魔法のリノベ 10話(最終回) 感想|最後は魔法にかけられてハッピーエンド

 

 

ラストは幸福感たっぷりで終わりましたね。

実に最終回らしい最終回でした。

 

劇中に度々挿入された「まるふクエスト」もただのギャグ扱いで終わりかと思いきや、

「家に潜む魔物を退治し、住民たちの平和を取り戻すのがリノベ」という本作のテーマと

リンクしたものになっていましたし。

終盤で指輪を滝に投げるシーンも、

後世を生きる小梅(波瑠)や玄之介(間宮祥太朗)が

過去や苦悩を乗り越えられる=自分自身をリノベ出来るよう

背中を押してくれているようにも感じられて、清々しかったです。

そして、あれだけ大魔王的ポジションだった有川(原田泰造)を始め、

最後はいつもの"その後"が描かれるEDに合わせて

どの登場人物も笑顔が絶えない様子が見られた所なんかは、

まさに決め台詞の「リノベは魔法」をブレずに描き切っているなぁ…と思わされました。

 

ただ、やっぱり…内容全体を振り返るとするなら、脱線具合が加速していて

突貫工事感は否めなかったというのも正直な気持ちではありますかね。

もっと具体的に言えば、寄り道し過ぎでテスト勉強をサボりまくって、

前日で一気に頭に叩き込まなければならないほど追い込まれていたものの、

元々賢いお陰で運良く高い点を取れた…みたいな、そんな感じ。

小梅が戻ってくる件は、焦らし要素を入れるなどして

20分以上前半で尺を割かなくても良い気がしましたし、

ストーリーもあくまでも、もう一度声をかけたグローバルを辞めてまで

まるふくで営業する小梅の仕事ぶりを見て、

有川が心を入れ替えるまでの過程を描く事に集中する内容にして欲しかったです。

(グローバルの社員たちだけでスカッとさせて終わり…ではなく。)

 

まぁ、今までの話を見ていたら、

最終回も本筋が霞み気味になってしまう事は目に見えていましたから、

せめてもう1話分あったら、まだ駆け足にならずに済んだんでしょうけどね。

本作のカラー的に不向きとは分かりつつも、

月9の最終回を先週にする代わりに、本作を2時間スペシャルでお送りしても

良かったのかも?とも思えてしまったのでした。

 

でも、いろいろ勿体ない部分は目立っていたものの、

それでも最後まで好意的に見ようという気にさせられたのは、

まるふくの社員同士のやり取りから生まれる可愛らしい雰囲気や

息の合った楽しげな雰囲気のお陰だと思っています。

そして、前にも似たような事を書きましたが、小梅と玄之介が2人きりになっても

恋愛方面は「進展しそうで中々進展しない」止まりを貫いていたのも吉だったのかなぁと。

 

登場人物の和やかな関係性の構築が、最終的には気軽さ・見やすさに繋がり、

普通だったら重くてシリアスになりがちな"挫折からの再起"を

ふわっと優しく包み込んでくれた作品として、記憶に留めておきたいです。

 

 

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