にじいろカルテ 1話 感想|医者で患者は最強説?

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もらったりんごを齧ったのが合図だとして、夢の国に誘(いざな)われたかのような…

かといって「癒される」というワードでは片付けられなくて、

時々チラつかせる"影"に地に足がつかない感覚を覚えるような…

世界観の強そうな主題歌も相まって、終始「不思議なドラマだなぁ」と思いながら見た初回でした。

 

上層部と権力を争ったり、失敗しない某スーパードクターが出てきたりして、

その痛快でキャッチーな話見たさに特定の視聴者層に支持されているイメージのある木9枠で、

こんなにファンタジーな雰囲気の作品を持ってくるのは結構な"賭け"だと思いますし。

テレ朝っぽくはないんだけど…

かと言って、フジかTBSが作りそうか?と言われたらすぐに首を縦にも振れない感じで、

かつて金曜ドラマナイト枠で放送されていた「僕とシッポと神楽坂」があるくらいだから

きっと"テレ朝の作品"ではあるのでしょう。

(強いて言うなら、ジャンルの幅広い作品を生み出す傾向にあるテレ東深夜枠で

放送されていてもあり得そうな気はしたけれども。)

 

ちなみに、監督は「僕とシッポの〜」を担当された深川栄洋さん。

予告映像の時点で既に「ぽいなぁ」とは感じていたので、

その作品を思い浮かべながら見る事になるんだろう…というのは予想はついていたものの…

まさかそれ以上に「Dr.コトー診療所」やジブリらしさを覚えたのはちょっと意外でしたね。

村社会の設定でさ、(行った動機は違うものの)雨の中山奥で倒れて治療される

たけひろくん的エピソードでさ、しかも光石研さん&泉谷しげるさんのキャスティングは…

どうしても「コトー」を思い出さずにはいられませんし(笑)

劇中に時々出てくる女の子は、視聴者をこの世界に引き寄せる

案内人みたいな描かれ方をしているような。

こんな感じでいろんな作品と重なりはするんですけど、みんなちょっとずつ違っているから

既視感がある訳ではなくて。

そこが「不思議なドラマだなぁ」と思った原因なんだと考えてます。

 

ただ、1つだけ分かったのは、

「医者で患者は最強」をテーマにしたいんだろうな…という事。

真空(高畑充希)が村に引っ越すまでの流れを見てからだと、

この言葉に「医者は専門的知識を持っていて憧れられる存在だけど、

"傷"も抱えているから"普通の人間"と同じ身近な存在にもなれる」という

作り手の描きたいメッセージが集約されているのがよく伝わってきました。

 

最初は、このご時世に医療を取り扱ったドラマで、

なんでファンタジーな雰囲気に?と思いましたが、

最前線の現場で戦う中、精神的に疲弊したり、時には誹謗中傷を受けたりする

医療従事者に対しての「そんなに強がらなくていいんだよ」という

ある種のエールを送るために作られた作品なのかもしれませんね。

 

真空や雪乃(安達祐実)に今後大きな展開が待ち受けていそうですが、

岡田脚本なので、どん底まで暗くなるよりかは

ほんの少しの希望が持てる結末になるんじゃないかと。

通常運転となる次回にも期待します。

 

ところで、子供が提供を読むのにはほっこりとさせられて…

つぐみちゃんにも読んで欲しいなぁって思ってしまいました(笑)

 


ウチの娘は、彼氏が出来ない!! 2話 感想|米津玄師はアニソンも作ってるぞ〜

 

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どうしよう…本編よりもEDのメイキングの方が面白いという…(苦笑)

 

碧(菅野美穂)のちょっと幼いキャラクターにも慣れた。

好きな漫画について若干早口で語る空(浜辺美波)の姿は

前回よりもオタクっぽく見えた。(自分の事を陰キャとは言わないとは思うけど)

ただ…どうしても、所々で押し付けられる「偏見」「固定観念」が

自分にはグサッと突き刺さってくるのです。

 

