いいね!光源氏くん し〜ずん2 2話 感想|カインくんと紫の上は合いそう

 

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なるほど〜…現代の世で生活を続けていったら、それはそれで問題が山積みですな。

戸籍を持っていないとあらゆる方面で支障が出る。

家も買えない、保険証もない、免許もそもそも住民票が発行されていないから取れない…

身分証明書で一番身近にとれるものとして

パスポートやマイナンバーカードがあるけど、それもない。

今は沙織(伊藤沙莉)の居候しているから良いけど、

仮に1人でいて職質されたらたまったもんじゃないじゃないだろうなぁ。

中将(桐山漣)も…よくここまで生活出来てましたね。

って、なんか文章が真面目な方向に行っちゃったな(笑)

 

現代にいるから何もおかしい事ではないんでしょうが、

中将の口から「行きつけのヘアサロン」という言葉が出たのには笑っちゃいました。

そして、ヘアサロンでもなりふり構わず和歌を披露する光源氏千葉雄大)…

「烏帽子で人前で取るなんてありえん!」「ここでそれ言う?」

「うぅん…」のちょっと泣きそうな子供っぽさも…

サ◯ヤ人みたいな金髪、三つ編み、中将の接客で鍛えられた感じの美容師も…

あそこのシーンはどこもかしこもツボ!

おすすめされるがまま、ヘッドスパもやってもらって、

肌もツヤツヤにしてもらって帰って来たら高額で

沙織に怒られるくだりも見てみたかった気がしなくもないです。

全4話という短さだから仕方ないけど、

平安時代とのギャップに驚きつつも、それを心から楽しんでいる様子が

ひしひしと伝わって来る所から滲み出る可笑しみも本作の魅力の1つだったので…

早くも"すれ違い"モードに突入してしまうのには寂しさがありますね。

 

おまけに、カイン(神尾楓珠)は紫の上(紺野彩夏)に一目惚れ。

まさかこっちの恋愛も描くとは。

タイムスリップした事に気づかず、

撮影場所だとポジティブに受け入れてしまうほどの懐の広い彼と、

今まで穏やかな生活を過ごしてきた彼女は相性が良さそうな予感はしますが…

一条(一ノ瀬颯)も含めたら五角関係を描かなければなりませんし、

残り2話で果たして収まるのか!?

が気になります。

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 10話(最終回) 感想|"後悔" "喪失"も愛に変えて

 

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キャッチコピー「ひとりで生きたいわけじゃない」で始まって終わる。

でも…その言葉に対する印象は、最初の頃と今とでは全く違う。

どんな経験を味わおうと、とわ子(松たか子)は一貫してとわ子のままだったし、

三人の元夫とも相変わらず一緒にいる。

こう書いたら何も変化がなかったとも捉えられるでしょうが、

彼女の中では「誰かとの恋や結婚をまだ諦めない」人生ではなく

愛する人との思い出や日常を愛し続けたいから、それが結果的にひとりを選ぶ事になる」

人生を歩んでみるのもアリなのかも…という、

いろんな人々との関わりを通してそう決心するまでの過程が

地道に描かれていたと思っています。

 

 

旺介(岩松了)はとわ子に自転車の乗り方を教える事は出来なかったけれど、

目の前で網戸の直し方を見せる事が出来た。

母・つき子の恋文が「夫と娘の面倒を見るだけの人生なんて」で止まっていたのは、

マーさん(風吹ジュン)に向ける感情と家族に向ける愛情が

並行していた矛盾に気づいたからであって、

最終的には家族を守る道を選び、あえて書きかけの状態にして送らないままでいた。

自分のした事に時に後悔しながら、

人はそうやって無意識に誰かのために生きている生き物なのだと気づかされた最終回。

 

