2021年07月一覧

ナイト・ドクター(Night Doctor) 5話 感想|無許可で手術しても処分なし!

 

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あの〜…たとえいくらあり得ない展開だったとしても、

その前後に補足があれば、まだ受け入れられたと思うんですよ。

入れて欲しかったのは「実の両親に連絡したかどうか?」の1つだけ。

これがあるとないとでは、夜間医療チームの印象が全然違う。

誰か1人が実の両親の許可とろうとギリギリまで粘っていて

結局間に合わなかった…という所まで描いていたら、

目の前の命を救うためなら躊躇しない使命感の強い医者に見えていたかもしれないんですけど、

訴訟中の人に対して「そんなに訴えられるのが怖いんですか?」って嫌味は言うわ、

日向(正垣湊都)を連れてきた越川(紺野まひる)が

誘拐犯の可能性があると疑わず素直に言葉を信じるわで、

まるで頼もしい存在に映らないんですね。

そして、もしこのまま日向が無保険だったとなると

手術に関わった全員に相当な罰が下される訳で…

努力している様子もなく、後先を何も考えずに突っ走る無責任な医者の姿に

どう感動しろって言うんでしょうか。

まぁ、本作の事だから、今回の件もうやむやにしてなかった事にするんですよね(苦笑)

 

"チームの絆"の描写も極端なら、緊迫感の演出もズレていて。

毎回誰かしら感じ悪い登場人物がいて、

人のプライバシーにズカズカ入り込んで気まずくさせて、デイドクターといがみ合って…

医療ドラマにおける緊迫感って、人間関係のもつれで見せるものじゃないと思うんです。

肝心の医療現場は、立っていてはプライベートの話で揉めているか、

控室や屋上で喋っているかして暇そうだなぁ…といつも思いながら見ていますが…

今回はみんなが直立して説明台詞を話すシーンが多いのもあって、

画面に「動」が感じられず、余計に間延びしていた気がしました。

 

内容にしたって、前回のラストを考えれば

成瀬(田中圭)の過去に焦点を当てた話になるはずなんですけど。

これまで通りに"1人の人間の成長"を描けば良いものを、

なぜか彼と関わりのない人物のエピソードを混ぜ込んだために、

一応表上は「人生における究極の選択」というそれらしいテーマにまとめつつ

「で、結局何が描きたかったの?」みたいな主軸のぼやけた内容になってしまいましたね。

 

美月(波瑠)が過剰労働で倒れるのは予想通りで面白みはなかったですが、

分かりきった展開を2週間後に引っ張らなかった所や、

デイドクターから「親の同意書なしに手術するなんてあり得ない」という

マトモな言葉が聞けた所だけは良かったです。

本当、その2つだけ(笑)

 

 

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TOKYO MER〜走る緊急救命室〜 3話 感想|さすがに今回の話は無理がある…

 

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基本的に力技ですよね、本作。

初回の感想でも書いた通り、医療ドラマというよりかは

戦隊モノとして見た方が楽しめるんですよ。

 

喜多見(鈴木亮平)を始め、TOKYO MERの面々の活躍ぶりを立てるために

あえて「チームを敵視する存在」「水面下で潰す計画を立てている政府」といった

日曜劇場らしい陰鬱な登場人物が多いのは確かに気になるし、

大規模な事故に派遣される医者なのにヘルメットを着けさせないとか、応援要員が少ないとか、

素人でもあり得ないと感じる部分も散見されるんですけど、

それでも最後まで見てネガティブな感情が残らないのって、

役者さんの演技力から出る頼もしさに助けられているからだと思っていて。

細部をどんなに荒削りしようが、役者さんがちゃんと"胸に訴えかけるシーン"を作ってくれるし、

立てこもり事件や爆発などで現場を派手にすればするほど、

ピンチな時に駆けつけるチームの絆の深さを描いて、見応えのあるものにしてくれる。

…で、手術シーンで手が震える事もなく、

どんな状況でも柔軟に的確に対応するスーパーヒーロー・喜多見に安心する。

今期は"プロ"とは名ばかりの社会人が目立つドラマが集っている分、

(一部を除いて)私情を絡めずに仕事をこなす人々の様子が描かれるだけで

個人的にはポイントが高いのです。

 