オタクだとバレたくないから我慢して米津玄師を歌っている…の"我慢して"は

普通に米津玄師さんとそのファンに失礼ですし、

なんなら、過去にはボカロとかアニメソングとか作られているのに

"キラキラ大学生の象徴"として取り上げられているのは

ちょっと視野が狭過ぎるんじゃないのかと。

広瀬すずだったらな」「井川遥だったらな」

やたらと固有名詞を出してきますけど、

出せば出すほど面白いと思ってそうな気がしてならないです。

本筋と何も関係ない、ただ言わせたいためのギャグに実名が使われるのって…

もらい事故みたいで本人が可哀想。

 

母親世代だったら今のような"オタク"もいなかっただろうから

「オタクが恋愛出来るのか心配…」と思う気持ちも分からなくもないんですが、

ベストセラーの小説家だったら違和感を覚える訳で。

周りとは違った斬新な発想が出来るから売れたんじゃないのか?

人気者こそ世間を俯瞰的に見ているものではないのか?

編集者の漱石川上洋平)こそ業界に携わる人なのに、

「あのオタクな娘さんがデート!?」と

変わり者の話を聞いているかのような小馬鹿な反応をするのも変でした。

 

私の頭が単に固いだけかもしれませんが、

いやいや〜!wとツッコミながら見るっていうよりかは、

いや、それはどうなの…と思ってしまう方が多くて、

作り手が"楽しませたい事"と私が"楽しみたい事"が一致しない感覚が

ず〜っと続いている所に居心地の悪さを感じてます。

 

話の内容自体も、突然「半分、青い。」を彷彿とさせる漫画展開を盛り込んできたり、

脇役の立ち位置の沙織(福原遥)の恋心を描いてきたりと

あっちこっちに寄り道しているから、"母娘の物語"である必要性も感じられないし…

今回の冒頭で、1分も経たない前回のあらすじを紹介するくだりがありましたけど、

これこそ10分くらいで済みそうな内容な気がしてきました(苦笑)

福原遥さんのストーカーキャラもねぇ。年賀状に記載された住所を頼りに

新婚の家に一人でやってくるっていう「半青」のすずめを思い出してしまいましたよw

可愛らしい子になんて役をオファーしたのか。

 

正直言うと、浜辺美波さんと福原遥さんと岡田健史さんによる

学園ラブコメの方が面白そうだったかもなぁ…と思ってます。

これも完走出来るかどうか分からなくなってきました。

来週、感想がなかったらリタイアしたって事で…(汗)

 

 

1/27追記:

3話を見る前にリタイアする事にしました。

作風のクセが強いのは重々承知していますが、

登場人物の節々の言動に"脚本家自身"が投影されているように映ってしまうのが

ドラマとして楽しめなかった一番の理由だと思っています。

 

 

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青のSP−学校内警察・嶋田隆平− 2話 感想|妊娠する事に理解のない学校って今時ある?

 

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おお〜…これはどうしたもんかなぁ…

前回の感想で「「これは犯罪か否か?」の境界線のスレスレな所に踏み込んでいく

展開が出てくるなどして、少し捻りを効かせてくる事に期待してみたいです。」

と書いたけれど、前回以上に"悪を懲らしめる"のが分かりやすい話になってしまった。

何だか時代劇を見ているみたいだったなぁ。

 

警察が来るまでよく持ってたね?と思えるくらい事件が頻発に起こっているのは

ドラマだから仕方がないし。

"事件があるから警察が動く"のが前提である事も理解出来ます。

ただ…前回のイスを投げた生徒も大概だったけど、

大人達を 妊婦の教師を「なんで産んだんだ」みたいな

白い目で見る描き方にする必要があったのか…という所には違和感しかなかったです…。

 