つき子の恋はとわ子の母親らしかったし、

唄(豊嶋花)の恋もまさしくとわ子の遺伝子を受け継いでいる…とも言えますね。

そう考えると、西園寺は三人の元夫のように

最初は面倒臭そうに見えてもだんだん愛らしく思えてくる人になるのかもしれないし、

唄もきっと、母と同じく、転んだ時には起こしてくれる人達に愛される日々を送る事となる。

とわ子とマーさんの背中を見る彼女のシーンが印象的でした。

前回の内容が"今"の話なら、今回の内容は"これから"の話だと感じられました。

 

坂元裕二さんが描くキャラクターは、基本的に何かを失っている者ばかり。

でも、それは"欠落"や"欠損"ではなく、"喪失"を指していて。

ぽっかりと空いた穴を時間ごとに埋めようとする所から生まれる想いとか、記憶とか、幸せとか…

そういうものがかけがえのない思い出に変わっていって、

その経験値が大きければ大きいほど、辛かった出来事もやがて愛せる広い心が育まれるし、

自分を動かすバネにもなる。

作風は新しいようで、普遍的な幸せを見つめる大切さを教えてくれた作品だったと思います。

 

好きな作品を見終えると、

「続編やって欲しい!」か「もうこれで完結したのかもしれない」の

2パターンに分かれるのですが、これは後者の方ですね。

冒頭にも書いた通り、とわ子の中である程度の結論がついたように感じられましたし、

4人の関係性を見ていたら、

これからもみんなで助け合っていくんだろうな〜…という未来が見えたのでね。

それに、台詞や心情から滲み出てくる"何か"を自分なりに感じ取って、

その意図を考える楽しさも含まれている作品だから、

富士山でのキャンプの様子を脳内で想像してみるのもアリなのかもしれません。

 

最後はシナモンロールを食べる大豆田とわ子…からの、

「大豆田とわ子と三人の元夫、ありがとう!」で締めるのも乙なもの。

最終回で感じた内容を、どうやって言語化しようか、

どうやって感想をまとめようか時間がかかり過ぎて、上げるのが遅くなってしまいましたが、

それだけ充実した時間を過ごす事が出来ました。

こちらこそ、素敵な作品をありがとうございました〜!!

 

 

P.S. 「着飾る恋には理由があって」は木曜未明に上げます(謝) 上げました!

 

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イチケイのカラス 11話(最終回) 感想|これはなるべくしてなった大団円。

 

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いやはや…「エンターテインメント」を心から楽しんだ作品でした。

 

周りを振り回すほどの曲者の主人公がクビの危機!

彼のために「辞めないで!」「どうか撤回して下さい」と大勢で直談判しにいく仲間達…

という展開はいろんな作品で見てきているけど、本作ほど相応しいと思った事はないなぁ。

あれ…なんか最終回で急に漂白されてません?

絆の強さを滲ませているものの、そんな信頼しているような部分って描かれましたっけ…

ってモヤモヤする人物描写が多かったので(笑)

本作の場合は、なるべくしてなった大団円でしたね。

やっぱり、積み重ねって大事なんですよ…

弱っているみちお(竹野内豊)に喝を入れて、円陣を組むために彼の手を取ろうとする

坂間(黒木華)の頼もしさには涙腺がやられてしまいました。

 

前回で「最終回に繋がる事件」という謳い文句があったけれど、

さり気なく提示された謎を回収していくよりかは、

個人的には、イチケイメンバーの卒業式を見ているような感覚に近かったです。

それはもちろん、上からの"忖度""圧力"に押しつぶされそうになったり、迷いが生じたりしても、

みちおや駒沢(小日向文世)などのサポートで

改めて人を裁く意味の大きさを知り強くなっていく成長的な部分も含まれているけど、

あらすじや小ネタと、今までの要素を随所に散りばめる形で

視聴者に「そう言えばこれもあったね〜」などと"思い出"を振り返らせる部分も含まれています。

本作で描かれる登場人物が好きで、皆それぞれの正義感を持って目の前の案件に向き合う

メンバーの仕事ぶりも好きで見続けてきたので、

アバンの約2分間を使って今までのダイジェスト版を作るのにも何ら不満はなく、

むしろ「これから描かれるのは、彼らがみちおから学んできた事を実践する

集大成なんだろう」というワクワクした気持ちで見る事が出来ましたし。

ヘビやパック型ジュースだけでなく、川添(中村梅雀)の変質者疑惑のくだりまで

きちんと触れてくれる所には妙な感動がありました(笑)

