝動的な、

純粋な気持ちをテーマに愛を描くのって、

結構人々の心理に踏み込んだ作品になっているんじゃないでしょうか。

世間から理解されづらいオタクに寄り添う話じゃなくて、

世間から理解されづらい愛に寄り添う話なんだと考えると、

4人の言動に焦点を当てた描写も理解出来る。

 

小路さんについて知りたい好奇心を体で表すケンタくんと、

「自分と同じ気持ちを相手に求めてはいけないよ」と言う裏で僅かに迷いを見せ始める

鳴戸くん(桐山漣)の対比も面白い。

真純くん(藤原大祐)の投稿した漫画にいいねが付くと「気持ちが届くって幸せ〜」

ってなる嬉しさは、ブログをやっている身としてはあるある案件。

 

今回で果敢なテーマに挑んだ作品でもある事が分かりましたが、

それを前面に出さず、基本的にはどの登場人物も最後まで見守りたくなる

温かいストーリーとして消化出来ているのが素晴らしい。

そして、パグ太郎弁当はどこかのコンビニとコラボして、実際に売って欲しい!!(笑)

パグ太郎のイラストが描かれたかまぼことか入っているのかな…とか

想像しちゃいますねぇ。

 

 

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竜の道 二つの顔の復讐者 6話 感想|女性陣に翻弄されていく男性陣

 

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今まで以上に演技面で見入ってしまったわ…。

今回主に物語上で活躍したのは女性陣で、

美沙(松本穂香)の家族関係にグイグイ踏み込むまゆみ(松本まりか)から発せられる

「好きな男の前で話す顔みたい」という言葉に顔が一瞬固まる竜二(高橋一生)に、

芙有子(斉藤由貴)の親子の未来を想う手紙にほだされる晃(細田善彦)に、

そして芙有子が亡くなった後に風俗嬢を正気のない表情で抱く源平(遠藤憲一)に…

女性陣に振り回される形で、真っ直ぐだったはずの心に靄が見え隠れする様を

どの役者さんもじっくりと変化を積み重ねながら魅せてくるから、

それにどんどん引き込まれていってしまう面白さがありました。

 

各兄妹が揃った食事会のシーンなんて、その"翻弄"から生まれるドキッとした緊迫感が

活きていたエピソードだったと思います。

また、最初も最後も「ピンクの部屋に佇む双子」で終わったのも、

復讐に燃える竜一(玉木宏)と迷える竜二の対比が

より浮き彫りになっているのが伝わっていて、中々上手い構成。

 

一方で、"陰謀部分"は見応えあるものになっているのですが、

今回の可哀想な霧島家を見てしまうと、

やはり肝となる"復讐動機"を視聴者に感情的に訴えかける描写は

弱かったのかなぁという気はしています。

なんというか…源平に対して「こいつぅ〜!」と憎みたくなるような気持ちにはあまりならない。

確かに、双子の両親を自殺に追いやったり、仕事中心で家族を顧みない思いやりのなさだったり、

一応彼の置かれている状況は描かれてきました。

ですが、両親サイドからしてみれば、双子が復讐計画を立てるきっかけとなった理由を

時々の回想で見せているだけで、

もっと「源平によって日常が蝕まれていく過程」を深堀して行けば

積極的な竜一の心情にも共感出来たのではないかなぁ?と思っています。

復讐ものとしては、その点はちょっと勿体ない感じ。

 

しかし、冒頭にも書いたように、役者の技巧的な演技を見る面白さはあるので、

ここ最近微妙な作品続きだった火9枠の中では満足出来る仕上がりです。

まだ初回の殺し合いになるまでの喧嘩に行き着く流れが想像しづらいですが、

あんなに突飛なシーンでも、玉木宏さんと高橋一生さんのお二方なら

上手く繋げてくださるんだろうなぁ…と期待しています。

 

 

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