ただ、そうやって好意的に本作を見てきた私でも、

さすがに今回の話は無理がありました。

 

1つ目は、医療従事者以外の描写。

本作は別に刑事ドラマではないから、犯人の立てこもりの動機だとか、

どんな職業で、どこから銃や大量の弾を仕入れてきたのだとかは

掘り下げなくても良いとは思います。

問題なのは、保育士・SIT・警察上層部があまりにも無能に描かれている事です。

保育士に関しては、幼い子供達が立てこもり現場の生中継を見たらトラウマになり、

下手したら心的障害を起こす子だって出てくるかもしれないのに、

テレビを全く消さず、子供に見させないようにもしないで

夢中になって見ているのが不思議ですし。(そもそも保育園ってテレビ点けるのか?って話ですし)

SITの方は、人質の娘を手放し一旦顔を出したタイミングで犯人を狙撃したり、

近くまで出動させたりもしないで、なぜか指揮者となった喜多見の指示で

初めて動くというヘタレ具合。

そして、警察上層部は、あの…

「万が一の事があれば警察のメンツは丸潰れ」って言ってますけど、

冷静に考えれば、人質を死なせた方が

メンツが潰れるって事は分かると思うんですよ(苦笑)

どの職業にしたってプライドを持って目の前の物事に取り組む点は

共通している気がするんですが…

片方を上げるために、もう片方をまともに仕事をしていない風に下げる手法は好みませんね。

 

2つ目は、医療従事者の敬意・感謝の描写。

冒頭で蔵前(菜々緒)の「医療従事者差別」を持ってきたのは、

最後の方でSITに敬礼させて「彼らがどれだけ国に貢献しているか分かってくれる人がいる」

「頑張りをしっかり見ていてくれる人がいる」という有り難みを際立たせる、

医療従事者に対する偏見をなくす意図があったのかもしれませんが、

冒頭のシーンがなくても描けた事だと思います。

むしろ、それがあった事で不自然さが増しました。

医療従事者とその子供を嫌がる保護者達は

「うちの子が感染させられるかもしれないから」避けようとしているのに、

果たしてそういう人々が現場の中継を最後まで見て、拍手喝采して

心に響くものなのか?という疑問しか出てきませんでした。

 

3つ目は、死者ゼロの描写。

池井戸作品かのように大きなリアクションをする姿には小っ恥ずかしい気持ちを覚えても、

受け流してはきたんですが、

今回のケースは、流石に素直に喜べるものではないでしょう。

元旦那…殺し屋ですよ?娘を脅迫して人質にしたんですよ?

医者の立場なら、1人でも命を助けたいのは分かります。

しかし、さっき書いた話に関係してきますが、やっぱり犯罪を犯した者は

それ相応の罰を受けるべきですし、

治療して元の状態に戻して、万が一また2人に近づきでもしたら…

母親も娘も、なんであの人を助けたんだろうって思いますよね。

犯罪者を救った事で、再び危機にさらす可能性を生んでしまった。

「死者ゼロ」がコンセプトにしても、

命を救う事が全て誰かにとっての喜びに繋がるとは限らない…という

ある種の"責任の重さ"を仄めかす場面は欲しかったです。

 

医療従事者以外の職業との現場での対立、反対を押し切って強行突破する主人公、

そんな主人公&メンバーの行動を阻もうとするアクシデント展開、

外部の人間とも揉めるが最終的に都知事が助け船を出す、

…で、「死者は…ゼロです!」で大喜びするまで、

状況や人物は変えて一応違いを出そうとしているものの、

全体の流れもほぼ似通っている感じも否めませんね。

少なからず、たまには敵の存在をガッツリ描かない回があったって良いんじゃないでしょうか?