原作があるとは言え、脚本家自身も、役を演じる役者にも愛着が湧いてきて、

本作を書かれていて楽しかったんだろうな〜…というのが伝わって来る内容だったと思います。

 

以前だったらシュッとされていた印象のある竹野内豊さんも、

今ではテレビで向ける顔は、丸みの帯びた優しげな表情ばかり。

素敵な選TAXI」辺りからちょっとずつおとぼけた役が増えてきたのもあって、

本作のみちおも、今だからこそしっくり来るキャラクターでしたね。

これも私の好きな竹野内豊さんだったなぁ。

ハマリ役だったランキングがどんどん更新されていく。

温和な性格で、落ち着いた声から出る言葉の重みにハッとさせられるギャップが

主人公を魅力的に仕立て上げていて、みちおを演じるのは竹野内さんしかいないと思えましたし。

前の感想にも書きましたが、「ふはは」笑いも心の緊張を和らげてくれるようで…

ああ、もう聞く事はなくなるのかな…という寂しささえ覚えます。

(秘書役の篠井英介さんの「はは」の乾いた笑いが余計憎たらしく感じた分…w)

 

「HEROっぽい」って散々言われてきたけど、

活躍を素直に見守りたくなる登場人物が揃った作品がここで終わりなんて勿体ないですよ。

事件の描き方自体に小難しい印象があった法廷モノも、図解や場面転換などで分かりやすく、

かと言って回想シーンでは多くを語らず、視聴者に委ねる事で

思わず考えさせられてしまうような人情劇に落とし込んだ作りになっていたのも珍しい。

勿体ない点に関しては…「入間みちお、またいつか会う事になる…」という

匂わせ台詞を吐いた佐々木蔵之介さん…

続編作りやすくして下さってありがとうございます!って感じです(笑)

蔵之介さんも、人縄筋では行かない佇まいが似合ってらした。

もう出演は決定ですね。

でも、みちおVS安西編は映画館で見てみたいかなぁ…って気持ちもある。

 

熊本での仕事ぶりを劇場版で描いて、

そこから何年後かに東京に戻ってきて、イチケイメンバーが再集結する様子を

Season2でぜひとも描いて欲しいですね。

正直言うと、たまに無難な回もあったので…諸々パワーアップして

また本作のチームにお会い出来る事をお待ちしております!

 

 

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ドラゴン桜(2021) 8話 感想|ヤンキー坊主2人、東大専科に今更加入。

 

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へぇ…ヤンキー坊主2人組も東大専科に加入させるんですね。

個人的には、加入すると匂わせて最後までしないパターンだと思ってました。

彼らが目指すのは東大ではなかったし。

自分達で勉強するモチベーションを高め合っている様子だったから、

東大専科の手助けはなくても良さそうだったし。

東大専科の面々が合格している裏で、実はコツコツ勉強していたお陰で

MARCHに受かってました!なんていうスピンオフ(?)的な展開で

2人の成長や喜びをこっそり描くのもアリかもなぁ…と想像していたので、

やった!というより、意外な感情の方が近いです。

でも、それにしては…今更過ぎない?

「夏を制するものは受験を制す」の夏休みが終わってから誘うって(笑)

早慶よりも東大の方が可能性が高いのを彼らが知らなかったとは言え、

桜木(阿部寛)も2人を子分のように可愛がっていた事だし、

もっと早く言ってみても良かったのにねぇ。

なんか、ちょっと損したみたいで可哀想。

いや…脚本側からしたら、2人が人気で東大加入させろとばっかり視聴者に言われてきたから、

元々予定のなかった加入のくだりを急遽付け加えたとも考えられるのかな?

