2022年春ドラマ-正直不動産一覧

正直不動産 感謝祭 感想|みんなに愛された作品だったんだねぇ…

 

 

"感謝祭"という名の総集編ではなく、本当に感謝祭と呼ぶに相応しい内容でした。

 

形式はざっくり言うなら、座談会+メッセージ動画といった感じ。新情報の方が圧倒的に多い。

朝ドラや大河ドラマだったら、こういった形の特別番組は

年末か放送前にやる傾向にありますが、

プライム帯のドラマだと見かけた事がないんですよね。

つまり…それくらい、レアケースだったって事。

某フジもただの総集編じゃなくて、

裏側やインタビューも見られる構成だったら良いのにな…っていうのは置いといて(笑)

 

過去の作品でももしかしたら、本作と同じく評判が良くて、

ファンを喜ばせるために何かやろうよ!って働きかけがあったものの、

いわゆる"大人の事情"で実現までには至らなかった…

なんてケースもあるのかもしれませんけども。

(少し外れた話題をすると、「これは経費で落ちません!」の続編も

まだまだ心待ちにしているんですよ…!!)

でも、撮影場所となった居酒屋にチームが再集結したり、

朝ドラ絶賛撮影中の福原遥さんがメッセージ動画を残したりするなど、

皆さんそれぞれがスケジュールの合間を縫って出演されているのを見ると、

作り手側が「絶対に"形"としてお返ししたい!」と懸命になられるほど

世間の評判が良かったんだろうなぁ…と思います。

※ちなみに、ここからネタバレに入りますので、未視聴の方はご注意を!

 

 

いざ視聴してみると、単に、応援してくれた視聴者に向けての感謝祭かと思いきや、

原作者の方々から"チーム"へ、役者さんから役者さんへの感謝も込められていて…

原作実写化で、これだけ全方位で愛されていた作品も中々珍しかった気がします。

 

脚本家・根本ノンジさんや監督・川村泰祐さんがゲストとして来て下さって、

脚本を書く上で心がけている事、風のこだわりなど、いろんな裏話を聞けただけでも嬉しいのに、

まさか、原作に携われたお三方のコメントまでお聞き出来るとは…!

おまけに、実写に寄せたイラストも電波を通してお披露目。

個人的には、こういう、実写化された作品に原作者が直接関わるケースって

あんまりないイメージの方が強くて。

反応されていたとしても、ご本人がTwitterで呟かれて終わりか、

原作と大幅に設定が変えられている場合は、

意味深な発言を残されるかスルーか…なんですよね。

しかも、表向きの褒めたコメントじゃなくて、

あくまでも"一視聴者"としての純粋かつ正直なコメント。だから重みがある。

これが、いかに作品の質が良かったかを物語っている証拠でしょう。

「頑張ろうと思える栄養ドリンクのようなドラマ」本当…仰る通りです。

 

「いかに作品の質を良くするか」で作り手側が実際に動いているのがよく分かる、

具体性のあるエピソードも語られました。

ほぼ実在する物件を扱っているとはびっくり。

監督全員でストーリーに見合った物件を100軒以上回るなんて、

マンションやアパートだらけの東京で想像してみたらもう…(汗)

内見シーンがあるならまだしも、とある地区の相場を事前に調べて、

じゃあそれに合わせた資料を作成しよう!で終わりじゃなんですね。

良い作品であればあるほど、目に見えない所で手間がかかっている説。

時代考証にも繋がってきますよね。

そんな裏側まで知らない視聴者の方が圧倒的に多く、見返りが少なくても、

作り込みに力を入れて下さるスタッフ…尊敬しかありません。

 

風のレパートリーも「風コレクション」として振り返ると、

こんなにバラエティ豊富だったんだ〜!と改めて知れて良いですね。

そして、同じく一覧を見てみて意外だったのは、ゲスト陣が中堅〜大御所揃いだった事。

旬な役者さんを起用するのもアリですが、

あえてそうしない選択をとると、何というか、

何年も何時間もかけて熟成された出汁やお酒にしかないような"味わい"が

物語から滲み出るもんなんですよねぇ。

 

山崎努さんから山下智久さんのお手紙も、詩のような趣があって

1文1文がスッと心に入っていきました。

クロサギ」は残念ながら見ておりませんが、あのお手紙だけでも

出会うべくして出会った、深い所で糸が結ばれた関係なんだろう…というのは察せられます。

 