妊娠したら1年以上産休をとる決まりは前々からあれば、

不妊治療や妊婦の体験談をメイン取り上げたドラマだってあるのに、

まだ「妊娠する事は悪」を描くのはもう時代が古くないかと。

一番露骨だと感じたのは保護者ですよ。

子供を産んで育ててきた、言わば育児の先輩であるにもかかわらず、

ビンタしてあからさまな悪口を言い残す母親って

この世に存在するものなのかと思ってしまいました。

 

悪を際立たせる事で主人公を活躍させて、スカッと劇に仕立て上げたいのは分かりますが、

人物や状況をもうちょっと"リアル"に描いてくれないと

話がますます作り物っぽくなってしまいます。

そして、まだ2話の段階ではありますが、

今の所は王道の学園モノにスクールポリスを入れただけ…の印象なので、

隆平(藤原竜也)の動きを「何か知らないけど過去を探っている様子」

止まりの状態で曖昧に見せるのではなく、

そろそろ"真の目的"をはっきり明かした方が

物語の軸が感じられて面白味が増すのかもしれません。

 

それにしても…前回よりも涼子(真木よう子)の存在意義が感じられなかったのも

満足度が少し低下した原因の一つですかねぇ。

基本的に本作は犯人を特定する事がゴールであると考えるならば、

隆平には、"相棒"的存在で情報を掴んでくれる三枝(山田裕貴)がいれば十分でしょうし。

雰囲気を盛り上げる"ガヤ"的存在は校長でも成り立っている。

新境地!と言われればそれまでだけど、

正義感や熱さだけで突っ走る役なら、若手の役者でも良いような…?という気もしてしまいます。

 

 

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青のSP−学校内警察・嶋田隆平− 2話 感想|妊娠する事に理解のない学校って今時ある?

 

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おお〜…これはどうしたもんかなぁ…

前回の感想で「「これは犯罪か否か?」の境界線のスレスレな所に踏み込んでいく

展開が出てくるなどして、少し捻りを効かせてくる事に期待してみたいです。」

と書いたけれど、前回以上に"悪を懲らしめる"のが分かりやすい話になってしまった。

何だか時代劇を見ているみたいだったなぁ。

 

警察が来るまでよく持ってたね?と思えるくらい事件が頻発に起こっているのは

ドラマだから仕方がないし。

"事件があるから警察が動く"のが前提である事も理解出来ます。

ただ…前回のイスを投げた生徒も大概だったけど、

大人達を 妊婦の教師を「なんで産んだんだ」みたいな

白い目で見る描き方にする必要があったのか…という所には違和感しかなかったです…。

 

妊娠したら1年以上産休をとる決まりは前々からあれば、

不妊治療や妊婦の体験談をメイン取り上げたドラマだってあるのに、

まだ「妊娠する事は悪」を描くのはもう時代が古くないかと。

一番露骨だと感じたのは保護者ですよ。

子供を産んで育ててきた、言わば育児の先輩であるにもかかわらず、

ビンタしてあからさまな悪口を言い残す母親って

この世に存在するものなのかと思ってしまいました。

 

悪を際立たせる事で主人公を活躍させて、スカッと劇に仕立て上げたいのは分かりますが、

人物や状況をもうちょっと"リアル"に描いてくれないと

話がますます作り物っぽくなってしまいます。

そして、まだ2話の段階ではありますが、

今の所は王道の学園モノにスクールポリスを入れただけ…の印象なので、

隆平(藤原竜也)の動きを「何か知らないけど過去を探っている様子」

止まりの状態で曖昧に見せるのではなく、

そろそろ"真の目的"をはっきり明かした方が

物語の軸が感じられて面白味が増すのかもしれません。

 

それにしても…前回よりも涼子(真木よう子)の存在意義が感じられなかったのも

満足度が少し低下した原因の一つですかねぇ。

基本的に本作は犯人を特定する事がゴールであると考えるならば、

隆平には、"相棒"的存在で情報を掴んでくれる三枝(山田裕貴)がいれば十分でしょうし。

雰囲気を盛り上げる"ガヤ"的存在は校長でも成り立っている。

新境地!と言われればそれまでだけど、

正義感や熱さだけで突っ走る役なら、若手の役者でも良いような…?という気もしてしまいます。

 

