コタキ兄弟と四苦八苦 6話 感想|世間という名の地獄

 

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世間縛苦(せけんばっく)。

これが一番身近で、生きていく上で一番多く経験する苦しみ。

 

「お兄ちゃんだから」という生き方を貫き通したが故に、

居場所を失ってしまった過去を持つ一路(古舘寛治)。

よく知らない人から社会不適合者だと言われようが、

愛する娘を大事に育ててきた事を誇りに思う二路(滝藤賢一)。

自分の環境を「変だよ」と友達に言われるハナ(川島鈴遥)。

ママは子供を教育すべき、パパは仕事するべきという風潮に

苦しめられてきた妻・有花(中村優子)。

それぞれの心の訴えを、シビアになり過ぎないように、

時に字幕演出などのユーモアを交えながら

「こんな心境を抱えて生きてきたんだよ」と優しく描いてくれたお話でした。

(もしかしたら、タワマンの住人にも、周りに取り残されないようにしようと

空気を読んでいる人がいるのかも?なんて。)

 

娘が初めて歩いた日、学芸会の練習で一緒に歌った歌、

今でも全部覚えているパパちゃんは凄い。

ぐうたらに見えても、実は主夫としての役割を全う、

いや、"役割を全う"以上に娘の面倒を見てくれていたんだと

奥さんが気付けたのは良かった。

娘がとても良い子で、幸せに育っているのが、この家族にとっての正解だとも思う。

でも、旦那の印象が変わった、奥さんも彼のどこが好きだったのかを思い出した、

じゃあ寄りを戻してみようか…というドラマらしい希望のある終わり方ではなく、

結局は「世間からどう見られるか」を基準にしてしまうオチに妙な余韻が残りました…。

 

人の数だけ何に苦しめられてきたのか、何に悩んできたのかも違うし、

そんな世間縛苦の中で、私たちは生きている。

日々を過ごして膨らんでいく"どこかモヤっとした気持ち"を具現化してみせたような脚本。

 

兄弟を通してしんみりさせられたと思ったら、次の回ではクスッとさせられてしまうし、

また次の回では共感してしまうし…で、

野木亜紀子さんの引き出しの多さに、改めて驚かされます。

 

 

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