実は、感謝祭に関しては感想を書くつもりはなかったんですが、

想像以上に充実した内容だったので、つい書いてしまいました(笑)

役者さん、スタッフ共々…本作に携われたチームの作品をまたお見かけしたいです。

それでは、今度こそ「へば!」(泣)

 

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正直不動産 10話(最終回) 感想|正直者は報われる。それぞれの未来を想う最終回

 

 

収まる所に収まりましたね。

"正直者"になってから紆余曲折ありつつも、仕事にやり甲斐を見出していき、

周りの人々に徐々に認められるまでに成長した姿を見てきた分、

再び嘘がつける体になってからの展開には寂しさを覚えてしまいましたが…(笑)

最後はやっぱり誠実さを見せて締めてくれたのでホッとしました。

それだけ、永瀬(山下智久)の正直っぷりに馴染みがあったという事ですよね。

「ノリノリだなぁ〜w」ってくらい勢い良く毒づいては、

時に、お客さんや部下への想いが感情にこぼれ落ちてしまったりもする…

正直は正直でも、引き出しの豊富さで"生"を感じさせる彼のキャラがやっぱり好きです。

 

肝心の鵤(高橋克典)の件に関しては、

今まで散々、登坂不動産の手柄や功績を分捕る行為をしてきたのもあって、

このままやっつけてしまえば良かったのに〜!っていう気持ちの方が勝ってしまい、

個人的にはちと消化不良感。

でも、ラストのモノローグでも、以前の回でも

「人の数だけ大切なものがある」といった台詞があったように、

登坂(草刈正雄)も鵤を"1人の人間"だと捉え、彼にも守りたい"何か"がある事を尊重して

許しの行為に出たんだろうとは思えますし。

むしろ、徹底的に潰さなかったお陰で「まだ物語は完結していない」という意味にもなって、

続編制作に淡い期待を寄せる視聴者のために少しでも可能性を残してくれた…と考えれば、

あの解決法でも納得出来る自分もいるんですよね。

 

本作が描き続けてきたのは「正直者は報われる」

その象徴が、理想ばかりを求めていた新人時代から短期間でトップに上り詰めた

月下(福原遥)の姿でしょう。

正直者になってからの永瀬の成長と並行して、

月下の成長もじっくり描いてきた賜物…とも言うべきか、

ラストの展開には感慨深いものがありました。

 

そして、「正直者は報われる」と言えば…

本作の飾らない作りが大きな反響を呼んだのかもしれませんね。

好評を受けての再放送はあれど、1クールの期間内で3度再放送、

さらには某民放局でやるような「感謝祭」という名の特別編なんて、

今までを考えたらめったにありませんもん(笑)

それは、初回からずっと感じていた事ですが、煽ってみせたり、情緒的過ぎだったり、

そういった視覚を通しての過剰な演出を施さず、

良い意味で永瀬の成長をサバサバと描いていたのが、

仕事に勉強に…日々を頑張る視聴者の共感に繋がったんだと思っています。

コミカルやシリアス、山場である事を伝える時は、

あくまでも主人公の魅力を引き立たせるための"添え物"程度に留める。

そのさじ加減には、最後までブレがありませんでした。

 

前回の感想とちょっと被りますが、

本作の登場人物には主人公を引っ掻き回す人は多くいれど、

1人1人の背景には"これだけは譲れない"価値観みたいなものが必ず映し出されるので、

根本的な"悪"の存在ってほとんどいないような気がするんです。

だから、どの人物も(役者さんの相性の良さも相まって)輝いて見えましたし、

お互いが何か分かり合えた瞬間を見られた時には、

働くって素敵な事なのかもしれないな…とも思わされました。

小田和正さんの主題歌もセットで、

視聴後にはそよ風が吹くかのような、ふわっと優しい気持ちになれる…

そんな印象が残る作品となりそうです。

 

自分のためではなく会社のためだったとは言え、

「ライアーだった頃の自分」につい縋ってしまった永瀬は

まだまだ発展途上中とも言えるでしょう。

ミネルヴァに残り続ける意思を固めた花澤(倉科カナ)は頼もしい。

でも、希望を感じさせた所で物語はお終い。

一流の正直営業マンになった永瀬・独立した花澤・そして未だに影を潜める鵤…の

三大不動産をベースとした"その後"の話を見てみたいですね。

 

