2020年03月一覧

知らなくていいコト 10話(最終回) 感想|ままならない人生を生きていく

 

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視聴後の評判を見ると、本作を最終回まで見てきて面白いと感じた人と

腑に落ちないと感じた人で、感想が真っ二つに分かれるのも無理はないのかなぁと思える最終回。

確かに、あのラストにするのならば、

ケイト(吉高由里子)の「二人で育てない?」という発言は余計だったし、

今までまともに描写されていないから"何となく良い奥さん"のイメージがあった尾高の妻が、

最終回になってまるで人が変わったように子供を捨てるくだりは唐突だとも思いました。

今こうして感想を書いていても、今回のまとめ方が果たして適切なものだったかどうかは

まだよく分かりません。

 

しかし、結論から言うと、私は"全話通して"満足して見終える事が出来ました。

本作は、「乃十阿(小林薫)の真相を追求するミステリードラマ」であると共に、

「雑誌の編集部という特殊な世界から見える"社会の歪み"を描くドラマ」でもある

作品だったと思うのです。

今回での岩谷(佐々木蔵之介)が尾高(柄本佑)にかけた言葉「ままならないなぁ、人生は」が

全てを物語っているようでした。

 

野中(重岡大毅)の暴露により殺人犯の娘として目をつけられていたが、

3年後になっても第一線で活躍し続けるケイト。

幸せな家庭を持っていたのにもかかわらず、ある日シングルファザーの務めを

背負わざるを得なくなってしまった尾高。

ケイトと別れて悲劇のヒーローを演じていたと思ったら、最後の最後で成功を掴み取る野中。

ままならない人生の中で、それぞれがそれぞれなりの罪を受け、

時に転機に救われながら生きて行く。

 

そう考えると、野中の存在は、勿論、ここぞとばかりに魅せてきた

重岡さんの怪演によるものも大きいですが、

本作にとって唯一の「世間」の象徴でもある気がして、興味深く見られたキャラクターでした。

ケイトと尾高の経緯をよく知らずに、不倫だと分かったら真っ先に非難する彼の感覚は、

真相が隠され一部だけが切り取られた記事やニュースだけで

全てを知ったような気になってしまう世間の感覚そのもの。

だから、闇落ちした性格になるのも無理はありません。

けれども、そんな部分的に欠けた人でも"名誉""称号"がもらえてしまうというオチは、

世の中に起こっている現象を表した最高の皮肉だったと思います。

 

乃十阿に関する記事が結局公表されなかったのも、本作らしく。

ドラマチックに、公表して全てスカッとさせる展開にしないのが良かったです。

家族と人生何もかも犠牲にし続けてきたのに、

"殺人犯"という汚名を被ったまま生きて行く乃十阿と、

これからも"殺人犯の娘"というレッテルを貼られ続けるケイトの関係。

「この世には、知らなくていいコトがある。乃十阿はそう考えているに違いない」

この記事を二人だけが共有する事で、初めて親子になれたんだな…と感じられる、

タイトルの回収も含めて秀逸なラストでした。

 

最初は主人公の共感出来なさっぷり、お仕事パートの雑さに、

いくら好きな役者さんが出ていてもこれは微妙だな…やめちゃおうかな…なんて思っていましたが。

最終的には、脚本家が本作を通して伝えたかったメッセージが分かり、

ここまで見てきて良かったと胸を張れる作品になりました。

 

視聴者の感情をかき乱される役者陣の演技も。

仕事に対する真摯な姿勢を見せるキャラクター造形も。

時々垣間見える人間臭さも。

どの面においても見応えがありました。面白かったです。

 

 

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僕はどこから 9話 感想|種明かしに1話分使わんでも…

 

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あれ?権堂(音尾琢真)と智美(間宮祥太朗)のドンキのくだりも、

千佳(上白石萌歌)が薫(中島裕翔)の前の座席にいるシーンも見たぞ?