 

楓(平手友梨奈)の方は、再び家庭問題の話が描かれると知って、

またモンペになるのかな…また暴力シーンを見る事となるのかな…と不安でしたが、

今回の解決方法には腑に落ちました。

悪役をこれでもかと悪役に仕立て上げる割にあっさり改心するのが

ずっと引っかかっていたので、桜木達は介入せずただ遠くから見守り、

楓の説得を受けて何も反論出来なくなった父は黙ってその場を去る…という流れに

落とし込んだのは、割とリアルだったと思います。

まぁ…その分、家に帰ってきてからが本番かもしれませんが(汗)

少なからず、娘の熱意は受け取る事が出来たと信じたいです。

 

で、今回を見ていて気づいたのは…

8話という段階で、まだ夏休みにも入っていなかったんですねぇ。

良く言えば、短い期間をじっくり描いてくれた…とも言えるんでしょうけど、

その割には、生徒達が勉強して伸びていく様子はイマイチ実感出来ていないんですよね。

全10話の構成の内、受験とは関係ない所でいろいろ話を膨らませ過ぎたのが原因でしょう。

視聴者が視聴継続するかリタイアするかの重要な判断材料となる1話で描いたのは

ヤンキー撃退桜ですし、2話はバドミントン桜。

バドミントン桜に関しては今回でも描かれているので、

親を説得させる展開まで2話でやってしまえば…と思ってしまいました。

他には、藤井(鈴鹿央士)にぎゃふんと言わせる事が主な目的となる話も2回分ありましたし、

サイドエピソードで言えば、上層部の陰謀論と、元教え子の復讐、

学園売却ととにかく盛りだくさん。

天野(加藤清史郎)の家庭問題には踏み込まずに

瀬戸(高橋海人)と楓の話が多めに取り扱われているとなると、大人の事情も漂ってくるし…

うーん…あまりにもバランスが悪過ぎる(汗)

これらの内容が原作由来なのか、メインの監督の指示で

オリジナル要素を付け足すようにしたのかは分かりませんが(私は後者だとは思ってる)、

次回と最終回が拡大放送になる分、

もうちょっと東大専科の描写を重点的にやって欲しいです。

…が、どうかなぁ。予告で「東大受験&買収編」ってテロップ出ちゃってるからなぁ…

あんまり期待しないで見る事にしましょうか。

 

そういえば、楓が病院に搬送されるシーンで

この枠の次回作「TOKYO MER」のロゴが載った搬送車が映ってましたね。

こういった小さなサプライズ演出は好きです。

初回放送日は7/4で、間を挟まず始まるとの事。

やっぱりオリンピックを控えているからか、みんなスタートが早いんですねぇ。

 

 

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半径5メートル 7話 感想|どん詰まりの風未香に同情

 

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今回は内容云々より、登場人物の描写にモヤモヤしたかなぁ。

 

急な仕事を押し付けられて自分の仕事もままならない状態から

「しんどかった」という本音が漏れてしまった風未香(芳根京子)の気持ちも分かるし、

 迷惑をかけたくなくて一人で抱え込んでしまうますみ(山田真歩)の気持ちも分かるけど…

個人的には風未香の考えに近い。

「もっと早く言ってよ!」案件ですよね。

まだあまりキャリアを積み重ねていなくて、子供も保育園児くらいで子育て初心者なら

今回のような対応になってしまったのも仕方ないと思えますが、

ますみの場合は多分中堅だし、娘は9歳になっている。

夫が単身赴任とは言え、仕事をドタキャンしたり部下に丸投げしたりするのに

きちんと事情を説明しないのは、社会人としてどうなのかと疑問に感じてしまいました。

育児に追われていて時短勤務だった時はどうしていたんでしょう。

大体はその段階で"助け合う大切さ"を学ぶはずなんですが…

 

今日はどうしても用事があるからと言って仕事に穴を開け、

担当から降ろされそうになると「私にやらせてください!」とお願いするもまたドタキャン。

残念ながら、感情論では仕事は成り立たないというのは

社会人になってから身にしみて感じている事なので、

編集者達のサポートあって"なんやかんや"で最後は上手く解決した…という

半ば綺麗にまとまった展開にもスッキリ出来ませんでした。

撮影の立会いはさておき、焼き物や着物の手配すらも当日になるまで頼んでいなかったなんて…

本当にプロの編集者なんですかねぇ。

 