 

 

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ボイスⅡ 110緊急指令室 2話 雑感|ひかり(真木よう子)頼み感が否めない

 

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いや、なんでやねん…な展開ばっかりですねぇ。

2週連続で子供誘拐ネタという話の引き出しの少なさ。

息子が再び誘拐されたかと思ったら、CM明けになったらいつの間にか3日経っていて

保護出来たという中途半端な引っ張り方。

人物描写においてもツッコミ出したらキリがないんですが、

爆弾を抱えた白塗りJr.(←勝手に命名)に「撃つならここね〜」って言われて

言葉通りに心臓部分を撃つバカ正直な刑事だとか、

何の疑いもなしに息子が拘束されている場所に侵入するハマの狂犬とか、

エグい演出でドラマチックに仕立てるのを優先し過ぎて

細部やリアリティな部分を捨てている感が否めません。

前者の透(増田貴久)の場合、"大人の事情"で闇落ちさせる形で

また見せ場を作りたいって所なんでしょうが…

足を狙えば相手の身動きを防げて、手錠をかける事だって出来たはずですよね?

 

ひかり(真木よう子)の超能力者っぷりにしても、前回から思っていましたが、

ECUは前作以上に、彼女がいないと機能しない組織に成り果てていて。

そうなってくると、前回今回と、たまたま1つの事件が終わって次の事件に移ったから

対応出来たけれど、もし事件が同時に起こったら…?という疑問が当然出てきます。

ECUの他のメンバーはただの電話番に映るし、1人の超能力者に頼りっぱなしの状態で

ロールモデルになった意味が分からない。

樋口(唐沢寿明)も自ら捜査しているというよりかは、

彼女の勘に従って動いている感じ(前作はもう少し二人三脚だったような…)。

つまり、あれだけの人数を揃えといて、実質刑事らしい仕事をしているのは1人だけ。

彼女の判断力と分析力に"絶対にミスがない"前提で描かれている所なんかは、

もはやAIでしかありません(苦笑)

 

うーん、ファンタジーな世界観なら受け入れられたんでしょうけど…

現実世界をベースとした話でここまで警察官を下げる無茶苦茶な設定が続くと、

話も引き込まれませんね。

正直に言ってしまうと、今期の土曜日はNHKの次回作の発表がないし、

「オシドラサタデー」の新作も毎回感想を書くタイプの作品ではない気がしたので、

本作だけでも書くつもりでいたんですが、

やっぱり前作でも微妙に感じた作品を「続編だから」と言って

無理して書く必要はないと思えてきました。

 

したがって、(後は「ザ・ハイスクール ヒーローズ」の出来次第ではありますが)

土曜日はのんびりさせていただく事になるかもしれません…

とは言っても、ここ最近の休日は時間にルーズな投稿が多いですね。

待ってくださっている方には申し訳ありません。

特に今期は、感想を書くモチベーションが湧かないドラマが多くって…(滝汗)

 

 

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推しの王子様 1話 感想|社員に王子様扱いされないおディーン様(泣)

 

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当ブログは基本的に、当時感じた事を書き残す備忘録のつもりで運営しているので…

視聴前から事情を知ってしまっている以上は、書かせて欲しい。

もう今後は二度とその事には触れないと誓うから、書かせて欲しい。

主人公…深キョンのパターンも見てみたかったなぁ…と思ってます(泣)

 

推しとの出会いも、映像の質感も、演出も、軽く楽しめるラブコメというよりかは、

まるで夢の時間を過ごしているかのようなディ◯ニーっぽい世界観に近い。

その世界観と調和のとれる役者さんに、ディーン・フジオカさんと深田恭子さんを

キャスティングしたって所なんでしょうけど、

クールで仕事の出来そうなイメージのある比嘉愛未さんとなると

妙に現実味が出てきちゃって、ファンタジーな作りの本作からは

浮いてしまっている印象の方が強かったんですよね。

代役が決まってからどこまで設定を変更したのかは不明ですが…

ズレを少しでも埋めるために、台詞や言葉遣いを比嘉さん寄りにしたり、

良い意味で浮世離れした佇まいのディーンさんの魅力が主要人物を食ってしまわないように

ご本人自らが抑えめ(に見える)の演技をしたりと、

キャストのバランスに合わせて調節して行っている感じがしました。

 

ただ、まだ会ったばかりの怪しい若者を簡単には受け入れないという

案外冷静な思考の持ち主である所、元経理部で現在はバリバリ活躍する人気社長という設定には

説得力があって、途中から魅力的に映ったのも事実。

初回の放送が終わった頃には、航(渡邊圭祐)を一人前の人間に育て、

時には母のような優しさも見せる泉美(比嘉愛未)の姿を見守っていきたい…と

思えるほどになりました。

 