TVerでの視聴だったので)公式が配信する回を間違えたのか?なんて思っちゃった。

今回は完全に種明かし回なんですね。

しかし、種明かしにしても前回のと重複する要素ばっかりだったので、

合わせて1話分にした方が見やすかったんじゃないでしょうか。

 

そして、智美の過去は以前書かれていたから、山田の部下を撃つ時の少し憂いを帯びた表情も

「はじめに力ありき」だと心に誓った当時の彼の姿と重なって印象に残るシーンだったものの。

一方で、薫と母の関係性は、終盤で回想を矢継ぎ早に見せるだけで、

この二人の描写が今までいかに不足していたかに気づいてしまう回でもありました。

毎回冒頭で薫と智美の青春の日々が描かれていたように、

時々そこに、まだ薫が小さかった頃、

母が認知症を患い始めた頃の親子関係が掴み取れるような回想を挿入して、

彼がどんな気持ちで母の面倒を見ていたか、

初めて自分の能力がわかった時、それとどう葛藤していったのかという心情変化を

じっくり描いてみても良かったと思います。

(勿論、主人公の能力を存分に物語に活かせてない…という勿体無さもあります。)

 

しかし、序盤こそあまりに進まない話にもたつきを覚えてしまいましたが、

千佳が薫の近くに座り、ワードを通してやりとりをするシーンから

一気に物語が動きだしました。

今回はただの種明かし回でしたが、住所が書かれたメモを渡すくだりは

「これから薫の能力が発揮される伏線になるかもしれない」という”暗示”のようにも思えて、

次回の展開に少し興味が湧いてきました。

 

予告を見る限り、いかにも最終回っぽい緊迫感ある雰囲気なので

まだ引っ張り続けるのだろうという不安はありますが、

とにかく、薫と智美の「ターニングポイント」も、

駿(岡崎体育)がどれくらい狂気的な存在なのかも気になります。

 

 

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10の秘密 9話 感想|10の秘密が何かを公式が発表して欲しい。

 

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何というか…最終回を前に、秘密なんてもう何でも良いやと思えてきている私がいます。

前回まで、わざわざ友達に手伝ってもらってまで

由貴子(仲間由紀恵)の作戦を邪魔するよう行動していたのに、

今回になったら長沼(佐野史郎)の秘密とは何か?を探す方向にシフトチェンジ。

まだ解決していないまま放置している"謎"が多いから、

正直、誰が誰と対立していて、誰が何の目的のために動いているのかという構図が分からなくて

話がとっ散らかっているように感じるんですよね。

 

終盤まではイマイチ進展がなくて退屈でしたし。

最後の「実は由貴子は生きていた!」というくだりも、

そりゃそうやろなって感じで特に驚きもない。

 

そう、このドラマ…今更気づいて書くのもなんですが、主人公達の言動が迂闊な以前に、

「そりゃそうやろな」という展開を、あたかも衝撃展開のように煽る演出が多いから

イライラして来るのです。

今回の場合、パスポートを探していたと分かったのなら、考えられるのは1つしかないのに、

「もしかして…」なんてわざわざ溜める。

あまりにも主人公を鈍く表現し過ぎていて、不自然だと思いました。

スローモーションの演出もそうで、これも緊迫感を出すために使っているつもりでしょうが、

どうも視聴者と作り手の間に"ズレ"が生じているような気がしてならないのです。

脚本に関しては、偽名が書かれたパスポートは

今までの話で一切見せなかった方が、「パスポートには違う名前…って事は生きてるの!?」

という意外性も大きくなったんじゃないかと思います。

 

ここまで「10の秘密」よりも「10以上の迂闊」を見てきた印象の強い作品。

サブタイトルが「第○の秘密」だけあって、放送終了1週間後にてっきり

その回の秘密を要約したものが公式サイトのあらすじにアップされるのだと考えていたので、

今となってはそれが10個もちゃんとあったのかどうかも分かりません。

「圭太(向井理)が社長室に当たり前のように入れているので、

会社は警備などのセキュリティ対策はしていないのかと思われたが、受付は一応あり、

実は視聴者の見えない所で手続きして訪れていた」という小ネタも

秘密に含まれるのでしょうか(笑)