一方で、山辺(毎熊克哉)を奮起させたのが宝子(永作博美)という所は良かったです。

人に疑問を投げかけるほどの豊かな経験値と想像力があるし、

担当している仕事内容もユニークなものばかり。

赤外線とパンツの調査はどんな意味をもたらすのか気になりましたが(笑)

他では思いつかないような取材をさせる事で、

自分で模索する楽しさだとか、やり甲斐を強く実感するだとか…

落ち込んでいる彼に編集者の"原点"を改めて気づかせる存在としては

ぴったりだったと思います。

 

同業者夫婦、同業者カップル、同業者達が集う職場…

風未香のお仕事エピソードも同時進行だったからかちょっと盛り込み過ぎな気はしたし、

母親経験者でもあり、一冊の本を作る上でもある意味同業者とも言える

編集者のますみと作家の青葉(阿川佐和子)の共通点を深堀りしていくだけでも

今回のメッセージは書けそうな感じはしましたが…まぁ良いか。

丸山(尾美としのり)と宝子の、2人の上司の頼もしさに救われた話でした。

 

 

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コントが始まる 8話 感想|みんな誰かのマネージャー

 

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視聴してからかなり日が経っているので、簡単感想で。

 

まさか、ここにきて楠木(中村倫也)のモノローグとエピソードを

見聞き出来るとは思いもしなかったなぁ。

まぁでもそうか…里穂子(有村架純)やつむぎ(古川琴音)といった

三者が支えていく話が描かれたのだから、

真のマネージャーとして関わってきた彼の話に触れない訳には行かないか。

そして…危うく車に奪われそうになった「四人目のマクベス」の座。

そうよね。こっちだよね。

途中までは、楠木のマクベスに対する想いが一方通行の状態に感じられて

切なくなってしまったけれども、

最終的には3人にしっかり認識されていると分かったし、

車の件も言及してくれていたので…ホッとしました。

 

里穂子を支える事で自分に自信がついたつむぎが

恩返しにとタッパーに詰まった手料理をプレゼントしたり、俊春(毎熊克哉)の再就職だったり、

潤平(仲野太賀)の成長過程をしっかり見ている弓子(木村文乃)の存在感の強さだったり、

つむぎとの面接を通して、楠木がマネージャーをやる意味に改めて気づかされたり…

話自体は大きく進展はなくとも、一人一人の登場人物の"その後"にもちゃんと触れて、

いろんな人物を絡める形でますます愛着が湧くような描写がされているので、

全く停滞感を感じさせません。

そうか。ファミレス=ファミリーレスキューの"ファミリー"は、

"マクベス・ファミリー"の事を指すんだなぁ。

(俊春の就職先はブラック企業ではないか不安ですが…)

 

楠木視点で今までのセトリを振り返っていた…という

コントの伏線回収の仕方も面白い。

つむぎとの出会いがあって、あのセトリを出せたんでしょうね。

 

でも、9話は「結婚の挨拶」、最終回は「新ネタ=引っ越し」となると…

3人がマクベスを再結成する事はもうないのかも…と思えてきました。

次回では、酒屋に本腰を入れる事を決意した潤平の家族に

奈津美(芳根京子)が挨拶に行く様子が描かれて、

最終回では、春斗(菅田将暉)もようやく夢を見つけて

それぞれ独立して行く内容が描かれるのかどうか…?

