ドラゴン桜(2021) 8話 感想|ヤンキー坊主2人、東大専科に今更加入。

 

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へぇ…ヤンキー坊主2人組も東大専科に加入させるんですね。

個人的には、加入すると匂わせて最後までしないパターンだと思ってました。

彼らが目指すのは東大ではなかったし。

自分達で勉強するモチベーションを高め合っている様子だったから、

東大専科の手助けはなくても良さそうだったし。

東大専科の面々が合格している裏で、実はコツコツ勉強していたお陰で

MARCHに受かってました!なんていうスピンオフ(?)的な展開で

2人の成長や喜びをこっそり描くのもアリかもなぁ…と想像していたので、

やった!というより、意外な感情の方が近いです。

でも、それにしては…今更過ぎない?

「夏を制するものは受験を制す」の夏休みが終わってから誘うって(笑)

早慶よりも東大の方が可能性が高いのを彼らが知らなかったとは言え、

桜木(阿部寛)も2人を子分のように可愛がっていた事だし、

もっと早く言ってみても良かったのにねぇ。

なんか、ちょっと損したみたいで可哀想。

いや…脚本側からしたら、2人が人気で東大加入させろとばっかり視聴者に言われてきたから、

元々予定のなかった加入のくだりを急遽付け加えたとも考えられるのかな?

 

楓(平手友梨奈)の方は、再び家庭問題の話が描かれると知って、

またモンペになるのかな…また暴力シーンを見る事となるのかな…と不安でしたが、

今回の解決方法には腑に落ちました。

悪役をこれでもかと悪役に仕立て上げる割にあっさり改心するのが

ずっと引っかかっていたので、桜木達は介入せずただ遠くから見守り、

楓の説得を受けて何も反論出来なくなった父は黙ってその場を去る…という流れに

落とし込んだのは、割とリアルだったと思います。

まぁ…その分、家に帰ってきてからが本番かもしれませんが(汗)

少なからず、娘の熱意は受け取る事が出来たと信じたいです。

 

で、今回を見ていて気づいたのは…

8話という段階で、まだ夏休みにも入っていなかったんですねぇ。

良く言えば、短い期間をじっくり描いてくれた…とも言えるんでしょうけど、

その割には、生徒達が勉強して伸びていく様子はイマイチ実感出来ていないんですよね。

全10話の構成の内、受験とは関係ない所でいろいろ話を膨らませ過ぎたのが原因でしょう。

視聴者が視聴継続するかリタイアするかの重要な判断材料となる1話で描いたのは

ヤンキー撃退桜ですし、2話はバドミントン桜。

バドミントン桜に関しては今回でも描かれているので、

親を説得させる展開まで2話でやってしまえば…と思ってしまいました。

他には、藤井(鈴鹿央士)にぎゃふんと言わせる事が主な目的となる話も2回分ありましたし、

サイドエピソードで言えば、上層部の陰謀論と、元教え子の復讐、

学園売却ととにかく盛りだくさん。

天野(加藤清史郎)の家庭問題には踏み込まずに

瀬戸(高橋海人)と楓の話が多めに取り扱われているとなると、大人の事情も漂ってくるし…

うーん…あまりにもバランスが悪過ぎる(汗)

これらの内容が原作由来なのか、メインの監督の指示で

オリジナル要素を付け足すようにしたのかは分かりませんが(私は後者だとは思ってる)、

次回と最終回が拡大放送になる分、

もうちょっと東大専科の描写を重点的にやって欲しいです。

…が、どうかなぁ。予告で「東大受験&買収編」ってテロップ出ちゃってるからなぁ…

あんまり期待しないで見る事にしましょうか。

 

そういえば、楓が病院に搬送されるシーンで

この枠の次回作「TOKYO MER」のロゴが載った搬送車が映ってましたね。

こういった小さなサプライズ演出は好きです。

初回放送日は7/4で、間を挟まず始まるとの事。

やっぱりオリンピックを控えているからか、みんなスタートが早いんですねぇ。

 

