生きるとか死ぬとか父親とか 5話 感想|思わぬ収穫の方が多い人生よね。

 

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「思わず涙がホロリと崩れ落ちるようなエピソードが生まれるに決まっている」

というトキコ(吉田羊)のモノローグが入った時点で、

あ、これは感動的なエピソードにならないな…むしろ真逆の方に行ってしまいそうだと

察しましたが、結果的には今回もほっこりする内容でした。

 

前回のスーツ屋で「もし私が結婚して子供を産んでいたら」

「もしまだ母が生きていたら」などと、

一人たらればを悶々と考えていた姿が頭に焼き付いていて、

今回はそれを絡めて、哲也(國村隼)と親子ごっこをする事で

思わぬ所・出会いから彼の過去の核心に触れる展開が訪れてくるんじゃないかと

ソワソワしながら待ち構えていた分。

哲也の古くからの友人だと言う沼田(菅原大吉)から、

口を拭く癖は、父が自分が子供の頃に親身に世話してくれた時の名残から来ているという

昔のエピソードを聞かされ、

そこから幼い自分のそばにいた時間があった事を知り、

それと同時に、今まで知らなかった"パパ"としての別の顔も知れた喜びを

静かに嚙みしめるトキコの様子を見て、思わず自分事のように安心してしまいました。

愛人のためにマンションを買ったという黒歴史が少し明かされヒヤッとしたものの、

「娘に尽くす"良いパパ"の時代」が確かに存在していたのは、本当に良かったです。

 

そして、期待していたものではなかったけど嬉しい出来事があった一日を送った

トキコ経験談にも共感。

期待しているのが良い方でも悪い方でもそうですが、

「〜になるだろう」と断定しながらいざその通りに動いてみても案外思い通りにはならなくて、

その代わりに視野に入れていなかった所から

思わぬ収穫が起こるもんなんですよね…人生って、割と。

例えば、周りの評判が高いからって期待値を上げてある作品を見てみたら、

自分にとってはそこまで絶賛するほどのものではなかったり。

成人式の日にぼっちになったら嫌だな…と前日まで不安がっていたのが、

いざ当日になると、いろんな同級生と昔話に花を咲かせて心地良いまま帰路に着く事が出来たり。

「確実」より「偶然」の方が多いよなぁ…と、つくづく実感させられる話でもありました。

 

3話からは「人生」「日常」を和やかに描く話が続きましたが、

次回はいよいよ母の過去に触れるとの事なので、ちょっと覚悟しつつも、

本作の世界観に身を任せながら見ていこうと思います。

 

 

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着飾る恋には理由があって 4話 感想|デリカシーのなさがどうも気になる…

 

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真柴(川口春奈)と駿(横浜流星)の距離が徐々に近くなっていく様子に

胸がときめく話だったでしょうが…

個人的には、妊娠検査薬と検査を控える羽瀬(中村アン)に関する描写がどうも気になって、

きゅん!というよりかは、えぇ…?の印象の方が残ってしまいました。

何というか、デリカシーのなさを無視して進んでいく展開にモヤッと。

うーん、いくらひとつ屋根の下で暮らす同居人とは言え、

顔見知りの女性にお願いするのも勇気が要りそうな妊娠検査薬の購入を、

買い物に同行する男性にもはっきり伝えて一緒に探すようなものなのか?

女性同士でコソコソやっているのに気づいて男性が参加する形じゃなくて、

最初からオープンにするものなのか?

そして、検査薬の結果ってそんなに他人に見せられるものなのか?

(そもそもばっちいし…)

私だったら誰にも見られたくないから、自分の部屋でこっそり確認するけどな。

そこら辺がイマイチ理解しづらかったです。

 

前回も気になっている部分はあって、感想の流れに合わないと思って結局書かなかったんですが、

カウンセリングで得た個人のプライバシーを同居人にあっさり口外する

"プロ"のカウンセラーの描かれ方にも疑問が残りました。

羽瀬を全力で支えようとする陽人(丸山隆平)、同居人に助けを求める羽瀬、

真柴(川口春奈)がピンチな時に協力する2人、恋が芽生える真柴と駿、

そんな若者を大人の視点でしっかりまとめ上げる香子(夏川結衣)と、

恋に、友情に、悩みに…をシェアハウスの仲間内で育んで解決して、

徐々に関係性を深めていく今回の描かれ方自体は最も"らしさ"が感じられて良かっただけに、

エピソード選びにはもう少し慎重であって欲しいと思ってしまいました。

 

次回以降はラブコメの王道というか、葉山(向井理)と

レストラン時代に献身的に支えていたらしい駿の元カノが

2人の前にそのうち現れそうな予感をさせましたが、

それともう1つ注目しているのが「駿はなぜ真柴を好きになったのか?」。

真柴が彼を好きになるのは分かりますが、

彼の場合は初回のラストで彼女が放っておけないと感じさせる描写があっただけで

動機などはまだ不透明…。

以前に出会っていて、駿が一方的に知っていたんでしょうかね?