 

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監察医 朝顔(2021) 10話 感想|穴を埋めようとする人々から出る綻び

 

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職場にとっては茶子先生(山口智子)と、

朝顔上野樹里)とつぐみ(加藤柚凪)にとっては

桑原(風間俊介)と平(時任三郎)と離ればなれになり、

双方で"心のぽっかり"が出来てしまって…からの今回の話。

自分がいっぱいいっぱいだから、誰かに手伝わせて少し楽になりたいという気持ち。

自分がやってしまった事なのだけれど自分は悪くないと思いたい気持ち。

ちょっとずつズルい部分が出てしまう人間臭さが、手に取るように共感出来てしまう内容でした。

 

子供の事情を聞かずに自分の事を話してしまう朝顔も、

ジュースをどかして感情むき出しになるつぐみも、

(恐らく寝不足だからなのだろうけど)

解剖中に指を切ったのを黙っていた光子(志田未来)も、

みんなどことなく"らしく"なかった。

それだけ大切な人に支えられて過ごしていたって事で、

欠けたものが大きければ大きいほど、バランスを狂わせる。

そして、人って本当にパニックになったら、光子みたいになるんだろうなぁ…と思うくらい

あの反応の仕方がリアルに映りましたよ。

何かショッキングな事を伝えられたら涙をこぼすのではなくて、

悲しんでいる心を誤魔化すために無理に笑ったり、口から本音がこぼれたりして、

"元凶"を恨んでいるとだんだんと自分の行いを悔やむようになる。

 

仕事のシビアさを目の当たりにしている牛島(望月歩)を映すシーンが度々ありましたが、

罪悪感を埋めるかのように率先して仕事をしている彼も、

経験を積んで、"監察医とは"を肌で感じていく事で、

感情移入しがち…言い換えれば人を想いやれるという一面を長所にしつつ、

きっと最終的には変わっていけるのだろうと信じたい。

 

人間の"悪い部分"も"良い部分"も浮き彫りにしてみせたお話自体には

グサッと来るものがありましたし、

「医療従事者の子供にはつぐみちゃんのような子がたくさんいるのかもしれない」と

思わされる点では、このご時世に訴えかけるには相応しい内容だったとも思います。

 

でも…最近薄々感じているのは、

コード・ブルー3」と作りが似てきちゃっているなぁ…という所なんですよね。

今回の感染疑惑の話といい、次回のトンネル事故の話といい、ネタが被るのもあるんですけど、

事件や震災以外で主人公サイドを不幸にさせる展開が続いているのが、

「不幸にさせれば"ドラマ"になるだろう」感が滲み出ているようでちょっとモヤってしまいます。

年が明ける前は日常生活を丁寧に紡いでいる印象がありましたが、

明けてからは何だか事件の規模もデカくなっちゃいましたしね。

美幸(大竹しのぶ)と平の恋愛パートも…

大切な人を失った者同士で支えあう関係性のままだったら別に良いけれど、

彼の事が好きだから手放したくない!っていう恋心にまで踏み込むのは余計な気が。

 

 

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君と世界が終わる日に 1話 感想|1年前のテセウスから何も学ばずw

 

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こっちもこっちで状況説明が長かったですね。

前時間のドラマは「入れ替わり」がテーマである事が

予告でも分かりやすかったから良いけれど…

本作に関しては初回を見ても、

「ゾンビの運動神経がすごい!」

竹内涼真さん(役)がテセウスの頃から何も変わってない!!」

 で終わってしまったもんなぁ(笑)

話が本格的に動き始めるまでが遅かったから、終始ツッコミながら見てましたよ。

ゾンビってよたよた動くイメージがあったから、結構足速いんだ…とか。

涼真くん、今度は「父さーん!!」じゃなくて「来美ーー!!」って叫びそう…とか。

っていうか、シリアス系の作品はどうしてみんな単独行動したがるのかが謎過ぎる。

愛する人を助けるためにゾンビと戦うぜ!」と意気込んでいましたけど、

それなら、まずは無闇にゾンビに近づくのをやめたら?としか思えませんしねぇ。

 