 

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半径5メートル 7話 感想|どん詰まりの風未香に同情

 

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今回は内容云々より、登場人物の描写にモヤモヤしたかなぁ。

 

急な仕事を押し付けられて自分の仕事もままならない状態から

「しんどかった」という本音が漏れてしまった風未香(芳根京子)の気持ちも分かるし、

 迷惑をかけたくなくて一人で抱え込んでしまうますみ(山田真歩)の気持ちも分かるけど…

個人的には風未香の考えに近い。

「もっと早く言ってよ!」案件ですよね。

まだあまりキャリアを積み重ねていなくて、子供も保育園児くらいで子育て初心者なら

今回のような対応になってしまったのも仕方ないと思えますが、

ますみの場合は多分中堅だし、娘は9歳になっている。

夫が単身赴任とは言え、仕事をドタキャンしたり部下に丸投げしたりするのに

きちんと事情を説明しないのは、社会人としてどうなのかと疑問に感じてしまいました。

育児に追われていて時短勤務だった時はどうしていたんでしょう。

大体はその段階で"助け合う大切さ"を学ぶはずなんですが…

 

今日はどうしても用事があるからと言って仕事に穴を開け、

担当から降ろされそうになると「私にやらせてください!」とお願いするもまたドタキャン。

残念ながら、感情論では仕事は成り立たないというのは

社会人になってから身にしみて感じている事なので、

編集者達のサポートあって"なんやかんや"で最後は上手く解決した…という

半ば綺麗にまとまった展開にもスッキリ出来ませんでした。

撮影の立会いはさておき、焼き物や着物の手配すらも当日になるまで頼んでいなかったなんて…

本当にプロの編集者なんですかねぇ。

 

一方で、山辺(毎熊克哉)を奮起させたのが宝子(永作博美)という所は良かったです。

人に疑問を投げかけるほどの豊かな経験値と想像力があるし、

担当している仕事内容もユニークなものばかり。

赤外線とパンツの調査はどんな意味をもたらすのか気になりましたが(笑)

他では思いつかないような取材をさせる事で、

自分で模索する楽しさだとか、やり甲斐を強く実感するだとか…

落ち込んでいる彼に編集者の"原点"を改めて気づかせる存在としては

ぴったりだったと思います。

 

同業者夫婦、同業者カップル、同業者達が集う職場…

風未香のお仕事エピソードも同時進行だったからかちょっと盛り込み過ぎな気はしたし、

母親経験者でもあり、一冊の本を作る上でもある意味同業者とも言える

編集者のますみと作家の青葉(阿川佐和子)の共通点を深堀りしていくだけでも

今回のメッセージは書けそうな感じはしましたが…まぁ良いか。

丸山(尾美としのり)と宝子の、2人の上司の頼もしさに救われた話でした。

 

 

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コントが始まる 8話 感想|みんな誰かのマネージャー

 

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視聴してからかなり日が経っているので、簡単感想で。

 

まさか、ここにきて楠木(中村倫也)のモノローグとエピソードを

見聞き出来るとは思いもしなかったなぁ。

まぁでもそうか…里穂子(有村架純)やつむぎ(古川琴音)といった

三者が支えていく話が描かれたのだから、

真のマネージャーとして関わってきた彼の話に触れない訳には行かないか。

そして…危うく車に奪われそうになった「四人目のマクベス」の座。

そうよね。こっちだよね。

途中までは、楠木のマクベスに対する想いが一方通行の状態に感じられて

切なくなってしまったけれども、

最終的には3人にしっかり認識されていると分かったし、

車の件も言及してくれていたので…ホッとしました。

 