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正直不動産 9話 感想|学ぶ後輩と見届ける先輩の関係性にほっこり…

 

 

今回は「家を売る」メインエピソードの方は月下(福原遥)に任せ、

主人公の永瀬(山下智久)の方は、恋愛関係で色々と振り回されたり、

鵤(高橋克典)が登坂(草刈正雄)を恨むようになったきっかけを探ったりと

裏で動いていく…といった内容に。

月下の奮闘と、彼女を見守る永瀬の関係性を描いた45分間でした。

 

前回の感想では、コメディとシリアスの塩梅が良い件について触れましたが、

本作って全体の構成も中々工夫が感じられるんですよねぇ…。

取り扱うエピソードによって、メインで描かれる登場人物も変えていって、

どの脇役も1人ずつ存在感や爪痕を残すようなドラマ作りが出来ているというのか。

それは役者さんの技量の高さも勿論あるかもしれませんが、

影が薄いと感じる人が基本おらず、最初は悪そうに見えても

最終的にどの人にも愛着が湧いてしまうのは、

主人公が見せ場をしっかり残す場面と、脇役が活躍する場面のバランスが

とれているからなんじゃないかと思っています。

ほら…主人公が出ずっぱりのドラマだと、キャラクターの相性が合わなければ

視聴していてキツいと感じるケースも出てきますし、

下手したら「いかにヒーローに見せるか」だけにこだわった

主人公上げ周り下げの作品になってしまうケースもありますから…(汗)

そう考えると、相手の仕事観や、過去があっての人となりを尊重してくれる描写が多いのも

また温かな雰囲気が伝わってきて見やすいんです。

 

永瀬は今回家は売らなかったものの、月下の頑張りをそばで見ている目線や、

たまに見せる微かに苦い表情が、感情移入してくれているようでとても優しくて。

月下がミネルヴァ不動産の陰謀ばかりを気にする理由には、

「あんな素敵な出会いをした夫婦に、富士山が見える家を絶対に紹介したい」という

常日頃心がけているカスタマーファーストから来る想いや焦りが隠されていた。

それを理解しているからこそ、気持ちを汲み取ってあげたい…

でも"先輩"だけあって、花澤(倉科カナ)が

なぜそこの物件にしたのかは自分でも分かっていた…。

この2つの葛藤が、お客様に話を持ちかけるまでの間に

顔に滲み出ていた所に、"営業の先輩"…

いや、理不尽さをいっぱい経験してきた"人生の先輩"らしさを感じさせました。

だから、「月下は月下のやり方がある」と励ましてくれたのにもほっこり。

 

鵤の方は…登坂に執着する理由は明かされたものの、

何だか腑に落ちないのは私だけですかね(笑)

ストレートに、大好きな父が(事実上)殺された事を恨んでいるなら分かるんですけど、

自分が殺そうとしていた父を先に殺されたから恨んでいるって、逆恨みも良い所でしょう。

拾われた当時はまだ子供。血の繋がった両親もいないから、そこに縋るしかない訳で。

虐待されたとしても父親である事には変わらず、

離れたいけど離れられない、好きでいたいという依存心の方が勝ってしまいそうな

気がするもんですが…もうこの話は発展しないんでしょうか。

 

花澤の人間らしい別の顔も明かされ、唯一の悪役は鵤になった段階で次回が最終回。

終わるの早いわ…と思っていたら、

なんと、再来週には「正直不動産 感謝祭」という名の特別放送をやるそうで!!

月9にはあっても(それはほぼ総集編だけど)、

NHKがこの手の特番を制作するのは珍しいですね。

まぁ…本当に今期の中で一番面白いものなぁ。

撮影の裏話を聞くのも好きなので、そちらも楽しみです♪

 

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正直不動産 8話 感想|近藤公園さんの時点で…(笑)

 

 

堀内(倉田秀人)が登場した時点で胡散臭いなぁとは思っていたけれども、

近藤公園さんがゲストとなると…ね…ドラマ好きとしては悪人だと疑ってしまう訳ですよ(笑)

案の定、安定感のある立ち位置でしたっていうのは置いといてw

 

