SPドラマ一覧

少年寅次郎スペシャル 前編 感想|リンゴが食べたくなっちゃう前編。

 

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ああ…連ドラの頃もそうでしたけど、

やっぱり井上真央さんのお母さんっぷりが堪らんですなぁ。

基本的に世話焼きな性格でも、足を引っ掛けるといういたずらっ子っぽい一面も覗かせつつ、

寅次郎に愛情いっぱい与える時は思いっきりくしゃっとした笑顔をされていて。

内から滲み出る母性と愛らしさが同居しているような佇まいが、

光子というキャラクターをさらに魅力的にさせてくれます。

寅次郎(藤原颯音)は勿論、正吉(きたろう)も

「すりおろしのリンゴが食べたい」と言ったのにも納得出来る。

頬に手を当てながら「こら!もう〜〜〜」と怒る時の表情を見ようもんなら、

何度だっていたずらしたくなっちゃいますよ(笑)

でもって、お見舞いシーンではげっそりとした体に…1年ぶりに演技を堪能いたしました。

 

内容の方は蔵出しエピソードという感じ。

連ドラでの話を織り交ぜながら、過去と現在を行き来して物語が進んで行くのですが、

ただの総集編で終わらせない作りが粋だなぁ…と。

こんな日もあったんだ。寅次郎はこの時に何かを学んだんだ。

新たな発見が出来るのが楽しい。

(当時は認識していなかった森七菜さんが出演されていたのも、個人的には新たな発見。)

当時は5話という短い話数の中、

日常エピソードがクスッと笑えて微笑ましい内容ばかりだった分、

もっとこの世界を生きる人々の生活を覗き見してみたいな〜と思っていたので、

リンゴから次々展開されていく思い出話を聞けて満足でした。

 

「俺、リンゴがもう大っ嫌いで」「母ちゃんが全部食べるしかないよ」

照れ臭いのか、顔を逸らして優しい嘘をつく所が

"寅さん"らしさ全開で泣けてしまって。

本当にお母さんの事が好きで、愛情をいっぱいもらった恩返しがしたいんだという

寅次郎の真っ直ぐな気持ちが伝わるよう。

で、このお見舞いシーンを見ちゃうとねぇ…

あんな態度で帰ってきた平造(毎熊克哉)を憎たらしく感じるのにも

より共感出来てしまうんですよね(笑)

一生懸命看病していたのにって考えたら…確かにムカつきますってw

連ドラの録画、残っていたかしら。

今回の内容を知った状態で、また最終回でも見返したくなっちゃったな。

 

そんな平造も、約10年経ったら遺影に。

彼の現実逃避したくなる気持ちも分からんでもないんですけどね。

でも、喧嘩して会わないまま亡くなってしまったんだろうと思うと…ちょっぴり切ないです。

後編もじっくり見守らせていただきます。

 

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東京タラレバ娘2020 感想|3年経ってもカワラン娘たち。

 

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連ドラは当時リアルタイムで視聴済。

けど…さすがに3年も経つと、よっぽど強烈なエピソードがない限り忘れちゃうよねぇ(笑)

なので、序盤で色々と振り返りをしてくれて助かりましたよ。

 

見ていくうちに、

鮫島(平岡祐太)の二番目の女になってしまう香(榮倉奈々)のくだりも、

妻がいると分かっていながらも不倫に手を出してしまう

小雪大島優子)のくだりも ←しかし、田中圭さんが出演されていたのは完全に忘れてたw、

そうそう…なんで今頃続編?と思っていたら、

あ〜!そう言えば「一人でオリンピックを見るのは嫌だ」とか言ってたからか!

なんて事も思い出してきました。

で、結末は…3人でいつまでもタラレバ言って楽しくやってればええやん…?という

なぁなぁな感じで終わっていたのが当時も微妙だったんだよなぁって事まで思い出しました(笑)

連ドラでもSPでも、ここは同じ感じでしたねぇ。

 

姑が嫁にとっていかにも"悪キャラ"として描かれているのも典型的だし、

温泉行きたい!じゃあ行っちゃおうか!ですぐ集まれる関係性も現実味がないし(仕事…)。

そもそも、コロナが存在していない世界で作られちゃったので仕方ないかもしれませんが、

6月に結婚式を挙げた夫婦は…多分おらんでしょ。

唯一今時な描かれ方しているのは小雪くらいでしょうか。

仕事で充実した日々を送ろうというビジョンに、アプリで恋活に。

あ、でも、言動があまりにも軽はずみなので、一番恋愛には向いていないのかもしれない(汗)

会ったその日にホテルに誘っても…何も起こるはずないのに。

 

回想を含めても、3人はつくづく男運のない人達だなぁと思っていましたが、

最後は無事に解決したようで。

ただ…元彼に慰謝料だけは払ってもらった方が良いですぞ!