里穂子を支える事で自分に自信がついたつむぎが

恩返しにとタッパーに詰まった手料理をプレゼントしたり、俊春(毎熊克哉)の再就職だったり、

潤平(仲野太賀)の成長過程をしっかり見ている弓子(木村文乃)の存在感の強さだったり、

つむぎとの面接を通して、楠木がマネージャーをやる意味に改めて気づかされたり…

話自体は大きく進展はなくとも、一人一人の登場人物の"その後"にもちゃんと触れて、

いろんな人物を絡める形でますます愛着が湧くような描写がされているので、

全く停滞感を感じさせません。

そうか。ファミレス=ファミリーレスキューの"ファミリー"は、

"マクベス・ファミリー"の事を指すんだなぁ。

(俊春の就職先はブラック企業ではないか不安ですが…)

 

楠木視点で今までのセトリを振り返っていた…という

コントの伏線回収の仕方も面白い。

つむぎとの出会いがあって、あのセトリを出せたんでしょうね。

 

でも、9話は「結婚の挨拶」、最終回は「新ネタ=引っ越し」となると…

3人がマクベスを再結成する事はもうないのかも…と思えてきました。

次回では、酒屋に本腰を入れる事を決意した潤平の家族に

奈津美(芳根京子)が挨拶に行く様子が描かれて、

最終回では、春斗(菅田将暉)もようやく夢を見つけて

それぞれ独立して行く内容が描かれるのかどうか…?

 

それにしても、春斗はどうするんだろう。

ネタ自体は笑えるものではなくても、日常生活で起こった出来事の落とし込み方の上手さとか、

伏線回収まで用意された内容を考えると、

演劇作家に転身してもアリな気はしています。

 

 

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リコカツ 9話 感想|失って初めて気づく大切さ

 

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「失って初めて気づく」ってやつですね。

それにしても、武史(平田満)も正(酒向芳)もえらい漂白されまくっていたなぁ…

全てが良い方向に向かおうとしている展開は、まるで最終回を見ているみたいでした。

 

武史が急に美土里(三石琴乃)に泣き縋ってきたのは、

彼女が病気を患っている事、"綻びを失ってはならない"というプレッシャーに

追い詰められていた心境を初めて知ったから…というのは分かるんですが、

緒原家の方は、薫(宮崎美子)の勤めている旅館に就職、

ドラマあるあるの立ち聞きで改心させるといった描写に

ちょっと都合の良さを感じた気がしないでもありません。

いくら正が家族に対して後悔を抱えていたとしても、解雇されそうになった所で

その想いを伝えるのは言い訳でしかないですし、

向こうに迷惑をかけている事には変わりないんですよねぇ。

私が薫だったら、多分「情けない…」って気持ちの方が勝っちゃうかな。

やり直すんだったら旅館じゃなくても良いし。

A○SOKとか、イベントスタッフの警備員に募集してみるとか…

そっちの方が自衛官での仕事を活かせると思いますよ。

 

でも、前半で存分に描かれた2組の元夫婦の様子が、

同じく離婚した咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)の2人に

「離婚してから気づく"パートナー"の存在感の大きさ」

「夫婦関係の維持は互いへの理解がないと難しいという事」に向き合わせるための

フィードバックとして意味のあるものに感じさせる展開になっているのは、やっぱり上手い。

「紙切れ一枚で、赤の他人が家族になる夫婦と呼ばれる。

夫婦のあるべき姿というのは、お互いに異なる理想のカタチが違う事に結婚してから気づき、

離婚すると決めて…お互い自由になって」

「逆に上手くいったよね。短い間だったけど」

「…離婚して、良かったのかな?私たち」

2組の夫婦の様子を目の当たりにして感じた事を2人で共有し合って、気持ちが揺らぎ始めて、

貴也(高橋光臣)や水無月白洲迅)の後押しのお陰で

プロポーズした場所へ行く決意を固める。

もう一度やり直してみたいと思う変化に無理がなかったです。

ちなみに、水無月に関しては、やっぱり…とは予想していたけれども、

よくよく考えてみれば、2人を応援する視聴者と同じ立場にいたとも言えますね(笑)

最後の言葉は「がんばれ おばらさき」なのかな?