内容自体も、素材は良いのに活かせられていなくて勿体ない男性をモテ男に育てる

よくある"育成ゲーム"じゃなくて、お互いの出会いを通して

人生や物事の考え方も根本的に変えていく"成長と気づきの物語"の方向になりそうで、

ちょっと期待出来そうな気がしています。

推しがいる事の幸せを見つめ直す泉美と、

生きる活力を与えてくれるモノ=推しに出会う模索の旅を始めてみる航。

本作が何をテーマにして描きたいのかが映像で見えてきましたし、

王子様を安易に俺様キャラにしないとか、航が推しに似ているからって

何でも都合良く解釈して甘やかさないとか、

「いやいやそれはないでしょ〜」っていう視聴者の違和感にも事前に配慮しながら

ファンタジーな世界観を純粋に楽しませようとしている所を踏まえると…

もしかしたら掘り出し物になるのかもしれません。

 

ただのおバカちゃんというよりかは、現在に至るまでに何か訳ありな事情が隠されてそうな

航の過去も気になりますし、これは視聴決定ですね。

面白くなると良いなぁ。

 

…最後に余談ですが、おディーンさんは当て馬確定なんですかね?

身近に王子様がいるのに、なぜか誰も惚れない不思議(笑)

 

 

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緊急取調室(2021) 2話 感想|前後編をやっても完結しないとは!

 

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ええ〜〜…宮越(大谷亮介)の件は最終章まで引っ張るんか〜い!

それなら、ますます前後編にした意味がないような(笑)

本題である取り調べシーンにしても、15分過ぎになって開始するという遅さ。

前回と合わせると約80分間待たされた事になる訳で…

前回に収まりきらなかった分を描いているのか?とも思える事件捜査のシーンや、

ホワイトボードを通して事件内容をまとめるくだりが盛り込まれるもんだから、

いつまで経っても前菜ばっかりで、心待ちにしていたメインディッシュの女優対決が

中々来ないもどかしさを感じてしまいましたよ…。

桃井かおりさんの演技を味わうのも考慮したら、

一気に2時間で描ききってしまった方が余韻を味わえたかもしれないのに、

この構成は勿体ないです。

 

でも、内容はどうであれ、やっぱり長年キャリアを積まれているお2人は凄いな…と。

会話の応酬だけで自然と「2人の生き様の対比」や「大國の変化の兆し」を

浮かび上がらせるなんて、早々出来ない事でしょう。

過去の栄光やカリスマ時代の自分に囚われ、

「勝利か死か」という言葉がダサいのを自覚していない悲しい元活動家と、

笑ったり喋ったり、ドーナツを食べて美味しいと言ったりしている方が幸せだと胸を張る警察官。

真壁(天海祐希)とぶつかっているうちに当時の輝きを取り戻し、

自信に満ち溢れた姿を見せる大國には、どえらいものを見せつけられた感覚を覚えました。

彼女の人生はまだ始まったばかりなのだと思える

ラストのドーナツ差し入れシーンも、個人的には爽やかさがあって好み。

 

ところで、気になるのは…

あの50年前の回想…桃井かおりさんご本人なんですかね?

顔はおそらくCGを使っているとして、話し方もご本人な気がしたんですけど…

そこらへんの詳細を知りたいです(笑)

 

 

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ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜 2話 感想|ドジはドジでも伸び代のあるドジが良い

 

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月曜日と火曜日で溜まったイライラを本作が浄化してくれる(笑)

でも、キャラクターのボケやツッコミモノローグに笑って癒される

ただの"ほのぼのコメディ"じゃなくて、

それぞれのやり方で目の前の仕事に真摯に取り組む姿に敬意を払いたくなる

"お仕事人情エンターテインメント"にきちっと仕上げている所が良いんですよねぇ…。

やっぱり、今期の中でも当たりだと思いますよ。

 