 

 

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死にたい夜にかぎって 2話 感想|どんな時も「まぁ良いか」の精神で

 

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もう遅い時間なのもあり(※記事作成時)、簡単感想で。

 

前回のある種の"気持ち悪さ"が抜けた代わりに、"独特さ"が増した2話。

物語の展開は走馬灯のように淡々と進んで行く。

でも、早さはそんなに気にもならなくて。

その時の感情、状況、1つ1つの気持ちが手に取るように分かるから、

首絞めなどの変わったエピソードでも、何故か引き込まれてしまう不思議な魅力があります。

 

「なんで私なんかのために、そこまでしてくれるの?」「好きだからだよ」

「お揃いの診察券、悪くないね。」

変わり者の2人でも、この人達はこの人達なりの"普通"を過ごしてきたんだと思わせられる、

会話のやり取りにピュアさが垣間見える瞬間がとにかく好き。

お互いに精神疾患者だけれど、相手の良い所を見つけ合っては共有する。

きっとその繰り返しが、2人にとっての日常だったのかもしれませんね…。

 

浩史(賀来賢人)は閉所恐怖症、アスカ(山本舞香)はうつ病と、かなり重めの設定ですが、

それを和らげてくれるかのようなセピア調の映像と、

歩きながら時折チラチラ入る虹の演出も印象に残る回でした。

(今回、時間の都合で結構ふわっとした感想になってしまったので、

次回こそはなるべく早く見て書きたい…^^;)

 

 

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病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜 7話(最終回) 感想|すべて救世主のおかげ。

 

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誰かが歩いてくるシーンを見た時点で、察したんですよね。

ああ…そんな展開になって終わるのかと。

 

去年同じ枠で放送されていた「スパイラル」の最終回の内容が、すぐ頭をよぎりました。

その作品はある役者さんのゲスっぷりを楽しんで見ていた部分もあったのでまだ良いのですが、

経営難を、今いるメンバーの努力じゃなくて、結局誰かを救世主として再登場させる形で

全て解決!みたいなのは、ビジネスを扱う「ドラマBiz」の作品としては

雑なのではないかな?と思ってしまうんですよね。

まぁ、再建モノならハッピーエンドにするのがお決まりな訳で、

放送回数が少ないから何とかまとめざるを得なかったのかもしれませんが…

今までの作品はみんな7話か8話で終わっているのだから、

それを参考にしてもうちょっと上手い描き方は出来たんじゃないかという気はします。

 

途中までは好意的に見ていました。

最近の本枠の特徴である「人情」は健在だったものの、

あくまでも前面に押し出す事なく、経営戦略を"主役"、人情論を"脇役"として

ささやかに描かれていて、これは他の作品とは頭一つ抜けた作品になりそうだという

期待も膨らんでいました。

なのに、回を増すごとに人情が主役の物語に…。

 

最初は頼もしく映った有原(小泉孝太郎)がだんだん、

何も後先を考えないでやりたい放題やるお坊ちゃんキャラになってしまったのも残念。

いつの間にか、江口(稲葉友)の成長と振り回される倉嶋(高嶋政伸)の方に

同情する気持ちで見てしまってました。

今思えば、この主人公も今期の迂闊ファミリーの一人だったのかもしれません(苦笑)

 

前回でも書きましたが、3ヶ月後、半年後といった過程すっとばし展開だったり、

反対意見しか言わなかったイメージの医者達が急に漂白されたりと、

「再建モノ」「連続ドラマ」らしい醍醐味があまり実感出来なかったのも

何だかなぁ…という感じで見終えた作品でした。

 

来期のこの枠はラーメン屋再建物語。

月9の某続編が、正直あまり気乗りしないので、

そっちが面白ければ良いな〜と思っているのですが…

「ラーメンハゲ」の主人公を女性に変えてしまった件がちょっと気になりますね。

"大人の事情"が強く出た作品にならない事を願いたいですけども。どうでしょうか?