 

告白シーン…「自分はどうしようもなく、君の事が好きだ」で

Cメロ(『♪あなたの腕 その胸の中 強く惹き合う引力で〜』)に入るのも、

ソラマチのイルミネーションも良い仕事してましたねぇ。

キスシーンがなくても演出次第で胸をときめかせられるんだと、改めて感じさせられました。

階段を駆け下りて告白するポジションと、それをエスカレーターで聞くポジションが

逆になっている所なんてロマンチック過ぎるでしょ。

 

次回が最終回ですが、予告の「ありがとう、紘一さん」のシーンを見る限りだと、

夫婦として寄りを戻すのではなく、好きだけど1人でいる事を選んだ…というオチに

まとまるのかなぁと思ったりもしております。

紘一の表情が、不思議と憑き物が取れたみたいな柔らかい感じになっているのも気になりました。

 

 

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レンアイ漫画家 10話 感想|ハッピーエンドになるって信じてる!

 

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何やってんのよ早瀬(竜星涼)…

なんで肝心な時にストーカー辞めてんのよ…

「主人公が弱っている時に駆けつける恋のライバル」という王道のくだりを

ここまで待ち望むなんて、滅多にない事ですよ(笑)

そして、下手な恋愛ドラマの最終回前だったら、あいこ(吉岡里帆)が歩き出した時に

車に轢かれて急展開!で視聴者を煽る形をとりそうなもんですが、それもなく、

物理的にも心理的にも2人の距離がどんどん空いてしまう所から来る切なさを純粋に描く。

もう…ひたすら胸が苦しいです。

「出来たあ!」と無邪気にはしゃぐあいこと

まんざらでもなさそうな表情を浮かべる清一郎(鈴木亮平)を返して欲しい(泣)

 

今までとは全く聞こえ方が違うように感じられる

主題歌とエピソードの重ね方も素晴らしかったですね。

他にも違う意味があるのだろうか?と思って

カタワレ…片割れという言葉調べてみたら、3種類の意味があって。

1 割れた器物などの一片。また、対になっているものの一方。「靴下の―を捜す」

2 一つのものから分かれたもの。分身。

「清をおれの―と思うからだ」〈漱石坊っちゃん

3 仲間の一人。「密輸団の―」

(goo辞書より) 

本作では、今まで1番を膨らませて"人生の相棒(シンメ)"の意味合いで

主題歌を使ってきた印象があるのですが、

今回だけは2番の意味に変えてきたように感じられました。

これはあくまでも私の想像に過ぎませんが、

「一つのものから分かれたもの」=「"両想いだった関係"を辞めてしまった2人」

とも解釈出来ませんか?

変換通りの"片割れ"だと、"割"という漢字から「ガラスが割れる」といった

ネガティブなイメージ(?)が付きやすそうだから、

いろんな意味を含ませるためにあえて"カタワレ"と表記したのか…と

ちょっと感動してしまったのです。

 

こうなったら良いな…という理想や憧れを、登場人物に命を吹き込ませる形で

漫画に落とし込む事を生業としてきた漫画家が、

現実に満足した途端書けなくなってしまった描写もリアルでした。

私も小さい頃買っていた某少女漫画雑誌で、とある作者さんの休載のお知らせがあり、

その時は「病気にかかってしまったのかなぁ」と思っていたのですが、

実際はこんなに深刻な理由で休みを取らざるを得ない方が圧倒的に多いのだろう…と

考えさせられてしまいました。

 

清一郎が恋愛をしている相手があいこなのと同じで、

ファンも刈部まりあ様の描く『銀河天使』に恋愛しているんですよね。

向後(片岡愛之助)ではなく、

可憐(木南晴夏)が「まりあ様を返して」っていうのも…なんか分かります。

代表者として、ファンの総意を背負った言葉でもありますから。

 

