転職の魔王様 8話 感想|天間さん、疑ってごめん!

 

 

天使vs悪魔の対決回でした。後者は正式には、魔王なんですけどね。

一癖二癖ある求職者に振り回されながら解決策を見出していく

いつもの流れとは大きく違う内容になっていましたが、

これはこれで、来栖(成田凌)の魔王様っぷりや、

いかにアドバイザーとして優秀なのかがより際立っていて面白かったです。

 

こういった、仕事観も手法も真逆の人物を2人用意し

比較しながら見せる描写は、本作含めたお仕事ドラマで、

特に「先輩と新人」の関係性なんかではよく見かけます。

なぜこの描写が定番化しているのかと言えば、

やっぱり、主人公の人となりを明確にするには手っ取り早いし、

視聴者にも分かりやすいからなんだと思います。

今回の場合だったら…求職者から相談されて、

相手のどこを見ているのか?どんな求人を提案するのか?

といった違いの描き分けが中心の話になっていて、至ってシンプルなんですよね。

 

よくよく考えてみれば、シェパードには個性豊かな社員が揃っているんですから、

もっとこの構成を早々に取り入れてみたら、掴みとしては抜群だったのかもしれませんね。

序盤の方は、来栖がなぜ魔王様と呼ばれているのかが

ぼんやりしている印象も多少受けましたし…。

いや、天間(白洲迅)を早めに登場させてもアリだったのかも?

 

天間に関しては、天使の「天」なんだろうけど

「間」は悪魔の意味合いも含まれているんじゃないか…とか、

魔王様と定評のある来栖が実際は神様であるように、

良い人風に見せておいて、実は会社の利益とイメージ重視で

求職者の将来はまともに考えていないんじゃないか…とか、

そんな感じでいろいろ勘繰りながら見ていましたが。

蓋を開いてみれば、確固たる信念は持っていれど、不器用さがまだ残る

真面目なアドバイザーだった事が明らかになりました。

何かしら裏のある役をよく演じられている白洲迅さんだけに、ここはちょっと意外で…(笑)

シェパードに仲間入りする展開も意外だったんですけど、

残り3話しか彼の成長過程を見られないと思うと、勿体なさもありますねぇ。

 

そして…求職者のオチ自体は、負のイメージがついていた職場に復帰するというもので

前回と同じではあるんですが、今回は納得出来ましたね。

天間があえて残留を進めたのも、実質フリーター状態だった石岡(飯島寛騎)への

鼓舞も込められているからなんでしょう。

3話の笹川(渡邊圭祐)のエピソードとも重なりますが…

本来の自分に向き合う行為を放置し、ハードルを上げ過ぎてしまうと、

周囲からの評価にギャップを感じて精神を病んでしまいがち。

2週間で辞めて来栖の勧めた会社に転職した所で、

自分自身を見つめられていない以上は長続きしないでしょうし、

それならいっその事謙虚になって、結果を出すために努力を重ねて

キャリアを積んでいった方が彼のためになる…天間の判断、私はそう受け取りました。

 

テンポは良く、恋愛仄めかし描写もなく、

主人公と彼を補う千晴(小芝風花)のキャラクターも引き立っていて、

今までの中で最もよくまとまった回だったと思います。

次回は引きこもり求職者を扱ったお話…ここも避けては通れない問題ではありますね。

 

 

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