倫子(吉高由里子)よ!!

 

私にとっては、吉高さんのにこやかな笑顔と

久しぶりの金髪姿の坂口健太郎さんを見るためのSPドラマでした♪ はぁイケメン…。

 


JOKE〜2022パニック配信! 感想|この世で一番怖いものは過信

 

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良い意味で、フジテレビの深夜枠で作られてそうなドラマでした。

しかし、最後の怒涛の回収の仕方はクドカンらしいと言いますか。

練馬の刃の声がやけにAIっぽい機械めいた感じだったのも、

坂根(柄本時生)に似た声で電話をかけてきたのも

全部マイルスの仕業だったって事で…良いんですよね?

ノンストップで次々と話が繰り広げられていくから

理解が追いついていない所がいっぱいあるだろうなぁ(笑)

真相が分かった状態で、空いている時にまた見返したいです!

 

ずっと声だけで実際の顔がずっと見えないシーンが続いたので

これはAIスピーカーが原因だろうというのは途中から察しましたし、

AIを通して何を描きたいのかも予想出来るものではありましたが、

コメディかと思ったらホラーだったり、ホラーかと思ったらコメディだったり…と

境界線があやふやで、それに終始翻弄され続ける楽しさは感じられました。

 

この世で一番怖いものは「過信」。

インターホンを押されても誰が来たか確認しない。ガスも照明も自力でつけない。

何もかも機械だよりの主人公。

「AIがあれば大丈夫」と思い込んでいたから、自分の危機管理を全くして来なかった。

そんな人の最期はどうなってしまうかお分かりでしょう…

だから、アナログもデジタルもバランス良くとりながら生活して行こうね…というのを

皮肉めいた作風に仕上がっていたと思います。

 

しかしまぁ、これの何が一番凄いって、

脚本家の宮藤官九郎さんがコロナ禍を受けて執筆されたものではなく、

去年くらいから既に考えて温めていたものだったっという所。

AIと人間の話なんだけど、「コロナ」というフィルターで見ると、

自然とウーバーイーツや宅配ばかり頼んで

誰かと話す機会を失っている人の末路の話にも見えてきてしまう不思議。

 

やっぱり本当に凄い方は、無意識にでも先見の明が備わっているんでしょうねぇ。

人気脚本家さんの恐ろしさをまた思い知らされた作品でもありました。

 


探偵・由利麟太郎 5話(最終回) 感想|リカを消した犯人は落ち武者!

 

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前回の感想で高岡早紀さん主演作「リカ」について少し触れましたけど、

今回もそれに近い役でした(笑)

魔性の女が共通点ではあるものの、

リカの方は幼少期の背景が特に語られる事のない所から来ている怖さがあって、

本作の方は今の姿に至ったきっかけがはっきり示されている…というのが大きな違いかしら。

まぁどちらにしても、プツンと糸が切れたように壊れゆく役が似合い過ぎるので、

やっぱり暫くはこういった役のオファーが続く事は間違いなしですね。

 

全話を通して台詞量が多い印象で、事件が解決に向かっていくにつれての

抑揚のつけ方も足りないのか、個人的にはそれを聞くのに必死で

話自体に引きこまれる事は少なかったのですが、

演出やキャスティングのセンスの良さは最後まで感じられた作品ではありました。

ミステリアスな横溝作品の世界と京都の街並みが合うもんなのだという発見も得られましたし、

何と言っても吉川晃司さんのロングコートの似合う事!