構成に関しても、初回はどうしても新人警官・川合(永野芽郁)の紹介や

彼女の性格と警察業界のズレを描く初期設定を盛り込まなければならなかったために、

存分に本領発揮出来ていない感じがあったのに対して。

今回は説明が終わって通常営業になったからか、アバンの時点で笑えるポイントを押さえて、

前半はコメディ、後半はシリアス&人情のメリハリを更に強くさせた事で、

ますます原作由来の独特な世界観が出来上がっていたような気がしました。

このメリハリを"落差"と捉える視聴者も出てくるかもしれませんが、

両方とも「親身になって川合を教育する藤(戸田恵梨香)の頼もしさ」を描いている点では

共通しているので、私としては、振り幅が大きくて面白い!と好意的に見ております。

 

そして、前回の感想でカットした部分も含めて、

本作の何が一番好きかを書くとするなら…

川合を典型的なドジっ子に仕立て上げない所。

多分、この手の主人公を描くドラマだったら、

トロール中にうたた寝したり、学校内で校歌を歌いながら肝試ししたり、

ラブホテルで勝手に見学したり、うっかり音を鳴らして作戦が失敗しそうになったり…といった

厄介で周りをかき乱す印象をつけさせて、

「なんだこの新人は!」と反感を買わせて終わらせがちだと思うんですが、本作はそうしません。

何と言うか、ドジでマヌケでも応援したくなるように

丁寧に描写されているなぁ…と感じられます。

 

前回の事情聴取のシーンで分かった「警察官にはない親しみのあるオーラ」「感情移入のしやすさ」

「相手と打ち解け合える巧みな話術」という川合ならではの良さを、

今回では、夜まで一緒に指輪を探すシーンや、

彼氏が窃盗犯だった痕跡が出てきてショックを受けないようにと隈なく調べるシーンに活かす。

脚本方面では、交流のあった松原(山口まゆ)の大切なイヤリングが実は盗品で、

警察官の立場上、家宅捜査をしなければならない…

でもそうしたら彼女の幸せを奪う事になってしまう…

だからと言って、戦力外で何もしないままなのは悔しい…という心の揺らぎを表す台詞を

あえて書かずに、視聴者の想像力に委ねてみる。

 

(原作の力もあるでしょうけど)設定にブレが生じないようにする

スタッフの真面目さが伝わってくるし、

彼女は彼女なりに一人前の警察官を目指していく成長物語としても見応えがあります。

 

日テレドラマらしからぬ(←こら…w)ご遺体の検視のシーンもじっくり描いてくれるし。

川合に警察官としての責任感を持たせるきっかけを与える藤や伊賀崎(ムロツヨシ)が

新人目線になって指導出来る人だから、

たとえ事件が小規模だったとしても、出世争いや上層部の陰謀がなくても、

上手くいって、つまづいて、助言をもらって、また頑張って…

そんな彼女達の1日を見ているだけで十分楽しい。

 

しかし、藤が優しい理由と、伊賀崎が最低限の仕事をしてズルをすると言っていた理由は、

どうやらかつていた新人(?)の存在が絡んでそうですねぇ。

川合と似たような新人で、厳しく接していたら

そのプレッシャーから自殺してしまった過去があったのか。で…変わろうとしたのか。

あんまり深刻な方向には行って欲しくないですが、どうなるんでしょ。

 

 

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プロミス・シンデレラ 1話 感想|悪趣味なゲームに付き合う気持ちが分からない…

 

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火9はパワハラ。火10はセクハラ。 

火曜日はハグの日からハラスメントの日になったらしい。

2時間連続、高圧的な態度をとる準主人公に…

「ババア←27で!?」「ばい菌」「ブス」の悪口の連呼、女性同士の小競り合い、

(性)暴力まがいの行動を笑いのネタとして消化する風潮…

正直もうキツイですし、「まだこんな描き方をするドラマがあるの?」とすら思っています。

でも、原作ファンからすると、内容は原作に忠実らしいので…

私が合わないだけなんですね。そうですね(汗)

 

金無し宿無し職無しの三重苦を背負う主人公が、ある日ひょんな事から男性にゲームに誘われ

お金欲しさに乗っかるという設定は、前期の「レンアイ漫画家」の恋愛ミッションと大体同じ。

弁護士の存在が皆無である非現実な設定で、どちらもあり得ないと思いながら見ていましたが、

「レンアイ〜」の方は、主人公が時折見せる不器用な一面に興味が湧いた一方で、

壱成(眞栄田郷敦)の方はただの感じ悪い高校生という印象だけが

残ってしまったのが残念でした…(比較してしまってすみませんが…)。

 