でも、鬼気迫った表情で再び漫画を描き始めた清一郎が「俺は漫画家だ!」と吠えた理由は、

あいこへの想いを断ち切るためではなく、

"呪い"を断ち切れなかった不甲斐なさや悔しさから来たんじゃないかと信じています。

彼はもう一度、漫画家である自分と戦おうとしている。

 

この手のドラマならハッピーエンドで終わるだろうから、

彼の気持ちもいつかはあいこに届くはずですが…

次回予告は一体どういう事なのか(笑)

まぁ、新展開を盛り込み過ぎて、最後の方が駆け足気味になって

残り数分で急に寄りを戻す…なんて流れじゃなければ良いです。

 

 

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桜の塔 9話(最終回) 感想|正義とは何かはこっちが聞きたい

 

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「これで…サッチョウの悪魔は死んだ」「おかえり、漣」

ごめん。ちょっとポエミーがかってて、本気で何言ってんだと思ってしまった(笑)

「正義とは」「警察とは」に結論を見いだした人が

大切に思ってきた幼馴染を撃とうとするのは矛盾している。

正義以前に、それはもはや犯罪でしょ。

漣(玉木宏)に取り憑いている悪魔を浄化させたいんだったら

逮捕する事が"人を助ける警察"としての正しい在り方じゃないんですかね?

たまたま父がいなかったから良いけどさ…

実家で殺害未遂なんて起こしたら…かなりショック大きいと思いますよ?

 

そんな彼女だけでなく、漣の言う正義感が何なのかもよく分からずじまいでした。

だって、千堂(椎名桔平)、倒せてないじゃん。

警察界の膿、晴らせてないじゃん(苦笑)

私が本作で一番見たかったのは、誇らしげな表情を浮かべながら

ラストで警視総監の座席に座る漣の姿だったけれども、それもなし。

千堂だけでなく、吉永(光石研)も何事もなかったかのように楽しそうにお酒を飲んでいる。

登場人物のほとんどは普通の生活を送れているという

あまりにもハッピーエンドな最終回に…正直拍子抜けです(滝汗)

これなら、途中から思い描いていた

「目的を全うした主人公が優愛(仲里依紗)に刺される」展開の方が

まだマシだったかもしれませんね。

優愛がただただ不幸でしかなくて気の毒。

続編をやるために、あえてやんわりと終わらせたんでしょうか?

 

「5年の沈黙を続けた理由」とやらも、

放送から約30分間は、まるでワンシチュエーションドラマかと言わんばかりに

同じ場所でず〜っと説明台詞で明かしただけなので、冗長気味な感じは否めず…。

それに、恋人の心を支配して操るという、人として最低な事をしているのもあって、

亡き父を想って出る言葉にもイマイチ共感出来ませんでした。

 

何と言うかなぁ…元々「警察界を本来の姿に戻すという強い意志を持った主人公が、

憎き上司を引き摺り下ろす形で警視総監の座に上り詰めようとする」

物語を描くつもりで"出世バトル"と銘打ったのでしょうが、

途中からその「憎き上司を引き摺り下ろす」部分を誇張し過ぎて

いつの間にか"復讐ドラマ"風味に変わってしまった事が

本作の最大の痛手だったんだと思います。

本作が向かうべきゴールと、脚本家が膨らませようとしている所にズレが生じて、

気づいたら収拾がつかなくなってしまった…と言った方が分かりやすいですかね。

 

そして、余計なお世話ですが、

玉木宏さんは迂闊で復讐心に燃えている役じゃなくて、

椎名桔平さんのようなヒール役もいつか見てみたいな…とも思ったのでした。

 

 

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いいね!光源氏くん し〜ずん2 1話 感想|帰ってきた情報量過多の世界

 