ちょっと特殊な主人公の相棒に、子犬っぽくて素直そうな志尊淳さんを

対として置いたのも良かったです。

若干トンチキ臭のした主題歌もいつしかクセになってしまってました。

 

由利(吉川晃司)の先端恐怖症の謎は結局明かされませんでしたし、

何やら女性の影もあるという事で…

また特別枠でやるのか今度は連ドラなのかは分かりませんけど、続編は作られるのでしょうね。

 

…ところで、犯人の姿を落ち武者にする必要はあったのでしょうか(笑)

あの髪型とポエミーな台詞の連続で、肝心の結末に集中出来なかったよね…w

 

 

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世にも奇妙な物語’20 夏の特別編 感想|CMに配役、色々狙ってる?w

 

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夏らしいホラー作品や発想力の光る作品などありましたが、

最後まで見てみれば、今回は全体的に普通?どれも小粒揃い?といった感じでした。

40分の長編は仕方ないとして、

とりあえず、ショートストーリーに2本もCMを挟み込むのは

やっぱり緊迫感が削がれるのでやめて欲しいです(苦笑)

 

ここからは、各エピソードごとに感想を書き、

その後にランキング付けの形をとらせていただきます。

 

しみ

 

主演:広瀬アリス 出演:宮川一朗太山口香緒里関めぐみ

 

この季節には持ってこいのホラー作品で物語は開幕。

服や体についたしみのディテールがやけに凝っているし、

容赦なく視聴者を脅かす展開が続くなぁと思っていたら、

前回の「恋の記憶、止まらないで」を書いた脚本家さんの最新作だったのですね。

どうりで、女囚さそりみたいな謎の女性の幸薄そうな顔つきに

妙な既視感を覚えた気がしました(笑)

 

ただ、仮にもしあのような状況に陥ったら、

私だったら洗濯して血を落とすより燃やす方法を選びますね。

水で流しても痕は残りますし、燃やした方が確実に証拠は消せるだろうから。

「しみ」の話にこだわったばかりか、親子とも前者の選択をした所に

都合の良さを感じてしまったのが惜しかったです。

 

プロット自体も…夢オチで片付けるよりも

もっと面白く料理出来たんじゃないかと思います。

 

 

3つの願い

 

主演:伊藤英明 出演:松角洋平、沢井美優滝藤賢一

 

先にツッコんでしまおう。

伊藤英明さんが虚弱体質の人には見えんわ!w

昔より今の方がガッシリした体つきだし…

某お坊さんのドラマなんて若干お腹が出てるほどだったし…

吉岡秀隆さんとか、野間口徹さんとか合いそうな役者さんは他にもいるのに…(笑)

まぁ、これはもう置いといて。

 

予想もしない展開続きで"翻弄された"点ではこの話が最も良かった気がします。

「僕のヤバい妻」が思い出されるような流れだっただけに

まさかランプの魔人なんていうファンタジーな要素を被せてくるとは思いませんでしたし、

最後には「等価交換」の真意が分かった途端、恐怖心を一気に駆り立てられる

オチの余韻の残し方までよく作られていました。

いつまでも お前のものは俺のもの…という訳にはいかない。

借金もちゃんと返そうね…というさり気ない教訓話でした。→by この後のレイクのCMw

 

ランプの魔人がファンタジー要素と言いましたが、

黒のスーツ姿でCGも使わず普通に奥から登場してくる姿はシュールさ満点で、

ここは一番「世にも奇妙」っぽかったかも。

 

 

燃えない親父

 

主演:杏 出演:松下洸平森矢カンナ、山本道子、山田明郷皆川猿時

 

ここは色んな意味で遊んでましたね。

伊藤英明さんがキミコー!キミコー!と呼び続けた次の話は、

キミコじゃなくてその元旦那の八郎@松下洸平さん出演作。

土屋…じゃなくて三浦誠己さんがジャスミンとして登場。

…で、CMにコンフィデンスマンの宣伝を挟むのは止めてあげて(笑)

 

「燃えない親父」というタイトルからして、何があれば成仏していくのか

家族で探していくうちに、生前までは語られなかった父の想い(手紙?)に気づいて涙する…

なんてハートウォーミングな話になるのだろうと予想していた分、

何度試してみても燃えません!!というカオスな展開になるとは意外でした。

  

しかし、終盤は締まりが悪くなってしまったのが残念。引き延ばしが目立ちましたね。

「燃えた」「燃えない」の二択の面白さで話が進んでいたのだから、

指輪がないのならあの世へ持って行ったのだろう…なんていう曖昧さで終わらせるより、

「春光」のくだりで終わらせた方が良かったでしょう。

父の心残りは姉弟のわだかまりだったんだ…と涙を誘って完結かと思いきや、

いやそれでも燃えないんかい!とズッコケさせたオチにした方が"らしく"ないですか?