 

それにしても、春斗はどうするんだろう。

ネタ自体は笑えるものではなくても、日常生活で起こった出来事の落とし込み方の上手さとか、

伏線回収まで用意された内容を考えると、

演劇作家に転身してもアリな気はしています。

 

 

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リコカツ 9話 感想|失って初めて気づく大切さ

 

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「失って初めて気づく」ってやつですね。

それにしても、武史(平田満)も正(酒向芳)もえらい漂白されまくっていたなぁ…

全てが良い方向に向かおうとしている展開は、まるで最終回を見ているみたいでした。

 

武史が急に美土里(三石琴乃)に泣き縋ってきたのは、

彼女が病気を患っている事、"綻びを失ってはならない"というプレッシャーに

追い詰められていた心境を初めて知ったから…というのは分かるんですが、

緒原家の方は、薫(宮崎美子)の勤めている旅館に就職、

ドラマあるあるの立ち聞きで改心させるといった描写に

ちょっと都合の良さを感じた気がしないでもありません。

いくら正が家族に対して後悔を抱えていたとしても、解雇されそうになった所で

その想いを伝えるのは言い訳でしかないですし、

向こうに迷惑をかけている事には変わりないんですよねぇ。

私が薫だったら、多分「情けない…」って気持ちの方が勝っちゃうかな。

やり直すんだったら旅館じゃなくても良いし。

A○SOKとか、イベントスタッフの警備員に募集してみるとか…

そっちの方が自衛官での仕事を活かせると思いますよ。

 

でも、前半で存分に描かれた2組の元夫婦の様子が、

同じく離婚した咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)の2人に

「離婚してから気づく"パートナー"の存在感の大きさ」

「夫婦関係の維持は互いへの理解がないと難しいという事」に向き合わせるための

フィードバックとして意味のあるものに感じさせる展開になっているのは、やっぱり上手い。

「紙切れ一枚で、赤の他人が家族になる夫婦と呼ばれる。

夫婦のあるべき姿というのは、お互いに異なる理想のカタチが違う事に結婚してから気づき、

離婚すると決めて…お互い自由になって」

「逆に上手くいったよね。短い間だったけど」

「…離婚して、良かったのかな?私たち」

2組の夫婦の様子を目の当たりにして感じた事を2人で共有し合って、気持ちが揺らぎ始めて、

貴也(高橋光臣)や水無月白洲迅)の後押しのお陰で

プロポーズした場所へ行く決意を固める。

もう一度やり直してみたいと思う変化に無理がなかったです。

ちなみに、水無月に関しては、やっぱり…とは予想していたけれども、

よくよく考えてみれば、2人を応援する視聴者と同じ立場にいたとも言えますね(笑)

最後の言葉は「がんばれ おばらさき」なのかな?

 

告白シーン…「自分はどうしようもなく、君の事が好きだ」で

Cメロ(『♪あなたの腕 その胸の中 強く惹き合う引力で〜』)に入るのも、

ソラマチのイルミネーションも良い仕事してましたねぇ。

キスシーンがなくても演出次第で胸をときめかせられるんだと、改めて感じさせられました。

階段を駆け下りて告白するポジションと、それをエスカレーターで聞くポジションが

逆になっている所なんてロマンチック過ぎるでしょ。

 

次回が最終回ですが、予告の「ありがとう、紘一さん」のシーンを見る限りだと、

夫婦として寄りを戻すのではなく、好きだけど1人でいる事を選んだ…というオチに

まとまるのかなぁと思ったりもしております。

紘一の表情が、不思議と憑き物が取れたみたいな柔らかい感じになっているのも気になりました。

 

 

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レンアイ漫画家 10話 感想|ハッピーエンドになるって信じてる!

 

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何やってんのよ早瀬(竜星涼)…

なんで肝心な時にストーカー辞めてんのよ…

「主人公が弱っている時に駆けつける恋のライバル」という王道のくだりを

ここまで待ち望むなんて、滅多にない事ですよ(笑)

そして、下手な恋愛ドラマの最終回前だったら、あいこ(吉岡里帆)が歩き出した時に

車に轢かれて急展開!で視聴者を煽る形をとりそうなもんですが、それもなく、

物理的にも心理的にも2人の距離がどんどん空いてしまう所から来る切なさを純粋に描く。

もう…ひたすら胸が苦しいです。

「出来たあ!」と無邪気にはしゃぐあいこと

まんざらでもなさそうな表情を浮かべる清一郎(鈴木亮平)を返して欲しい(泣)

