夕暮れに、手をつなぐ 10話(最終回) 感想|終盤は"すれ違い"頼りになってた感は否めないかも。

 

 

"エモさ"を感じさせる映像美に、その雰囲気にさらに拍車をかけるヨルシカさんの曲に、

広瀬すずさんと永瀬廉さんのキャラクターの消化力の高さに…と、

この3つに魅せられた作品でしたね。

そして、本作が描きたかったのは「日常の中の小さなときめき」なんだろうなぁ…

とも思いながら見ておりました。

 

ただ、個人的には、恋愛モノは恋愛モノでも、

キャッチーな胸キュン演出を盛り込むよりかは

緩やかで落ち着いたトーンで進む本作の作風の方が好きで、

毎回そこは好んで見ていた訳ですが…。

空豆広瀬すず)と音(永瀬廉)がそれぞれ別の場所で

目の前の物事に直向きに取り掛かる様子を重点的に描き過ぎていたのと。

それに伴い、場面転換も多かったためか、

2人がお互いを気になり出す過程に「夢を追い求める者同士」はあれど、

肝心の「いつ・どうして好きになったのか」といった心の機微は、

映像美で誤魔化しながらやんわりと済まされていたのかな?

という疑問は最後まで拭えなかった印象です。

要は、日常描写と恋愛要素の比重が極端だったんですよね。

 

しかし、最終回に関しては、どこの空港かも分からないまま走って、

なぜか空豆のいる空港に辿り着いてハグ!というベタな展開でも

やるんじゃないかと想像していたので、そこはなくて安心したなぁと。

パリの様子が一切映らなかったのは予算削減のため?とか、

3年後の実感が湧かないから髪型だけでも…とか、

その距離で声聞こえるのかしら…とか、他にもいろいろ気になる所はあるにしても、

初回の出会いを絡めながらの両想いシーンは、今までになくロマンチックで。

恋愛モノとしては、綺麗な形で終われたんじゃないかとは思ってます。

 

あの脚本家の最新作なので批判も多かったかもしれませんが、

あまり期待していなかったのもあってか、良い意味で"普通"で、

割と世界観にすんなり入り込める作品ではありました。

それだけに、要素の調整次第では、従来の火10枠ドラマに風穴を開ける

作品になれたかもしれないのに…と、勿体ない気持ちにもさせられた感じでしょうか。

 

 

ちなみに…8話が神回だと事前に言及されていた件に関しては、

すれ違い展開が2回(音が先に寝ていると勘違いし、声をかけづらくなってしまったシーン&

空豆が事務所に直接向かって、2人のあの様子見てしまったシーン)もあって、

ああ…この"もどかしさ"に力を入れたからなんだろうなぁ…

っていうのが透けて見えてしまって、特に神回とは思わず(汗)←捻くれた人ですみません^^;

いや、8話だけじゃなくて、それ以降は本当にすれ違いで話を持たせる流れが続きましたかね。

LINEのメッセージ送信取り消しを使っての演出は、中々新鮮ではありましたけど、

何度も何度もやられるとね…当初の空豆の元気な性格はどこ行ったんだ!と

ツッコんでしまう自分もいたんですよねぇ(苦笑)

 

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罠の戦争 10話 感想|幹事長に図星を突かれる鷲津(泣)

 

 

「同じだろ?君だって。気持ち良いだろ?力を使って誰かを助けるの。」

「誰かのために善をなす。でもそのためには、もっと力が必要になる。

いくつかの善を重ねるうちに、いつしか悪になる。」

「君も、すっかり囚われているんじゃないのかな?」

長い間、誰よりも権力を利用してきた者だからこその説得力ってやつですよね…。

享(草彅剛)の現在のありさまを的確に言語化し、彼に図星を突かせるこのシーンは、

鶴巻(岸部一徳)にとっては、享の企みがかすり傷程度にしかならないのを

表しているようでゾクゾクさせられました。

 

しかし、それと同時に、今までで不足している部分を、

この簡潔な台詞で全て補おうとしている感じも否めなかったかな?という気もしています。

前回の感想にも書いた通り、闇堕ちするまでの過程を全く描いていないとも言い切れないので、

いろいろ思い返して、そこに繋がる要素を探しては好意的に解釈はしていたのですが…

今回の別人っぷりを見ると、やっぱり変化が早かったな…とは思えてしまうんですね。

 

というのも、享が議員として仕事をしていて、

真正面から悩みに向き合うが故に壁にぶち当たったり、

その苦しみを乗り越えてやり甲斐を感じたりする描写はほとんどなかったんです。

だから、「上へ上へ」の思考になるのが唐突過ぎると言いますか。

それに、元はと言えば、息子を突き落とした犯人を明らかにするために

政界入りを決意して議員になっているので、当然「どうやって復讐するか」を考えてばかり。

本来の職務である議員活動を疎かにしてきた新人が

たった半年で副大臣のポストを要求してくるのも、ちょっと疑問でした。

 

元々は"復讐劇"がベースの物語だったのが、

途中から政界でのパワーゲームを盛り込んだ事が、

ここ最近の展開のグラつきを生んだ原因でしょうね。

せめて、鶴巻の言っていた言葉を映像化してじっくり見せて行っていれば、

享の急な変わりようも腑に落ちたのかもしれません。

 

そんな感じで、引っかかる所は多々見受けられたものの、

ここまで見てきた以上は、結末がどうなるかは気になりますねぇ。

享が落ちぶれたとなると…ハッピーエンドというよりかは

"原点回帰"エンドを望みたいです。

享が失脚してから数年が経ち、今度は可南子(井川遥)が議員になって、

同じく議員として返り咲いた鴨井(片平なぎさ)と一緒に女性のための活動を…

そして享は秘書として2人を静かに支えていく…とか?

こんな結末もアリなんじゃないかと思っております。

 

↓前回の感想はこちら↓

 

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