 

 

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着飾る恋には理由があって 4話 感想|デリカシーのなさがどうも気になる…

 

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真柴(川口春奈)と駿(横浜流星)の距離が徐々に近くなっていく様子に

胸がときめく話だったでしょうが…

個人的には、妊娠検査薬と検査を控える羽瀬(中村アン)に関する描写がどうも気になって、

きゅん!というよりかは、えぇ…?の印象の方が残ってしまいました。

何というか、デリカシーのなさを無視して進んでいく展開にモヤッと。

うーん、いくらひとつ屋根の下で暮らす同居人とは言え、

顔見知りの女性にお願いするのも勇気が要りそうな妊娠検査薬の購入を、

買い物に同行する男性にもはっきり伝えて一緒に探すようなものなのか?

女性同士でコソコソやっているのに気づいて男性が参加する形じゃなくて、

最初からオープンにするものなのか?

そして、検査薬の結果ってそんなに他人に見せられるものなのか?

(そもそもばっちいし…)

私だったら誰にも見られたくないから、自分の部屋でこっそり確認するけどな。

そこら辺がイマイチ理解しづらかったです。

 

前回も気になっている部分はあって、感想の流れに合わないと思って結局書かなかったんですが、

カウンセリングで得た個人のプライバシーを同居人にあっさり口外する

"プロ"のカウンセラーの描かれ方にも疑問が残りました。

羽瀬を全力で支えようとする陽人(丸山隆平)、同居人に助けを求める羽瀬、

真柴(川口春奈)がピンチな時に協力する2人、恋が芽生える真柴と駿、

そんな若者を大人の視点でしっかりまとめ上げる香子(夏川結衣)と、

恋に、友情に、悩みに…をシェアハウスの仲間内で育んで解決して、

徐々に関係性を深めていく今回の描かれ方自体は最も"らしさ"が感じられて良かっただけに、

エピソード選びにはもう少し慎重であって欲しいと思ってしまいました。

 

次回以降はラブコメの王道というか、葉山(向井理)と

レストラン時代に献身的に支えていたらしい駿の元カノが

2人の前にそのうち現れそうな予感をさせましたが、

それともう1つ注目しているのが「駿はなぜ真柴を好きになったのか?」。

真柴が彼を好きになるのは分かりますが、

彼の場合は初回のラストで彼女が放っておけないと感じさせる描写があっただけで

動機などはまだ不透明…。

以前に出会っていて、駿が一方的に知っていたんでしょうかね?

 

 

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大豆田とわ子と三人の元夫 5話 感想|知りたくなかったサプライズ

 

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前回同様、途中で三人の元夫の動向が挟み込まれた構成でしたが、

今回は特にごちゃごちゃしているとは思わなかったですね。

多分…それぞれのエピソードが「サプライズ」に因んだテーマである事が

掴みやすかったからかな?という気がしています。

そう感じたきっかけは、CMが入るまでの約20分間の流れ。

序盤の段階でとわ子(松たか子)が自分のサプライズパーティの準備を

しているのを知ってしまったシーンに畳み掛けるように、

かごめ(市川実日子)に靴下をプレゼントして喜ばせられなかった切なさを味わう

八作(松田龍平)のシーンが早々に描かれたのが、

今回はいろんな形で「サプライズ」が伏線回収されていくのだと、

今後の展開を想像させられるワクワク感がありました。

 

しかし、とわ子の方は悪いサプライズばっかりでしたねぇ…。

Season1の好きだった相手に気づいてしまった直後に、

今やって欲しくなかったと願わずにはいられないバースデーケーキでのお祝い。

かと思いきや、仕事が白紙になりそうで、

おまけに門谷(谷中敦)に拉致(?)される始末。

まさか「消えた大豆田とわ子」のナレーションで締めるとは…。

 

今まではストーリーがあるようでないような作りで、

劇中で繰り広げられる元夫同士のやり取りや小洒落た会話を

ニヤニヤしながら楽しむスタンスで本作を見てきただけに、

今回の「そろそろ緩急をつけないと"ドラマ"らしくないでしょ?」と言わんばかりのオチには、

本作の世界観に既に慣れていた自分がハッと目を覚ます感覚を覚えました。

 