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前作から約1年ぶりの続編。

まず…先週まで放送されていた「きれいのくに」との振り幅の大きさに面喰らう。

そして、初回からこんなに情報量過多だったっけ!?(笑)

と思ってしまったけれども、

よくよく考えてみれば前作だって、いきなりハワイに飛ぶとか、

妙に練りこまれたタイムスリップの設定だとか、

中将(桐山漣)と出会ってオホホホホが2倍になるだとか、

割とカオスな事は詰め込まれてきたんだもんなぁ。

あちこち飛び交うネタにクスクスと笑わされながら

あっという間に見終えてしまった感覚は、当時も一緒だ。

 

いや、面白いけどそんなに続けるの!?と疑問だった和歌対決は、

実は沙織(伊藤沙莉)に紫の上(紺野彩夏)が現代に来ている事を知らせるための

重要シーンだったんですね。

そして、謎にルー大柴臭を醸し出す一条(一ノ瀬颯)もライバルとして参戦。

前作を見ている身としては、第一印象の強烈さでは

光源氏千葉雄大)も中々負けていないのに(むしろパッと見なら強いのに)、

一条のいちいち癖の凄い喋り方のお陰で

光源氏の方がまだ丸く見えてしまうんだから、慣れって怖い(笑)

新キャラを引き立たせるために、よりピュアな"悩める学生"風に描写して

差別化を図ったとも言えるでしょうか。

 

前作ではタイムスリップならではの面白さを。

本作ではこじれた人間関係を中心に描くといった感じ。

全四絵巻と話数は短いですが、短いからこそ

1つの物事を集中的に描ける…といった利点はありそうな気がしています。

 

とにかく、個人的にはお気に入りの、

サバっとしつつも切れ味の鋭い伊藤沙莉さんのツッコミや、

眉をピクピク動かしながら楽しそうに演じる千葉雄大さんのコメディアンっぷりを

初回で十分にお見かけ出来たので、それだけでも「帰ってきた」満足感は味わえました。

話数も展開もジェットコースターのように突き進む本作、楽しみますぞ!

 

 

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半径5メートル 6話 感想|前後編じゃなくても良かったかなぁ…

 

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宝子(永作博美)が二折に入るまでのきっかけ、ですね…。

ほぼ中間地点の5,6話でその話を持ってきたのは別におかしくないし、

登場人物の過去に迫るには必然的な内容だったと思うけれども…

そもそも今回の記事を書く対象が10年前に事件を起こしてしまった人で、

行動範囲から遠く離れた場所へ取材に行くとなると、

もうそれは、「ニュースにはならないけど、日々生きづらさを抱えながら過ごす

=半径5メートル以内に存在する女性の心境を描く」

作品ではなくなってしまうじゃん?という違和感は拭えないままでした。

森岡大臣の件はニュースになってしまっているし、巻上の過去は記事で大々的に載っている。

一折がメインなら分かりますが…

どう考えても、二折がやらなければならない取材ではないんですよね。

 

いつも記事を作る際に語られる風未香(芳根京子)のモノローグにしても、

巻上(緒形直人)が今でも子供達のために変わらずケーキを作り続けている事、

新しい居場所がある事は宝子(永作博美)が目の当たりにした出来事なのに、

まるで彼女自身がそれらを調べ上げたかのように聞こえてしまうのにもモヤっと。

 

終盤でせめてもの主人公らしさを残すんだったら、

巻上の実態に踏み込み、海辺で本音を聞き出そうとした宝子の動きは

全て風未香に置き換えて描写した方が、"現実に向き合う"点では説得力が増した気がします。

巻上が心を開くまでの変化は、積極的な風未香の言動が

当時の鶴川さんと重なって見えた…なんて動機でも通じそうですし。

何度断られてもへこたれない彼女の姿を見て、

自分もずっと約束出来ないでいた10年前の事件を明らかにする事を実現してみようという

勇気が湧いてくる…といった流れで別軸を絡めてもアリだと思いました。

それに、3話の終盤で、宝子と大沼(真飛聖)と2人っきりで語り合っている時に

風未香について触れていた台詞があったから

(「どう?前田さん。手をかけてるようだけど」)、

この重要な回で伏線として回収した方が、

「上司が部下の成長を見守る」連続型エピソードならではの

醍醐味も味わえたかもしれないのに…。

 