 

今までとは全く聞こえ方が違うように感じられる

主題歌とエピソードの重ね方も素晴らしかったですね。

他にも違う意味があるのだろうか?と思って

カタワレ…片割れという言葉調べてみたら、3種類の意味があって。

1 割れた器物などの一片。また、対になっているものの一方。「靴下の―を捜す」

2 一つのものから分かれたもの。分身。

「清をおれの―と思うからだ」〈漱石坊っちゃん

3 仲間の一人。「密輸団の―」

(goo辞書より) 

本作では、今まで1番を膨らませて"人生の相棒(シンメ)"の意味合いで

主題歌を使ってきた印象があるのですが、

今回だけは2番の意味に変えてきたように感じられました。

これはあくまでも私の想像に過ぎませんが、

「一つのものから分かれたもの」=「"両想いだった関係"を辞めてしまった2人」

とも解釈出来ませんか?

変換通りの"片割れ"だと、"割"という漢字から「ガラスが割れる」といった

ネガティブなイメージ(?)が付きやすそうだから、

いろんな意味を含ませるためにあえて"カタワレ"と表記したのか…と

ちょっと感動してしまったのです。

 

こうなったら良いな…という理想や憧れを、登場人物に命を吹き込ませる形で

漫画に落とし込む事を生業としてきた漫画家が、

現実に満足した途端書けなくなってしまった描写もリアルでした。

私も小さい頃買っていた某少女漫画雑誌で、とある作者さんの休載のお知らせがあり、

その時は「病気にかかってしまったのかなぁ」と思っていたのですが、

実際はこんなに深刻な理由で休みを取らざるを得ない方が圧倒的に多いのだろう…と

考えさせられてしまいました。

 

清一郎が恋愛をしている相手があいこなのと同じで、

ファンも刈部まりあ様の描く『銀河天使』に恋愛しているんですよね。

向後(片岡愛之助)ではなく、

可憐(木南晴夏)が「まりあ様を返して」っていうのも…なんか分かります。

代表者として、ファンの総意を背負った言葉でもありますから。

 

でも、鬼気迫った表情で再び漫画を描き始めた清一郎が「俺は漫画家だ!」と吠えた理由は、

あいこへの想いを断ち切るためではなく、

"呪い"を断ち切れなかった不甲斐なさや悔しさから来たんじゃないかと信じています。

彼はもう一度、漫画家である自分と戦おうとしている。

 

この手のドラマならハッピーエンドで終わるだろうから、

彼の気持ちもいつかはあいこに届くはずですが…

次回予告は一体どういう事なのか(笑)

まぁ、新展開を盛り込み過ぎて、最後の方が駆け足気味になって

残り数分で急に寄りを戻す…なんて流れじゃなければ良いです。

 

 

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桜の塔 9話(最終回) 感想|正義とは何かはこっちが聞きたい

 

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「これで…サッチョウの悪魔は死んだ」「おかえり、漣」

ごめん。ちょっとポエミーがかってて、本気で何言ってんだと思ってしまった(笑)

「正義とは」「警察とは」に結論を見いだした人が

大切に思ってきた幼馴染を撃とうとするのは矛盾している。

正義以前に、それはもはや犯罪でしょ。

漣(玉木宏)に取り憑いている悪魔を浄化させたいんだったら

逮捕する事が"人を助ける警察"としての正しい在り方じゃないんですかね?

たまたま父がいなかったから良いけどさ…

実家で殺害未遂なんて起こしたら…かなりショック大きいと思いますよ?