ブコメを描くんだったら、やっぱり共感したくなる登場人物がいて、

後に結ばれるであろう2人の未来を応援したくなる物語であって欲しい…というのが私の考えです。

その上で肝となってくるのは、「役とキャストの組み合わせ」「心情描写」の2点。

 

まず、視聴前に感じた通り、眞栄田郷敦さんが高校生ではなく、

むしろ痛いチンピラに見えてしまうのが致命傷だと思います。

一応補足すると、本人の問題ではなく、キャスティングの問題です。

老舗旅館の息子で世間知らずでも別に良いんですが、

バカだのブスだの悪口を吐く姿とか、荷物背負わせじゃんけんといった小学生じみたいじめとか、

実年齢よりも程度の低い行為をやらせるシーンを見ると…純粋にカッコ悪い。

カッコ悪いイメージが先行するから、魅力的には映りにくい。

 

火10枠はたまに"年の差恋愛"を題材とした作品を流す傾向にあり

(例えば「初めて恋をした日に読む話」中学聖日記」)、

それで話題になったのを参考にして本作も10歳差の設定にしたんでしょうけど、

年齢に合わせて原作の設定をドラマ用に変更するなり、

思い切って、華奢な佇まいで、無名に近い新進気鋭の俳優をプッシュするなりしてみた方が

ドラマ内での違和感を減らせたんじゃないかと思います。

ちなみに、岩田剛典さんも兄役には見えません…(汗)

 

そして、内容自体に関しては、原作の流れに沿って物語を進めて行っているためなのか、

「なぜ早梅(二階堂ふみ)が人生ゲームに付き合う気になったのか」

「なぜ2人は惹かれ合うようになったのか」の、お互いの心情変化の過程が伝わりづらいです。

何と言うか…初期設定を盛り込んだ初回らしい内容にはなっているんだけど、

関係性の方はいつの間にか4,5話くらいまで進展していて、

妙に置いてけぼりにされている感じに近い。

他人の人生を弄ぶ人を庇おうとするのも分からないし、

見ず知らずの女性に勝手に恋敵扱いされてシャンパンかけられた時点で

私だったらキレてすぐその場を出て行くし

(そして旦那が仕事中に家に帰って通帳や押印を取り出しては、

弁護士に慰謝料の事相談しに行くし)。

壱成が彼女を気にするようになるのはまだ理解出来るんですが、

さっきまで「おもしれー女」として見ていたのに

木陰のシーンでは骨抜きになっているのが急過ぎて…。

仲良く走り回っているのも含めて、ポカーンとしてしまいました…。

 

唯一良かったのは、強気な女性とショートカット姿の二階堂ふみさんが

結構合っているという所だけですが、

前半までの展開にあまりにも不快感が残るので、せっかくのスカッと劇場も

取って付けたように感じてしまって、チャラにはなりませんね。

 

同じイライラする内容でも、壱成はたまに的確な言葉は残すから、

火9の毒舌男よりかはマシなのかもしれませんが…

これまで書いた通り、もう感じ悪い男性を見るのは懲り懲りですし、

諸々の描写に共感出来ないので、本作は初回でリタイアといたします。

まっ、火9もレッドカードが出る寸前なんですけど…。

 

 


彼女はキレイだった 2話 感想|宗介がサイコパス過ぎて普通に怖い。

 

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原作があるのに…

ファッション雑誌業界が舞台の話、宗介(中島健人)が副編集長…という設定が

ただの"お飾り"に見えてきてしまって仕方ないんですよねぇ。

人気雑誌の廃刊の危機が迫っているにもかかわらず、なぜか他人事な編集長。

本来は社内の歳の近い先輩が教育係につくはずが、結果的に親友である梨沙(佐久間由衣)に

付き合ってもらっちゃっている(その割には髪型のオシャレには触れない謎)。

そこらへんはフィクションだからと超好意的に解釈すれば良いけれども、

準主人公である宗介を副編集長にした以上は、仕事が出来る部分もサラッと描いてもらわないと、

「なぜ若い彼が??」という疑問だけが残って、話に入り込みづらくなってしまいます。

 