 

 

配信者

 

主演:白洲迅

 

正直これには…特に新鮮味を感じなかったかなぁ。

何も考えずにバカな行動をとる人をお仕置きする話なんて

SNSを扱うドラマを中心にもう描き尽くされている印象ですし、

最後はドッキリ企画だったのも予想通りでした。

去年放送されていた松本穂香さん主演の「JOKER×FACE」を優しくした感じ?

 

あと、この手のドラマに言える事ですが、

追いかけられているにもかかわらず、外に出るよりなぜ行き止まりのトイレに

篭ろうとする発想になるのかがよく分かりません(笑)

 

 

*****

 

ランキングを付けるならば…

 

①3つの願い

②燃えない親父

③しみ

④配信者

(2位以下は特に大きな差はないかなぁ…。)

 

でした。以上!

 

 

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探偵・由利麟太郎 4話 感想|今度は幽霊になったリカ28歳?

 

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途中で若干ウトウトしてしまったため、今回は簡単感想で。

大まかな流れはネタバレ記事で補完。前後編で良かったわ…(笑)

 

今までは割と猟奇的でキテレツな演出が施されている印象でしたが、

今回は落ち着いていましたね。

その代わり、高岡早紀さん、吉谷彩子さん、佐野岳さん、水橋研二さんなど

どれも癖が強めで怪しげに見えるキャストを揃えたって所でしょうか。

分かりやすい犯人の回もあっただけに、残りの人々の誰が犯人になっても不思議ではないような

先の読めない面白さがありました。

(高岡さんは「リカ」、佐野さんは「仮面同窓会」の喜一って事で、

どちらもホラーテイストの「オトナの土ドラ」作品出演者なので、

得体の知れない怖さも勝手に増すよねぇ…。)

 

予告を見る限り、由利(吉川晃司)は現場で謎が解けたようですが、

とりあえず私は相良(吉谷彩子)と雨宮(水沢林太郎)の共犯だと予想しておきます。

雨宮はさくら(高岡早紀)の遺体を見ても顔色一つ変えなかったのが気になりましたし、

二人は歳も近そうなので、実は恋人同士だった!なんて展開になってもおかしくない。

ライバル=邪魔者を消して欲しいという彼女の頼みを聞いて作戦を練ったとか…?

そんな考えが浮かんできました。

 

「リカ」のOPにあったような高岡さんのあの叫ぶ顔が見たいな…w と薄ら期待しつつ、

最終回を待ってます。

 

 

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探偵・由利麟太郎 3話 感想|歪んだ愛を生んだ雅なピンヒール

 

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今回の殺害動機は単純明快。

単純明快ながらも、腕時計を見られるくだりや、帰宅した時の旦那の受け答えの間、

そしてハーブティーに使用する葉っぱをちぎる所をわざわざ映すといった

いくつもの"ヒント"を視聴者に提示していた印象で、

今までよりも自分で動機を推理する時間が作れて、楽しく見られた気がします。

 

三津木(志尊淳)第一発見者=重要参考人として牢屋に入れられて出番が減ってしまった分、

今回は由利(吉川晃司)の台詞量が多めでしたが、

その分「由利が手がかりを掴む」「考え事をする」といった捜査過程を

じっくり描写してくれた満足感も覚えました。

こうして見ると、三津木に喋らせ過ぎてたんだろうな〜…と。

でも、寡黙で落ち着いた先生と気さくで行き当たりばったりな助手の

正反対の組み合わせだからこそミステリーものは面白い訳で、

4,5話は前後編になりますから、2人の見せ場をもう少しバランスよく出来たらと思ってます。

 

単純明快と言っただけあって、

犯人も前回に引き続き序盤の時点で分かりやすい。

犯人探しよりも役者のクレイジーな演技に重点を当てたというのが頷ける結末。

ネタバレしちゃいますけど、浅利陽介さんが悪そうな顔してるのは

何だか新鮮味がありましたねぇ。

しかし、ピエロ…黒い服で仮面被れば良いものを、

なんでピエロなんて目立ちやすい格好にしたんだろうってのは置いといて…(笑)

 

強いて言うなら、脱いだピンヒールの捨て方はちょっと無理がある気もしましたが、

3話が一番展開的には良い出来でした。

ピエロの題材に合わせた軽快で奇妙な劇伴、ピンヒールで顔を突き刺された遺体のグロさ…

「気味悪い」と恐怖心を駆り立たせる演出の安定感よ!