 

そんな彼女だけでなく、漣の言う正義感が何なのかもよく分からずじまいでした。

だって、千堂(椎名桔平)、倒せてないじゃん。

警察界の膿、晴らせてないじゃん(苦笑)

私が本作で一番見たかったのは、誇らしげな表情を浮かべながら

ラストで警視総監の座席に座る漣の姿だったけれども、それもなし。

千堂だけでなく、吉永(光石研)も何事もなかったかのように楽しそうにお酒を飲んでいる。

登場人物のほとんどは普通の生活を送れているという

あまりにもハッピーエンドな最終回に…正直拍子抜けです(滝汗)

これなら、途中から思い描いていた

「目的を全うした主人公が優愛(仲里依紗)に刺される」展開の方が

まだマシだったかもしれませんね。

優愛がただただ不幸でしかなくて気の毒。

続編をやるために、あえてやんわりと終わらせたんでしょうか?

 

「5年の沈黙を続けた理由」とやらも、

放送から約30分間は、まるでワンシチュエーションドラマかと言わんばかりに

同じ場所でず〜っと説明台詞で明かしただけなので、冗長気味な感じは否めず…。

それに、恋人の心を支配して操るという、人として最低な事をしているのもあって、

亡き父を想って出る言葉にもイマイチ共感出来ませんでした。

 

何と言うかなぁ…元々「警察界を本来の姿に戻すという強い意志を持った主人公が、

憎き上司を引き摺り下ろす形で警視総監の座に上り詰めようとする」

物語を描くつもりで"出世バトル"と銘打ったのでしょうが、

途中からその「憎き上司を引き摺り下ろす」部分を誇張し過ぎて

いつの間にか"復讐ドラマ"風味に変わってしまった事が

本作の最大の痛手だったんだと思います。

本作が向かうべきゴールと、脚本家が膨らませようとしている所にズレが生じて、

気づいたら収拾がつかなくなってしまった…と言った方が分かりやすいですかね。

 

そして、余計なお世話ですが、

玉木宏さんは迂闊で復讐心に燃えている役じゃなくて、

椎名桔平さんのようなヒール役もいつか見てみたいな…とも思ったのでした。

 

 

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いいね!光源氏くん し〜ずん2 1話 感想|帰ってきた情報量過多の世界

 

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前作から約1年ぶりの続編。

まず…先週まで放送されていた「きれいのくに」との振り幅の大きさに面喰らう。

そして、初回からこんなに情報量過多だったっけ!?(笑)

と思ってしまったけれども、

よくよく考えてみれば前作だって、いきなりハワイに飛ぶとか、

妙に練りこまれたタイムスリップの設定だとか、

中将(桐山漣)と出会ってオホホホホが2倍になるだとか、

割とカオスな事は詰め込まれてきたんだもんなぁ。

あちこち飛び交うネタにクスクスと笑わされながら

あっという間に見終えてしまった感覚は、当時も一緒だ。

 

いや、面白いけどそんなに続けるの!?と疑問だった和歌対決は、

実は沙織(伊藤沙莉)に紫の上(紺野彩夏)が現代に来ている事を知らせるための

重要シーンだったんですね。

そして、謎にルー大柴臭を醸し出す一条(一ノ瀬颯)もライバルとして参戦。

前作を見ている身としては、第一印象の強烈さでは

光源氏千葉雄大)も中々負けていないのに(むしろパッと見なら強いのに)、

一条のいちいち癖の凄い喋り方のお陰で

光源氏の方がまだ丸く見えてしまうんだから、慣れって怖い(笑)

新キャラを引き立たせるために、よりピュアな"悩める学生"風に描写して

差別化を図ったとも言えるでしょうか。

 

前作ではタイムスリップならではの面白さを。

本作ではこじれた人間関係を中心に描くといった感じ。

全四絵巻と話数は短いですが、短いからこそ

1つの物事を集中的に描ける…といった利点はありそうな気がしています。

 

とにかく、個人的にはお気に入りの、

サバっとしつつも切れ味の鋭い伊藤沙莉さんのツッコミや、

眉をピクピク動かしながら楽しそうに演じる千葉雄大さんのコメディアンっぷりを

初回で十分にお見かけ出来たので、それだけでも「帰ってきた」満足感は味わえました。

話数も展開もジェットコースターのように突き進む本作、楽しみますぞ!

 

 

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