基本的に傍若無人な性格でも、報連相はきちんと行うとか、

自分の失敗を認める度量があるとか、

部下のスキル向上のために提案をしてみる部下想いの一面があるとか、

一緒に仕事をしていくうちに「意外と良い人なのかも」と思える方向に傾いたら

魅力的に感じるのでしょうが…その"良い人"らしさを振りまいているのは恋愛方面だけ。

「好きな人の前では優しくする二面性」「四角関係」をメインに描きたいんだったら、

同僚の設定でも、他の業界に置き換えても何ら支障はないでしょうし…

そもそも、初回で説明があった容姿の変化のくだりについては

今回はほぼなかった事になっているのも考えると、

向こうの国の原作を借りる必要はなかったのでは?とすら思います。

要は、恋愛パートを立てるために、本作独特の設定も、仕事パートも

中途半端に扱ってしまっているという感じですね。

 

いくら所々でポンコツな部分を見せて

「普段は毒舌ドS男でも意外と可愛いとこあるじゃん!」って思わせようとしても、

嫌っている愛(小芝風花)には理不尽な目に遭わせ、

愛だと思い込んでいる梨沙には親身に付き添ってあげるという

人によって露骨に態度を変える様子を見ると、普通に怖くてなぁ…。

どうせ後半になるにつれて宗介が心を入れ替え、

最終回では愛とくっつくオチにはなるんでしょうけど、

彼女に夢中な時はデレデレでも、気に入らない所が目立ち始めると

分かりやすく冷たい態度をとる未来が想像出来るので

素直に受け入れられそうにないです(汗)

 

何話か引っ張るであろうカミングアウトのくだりをもうしてしまうのだけは意外でしたが、

彼女が愛だったと知ってからどう動くか…ですね。

もしこれで梨沙の時みたいに急に胸キュン行為とかし出したら、

正直、サイコパス以外の何者でもないので(苦笑)

ゾッとした気持ち悪さを感じたら、速攻リタイアします。

 

 

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ナイト・ドクター(Night Doctor) 4話 感想|何のドラマだったっけ?

 

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今回は何とも雑な仕上がりで…

はぁ…私は一体この1時間何を見せられてきたんでしょ…(滝汗)

タイトルに「ドクター」と付いていながら、

実際にそれらしい仕事をしていたのは

1/4…いや、1/5くらいだったんじゃなかろうか。

病院内では基本的に座ってて、他人のプライベート事情や噂を喋ってくつろいでばっかり。

で、立って動いている時は、オペに励んでいるのではなく

恋愛のゴタゴタで医者か患者と揉めたり"友達ごっこ"したりしている姿ばっかり描かれる。

本作にとって医療ドラマはおまけ要素なんですね。

あえて「夜間医療」にこだわった理由が見えてこない、疑問符しか浮かんでこない内容でした。

 

医者の態度に関しては

深澤(岸優太)や桜庭(北村匠海)メインの回でも言及してきましたけど、

高岡(岡崎紗絵)はタメ口×呼び捨て×八つ当たりの3コンボと来た。

実は真面目キャラでした!という展開に結び付けたいんだったら、

怒りの感情に任せて暴言吐いて、職場放棄する姿なんて描かれないはずなんですよね。

しかし、それ以上に引っかかったのは…

3人よりも先輩のはずの美月(波瑠)も同じくらい幼稚な所。

2話で「普通」の定義を熱く語っていた頃とは別人じゃないですか?

後輩をしっかり正す立場の人が彼女の態度に乗っかっちゃってどうすんのって話ですよ。

確かに自己中な後輩を見たらイラッとしてしまうのも分かります。

でも…キャリアが"3年も"上の設定なんだったら、一旦悩みを聞いてあげるとかして

3人と差別化して描いてみても良かったのではないかと思いました。

あれでは、年齢もキャリアもバラバラのチームにした意味がありません。

 

もう今更言っても無駄ですが、終盤で"絆"アピールする屋上でのシーンを見る限りは、

成瀬(田中圭)をチーフ=指導係にして、他の4人はみんな同期の設定にした方が

これまでの言動も違和感がなくなった気すらしてきます…。

そうすると波瑠さんだけ少しお姉さんっぽい感じはしますけど、

どうしても医者を目指すために浪人した事にしておけば都合はつきますよね。多分。

 