黒いサンタの内容自体は悪くなかっただけに、風未香メインで、通常回で見たかったですかね。

山辺(毎熊克哉)の件も盛り込むために前後編にしたのでしょうが、

しれっと戻っていたとなると…やはり、2話分使ってやるような話ではなかったんじゃないかと。

 

まぁ、宝子の過去も解決した事ですし、次回以降の内容に期待します。

 

 

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着飾る恋には理由があって 8話 感想|星野源争奪戦は葉山元社長が勝利!

 

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こちらもこちらで、攻めるなぁ。

ラストシーンには翻弄されっぱなしだ。

この手のドラマでは約束の日が大抵破られるのと同じで、

登場人物が振り返ったように見せて実は違う人の方に顔を向けていた…なんて

冷静に考えれば分かる事じゃないか!と思うんだけれども、

駿(横浜流星)が下の名前を呼んだから少し期待しちゃったじゃないよぉ(泣)

真柴(川口春奈)の顔の動きをスローモーションで見せるという、

思わせぶりな演出にもまんまとやられる。

そして、葉山(向井理)サイドで初めて主題歌がかかったのもあって、

「大サビはどっちが取るんだ!?」で盛り上がる(笑)

あ〜楽しかった。本作を見てきてようやく胸が高まる展開でした。

 

スマホの電源が切れていて、おまけに連絡先も交換していなかった駿。

知らない番号だからと電話を切ってしまった真柴。

90年代ではよくあった繋がらない事による「すれ違い」も、

現代ではスマホが普及されたのもあって流石にもう描かれないだろう…と踏んでいたけど、

ミニマリストという設定が説得力を持たせているんですね。

常に持ち歩いていないのだから、

肝心な時にヘマをやらかす流れになってしまうのに無理がない。

 

背中に頭をくっつけてぐりぐりさせて

彼を励ましている関係性も、もはや最初の頃とは形勢逆転してます。

それだけ、彼を支えようとする意思は堅いんだな…というのが、彼女から伝わってくる。

 

新しい人を好きになった段階で片思いだった相手が現れ、三角関係になる展開も王道で、

そうなると主人公は心が揺らいでウジウジした性格にさせがちなんですが、

本作の場合はここは違っていて。(個人的にラブコメで苦手な描写の1つ)

恋愛にうつつを抜かして仕事を疎かにしている訳でもないし、

人に向ける笑顔でも、葉山の前ではあくまでも"社長に憧れる部下"らしさを

滲み出ている所に好感が持てました。

 

本作を見続けている理由は、やっぱり主人公の凛々しさが大きいんだろうなぁ…と

改めて気づかされる内容でしたね。

主題歌も、いつもの"駿目線"のくだりも、葉山の圧倒的な存在感で奪われてしまったけど、

彼女がいる限り、想い合う根本的な部分が崩れる事はないと信じたいです。

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 9話 感想|やっぱり最強なのはSeason1なんだな。

 