自宅感覚でとわ子の家にフラっと遊びに来る三人の元夫は、

劇中で言及されていた信号機というよりかは、

何だか白雪姫の小人っぽく見えて可愛らしくて。

八作は(かごめにあげるつもりの靴下も入っていたけど)とわ子にプレゼントを渡し、

ゲスな仕事相手の話も彼女を心配する形でしっかり聞いてくれた。

鹿太郎(角田晃広)と慎森(岡田将生)は誕生日当日にメッセージ動画を残してくれた。

離婚した今もとわ子を人生のパートナーとして愛しているのが伝わるエピソードでしたし、

離婚した回数を自慢としか捉えていない上に、自分の考えを聞き入れない門谷に対して

「ホラーだ。これはホラーだ。」とバッサリ言えるほど今を前向きに生きている様が

とわ子から感じ取れただけに、

今回の事で心が折れて欲しくない…どうか無事に戻ってきて…と思えてしまいます。

そして、2人の残した動画もどこかで見てくれたら嬉しいなぁ…。

 

1話の斎藤工さんと同じくちょい役だと思っていたスカパラ谷中敦さん、

ファンから嫌がられるんじゃないかってくらいの爪痕を残されていましたね。

頷くだけで絵になる容姿とは裏腹に、言葉から醸し出される胡散臭さ…

印象に残るキャラクターでした。

正直、ちょっと棒っぽい所も…逆に胡散臭さが増して良かったのかも←こらw

 

次回は三人の元夫と三人の女性による餃子パーティ。

この枠×食べ物で思い出されるのは、某ドラマのカルパッチョなので…

どうしても期待が高まってしまいまして(笑)

来週も楽しみです。

 

 

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イチケイのカラス 6話 感想|正しくあるべき人が正しい事をする潔さ

 

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みちお(竹野内豊)と岸田(バカリズム)。

裁判官と被告人の立場なのに、なんとなく醸し出される名コンビ感…(笑)

もっと掛け合いを見ていたかったなぁ。

 

難攻不落で偏屈な性格から出る、長台詞も淀みなく発する役は

バカリズムさんのために用意されたみたいなもので、

脚本家のお仕事もやられているからか、台詞のテンポと間の取り方がとにかく上手い。

法廷や刑事モノでよく主人公に設定づけられる「本当の真相を見つけ出す」キャラでも、

本作の場合は、岸田が度々ボソッと呟く"本音"が逆に

みちおの真っ直ぐな正義感を引き立たせるための効果的な演出になっていて、

定番の設定…ではなく、この人は本当に正しく裁く事にこだわる人なんだろうなぁという

説得力がありました。

「ポリシーに訴える」この台詞にもグッと来ました。

 

今回は珍しく検事側のシーンも描かれましたが、

調査協力を禁ずるよう言われた井出(山崎育三郎)と城島(升毅)が

いよいよ上司からの圧力に飲まれてしまうのか…と思いきや、

イチケイのメンバーが遠回しに喝を入れる事によって

自分のモットーは何だったのか?と目を覚ます流れになっていたのには一安心。

それも…正直に間違いを認めて合流するのではなく、

話をたまたま聞いてしまったかのように促す小芝居で情報を漏らすっていうのが、

いつもツッコミを入れつつも何やかんやでみちおの検証に協力する2人らしくて

面白かったです(笑)

 

冒頭で語られていた「バタフライエフェクト」論は

みちおの常日頃の思想や行動にも繋がりますね。

彼が「どうして?」を追い求めると、周りも「どうして?」を追い求めるようになる。

現に、効率的に裁く事をモットーとしてきた坂間(黒木華)も変わってきた。

今回の事件は、そんな彼に影響を受けたメンバー達が調べ上げた内容と、彼の確固たる意志が

岸田の心を解した…という感じですね。

 

岸田は「人は絶対に傷つけない」とは言ってはいたものの、

人からお金を盗んでいる時点で傷つけているんじゃないの?という疑問が残っていたので、

そこを突いてくれたのもスッキリしました。

バタフライエフェクトのエピソードを提示して、そこに圧力をかけられた検事への

「自分の言葉が自分に一番響くでしょ」という台詞も絡めて、

自分が犯した行動はいかに矛盾していたかに気づかされ、最終的に自白に至らしめる…

伏線回収も含めて綺麗にまとまっていた内容だったと思います。

 

そして、準備を整えて、いよいよ(というか早くも?)国の司法に立ち向かう事になるであろう

終盤の展開には気持ちが高まりますねぇ。

劇伴を大音量で流す演出も、盛り上げ役としてハマっています。

でも、それと同じくらい気になるのは、残り何話あるのかという所。

次のドラマが6月スタートとの事なんですが、いつもの11話構成じゃないんでしょうかね?