詩織(松井愛莉)の精神疾患にしても、後から取ってつけた感満載で…(汗)

寝ながら泣いていたのを高岡が報告するシーン"だけ"なら、

自分では見過ごしがちな精神疾患のサインを呼びかける

メッセージ性のあるシーンとも捉えられますが、

前半はゲスな浮気相手でしかなくて、同情しようがなかったですからねぇ。

肩を揉んで欲しい、エアコンの温度を上げて欲しいが

後に重大な病気へと繋がる兆候になるのではないかと予想していましたけど、

結局何も関係なくてズッコけましたよ。

 

患者もデイドクターも仲間も、いつも誰かしらがイライラしていて

本当に心の休まる場所がないドラマですね。

唯一冷静に対応しているのは成瀬くらい?

でも、彼も他人の私物を引っこ抜いて勝手に覗き見るような人だから…

まともな人はいませんな(苦笑)

 

 

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TOKYO MER〜走る緊急救命室〜 2話 感想|局長の方は早く失脚させるべき。

 

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やだ…最後の厚生労働大臣に注意される時の2人の姿が、

戦隊モノの序盤〜中盤の方で活躍するヴィランの手下に見えてきて…。

特に局長・久我山鶴見辰吾)なんか、「申し訳ございません!」の次に

「次こそはあいつらを必ず倒してみせます!もう一度チャンスをください!」

って言いそうな気がして堪らなかったです(笑)

すぐやられるザコキャラっぷりが半端ない。

 

いやね、MERを潰すどうこうより、人が死にそうになっているのを見て

茶化している方がどうかしているんですわ。

あの場を録音されていたら一発で失脚するレベル。

日曜劇場でお馴染みの政府の陰謀論を持ってくるくらいだったら、

それでスカッとさせて欲しかったなぁ…。

一方で、同じく潰す側の音羽賀来賢人)は、当然ですけど

あくまでも医療事故を起こして解体させようとは思っていない。

彼は最初は孤立状態でも、途中から正式に仲間入りする追加戦士みたいなもので、

そのうち喜多見(鈴木亮平)の心に触れて光堕ちする展開が

やってくるんじゃないかと踏んでおります。

 

今回メインで取り扱われた比奈(中条あやみ)の件に関しては、

腕のある医者達の中になぜやる気のない研修医が配属されたのか疑問でしたし、

何も出来ない割には上司に文句を言ってくる態度にちょっとした不快感を覚えていたので、

2話で早々にそういった"モヤモヤ"を回収してくれたのは助かりました。

そもそも1年目の研修医なんだから、サポートドクターに回した方が妥当な気はするんですが、

「人の命を救いたいからです。」という簡潔な志望動機だったからこそ、

使命感の強い喜多見が彼女に惹かれて、執刀医を任せてみたくなったんだろうなぁ…と頷けます。

 

ただ、実際に研修医に手術させる事ってあるんでしょうかねぇ。

大規模な現場に向かうよう要請する7人体制のチームの中で、

手術出来る権利を持っている医者が、プロ2人・研修医1人しかいないって…

その少ない人数で持つのかな?って思います。

そして、東京内で起こる事故は、「コード・ブルー」の最終回でありそうな爆発事故ばかりで、

オリンピックも控えたコロナ禍の時間軸の割には

全体的に危機管理が足りなさ過ぎて不安(汗)

まぁ、そういう事故現場で活躍するチームを描く作品ですから

ドラマチックな場面に頼るのは仕方ないにせよ、

レスキュー隊だけじゃなくて、他の近くの病院からも応援を呼んで

MER以外の医者も治療に当たるカットがあっても良い気はしました。

 

池井戸作品の演出を担当された経験のある松木彩さんだからなのか、

前回よりも顔どアップが増えたり(それでも某演出家ほど暑苦しくはないけど)、

本題とは関係ない陰謀色が強まったりしたのも少し引っかかりましたが、

今の所はまだ好意的には見られています。

やっぱり…すぐ感情的にならない、技量もちゃんとある人が主人公だと大分救われますね。

 

 

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