物語全体としては、徐々にクライマックスに近づいてきた感じですね。

前回が永瀬(山下智久)の過去ならば、

今回は彼を雇った張本人である登坂(草刈正雄)の過去に触れていて、

登坂が彼に託してみようと決めたルーツが判明した一方で

何か個人的な憎悪の念を抱いているらしい鵤(高橋克典)との関係性は未だ読めず、

挫折を味わった登坂が鵤にどんな恨みを買ったのか、

その経緯がますます気になる内容になっていたと思います。

 

ミネルヴァ不動産内での分裂匂わせも描かれ、

最終章突入前ならではといった所か、シリアスな雰囲気が以前より強くなってきましたが。

それでも時々"崩しポイント"も入れて和ませる形で

シリアスになり過ぎず、ちゃんと本作らしさが残せているのは、

流石、以前担当されていた同じく実写化ドラマである「ハコヅメ」でも

最後まで"らしさ"が健在だった脚本家・根本ノンジさんだなぁと。

コメディ方面も90年代風ラブストーリーもどきからパロディまで

バラエティ豊富で楽しませてもらえました。

 

特にお気に入りだったのは…取引相手の正体を特定するまでの風の三段階構造演出と、

アドリブ入ってる?と錯覚するくらいの大河(長谷川忍)のキャラ。

以前にも似たような事を書きましたが、場面場面やその時の心情に合わせてくれる

風のレパートリーが豊富なのが本当に楽しくて好きで(笑)

で…芸達者な方々が集まっているんですよねぇ、本作って。

正直言うと、芸人さんが役者をやられる事に

どちらかと言えばあまり良い印象はないんですけど、

シソンヌの長谷川さんは上手いキャスティングだと思うんですよ。

感想の流れでカットしましたが、前回の月下(福原遥)との喫茶店でのやり取りも

コントみたいでクスクス笑える所が多くて、

話の流れに良いリズム感を持たせていたと思いますし。

今回なんかは台詞の勢いや間の取り方がキレッキレで、

コメディとシリアスをとり持つバランサーの1人として

いなくてはならない存在感をしっかり残せている気がします。

 

前回の「みんなから信頼されるようになる」永瀬のたくましさを描いてからの、

「13年前にお前に賭けたから信じてみたかった」と話す登坂の流れも

"連続ドラマ"の醍醐味といった感じで、

前回の成長があっての今回のこの言葉なんだろうな…と思えてグッと来てしまいました。

 

「私、嘘がつけない人間なんです」が決め台詞になってもおかしくない辺り、

やっぱり残り2話で終わるのは勿体ないですね。

この手の成長物語は、成長する過程を見届けるのが一番の面白味ではありますが…

不動産ネタもまだまだ尽きないだろうし、現代のトレンドに合わせた話も出来そうだし、

その台詞で毎回ビシッと決める続編も見てみたい気持ちに駆られています。

 

 

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正直不動産 7話 感想|家売らないつもりが売ったオトコ

 

 

凄いなぁ…いや、お世辞じゃなくて、本当によく出来ているなぁと思わされます。

 

今回のテーマ「過去と現在」に因んで、

"ライアー永瀬"時代の3年前に接客した客・松永のエピソードと、

それに対比して描かれる森崎夫妻のメインエピソード、

過去の自分について語る大河(長谷川忍)や永瀬(山下智久)と

かなりの要素を盛り込んでいるんですが、

どの要素も、展開の仕方も、永瀬が今の自分を受け入れ、

過去と向き合っていく"決心"を描く上で全く無駄がありません。

ライアー永瀬へと変わったきっかけを躊躇なく語り出してしまうのも、

何かと1人で考え込みがちな夜の時間帯で、

相手が新人の月下(福原遥)だったっていうのもあるけれども。

問題集をめくるたびにあの時の記憶が蘇り、

まだ何も知らなかった純粋なあの頃をつい懐かしんでしまった…という過程を踏んでいるから、

きっとこの気持ちを誰かに共有したくなったんだろうと思えて不自然さがないんですよね。

 

それを話している時の永瀬の顔は、感情を押し殺しているようで…

ささやかなオルゴール風の劇伴の畳掛けが余計に切ない。

でも、嘘がつけなくなっただけだという言葉は一見

「半ば強制的にそうせざるを得なかった」ともとれそうなのに、

永瀬の表情からは微塵もネガティブな部分は感じられなくて、

むしろ、そう言った時の方が微笑んで見える。

その後の「ありがとう」も、手伝ってくれる事に対してだけではないはず!