 

 

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トップナイフ -天才脳外科医の条件- 9話 感想|"最終回前"らしさゼロ…。

 

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今出川三浦友和)の奥さんの手術だけじゃ話が持たないと察したのか、

1人の患者のエピソードを新たに追加して、

「俺が俺が」と言わんばかりの黒岩(椎名桔平)のエピソードも含めて

なんとか1時間分収めたように感じられた9話。

これ、最終回前だよね…?全然クライマックス感がないんだけど…??(汗)

 

黒岩と保(嶺岸煌桜)の話"自体"は良かったんですよ。

洗面所のくだりはちょっと意表を突かれましたし、

暫くしたらバーで女性とイチャイチャする黒岩を見て

それで気が紛れるならそうしたら良いさ…(泣)なんて同情の気持ちにもなりました。

ただ、他人の私生活に長い尺を割いただけで「医療ドラマ」らしさは全くありません。

 

親子関係の話だと、深山(天海祐希)と娘の件とネタが被っているからどちらか1つに絞るべきで。

小机(広瀬アリス)とバーの店主の必要性も、結局最後まで分からぬまま。

登場人物をやけにミステリアスに映す意味深な演出も含めて、

「これ、いる?」って言いたくなるような無駄な要素が多過ぎたのが

とにかく残念過ぎた作品でした。(あ、ちょっと総括っぽくなってしまっているw)

 

最後まで本作の良さがイマイチ分からないまま、とうとう最終回…

踊るEDは普通にノってしまうもので、そこが一番の楽しみでしたかね。

「いや、踊ってる場合ちゃうて!」とツッコむのも次回で終わりか…(苦笑)

 

 

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テセウスの船 8話 感想|最終回だけ見れば良いドラマまっしぐらに…

 

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話が進まんなぁ。

前回に引き続き真相の方は停滞気味で、無計画な性格を利用されて

ただただ後手に回る親子の姿にツッコむだけで終わってしまった。

「単独行動すな!!」って言いたくなるドラマは何作もあるけど、

本作の二人に関しては「二人行動"も"すな!!」とも言いたくなりますね。

あまりにも役割分担をしないもんだから、前作は見ていないものの

ザ・勧善懲悪な「半沢直樹」を早く見たい気持ちにすら駆られてしまいますw

 

で、姿をちっとも現さなかった真犯人=共犯者の件。

少年みきお(柴崎楓雅)が以前ボイスレコーダーを持っていた事、

そして今回出てきたスタンガンで「89年にもあったアイテムなのか?」という

疑問も湧いてきた事から、共犯者は大人みきお(安藤政信)じゃないかと

思っていたのですが、最後に少年みきおも殺してしまった、つまり邪魔者として捉えたのなら

私の予想とはちょっと違っていきそうで。

(ちなみに、原作のネタバレは踏んでいない状態で書いています。)

初回の感想で「田中(せいや)が犯人かも…」なんて書きましたが、

もしかしたらその線もなくはない気がしてきました。

徳本(今野浩喜)と母親の死について意味深発言するシーン。

原作と変えてくるとしたら恐らくそこの話になり、

予告でチラッと映った12年前(1977)の音臼祭の便りが関係してくるのでしょうかね。

その当時の祭に母二人がいて、そこで佐野(鈴木亮平)は恨みを買ったとか?

 

話自体は間延びして焦ったくなってしまうものですが、

その分、子役の柴崎楓雅くんのサイコパス感溢れる演技にかなり楽しませていただいています。

目に魂が宿っていないような冷たい笑い方や、恐怖を煽られるモノローグ。上手い!

他の作品でもお見かけしたい子役さんです。

 

 

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病室で念仏を唱えないでください 8話 感想|両忘の自由か?命の奴隷か?

