イチケイのカラス 11話(最終回) 感想|これはなるべくしてなった大団円。

 

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いやはや…「エンターテインメント」を心から楽しんだ作品でした。

 

周りを振り回すほどの曲者の主人公がクビの危機!

彼のために「辞めないで!」「どうか撤回して下さい」と大勢で直談判しにいく仲間達…

という展開はいろんな作品で見てきているけど、本作ほど相応しいと思った事はないなぁ。

あれ…なんか最終回で急に漂白されてません?

絆の強さを滲ませているものの、そんな信頼しているような部分って描かれましたっけ…

ってモヤモヤする人物描写が多かったので(笑)

本作の場合は、なるべくしてなった大団円でしたね。

やっぱり、積み重ねって大事なんですよ…

弱っているみちお(竹野内豊)に喝を入れて、円陣を組むために彼の手を取ろうとする

坂間(黒木華)の頼もしさには涙腺がやられてしまいました。

 

前回で「最終回に繋がる事件」という謳い文句があったけれど、

さり気なく提示された謎を回収していくよりかは、

個人的には、イチケイメンバーの卒業式を見ているような感覚に近かったです。

それはもちろん、上からの"忖度""圧力"に押しつぶされそうになったり、迷いが生じたりしても、

みちおや駒沢(小日向文世)などのサポートで

改めて人を裁く意味の大きさを知り強くなっていく成長的な部分も含まれているけど、

あらすじや小ネタと、今までの要素を随所に散りばめる形で

視聴者に「そう言えばこれもあったね〜」などと"思い出"を振り返らせる部分も含まれています。

本作で描かれる登場人物が好きで、皆それぞれの正義感を持って目の前の案件に向き合う

メンバーの仕事ぶりも好きで見続けてきたので、

アバンの約2分間を使って今までのダイジェスト版を作るのにも何ら不満はなく、

むしろ「これから描かれるのは、彼らがみちおから学んできた事を実践する

集大成なんだろう」というワクワクした気持ちで見る事が出来ましたし。

ヘビやパック型ジュースだけでなく、川添(中村梅雀)の変質者疑惑のくだりまで

きちんと触れてくれる所には妙な感動がありました(笑)

原作があるとは言え、脚本家自身も、役を演じる役者にも愛着が湧いてきて、

本作を書かれていて楽しかったんだろうな〜…というのが伝わって来る内容だったと思います。

 

以前だったらシュッとされていた印象のある竹野内豊さんも、

今ではテレビで向ける顔は、丸みの帯びた優しげな表情ばかり。

素敵な選TAXI」辺りからちょっとずつおとぼけた役が増えてきたのもあって、

本作のみちおも、今だからこそしっくり来るキャラクターでしたね。

これも私の好きな竹野内豊さんだったなぁ。

ハマリ役だったランキングがどんどん更新されていく。

温和な性格で、落ち着いた声から出る言葉の重みにハッとさせられるギャップが

主人公を魅力的に仕立て上げていて、みちおを演じるのは竹野内さんしかいないと思えましたし。

前の感想にも書きましたが、「ふはは」笑いも心の緊張を和らげてくれるようで…

ああ、もう聞く事はなくなるのかな…という寂しささえ覚えます。

(秘書役の篠井英介さんの「はは」の乾いた笑いが余計憎たらしく感じた分…w)

 

「HEROっぽい」って散々言われてきたけど、

活躍を素直に見守りたくなる登場人物が揃った作品がここで終わりなんて勿体ないですよ。

事件の描き方自体に小難しい印象があった法廷モノも、図解や場面転換などで分かりやすく、

かと言って回想シーンでは多くを語らず、視聴者に委ねる事で

思わず考えさせられてしまうような人情劇に落とし込んだ作りになっていたのも珍しい。

勿体ない点に関しては…「入間みちお、またいつか会う事になる…」という

匂わせ台詞を吐いた佐々木蔵之介さん…

続編作りやすくして下さってありがとうございます!って感じです(笑)

蔵之介さんも、人縄筋では行かない佇まいが似合ってらした。

もう出演は決定ですね。

でも、みちおVS安西編は映画館で見てみたいかなぁ…って気持ちもある。

 

熊本での仕事ぶりを劇場版で描いて、

そこから何年後かに東京に戻ってきて、イチケイメンバーが再集結する様子を

Season2でぜひとも描いて欲しいですね。

正直言うと、たまに無難な回もあったので…諸々パワーアップして

また本作のチームにお会い出来る事をお待ちしております!

 

 

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