正直者の今の方が自分の心は痛まないし、

元々真っ直ぐな性格だった自分らしくいられるのだと悟らせる、

山下智久さんの微細な演技も印象的でした。

 

思うように子育てが出来なかった心残りがあった母・芳恵(中田喜子)が

実は娘に感謝されていた事を知り、次のステージへと踏み出せた…というエピソードと、

"ライアーだった頃の自分"がいたという事実を誤魔化せない事に

苦しんでいてもしょうがない、自分の想いを正直に伝えるしかないと意気込む永瀬の変化が

どこかシンクロして描かれていたのも良かったです。

「同じような経験をしていた人がいての、今の自分」とも言うんでしょうか。

相手の影響を受けて、自分も変わってみようと思える…

人と人とが繋がる事で生まれる価値や尊さを改めて感じさせます。

 

「あなたなら、信頼出来ます」からの、嬉しそうに永瀬を見る1人1人の表情を

次々映していくカメラワークには、自然と涙腺が…。

もう彼なら何があっても大丈夫だと、そう確信したのも束の間、

最終回もどんどん近づいて行っているんですよね。

話数の数字が大きくなるたび「終わらないで!」なんて、既に寂しくなっております(笑)

 

ところで…スパイの正体がやけにあっさり終わったのは、やっぱり"大人の事情"で、

本来用意していた人物がいなくなったからなんでしょうかねぇ…(お察し)

 

 

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正直不動産 6話 感想|それぞれの心の中にいる"大切な人"

 

 

後半戦になって、風向きがガラッと変わりましたねぇ。

初っ端から「客のニーズに合わせて売るのが俺たち営業の仕事でしょ?」と

はっきり言ってのける永瀬(山下智久)がとにかく頼もしい。

そして、彼が正義のヒーローです!!と言わんばかりの壮大で派手な劇伴も、

今まで正直営業した上での成長が1話ずつ丁寧に描かれた積み重ねがあるからか

ぴたっとはまります。

 

ライアー時代の彼だったら、毎日シャツや顔を汚す事もしなかっただろうし、

そもそも、下請けの作業を毎日手伝いに行くという

不動産屋なら本来やらなくて良い仕事だってしなかったかもしれません。

桐山(市原隼人)とのシーンを中心に、風を受けなくても

正直に自分の想いや仕事観を伝える頻度も、今回で一気に増えた気がします。

 

でも、これらの描写は意図的にも映って、

なぜ永瀬が真っ直ぐで、積極的に人と関わろうとする性格であると強調するような

見せ方にしたんだろうと思いながら見ていましたが…

なるほど、情熱を燃やして相手に尽くすタイプなのが永瀬ならば、

今回相方として描かれた桐山は

周囲の目がない場所でもさり気ない気配りを欠かせないタイプで、

2人の仕事のスタイルを対比したかったからだったのだと、後半の展開で納得。

言い換えれば、永瀬は"正直営業"が売りで、桐山は"男気営業"が売りって所かな?

 

特に、事前に秋川工務店と法的措置をとる準備をしている旨を

竹鶴工務店の社長にスマートに報告するシーンなんかは、

永瀬とはまた違ったやり方で相手をじわじわと追い込んでいるようで

実にかっこ良かったです。

月並みな表現になってしまいますが、俗に言う「みんな違って、みんな良い」ですよね。

どちらの営業が正しい…という上げ下げの描写をしないのも、

それぞれの営業マンへのリスペクトが伝わってきて気持ち良いんです。

 

「みんな違って、みんな良い」に因んで他に言及するとするなら…

何のために仕事をしているのか?という桐山の問いに対して永瀬が考えている間に、

仕事をやり遂げたような様子の月下(福原遥)のシーン、

お客さん目線に立って真摯に仕事をする榎本(泉里香)のシーン、

そして、子供を迎えに行った時に"ママの顔"になり、

今日のご飯何食べたい?なんて日常会話を交わす花澤(倉科カナ)のシーンと、

それぞれ経緯は違い、いろんな笑顔を浮かべながらも、

(今までの人物描写も含めて)「仕事にやり甲斐を見出す根底には"大切な人"の存在がいる」

が共通点であると想像させる3つのシーンが挿入されていた所も、上手く練られているなぁと。

桐山が抱いた夢は父の存在がきっかけだし、秋川(勝矢)は守りたい家族のために仕事をする。

「仕事をする理由」というサブタイトルだけに、複数の背景や動機が描かれているんですが、

情報過多にならないのは脚本力の高さのお陰ですね。

 

