
この俯瞰的な語り口によるナレーションの入り、な〜んか既視感があるな…
あ、「ラジエーションハウス」だわ…と思いながら見ていた冒頭。
その作品を思い出した時点でちょっと嫌な予感がして、
それがただの気のせいで終わってくれれば良いと願っていたんですけど…
う〜ん、宇宙を取り扱ったドラマなのに全くワクワクしてきません。
昨日のドラマや、今までその手の作品を見てきてどれも良作だった経験からして、
宇宙が題材ってだけで、単純な私は楽しみになってくるんですけどね。
何だか物足りないのです。
個人的な好みで言えば、上記の「ラジエーションハウス」も担当されていた
鈴木雅之さんの演出が苦手で、
食べ物を上から撮ったカットの挿入や、登場人物のアップの多用、
登場人物を2,3方向から撮るカットの多用や、CG感の凄い夜景のシーンなど、
見ているだけでお腹いっぱいになってしまって、
話に入り込みづらいのも関係しているのでしょう。
しかし、物足りなさを感じた原因は脚本にもあります。
1つ目は、1時間内での展開のペース配分が偏っている事。
月9の初回は今までだと30分拡大が続いていたものの、
今期は珍しく拡大なし、つまり通常放送です。
(ちなみに…今期はフジテレビ制作ドラマ(月9、火9、水10、木10)全てがそうです。)
私の中で、30分拡大をした月9の初回で面白いと思った作品は少なく、
むしろ間延びに繋がっていたので、この変化には賛成だったのですが…
いざ見てみると、逆に拡大放送の方がまだ満足出来たのでは?と思えてしまうくらいには、
各々の描写バランスの悪さが顕著に現れていたのが気になりました。
中盤まで主人公・朝野(北村匠海)自身の事を描き、
後に宇宙サバ缶開発に関わるであろう木島(神木隆之介)のいるJAXAのシーンと
交互に描く流れが続いていたため、
なんかテンポが悪いなぁ…とボーッと見ていたら、
いつの間にか生徒たちが朝野を受け入れているし、
研究を始めているし、賞までとっている。
後半になってから数話分のエピソードを詰め込んできたので、
あれ、私ボーッと見過ぎた?なんでこんな事になってるんだっけ?と
困惑せざるを得ませんでした。
2つ目に関しては、1つ目に付随する事なのですが…
率直に書くと、若狭水産高校の生徒たちの"個"が見えてきません。
いや、生徒たちを全く描いていない訳ではなくて、
1人の生徒・奈未(出口夏希)の心情に触れるシーンはありましたし、
校外学習で1人だけガラケーをいじってサボる生徒もいるにはいるのです。
ただ…若狭水産高校って、廃校寸前の学校なんでしょ?というもどかしさがあるのです。
劇中で奈未は朝野にこう言っていました。
「ここで生まれたんやから、ここで働いたら良い。
なんとなくそう決まっとって、なんとなくみんなここで働く。
(中略)大それた夢がある訳でもない。」
だからか、授業中はみんな退屈そう。
そして、朝野を工場見学に案内している黒瀬(荒川良々)によると、
この学校の出身者が地元で生きていくために、サバ缶の技術を習得させるらしいのです。
上記を前提にすると、2つ疑問が浮かび上がってきます。
じゃあなんで、校外学習の時はみんな楽しそうにしていたの?
なんで他所から赴任してきた朝野先生をもう受け入れられてるの?と。
校外学習は、座学ではない久しぶりの外での授業だったから新鮮に感じた…と
捉えられるのかもしれませんが、そうなってくると今度は、先ほど奈未が吐露していた
「どうせみんな地元で働くって決まってる」=未来に希望がなく無気力
という描かれ方とは矛盾が生じるんですよね。
みんな地元から出たいのか、出たくないのか、どっちなんでしょう?
朝野の受け入れのスピードの速さも含めて、
生徒たちが今どんな気持ちで学校に通い、学んでいるのかが分かりません。
分からないから、個々の生徒もキャラクターが掴めず、魅力的に見えづらいです。
生徒たちと先生で揉めろ!とは全く思いません。
でも、どうせなら…若狭水産高校の背景を活かして、
木島のパートやクラゲの研究を削って次回以降に回す代わりに、
「私なんかどうせ…」とか、「私は本当はこれがやりたいのに!」とか、
初回は、多感な時期である高校生たちの心情に
もっと焦点を当てた物語を堪能したかったです。
JAXAと関わるとは言え、学校を取り扱うから、その設定の醍醐味を味わえると思ったのに…。
そして3つ目に関しては(←まだあるんだ?w)、
単純に、全体的に宇宙を強調し過ぎた作りになっていて、
この先も楽しみ!という期待感が湧きづらいです。
CG合成と擬態演出だけでも、もう良いよ…と思えてきているのに、
最後のナレーション「この時は、まだ誰も知らなかった…
(中略)それが、たった一言の夢…から始まった事も」で畳み掛けてくるなんて(苦笑)
確かに、ゴールが分かりきっている話ではありますよ?
でも、あそこまでタイトル「サバ缶、宇宙へ行く」を押し出してくると、
本作への興味が薄れてきちゃうと言いますか…(汗)
本作は原作の実写化ではなく「原案=設定の一部だけを借りる」を元にしたドラマなので、
どこをそのままにして、どこまで膨らませているのか不明ですが…
素材は良いのにもったいないの一言に尽きますね。
次回以降もこのテンション感で、生徒たちの"個"がイマイチ掴めない展開が続けば、
リタイアしてしまうかもしれません。
しばらくは様子見で…(あ、感想は初回のみとさせていただきます)。
P.S.
書きかけだった感想をやっと完成出来た…。←なんと6/4です。もう8話放送してるぞ…^^;
中途半端に済ますのが嫌だったので、見返しながら何とか終わらせました。
これでやっと2話以降を視聴出来る…と言っても、完走するかは分かりませんが(汗)