半径5メートル 1話 感想|あなたは何をどう見てる?

 

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これは…面白いかも。

視聴前は同局の「今ここにある危機とぼくの好感度について」と本作で

社会的なテーマを扱っているので、

少し真面目な似通った雰囲気になってしまうのではないかと思っていたんですが、

いざ視聴してみたらきちんと棲み分けがされていて、

本作の方は予想以上に軽やかなタッチで描かれていたのに驚きました。

そして、かなり現実に沿った題材なのに、分かりやすく、とっつきやすく見せていますね。

 

今回の内容は「おでんおじさん」。

5歳の息子を持つ共働きの主婦が、スーパーでレトルトのおでんを買おうとしたら

「おでんくらい作ってあげなさい」と言われて勝手に取り上げられてしまった…というもの。

この内容のモデルで真っ先に思い浮かべるのは、ポテサラ事件でしょうねぇ。

でも、なんで今回はおでんにしたんだろう?と考えながら見ていましたが、

結果的におでんにした理由に腑に落ちる内容でした。

 

そもそもおでんってどこからが手作りなのかを実証するために、

ラブホで玉子だけは茹でて後は全部出来合いのものを入れるだけの鍋を作ってみたり、

こんにゃく芋も取り寄せて具材を一から作り上げたりする

風未香(芳根京子)と宝子(永作博美)の様子を映すシーンは

世間に問いかける問題提起の役割をなしていたと思いますが。

それと同時に、二折の仕事内容、

そこに所属するメンバーの仕事に対する取り組み方や熱意も伝わってきたので、

初めて聞いた一折と二折の詳しい紹介が特になくとも、

二折は主観的思考と地道である事をモットーにした部署なのだとすんなり掴めたのが、

「人物・状況紹介(初期設定)」「コンセプト紹介」を兼ねた初回として

よくまとめられた作りだと感心させられました。

強いて言うなら、「あなたもおでんおじさんの予備軍かもしれない」と意識させる形の

教訓じみた解決方法はちょっと気になりましたが、"過程"が楽しめたので、満足しています。

 

仕事のミスで異動が決まった主人公が向かった先は

理想とはかけ離れた地下にある薄暗い部署だったという設定も、

そんな主人公を変わった方法で振り回していく事になる先輩上司の関係性も

王道と言えば王道ですが、二折のキャラクターがとにかく魅力的です。

宝子をはじめ、デスク・丸山(尾美としのり)、

トランスジェンダー記者・海老原(北村有起哉)、妊娠中の記者・藤川(山田真歩)と

個性的でキャスティング的にも頼もしいメンバーが揃っています。

 

特にグッと来たのは、終盤の風未香が一折のデスクに謝罪する時の一連のシーン。

自分の過去と重ねているのか、丸山だけが彼女の様子をじっと見ているんですが、

彼女が戻ってきた時には何も触れずに食事に誘う所に懐の深さを感じさせましたし。

そして、途中からは二折が一切映らない引きの映像に切り替わるんですが、

それもまた「丸山中心に二折のメンバーがささやかに見守っている」ようにも捉えられて、

思わず涙腺がやられてしまいました…。

 

多分、二折丸ごと好きになるだろうなぁ…と。

温かなメンバーに支えられ、刺激を受けて飛躍して行くであろう風未香の今後を

見守って行きたいという確信が持てました。

 

基本的に録画視聴なので、感想は遅いし、

遅過ぎた&溜まってしまった場合はもしかしたら途中で諦めてしまう可能性はありますが、

久々にドラマ10枠で毎回感想を書きたい!と思える作品です。

これはちょっと期待出来そう。

 

 

↓次回の感想はこちら↓

kimama-freedays.ddns.net

 

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