ラストは、永瀬と桐山の関係の和解を示すかのような主題歌の入りが抜群で、

切磋琢磨しつつ、これからコンビでの活躍を見られるんだろうなぁ…と楽しみにしていたら、

なんと、まさかの退場…?(泣)

(1ヶ月前に申請しないと認められないよ…ってマジレスは置いといて)

もっと見たかったのになぁ。本当に退場なら、最終回で"その後"を描いてくれると嬉しいです。

 

今回で答えが出せなかった永瀬のくだりも、きっと最終回で回収されるでしょう。

その時には、集大成とも言える、メキメキと実力を伸ばした姿が見られるのかも?

鵤(高橋克典)の恨みも、演出的に何やら登坂(草刈正雄)が関係していそうで…

見所が増えて、少しずつクライマックスに近づいてきましたね。

 

 

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正直不動産 5話 感想|2大対決が本格始動…って所かな?

 

 

ある程度キャリアは積まれているだろうに、

未だに新人役としてキャスティングされがちなイメージのある福原遥さん。

それは、容姿が大人びてもなお子供の頃の面影が残っている顔立ちや、

ふわふわした少し高めの声がそうさせるんでしょうけど、

今回の月下の成長を見て、頑張れ!って純粋に言いたくなるような役を演じる方が

福原さんで良かった…と改めて思わされました。

 

特に印象に残ったのは、「私に探させて!」と父・昌也(加藤雅也)に頼もしげに言った時の

希望で満ち溢れている目からの、

ラストで本音を押し殺し"プロの営業マン"でいようと強がっている時の涙を溜めた目の対比。

どちらも新人らしい初々しさや、自分自身よりもお客さんの気持ちを第一に動くプライドが

伝わってくるんですが、脚本の台詞だけでは通じにくい月下の繊細な心情変化を

目の演技で魅せていっている、グッと来るシーンでした。

 

内容自体は、メインは月下の成長物語でシンプルに展開していきながらも、

物語の核となる部分では、登坂不動産とミネルヴァ不動産の

2大対決の本格化を匂わせてきた…といった所。

今まで言及されていたスパイの正体も発覚し、折り返し地点らしい話に仕上がりに。

タワーマンションが本当に欠陥住宅かどうかを確かめるために、

レーザーで計ったり、床板をバールで剥がしたりなど1項目ずつチェックしていくくだりは、

個人的には、現場検証で無罪を訴えようとする弁護士モノのドラマの趣を感じさせて

ちょっとクスッとしました(笑)

で…最終的に、ミネルヴァ不動産の闇を露わにするだけでなく、

永瀬(山下智久)の言葉に突き動かされて、仕事をする意味を再び見出す

インスペクター・町村(中村靖日)のプロフェッショナルも描く。

正直さに影響を受け、自分もその正直さと対等であろうと決めた結果

悔いのない選択が出来たという描かれ方は初回の頃を思わせ、

晴れやかな気持ちで見る事が出来ました。

 

強いて言うなら、今回のタイトルが「優しい嘘」だったので、

月下の「知ってたよ」はそう解釈したら良いんでしょうけど。

昌也への聞き込み以前に、話の流れがほとんど想像つくタイトルにしてしまった事は

勿体なかったかな?って気はします。

本当にその通りになっちゃいましたからね。

でも、それを差し引いても、今回も安定して面白かったです。

そして、前回から"正直"を武器にすると決心してからか、

嫌がらせのつもりで吹いていた風が不思議と弱まったようにも感じ、

風を拒むのではなくむしろ受け入れ体制でいる永瀬の変化の描写も

芸が細かいなぁと思わされました。

 

…情弱な昌也ならまた騙されそうで、

月下から結局身を引くくらいなら、せめてもの償いとして、

彼女の業績アップに貢献するつもりで彼女から家を買えば

双方幸せになる事も出来たでしょうけど、お互いに大切な人の顔が浮かんだのかもしれませんね。

そんなささやかな思いやりも、人情味があって素敵です。

 

 

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正直不動産 4話 感想|事故物件でも誰かにとっては自己物件

 

 

「人が死んでます!」から保育園の早口説明まで、

台詞の1つ1つがいつにも増してキレッキレ(笑)直球過ぎてあ〜面白い。

おまけに、今ではもう懐かしいビデオテープの趣を感じさせる怪談話を取り入れて、

「素敵な事故物件」なんていうパワーワードも飛び出すもんだから、

今回は味変回で、事故物件にどうしても住みたがる節子(風吹ジュン)の実態を描く

スピリチュアルな雰囲気漂う話になるのかと思いきや…

まさか、高齢者にも優しく寄り添うハートフルな内容に仕上がるとは!