そして、「次に死ぬのは誰だ!?」という「あなたの番です」的な次回予告を見る限り、

誰が生き残って誰がゾンビ化するのか?が話の軸になりそうで、

これでHuluでのシーズン2まで持つのか今から心配しておりますw

毎回あんな感じで、ゾンビが襲ってきては人を救って、揉めて、絆を深め合って…

を見せられるのかなぁ。

最後にポっと出てきた首藤(滝藤賢一)はきっと、

ゾンビになる薬を開発したキーパーソンになるんでしょうけど、

シーズン2まで本格的な出番はなさそうな気がしないでもないですし。

あとの見所は何でしょうね。涼真くんをカッコよく映す事くらい?

避難生活で必需品の缶詰を贅沢に使って料理するくだりは、

スタッフ側がこう振舞われたいんだろうなぁ…という願望そのものに見えましたしね。

弓矢を放つ響(竹内涼真)の姿と空のカットも妙に印象に残りましたよ(笑)

 

来美(中条あやみ)が生きている事をもう明かすのは意外でしたが、

う〜ん…下手したら、最終回だけ見れば良いのでは?って感じになりそうな。

次回以降も見るか&感想を書くかどうかは未定です。

 


天国と地獄 〜サイコな2人〜 1話 感想|面白くなるのはこれからかな?

 

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森下佳子脚本と綾瀬はるかさん主演の組み合わせによる最新作。

もう予告の作りの時点で滲み出ていましたが…

さらにキャッチーな音楽や「シャララン♪」などのSEを頻繁に挿入しているとなると、

まず思い出すのが「義母と娘のブルース」ですよねぇ。たまに「JIN -仁-」とも重なります。

期待以上とまでは行かなかった原因はそこにあり、

いろんな作品との既視感を覚えて、本作の物語に集中出来なかったから…なのでしょう。

 

「義母むす」はそもそも、主人公が変わり者である事が分かりやすいキャラクターだったから

法螺貝のSEがハマっていた訳ですが、

本作の内容は、2人が入れ替わるまではごく普通の刑事ドラマの流れと同じ。

青と赤を鮮やかに映し、幻想的な映像美を取り入れて

事件そのものを猟奇的に見せている割には、

コミカルな劇伴やSEを挿入して雰囲気を崩そうとしたり、

目のカットでなぜかSFちっくな演出にしてみたり…と、

世界観の生み出し方に統一感がないのが気になりました。

 

そして、本作の見所は「入れ替わり」と「役者の演技」なのですから、

"入れ替わるまで"の過程を順序を追って描くのは引っ張り過ぎ。

高橋一生さんのサイコパスを匂わせる演技のお陰で何とか興味深く見られましたが、

本題に入るまでが長くて、若干退屈しましたかねぇ…。

冒頭で"入れ替わってしまった2人"…例えば、漫画的なあらすじの後に、

月が反転して2人が階段から転げ落ちている〜「入れ替わっている!?」と驚くまでの流れを

導入して、そこから"なぜ2人はこうなってしまったのか"を解き明かしていく構成にしてみたら

"掴み"としては良かった気がします。

 

そんな感じで、入れ替わるまでの展開にそこまで引きつけられはしなかったものの、

元々期待していたその後の2人の演技には

「次回も見てみたい!」という気持ちにはさせられたので、

「義母むす」のように、回を重ねるごとに化けるパターンかなぁ…と踏んでおります。

 