 

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今回のキーワードは「ペースメーカー」と「パンダ」。

複数の患者を巻き込むという最終章らしい壮大な展開だったので、

3人の患者のエピソードの詰め込み感は強くなり、結末もベタにまとめた印象はありましたが。

その分、松本(伊藤英明)と濱田(ムロツヨシ)の関係性は明確になり、

医者としての考え方の違い、それぞれの見せ場をドラマチックに魅せてくれた

満足感を覚えた回でした。

 

某ドラマを思い出させるシロクロのパンダをメタファーにし、

時に対立し、時に交錯し合う二人の関係。

どちらかが完全に"悪"という描かれ方ではない、境界線の曖昧さが良いですね。

 

濱田の性格もはっきり映し出されました。

「医者は金でも法でも正義でもない、命の奴隷だ」

これは"彼そのもの"を表す言葉なのでしょう。

彼がどんな考えを持って医者をやっているかが分かった所で、

最後の田沼(前田公輝)とのシーンは作品を盛り上げさせてくれるものになりましたし、

今回は「濱田回」と言っても過言ではありません。

 

しかし、一人の登場人物を前面に押し出すと

存在感が薄くなってしまいがちな主人公も、押さえる所はしっかり押さえる。

普通だったら「医者の仕事の範疇を超えてないか!?」とツッコむ

警察の指示を無視して子供のいる家に突撃するくだりも、命を人一倍重んじる僧侶と

兼業している人だから納得出来るのであって、

更に、主人公の魅力である「猪突猛進さ」「青臭さ」が強調された

エピソードになっていたと思います。

 

今回、そんな松本が唱えた言葉は「両忘」。

生と死。善と悪。二者択一の世界から逃れるという意味。

つまり、「自由」とも捉えられる訳で、

濱田の言う「奴隷」と対になっているとも考えられます。

 

何事にも縛られない自分らしい道を進む松本と、

ハートセンターを開設する為なら、目の前の命には絶対服従する濱田。

どちらが医者として相応しい行為なのか。

 

その問いに対する答えを出す上で、

意外にも"憲次(泉谷しげる)"という存在が重要になってくるのかもしれませんね。

 

 

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コタキ兄弟と四苦八苦 8話 感想|ローマは案外近くにある?

 

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昨日見たドラマに続いて、こちらでも役者さんの素晴らしさを堪能した回。

いや、本当…見ながら「すげ〜!」って何度連呼した事か(笑)

兄弟が入れ替わっても元の顔が浮かんでくるようだし、あれ?元に戻ってる?ともすぐ気付ける。

二路(滝藤賢一)さんは普段眉間にシワを寄せる表情なんて絶対しないし、

一路(古舘寛治)さんは斜めの角度で相手を見たりだとか、

あんな口の形もしないって分かるもんねぇ。

そこにさっちゃん(芳根京子)が加わって、ますますカオスになる。

入れ替わりネタだけでも十分見応えがある話。

 

しかし、カオスの中にも現代ならではの要素がしっかり織り込まれていました。

さっちゃんが同棲していた過去。ちょっとした自分探しの旅に出ていたんですね。

「"あなた" という存在は、"あなた" が "あなた" だと思うから "あなた" なのであり、

誰かが "あなた" を認識したから "あなた" なのです」はちょっと哲学的ですが、スッと刺さる。

Y字路の右側が「行ってはいけない道」だと教わったさっちゃんと、

コタキ兄弟の住む家がある事がそんな形で関わってくるのか!という面白さもあり、

世にも奇妙っぽい不思議な世界観ながらも、いや、逆にその世界観だったからこそ?