いやはや…どんな結末になるのか読めない点で最後まで飽きさせない、

あっという間の45分間でした。

 

そして、物語の意外性だけでなく、もう1つ"逆転劇"を上手く使った展開だと思えたのは、

気味悪がられて避けられてしまうネガティブなイメージのある事故物件を

"自己"(自分に合った、自分のために用意された)物件と置き換えて、

1人の価値観を尊重するように見せてきた所。

「ピンチをチャンスに」とよく言うけれども、要は物は捉えようなんですよね。

噂が一人歩きしてしまっただけで、実際はただの故障だったりする。

本当の事故物件になるからと高齢者の居住を不安がっているんだったら、

高齢者でも安心して住めるマンションへにすれば良い。

 

本作が取り扱う不動産エピソードだけにとどまらず、1つの考えばかりにこだわって

視野が狭くなりがちになってしまうのは誰でもあるある…。

そんなちょっとだけ考えさせられる要素もあった分、

高齢者向けマンションへの方向転換を提案し、

「機器を取り扱う会社を紹介する」と言い切り、契約成立後のサポートまで約束した

永瀬(山下智久)の柔軟な姿はとても頼もしく映りました。

"正直"という単純な言葉では括れない、彼なりの良さが滲み出ていましたし、

また、嘘を使いこなして楽に契約を取っていたらしい

"ライアー永瀬時代"の頃を仄めかす台詞を度々盛り込んでから、

さらに"正直者・永瀬"が関わったお客様の回想を走馬灯のように挿入する形で

過去と現在の対比を思わせる描写があったのも効果的で、

頭をフル回転させて全力で契約交渉した事で初めてやり甲斐を覚える

彼の心情変化にも説得力が感じられたのは良かったです。

 

あとは…裏と表の二面性はありつつも、

応援したくなるように描かれているんですよね、永瀬のキャラって。

例えば、私が何とかしてみせます!とは言ったものの実はノープラン…といったくだりがあって、

本当にノープランならいつもみたいに風が吹いて

「本当は何も考えてないけどね!」なんて本音を漏らしちゃいそうなもんですけど。

そうならないって事は、お客様のために良い物件を探したい

想いの方が強いんだろうなぁと読み取れる。

そんな誠実な所が言動の根っこから伝わってくる所もまた、好感が持てるんです。

 

永瀬が"正直"を使いこなしていく過程も丁寧に描かれているし、

少しぶっきらぼうな彼に対して、違う意味で"正直"な

喜怒哀楽が顔に出やすい月下(福原遥)とバランスが取れていて、

キャスティングも絶妙だなぁと思わされます。

うん…やっぱり、今期の中では一番良い作品な気がしてきましたな。

 

 

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正直不動産 3話 感想|夫婦にのしかかる責任とローンの重さ

 

 

今回は「収入格差のある新婚夫婦」と「駄菓子屋創業志望の定年退職夫婦」という

2組の依頼主のエピソードを同時進行で描いたお話。

 

今までとは違う形式だったからか、若干強引にハッピーエンドに仕上げた

気がしなくはありません(特に後者はあっさり目…という感じ)。

けれども、決して"都合が良い"なんてネガティブな印象を抱く事がなかったのは、

人生のテーマの1つでもある「夫婦になるとは?」を

世代や経験が異なった3組の夫婦の話を絡めて「夫婦の形を築いていくには、

お互いが2人分の人生を人質にする責任感とローン=コミュニケーション が付き物」という

メッセージを残すラストになっていたのはもちろん。

マダム(大地真央)を説得しようと入念に準備してきた月下(福原遥)の粘り強さ、

月下の背景が読み取れる入社志望動機、

そして、彼女の様子に少しだけ影響を受けた永瀬(山下智久)が

前者の夫婦のために実際に離婚した元夫婦を呼ぶ…といった、

それぞれの関係が結果的に円滑に進んだのも納得出来る材料…

ある種の"手がかり"をしっかり用意しており、

その上で、相手の心境が変わったきっかけからアクションを起こすまでの一連の過程を

要所要所で押さえた展開になっていたのが大きいからなんだと思っています。

 