 

 

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探偵・由利麟太郎 2話 感想|一番不憫なのは五月くんかもね。

 

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美沙子(柳ゆり菜)の死体は果たしてそこに存在していたのか?それとも幻覚か?の

1つの要点に絞られた話になっていたので、

前回よりも内容の分かりにくさは和らいだ気はしました。

 

ただ…事件の描写がやっぱり個人的には惜しいんですよね。

これは「シャーロック」で味わった感覚と似ています。

由利(吉川晃司)が手がかりを見つける姿、謎解きする姿をじっくり見ながら

一緒に推理をしたいのに、1時間内で収めなければならないという作り手の気持ちが強いのか、

彼が何を見てどう感じたのか…がまるまるカットされている、

大げさに言うならばダイジェスト版を見せられているように思えてならないのです。

 

見えていたものが全て実際にあるものだと分かったとしても

エマ(水上京香)の怯えようは心療内科を勧めたいくらい異常でしたし、

いないと思ったら突如エマの前に現れ、警察から逃げる謎行為をした五月(赤楚衛二)も

特に理由が明かされなかったので、

「なんかよく分からない脳筋彼氏」という印象で終わってしまいました。

最初の段階で病院に連れて行こうともしない人達を見て、周りが全員グルになって

彼女を陥れようとしている説を考えていたんですけど、そんな事はないんですよね(笑)

1時間きっかりじゃなくて、1時間30分×5本にした方が

あらゆる不足部分を補えていたかもしれません。

 

天井から黒い腕がうじゃうじゃ出るホラー演出は、結構物珍しく。

子供の時だったら1人で眠れなさそう。

犯人は安定のあの方でありましたが…

まぁ…「自分や家族が途中で亡くなって遺影になる役」の代名詞が○島さんであるように、

あの方も「猟奇的で変態な殺人犯」の代名詞になって行くのでしょうね…w

 

ところで、前回も薄々感じてましたけど、

このドラマ、若干トンチキ臭がしません?

ハイキックアクションの後の柔道みたいな構えのポーズ…

あれでフフッとなってしまったのは私だけでしょうか(笑)

 

 

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ドラマスペシャル スイッチ 感想|偏屈でもどかしい大人の"人間愛"

 

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いや〜…坂元裕二作品、やはりハズレがないですね。

刑事ドラマが多く、硬派なイメージのテレ朝ドラマにも溶け込めちゃう。

 

序盤の階段を上から突き落とすという2サスあるあるのシーンで

犯人の顔を既に見せる時点で、ただのサスペンスではないとは思ったけれど、

そこからの展開の切り替わりっぷりが容赦なかったですね。

「カルテット」らしいクセ強めの人物しかいない会話劇が繰り広げられて

クスクスさせられっぱなしだった途端、

星野(石橋静河)から告げられる真実の重さに

さっきまで楽しんでいた私の頭が鈍器で殴られたような感覚に襲われて、

また更に深い部分へと踏み込んでいく…。

「スイッチ」って何だ?ユルいコメディからシリアスへの方向転換?

あぁ!真の「スイッチ」はそれかーー!!

回を増すごとに物語がクライマックスに近づく連ドラではなく、

2時間の放送内で感情がグワングワン揺さぶられて惑わされる心地になる作品は

随分久しぶりでした。

(そういえば、松たか子さん、「カルテット」では終盤で偽名を使っていたという

大きな秘密を抱えていた役だったっけね…(笑))

 

途中まで見て、このヘビーな内容を連ドラにしないのは勿体なかったなぁとも

思いましたけど、最後まで見終わってみれば、単発で正解だったと思いますよ。

連ドラだと多分JOKERになりかける円(松たか子)を直(阿部サダヲ)が止めるくだりが

途中からパターン化して行きそうですし、

坂元さん自身も描きたい所は「不条理な世の中に対する怒り」「歪んだ正義感」じゃなくて

「ちょっと拗れた変わった形の"人間愛"」だったでしょうしね。

 