想像した以上に、案外身近に自分の存在を認めてくれる人がいるもんなんだな…という

心温かい気持ちで見終える事が出来ました。

 

さっちゃんが子供の頃に出会った2人が

コタキ兄弟だったとは覚えていないみたいだけれど、

知らない所で出会っていた運命的な3人の関係…ああ…良いなぁ…と羨ましくなってしまいますし、

今喫茶店で再会出来たのも、きっと神のお告げによるものなんだろうとさえ思えてしまいます。

 

さっちゃんの回想シーンで「もしかして?」と頭をよぎりはしましたが、

分かりやすく言葉に表さなくとも それだと分からせるジェンダーの絡ませ方は流石の脚本。

彼女の背景が知れた事で、いつも哀愁を漂わせる主題歌もより心に沁みました。

 

ところで、三河屋のわかめ押し売りに関しては…

3箱とは言え2万2千円もするって、ある意味詐欺じゃないですかね?(笑)

 

 

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アライブ がん専門医のカルテ 9話 感想|不条理な運命に抗う人々の逞しさに涙…

 

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ああ、ズルいわ…。

XRで夢を叶えさせてあげる伏線回収も、音楽をかけるタイミングも

何もかも出来が良すぎて、文句の付け所がなくて、真に泣かせにかかってきていてズルいわ…。

極め付けは、やっぱり高畑淳子さんの演技の凄み。

どこそこが良かった、印象的だったと感じる所は、

感想として収められる限り1つ1つ書き残していっているのですが、

正直、今回ばかりは、私の拙い文章で高畑さんの演技の凄さを表現するのは

野暮だと思ったくらいでした。

以前にも書いた通り、私の周りにガン患者はいないし、

目の前で誰かの最期を見た経験もないけれど、

末期を迎えた時の表情、話し方、動き方はきっとあんな感じで、

あんな風に旅立って行くのだろうな…と妙に納得させられてしまう迫力がありました。

話題に上がりやすい李社長のインパクトの強さは勿論、

個人的には「となかぞ」での世話焼きなお母さんっぷりも好きでしたが、

また一人忘れられないキャラクターになりそうで…

民代役が高畑さんで良かった、出演されるのが本作で良かったと思わずにはいられません。

 

冒頭から長くなってしまいましたが、

静(山田真歩)のエピソードも興味深く視聴しました。

妊娠中にがんが再発してしまった彼女。自分の命か、子供の命か、という選択。

最初は、最後の卵子で折角生まれた命だから、その努力は無駄にしたくない気持ちは分かるけれど、

子供の為に自分を犠牲にすれば、子供だけでなく残された旦那もどうなるのか、

後悔の念がますます深くなっていってしまうんじゃないか…という考えを持っていました。

しかし、その考えは民代の言葉、

「ガン患者でも欲しがって良いのよ。やりたい事やって良いのよ!」で全て打ち砕かれます。

…そうだな。他人の私がとやかく言う事ではないなと目を覚ます瞬間。

 

今回はてっきり静が中心の話になると思い込んでいた分、

前回で前向きに退場してから再び病院に戻って来るショックも含めて

民代の存在感に持ってかれた感じはありましたが。

結果的には、彼女も描写する事でさり気ない

「生まれて来る命」と「去って行く命」の対比にもなっており、

また、自分がどうありたいかは人それぞれ違うものだし、

患者とか関係なく自由に決めて良いのだ…という「価値観の多様性」にも繋がる点で、

2つのエピソードを絡ませたのはしっかり意味があったと感じられたのが良かったです。

 

それにしても、今回のような回を見ると、元々数字が取りづらい枠とは言え、

視聴率が低いままなのは本当に勿体ないと思えてしまいますねぇ。

本作だけに限って考えるなら、多分、初回のラストのミステリー展開に戸惑って

「思ってたのと違う!」と言って離れてしまった人が多いのかも。私も最初はそうだったし。

でも、回を重ねて行くうちに本作が届けたいメッセージはしっかり伝わったから

ここまで応援して見守る事が出来た訳で。

縦軸の件が解決した前回から患者と向き合うエピソードに絞られて、かなり見やすくなった。

だから、縦軸を無しにしろとは言わないまでも、

もう少し人物の扱い方(特に関河…)、着地点の仕方に工夫が施されていたら

大分違っていたのかもしれませんよね。

 

 

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