そして、今回を見ていて気づいたのは、

"手がかり"繋がりで、1,2話、主に前回でのブラック業界っぷりを視聴済みの者だからこその

楽しみ方のコツも掴めてきたのかなぁ…と。

ちょっと的外れな発言かもしれませんが、パンケーキ屋実業家の内見エピソードのように

依頼人をなぜ上手く口説けたのか?を考える点では、謎解き感覚も味わえて

別の意味でも面白いんですよね、本作って。

実際に、個人的な話で恐縮ですが、私の母も一緒に見ていて、

「これサクラじゃない?」「ギャンブルが原因は嘘でしょ」

「あ〜それで上手く乗っかっちゃった訳だ」

などと2人で推理ごっこをしては答え合わせして、また新たな知識を得る…みたいな

充実した時間を過ごせると言うのか。

雑学をただ提示して終わりにするのではなく、

物語に落とし込みながら紹介する塩梅が上手いなぁと感心させられています。

ペアローンの件も、引っ越し前の実家は父と組んでいたらしく、

「手数料とか税とか、ある意味2軒分払うのと同じようなもの ※あくまでも一例」という

リアルな体験話も聞けて、まだ不動産屋にお世話になった事がない私からしたら

そこからタメになる部分もありますしね。

 

正直者という設定を料理して、永瀬を預言者に仕立ててしまうのも

かなり変化球で笑わされましたし、

風のレパートリーも、日光から…掃除機のような強風で…と

徐々に増えてきていて楽しいです。

初回の感想で「コメディではないものの」と書いてしまいましたが、

早くもエンターテインメントをモノにしているような、そんな安定感さえ感じさせます。

 

 

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正直不動産 2話 感想|祟りじゃなくて守り神かも

 

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「1位になりたい」の裏に隠されていた給料格差、

契約にはなかった勝手な賃料値上げ、営業テクニックの真意、

期待株に思えた桐山(市原隼人)の本当の顔、

そして、パワハラ発言をする大河(長谷川忍)と…

本作を見なければ知らなかった不動産業界の実態や、

依頼主のいない所でタチの悪い言動をしているといった、

表には現れない様々な形の"闇"を頻りに描いてきた今回。

 

いかに不動産業界がブラックであるか?

現実世界でもこんなにズルや卑怯な手口で溢れているものなのか?

ショックを覚える展開が延々と続いて…からの

デメリットも真相も全て腹を割って話そうとする永瀬(山下智久)の描写には、

一筋の光が差し込んだようなカタルシスが感じられ、

今回も気持ち良く見終える事が出来ました。

 

依頼主も相手の人間性が分かれば、今までむき出しにしていた敵対心は消え、

自分も誠意を持って向き合おうという気になる。

家を売るにも、まずは人間関係を築く事が大事。

ベタではあるものの、展開の緩急のつけ方、他の営業マンとの描き分け、

人情の落とし込みのさじ加減と、各方面できちんと整理整頓されているので、

正直を武器に仕事する"ヒーロー・永瀬"が純粋に頼もしく思えてしまうんですよねぇ。

 

そして、「本音が出てしまった」の見せ方も、2話にして引き出しを増やしてきた感じ。

実は、風が吹いて言っちゃいけない事を口走ってしまった!という

"本音を漏らす=無礼"で笑いをとる演出が基本となると、

そのうちワンパターン化してしまうのでは?と、初回の時点で少し不安に思っていたんですが…。

本音を漏らした事で、かたや 教え上手で面倒見の良い先輩にも映ったり、

(「仕事がもらえて嬉しい…」のシーンのように)

かたや 切実な想いが態度に現れ過ぎていてクスッと笑わされたりと、

本音は本音でも、永瀬のいろんな顔を覗かせる工夫が施されていた所も楽しめました。

 

今回のサブタイトルは「1位にこだわる理由」という訳で、

永瀬の動機はもちろん、桐山の動機、一方で1位にこだわらない立場である月下(福原遥)の

3人の仕事観を描く群像劇仕立てになるのかな?と思いきや…

その予想を超えて、最終的には主人公の活躍をしっかり見せる

構成になっていたのも良かったですね。

これはやっぱり、手堅い作品かもしれません。

 

 

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