2人は人生の中で恐らく一番辛い経験を分かち合っていて、

お互いが一番の良き理解者でもあるのだけど、

それは裏を返せば愛には発展せず、良くも悪くも"親友"の関係で止まってしまう。

時間を共にしている内に自ずとそこは分かってしまって、分かっていたから別れたし、

今後も元サヤに戻る事はないのかもしれない。

最初は馬が合わなそうな相手と付き合ってるなぁと感じたのも、

もしかしたら自分の中の闇と程よい距離感を取りたかったからその人を選んだ…

という可能性もあるんだと思いますよ。

でも、直と円だけしか知らない秘密があるように、

ロマン思考の持ち主の貴司(眞島秀和)と亜希(中村アン)も

恋人には言えない(言わない)秘密がある。

そんな、人って案外相手の事を分かっていないのかもよ…という

ほんの皮肉が混じったお話だと受け取りました。

 

(序盤の段階で)なぜこの人と付き合い出したのか全然理解出来ないと思わせる

眞島秀和さん&中村アンさんのキャスティングも妙にしっくり来ましたし、

本来なら重くぐったりとした内容になり、コメディとシリアスのちぐはぐ感が出てしまう所を、

阿部サダヲさんを主演にした事で雰囲気を和らげ、小ネタ要素を忍ばせる坂元作品の作りと

良いバランスが保てていたんじゃないかと思います。

 

ミニドラマ、SPと来たら、今度はやはり連ドラが見たいですねぇ…。

首を長くしてお待ちしてます。

あ、そうそう、来週の「必殺仕事人」の流れは狙いましたよね?(笑)

 


探偵・由利麟太郎 1話 感想|令和の世界に漂うは古風な雰囲気

 

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最近、CMでよく見かけるな〜…力入れてるんだろうな〜…と思っていた本作

(まぁ、このご時世で春ドラマのCMが流れないからっていうのもあるでしょうが)。

フジテレビの横溝正史作品となると

去年と一昨年の年末にやっていた某有名小説の実写化を彷彿とさせられ、制作局が違うとは言え

今回も大々的に宣伝しておいてガックリさせられてしまうのではないか…なんて

一抹の不安が過ぎりながらの視聴となりましたが、

原作を知らない私でも「ちゃんと忠実に作られているな」と感じさせてくれる

世界観に満足しました。

 

内容自体は約1時間に収めるためなのか、それとも単に私の理解力が悪いのか(多分後者?(苦笑))、

事件の背景や捜査過程が助手の三津木(志尊淳)から語られる形で

情報量がやや過多な印象を受け、自分なりに物語を解釈しながらの視聴となってしまいましたが、

璃子新川優愛)・瑛一(長田也哉)・瑛造(中村育二)の日下家の3人の関係性から

横溝作品らしい容赦ない"闇""ゲスさ"が強く感じられる描写を堪能出来たのは良かったです。

変な泣き落とし演出や同情シーンもなく、事件の後日談にほんの少しの希望をも含ませる

三津木の淡々としたナレーションでオチをつけたのも好感が持てました。

と、同時に、バディ2人のシーンに西部劇風の主題歌を重ねたエンディングは

なぜだかテレ朝木8枠ドラマっぽさもあったけれど…(笑)

 

最初は、なんで吉川晃司さんが主役?なんて思ったりもしましたが、

初回を見る限りは主役に起用したのも頷けるものでした。

恐らく時代設定は令和なのでしょうが、令和なのか昭和なのかがはっきりと分からない

"曖昧さ"がミステリー作品に馴染んでいて逆に惹きつけられましたし、

深緑の映像と日本の伝統的な京都の町並みが

吉川さんの醸し出す渋みをより引き立たせていたと思います。

主役が吉川さんだけだと視聴年齢層は高くなってしまうだろうから、

相棒に志尊淳さんを置く事でバランスをとったキャスティングも良い。

 

劇中で何度も出ていた由利の先端恐怖症の件も気になりますね。

自分で意識的に使う分には平気だけど、急に目の前に向けられると怖くなってしまうのか…?

4・5話の前後編でその症状になったルーツが語られるのか期待しつつ、

次回以降も見て行くつもりです。

 

しかし、もし犬神家の作品がまた今年の年末にやるとしたら、

このスタッフで作ってくれないもんかな…(笑)

 

 

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