彩子(綾瀬はるか)になった日高の悪魔の微笑みに惚れかけた八巻(溝端淳平)が

禁断の恋に落ちるとか、実は陸(柄本佑)がサイコパスになるのかもしれないとか。

入れ替わってからの"先"の話が読めない分、いろいろ広げてくれそう。

そして、彩子と日高(高橋一生)の状況を見る限り、

ストレートに「天国=恵まれている」「地獄=入れ替わってしまった2人」という訳でもなさそうで、

森下脚本ですから、そのうち「天国と地獄」と名付けた"理由"が痛いほど分かる

展開がやってくるのかもしれませんね。

 

事前情報通りだった初回。次回以降に期待してみたいです。

 


書けないッ!? 1話 感想|いろんな生田斗真さんを楽しめるから"オシドラ"ね♪

 

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オシドラサタデー第1弾の作品。

初っ端から個人的な話をするんですけど、

なぜかオジドラサタデーだと勘違いしていてねぇ…(笑)

中堅どころの人気俳優とか名バイプレイヤーを主演にした作品をお届けするのではなくて。

もうジャニーズ事務所のタレントに限定するらしいです。

「シンドラ」「ドラマホリック!」に続いてまた新たな固定枠が出来た訳ですが…

とりあえず、注目されやすい第1弾の作品の主演に実力派の生田斗真さんを起用したのは

中々上手い戦略だったんじゃないかなぁと思ってます。

 

こっちでは一応職業はあるけれど、家で過ごしている所とか、

(心の中でだけど)饒舌な所とかは「俺の話は長い」の満と重なる感じ。

基本的にモノローグ&台詞量多めの構成は、物語に追いつくのに必死になりがちで

あまり好きではないんですけど、「俺話」、去年放送されていたSP「JOKE〜2022」

よく喋る役で経験を積んでいるからなのか、斗真さんの一人芝居は安心して見られます。

妄想がヒートアップしたり、良いアイデアが浮かんでご満悦だったり、

分かりやすくしょんぼりしたり…

ノローグに合わせていろんな演技を見せて下さるから飽きない。

特に"オシドラサタデー"という名に相応しいシーンだなぁ…と思ったのは、

書けなくて焦って手がもじょもじょする圭佑(生田斗真)を

冷静なアドバイスをしながらサポートしてくれる妻・奈美(吉瀬美智子)の2人のシーン。

子供を慰めてあげるママの関係性に映りましたw

なるほど、"推しを満喫する"からその名前なのだと納得。

 

スタッフに振り回される話なのは知っていたから、

脚本が出来上がるまでを描くという生々しさも相まって、

あまりの無茶振りの連続に、視聴者側もしんどくなっちゃうんじゃないかな〜…

ギスギスした雰囲気になるのかな〜…などと若干の不安もありましたが。

正論は言うものの鬼嫁ではない奈美の存在のお陰で

お仕事パートと家庭パートでバランスがとれ、気軽に見られそうな気がした初回でした。

夫婦で揉め合っているのは木10だけで十分だからさ(泣)

あまりの辛辣さに寝つきが悪くなるような感じじゃなくて良かったですよ。

強いて言うなら、恋する家庭教師とかいう仙川(菊池風磨)の存在は

初回だけだと必要性を感じなかったんですけど、

ただのスピンオフ要員じゃない(多分)、途中で彼を絡めた展開もやってくるんでしょうかねぇ。

 

「1本のドラマが出来上がるまで」をテーマにした作品は今までに何作か見た事はありますが、

「脚本が出来上がるまで」の作品は見た事はないですし。

しかも福田靖さんの実話だそうなので、特にドラマ好きなら楽しめるかと思います。

怪我して降板はあまりないでしょうけど、某朝ドラの件があったように、

担当する予定だった脚本家が代わるケースは、業界内ではかなりあるある案件なのかも…ですね。

公表されていないだけで。

短い期間の中、そうやって汗水垂らして作り上げた作品に対して

色々ツッコミを入れてしまう自分にちと反省。

まぁでも…感じた事を書き残すためのブログなので、

これからも悪口にならない程度に書くつもりではいますがw

 