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ずるいよ…ずるいでしょ…

あんなの、心掴まれるに決まってるじゃん…

見終わった後にぶわっと襲ってきた感情、なんて例えたら良いんだろうなぁ。

分からなくなってしまった。

とわ子(松たか子)と八作(松田龍平)は再婚する事はなくて、でも互いを想い合ってて、

でももう叶いもしない"もしも"の世界を語り合っているから

今も相手への未練たっぷりなのね…って切ない気持ちになった訳でもないし。

感動ともちょっと違う。

何と言うか、「心が軽くなった」という表現が一番近い気がしています。

それにしても…結局最後に勝つのはSeason1なんだなぁ。

ドラマやアニメでいう、シーズンが増えて行くにつれてどんどん見栄えを豪華にしていくんだけど、

やっぱり無印が一番面白かったよねっていうのと同じ原理だ。原点こそ最強。

大史に向けて言っていたであろう

慎森(岡田将生)の「あいつは最悪」「髭をちゃんと剃らない人」は、

図らずしも八作にもかかっていたのだ…と気づかされて、ちょっとニヤリ。

 

三人の元夫ととわ子との関係性は点と線みたいなもので。

7話で大史(オダギリジョー)が言っていた持論をまさに体現している回でもありました。

彼女の存在は三人の元夫にとっては、ずっと頭の片隅に残しておきたい"点"で、

離婚しても同じ時間を共にしたこれまでの過程は"線"。

大史と再婚する疑惑を知って、自分と彼女を繋ぎとめていてくれた線が

彼に奪われてしまうと察した三者三様の行動が、

何だか"らしい"なぁと思えて、これもまた面白い。

 

かごめ(市川実日子)に想いを伝えられる事のないままとわ子との結婚を選んだ過去のある

不器用な八作は、「結婚出来て幸せでした」「ありがとう、幸せになって下さい」と、

下手したら死ぬのか!?とも取れるような意味深な感謝の言葉を伝えに行く。

鹿太郎(角田晃広)は、まぁ、実際は中の人の仕事が忙しくて出番が減ったって所でしょうけど、

バッティングセンターでの争奪戦に参戦しなかったり、

リモートでしか登場しなかったりした事から踏まえると、器の小さい彼だから、

とわ子が自分の知らない誰かと幸せそうな様子を見たくなかった=現実逃避

を物語っているようにも見えます(笑)

で、1聞いたら10返すほど理屈っぽい慎森は、第四の夫が大史だと気づいた途端

猪突猛進と言わんばかりに自宅にズカズカ入り込んで、本心を聞き出そうとする。

個性…ありまくりだったなぁ。

慎森に関しては他人の目線で見ているから可愛い!ってなるんだけど、

とわ子目線だったら面倒臭い人でしかないんだろうなぁw

 

しかし、最終的には、大史はSeason4候補から外れる事になった。

別れる前に存分の愛を与えて、一本の道を真反対の方向に進み出すシーンだけで

「あ、別れたんだな」と思わせるなんて…

まさに大人だけの極上なラブストーリーを見せてもらえているんですね。贅沢だわ〜…。

でも、誰かと結ばれる結末じゃなくてホッとしました。

大史が本当に良い人か探りながら観察していたのもあり、

そんな事も知らずとどんどん深みに嵌っていってしまうとわ子を

素直に応援出来ない状態でいましたから。

 

独りでも幸せになれる、あなたを選んで独りで生きる事にしたとも言っていたけど、

「3人で生きていこうよ」

が、個人的には本作を象徴するメッセージだと思っています。

冒頭に戻りますが、私が「心が軽くなった」のはこの台詞にあるんですよ。

幸せを追い求めるのは2人でも、もちろん1人でも良い。

でも、"独り"になるとどうしても心が折れてしまう時がある。

だから、そんな時は幸せだった思い出に縋ったって、

もう夫でも友達でもないけど今でも付き合いのある相手と

共存していく選択をとったって良いのだと…

とわ子だけでなく、八作の、鹿太郎の、慎森の、そして視聴者の

肩をポンと押してくれるような優しさが、この台詞に詰まっているように感じられました。

 

公式が「最終回らしい内容」とうたっていた通り、

結論は既に出ちゃっている気がするんですけど、最終回はどう締めるんでしょうかねぇ?

次回予告を見ると、またしれっと新しい男性が登場しているし…

本当、どうするんだろう。謎!

 

 

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