プリズム 6話 感想|ユリとすずらんのような関係になれたら

 

 

ポップコーンのくだりが微笑ましい。

以前の感想でも、3人で仕事の休憩中に

おにぎりを食べているシーンについて言及したんですけど、

本作はそんな何気ない日常を尊いものに見せるのが上手いなぁ…とつくづく思います。

それは「演技している」と感じさせない、役者さんの自然体さも関係してはいるんですが、

そこからさらにキスシーンを盛り込んだり、胸キュン要素をスローモーションで撮ったり…など、

作りようによってはいくらでも甘くてドラマチックなラブストーリーに出来るものを、

徹底して"心情"を深く掘り下げようという事に終始している

作り手の真摯な姿勢が大きいのかもしれません。

 

球根に毒を持ったすずらんがユリを守っている…という話もタメになりつつ、

今回の内容を立体的に見せるキーアイテムとしても上手く活かされていた気がします。

元々は"そういう関係"に憧れを抱いていた悠麿(森山未來)が、

自分の代わりに実って欲しくて皐月(杉咲花)に託そうとした所から出た豆知識ですが、

広義的に言えば、それは皐月と陸(藤原季節)の関係性だけに留まらず、

皐月と綾花(石井杏奈)、皐月と梨沙子若村麻由美)、梨沙子と耕太郎(吉田栄作)の

関係性にも当てはまるんじゃないかなぁって思うんですよね。

 

やっとの思いでチャンスを掴んだにもかかわらず、

夢を諦め別の道へと進んだ皐月の方が充実していそうだと気づき、

いつしかプライドが芽生えて、相手と自分を比べては嫉妬する日々を送ってしまっていた綾花。

以前は帰省すら拒み、母親とはなるべく距離をとろうとしていた皐月。

そして…愛人がいるという事実のみを知り、「騙された」という悔しさが先行して、

旦那が入院するまではずっと疎遠だった梨沙子

でも、今では関係がこじれる事なく、お互いに仲を取り戻しつつある。

それは文字通り「隣り合っている」から。

 

信爾(岡田義徳)が「分からない事でもなんでも聞いて、たくさん話したら、

不安も消えていた」と言っていたように、

ありのままの気持ちを話して相手と向き合ってみようとする行為は、

年齢も性別も恋愛も超えて、全ての人々が出来る事で。

向き合ってみようとするのに比例して関係性もどんどん深まっていくのが、

人間ならではの凄味ではあるんですよね。

純粋に"パートナー"として共存し合えたらどんなに素敵か…という、

"人との繋がり"の持つ可能性や希望の兆しを感じさせる内容にまとまっていたと思います。

 

特に梨沙子と耕太郎の件なんて、皐月が病院前にいる母親を呼ばなければ、

梨沙子が顔見合わせをしに旦那の自宅までお願いしに行くなんて事はなかったでしょうからね。

今までの様子から考えると、あそこまで変われたのが本当に信じられなくて…

「私も一緒に説明するから」「それが…本当の"皐月のため"って事だと思う」と話してみてからの

主題歌のタイミングと言い、その言葉が刺さったともとれる耕太郎の横顔のアップと言い、

ラストには泣かされてしまいました。

 

今回は陸のカミングアウトから始まって、

台詞を紡ぐのには最も難しく、慎重さが問われる内容だったと思いますが、

カミングアウトされて複雑な感情を抱いている人も、前を向こうとしている人も

どの立場も否定する事なく、あくまでも「相手はなぜその気持ちになっているのか」を

尊重しようとしているのが伝わる言葉選びが随所に施されていたのも良かったです。

そして、今更ですが、主題歌を歌う原由子さんの声も、本作の世界観にぴったりなんですよね。

毎回放送が終わった時は、自然とサビの歌詞を口ずさんでしまう自分がいます(笑)

 

 

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