話の内容的に、やはり1時間じゃなくて30分でちょうど良い感じではありましたが、

台詞の面白さとこのテンポの良さなら、次回以降も期待出来そうですね。

「ケイジとケンジ」での自虐的な台詞といい、福田脚本は言葉選びも上手い。

 

次回も感想を書くかどうかは、来週から始まるドラマ2本の出来次第で判断します。

う〜ん、土曜日、中々混み合ってるんですよねぇ(笑)

裏の「その女、ジルバ」も思った以上に良くて、後で感想を書きたいくらいですし。

NHKの方は評判が良ければ…再放送を視聴するのかなぁ。

どうしようかしら。

 

 

1/31追記:

 

3話まで視聴済み。「脚本家あるある」もあって楽しい事には変わりないんですが、

やっている内容は基本的に「プロデューサーに振り回されている」だけなので、

こちらはわざわざ感想は残さずに純粋に見た方が合っているだろうな…と判断しました。

よって、こちらも感想は初回のみといたします。

 

最後に。回を重ねるごとに"家族"要素が強まってきたのもあって(特に3話の後半は)、

ホームドラマなのかコメディドラマなのか曖昧になってきている所はちょっと気になりますね。

ツルツル男の見せ方くらいに、前番組の「モコミ」との差別化も踏まえて

もっと全体的に"尖った"描写や台詞にすれば良いのかも…。

 


知ってるワイフ 2話 感想|"見方"が分かってきた感じ。

 

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なるほど…やっぱり過去に飛んでは、また現在に戻る…というのを繰り返す訳だ。

前回は夫婦関係や人物説明を映像化し過ぎていて、そこに尺を取られたが故に

タイムスリップならではの魅力を十分に味わえなかった残念感がありましたが、

今回は全体的に「過去に飛んだら何がどう変わったのか」を軸に物語を進めており、

見やすくなったような気がします。

そして、本作を、主人公をどう見れば面白いと思えるか…というのも分かってしまったり。

 

澪(広瀬アリス)との出会いがなかったら今いる子供もいなくなるのなんて、

多くの人は想像出来るはず。

でも、元春(大倉忠義)はとにかく自分大好きっ子で、

自分の幸せを求める事だけを考えて動いているから、その発想には至らない(笑)

澪の好きないちごシェイクを咄嗟に呟いてしまったり、彼女を守ろうと抱いてしまったり…

迂闊な部分を見せるのは、同じくタイムスリップを扱った「テセウスの船」の心と少し被って

ツッコみたくもなってしまうんですが、

初回の時点で彼には共感出来ないと分かった所で、

もうこれは"人物に気持ちを重ねて見る"のではなく、"一人の人生を見届けてみよう"と

割り切った方が楽しめるんじゃないかとも思えました。

だって…言動に一々反応してたらキリがないし、ネガティブな感情が溜まっていくだけ。

 

そして、もう一つ気づいた事としては、

多分、元春自身の"後悔と気づきの物語"なんだろうなぁ…という事。

本作の捉え方が少し変わった理由としては、澪が新社員として配属されてきて、

仕事場でもカラオケでもいろんな一面を見る度に「澪の本性は一体…?」と

考え始めるシーンがあったから。

俺と結婚しない選択をしたら、冷静な対応が出来ていた。

親しみやすい人柄だと社内で評判になっていた。

でも、メンタルが強い=逞しい所は変わらない…なぜ?いつどこで彼女は変わってしまった?

まだ自分とは向き合っていなくても、少なくともタイムスリップしていなければ

"澪そのもの"をじっくり見る機会はなかった訳で、

今回はとりあえずそれに気づく事は出来た。

初回を見た限りでは、タイムスリップした事に特別興奮している感じでもなくて、

ただ流されていっているだけの印象ではありましたが、

「神様の飴と鞭による試練」の元で、小さいものでも1つずつ"違和感"を覚え始める元春が

段階を踏んで"ダメダメだった自分"が"それなりの幸せを手に入れた自分"へと変わっていく

成長物語として見てみたら、もしかしたらイケるんじゃないかなぁという気がしてきました。

 

謎の男(生瀬勝久)との出会いだけでなく、

同期の千晴(松下洸平)の恋愛事情や ←澪との恋愛に参戦する可能性も…?

沙也佳(瀧本美織)の何やら穏やかではない表情など、

サブ要素を充実させているのも悪くないと思います。

あとは、作風がどうも真面目っぽいので、

コミカルな演出を取り入れてメリハリをつけてくれたら…。

 

今回から見始めても恐らくついていけそうな内容なのを考えたら、

本当、初回は"掴み"としては弱かったですね。

ドラマ好きなら3話くらいまで様子見する事はあっても

(もうこの方向性で行くんだな…というのが見えた場合は初回で切る場合もあるけどw)、

そこまで見ずに判断してしまう視聴者の方が多いですから…。

 

 

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ウチの娘は、彼氏が出来ない!! 1話 感想|象印よりもオタクの描写の方が気になる。

 

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予想通りの流れでしたね。雰囲気が荒れがちになるSNSも。

男性キャラは魅力的な役者を起用するけど、女性側はいまいち共感出来ないように描くのも。

北川悦吏子さんの作品は「愛していると言ってくれ」と「半分、青い。」しか

見ていませんが、主人公をいつも口調を強めにさせて

実年齢よりも幼い行動をさせる所はいつも同じ…(だと思っている)。

特に、空(浜辺美波)が基本的に「だ・である」口調なのは、

後者の主人公のすずめと重なる点で顕著。

碧(菅野美穂)は北川さん自身を投影させたキャラなのか?と思えてくるほど

恋愛に酔いしれている。

人物描写で好き嫌いは出てくるでしょうが、良くも悪くも脚本家の"作風"なので

別にそこを深く言及するつもりはないんですよ。

 

ただ…凄く気になるのが、

掛け合いや台詞がちっとも面白くないのと"オタク"の描き方。

トモダチ母娘だそうなので、必然的にじゃれ合いシーンが多くなる。

…ってなると、ここでクスっと笑えないのはちょっとキツいんですよねぇ。

「ちょ待てよ」だの、菅野美穂さんに「セ…」を言わせるだの、

永野芽郁さんの名前を挙げるだの、

所々インパクト重視で面白おかしい台詞を挿入しているのが、ことごとく滑っている感じ。

突飛なワードの裏には「どう?こんなの入れてみたけど面白いでしょ?」っていう意図が

見え隠れしているから、それが小っ恥ずかしくもなってくる。

 

"オタク"要素も…うーん、失礼ですが、

これは"自分のイメージ"で描いていないでしょうか。

どんな所がオタクらしかったかと言えば、同人誌を買ってきた事くらいしか思い浮かびません。

同人誌を「エロい漫画」で片付ける。

「見たいアニメがあるので帰ります」ってはっきり理由を言える。

人に接する際も堂々としていて、ベラベラ喋れる。

なんか、この人から「早く家に帰って"推し"を満喫したい」だとか、

「"推しの尊さ"を語りたい」だとかっていう熱い気持ちが感じられないん…ですけど(汗)

アニメ関係で物凄いものに出会った時に、語彙力を失って興奮するような性格でもないし。

突然何かと推しを重ねる訳でもない。

リアルな部分が見えてこないから、メガネでちょっと変わった口調をさせれば

"オタク"っぽくなるだろう…という軽い設定にしたようにしか思えないです。すいません。

 

オタクが恋する様子を小説化する流れになるのもよく分からず。

みんながみんな、恋愛に興味がない訳ではないし、

"恋愛をしたら変わり者"みたいなレッテルを貼られている作りにしているのは何かモヤる。

半分、青い。」は朝ドラだから完走したようなもんですが…

今後も主人公に共感出来ない部分や、古臭い設定が色濃く出たりしたら

多分早々に視聴はやめちゃうかもしれないです。

あの時みたいに、ギスギスしたくはないのでね。

 

 

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