あるいは、立ち向かうものの一度挫折して、またリベンジする…みたいな展開なのかどうか。

本作の案件自体はそこまで捻りなく描かれるので、

ボスはそのまま日高(草刈民代)だと思うんですよ。

 

お金が絡んでいるからなのか、再び登場してきた板谷由夏さんの動向も謎ですし…

まずは新聞配達人を殺害した犯人を特定する所から始めるのかな?

 

 

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ドラゴン桜(2021) 3話 感想|ここからが初回ですw

 

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今回の演出家は石井康晴さん。

まぁ…確認するために一応調べましたけど、見ているだけでも

演出家が変わっているのは分かりやすかったですね。

そもそも、池井戸作品だったら、動画撮影の際に表示されたテロップとか、

英作文の意訳を紹介する際のシネマレターっぽいフォントは

まず使いませんもんねぇ…(笑)

でもそれだけでなく、カメラワークにおいても、これまでの演出を取り入れて

世界観を一貫させてはいるものの、やり方がまるで違います。

 

夕日のインサートは尺の短さがそうさせているのかどうかはっきりと答えられませんが…

少なからず、あるあるのエキストラ大量発生シーンからは

「こんなに揃えました!」っていう、数の多さで見せつけるような

作り手側の威圧感は感じさせなかったですし、

登場人物をアップで見せる所もライティングでメリハリをつけていないので

画面から漂うクドさがありません。

全体的にあっさり目な作りで、"日9"ではなく"金10"で放送されていた

前作の雰囲気に寄せに来た印象を受けました。

 

内容の方も、脚本家が単独体制に変わったからなのか、複雑さがなくなってかなり見やすい。

終盤で必ず小出しで描かれていた坂本(林遣都)の復讐のくだりが

今回ではバッサリカットされたって事は、本作にはいらないって言っているようなもので…(笑)

理事長の陰謀論も抑えめにして、勉強に打ち込む生徒達を前面に押し出した

作りになっていたのは良い流れです。

 

今後も3話のような感じだったら安心出来そう。

"数字(偏差値)を取る"よりも"本質を考える力を持つ"方が

社会では役に立つというのは、視聴者によっては言われなくても

分かりきった事だとは思いますが、

本作はあくまでも、考える事の重要性を説く成長物語なので。

薄暗い余計な軸を付け加えて盛り上げようとすると、むしろ蛇足になる。

今回が初回でもおかしくないんじゃないか?ってくらいの"らしさ"があって、

純粋に面白かったです。

評判を伺って1話と2話を未視聴の方は2倍速再生にして、

下手したら2話は見なくても十分かもですねw

 

でも、演出に関しては、恐らくメインは福澤さんだから、

また別の回になればコッテコテの池井戸作品風に戻っちゃうんでしょうねぇ…

石井さんだったら、最初の方の内容が酷くても、

作品自体の第一印象はもう少し変わっただろうに…(苦笑)

 

 

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珈琲いかがでしょう 5話 感想|どっぷり浸かったきっかけはホームレス

 

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「ほるもん珈琲」と「初恋珈琲」の2本。

今回に関しては一緒くたにした方が書きやすいと判断したため、

いつもの1エピソードずつ書く方式はやめます。

 

ぺい(磯村勇斗)から語られる、青山(中村倫也)が移動珈琲屋を始めたきっかけ…

確かに聞いてみれば、やっている事は違法だし、

宗教呼ばわりする理由も何となく理解出来ますね。

まぁ、師匠・たこ(光石研)の格好からモンゴ◯アンみたいな

異国風の雰囲気が漂っていたから…w

この人に触れちゃいけないっていう警戒心が無意識にでもあったんでしょう。

 

ワゴンを買うために横領した清掃道具の持ち主が、

多分、連れてこいと執拗に言ってくるボスが慕っているらしい"3代目"で。

パシリに使われたのがぺいだった。

ケリをつけるためには、最終的にその人に会いに行くしかないんだろうけど、

ぺいは青山に行かせる事をあえて拒んだ…ように見えました。

だって、純粋なパシリならわざわざ膝を刺すよう誘導して逃がしたり、

ここにGPSが仕込まれてますよ〜と言わんばかりに

別に触る必要のないタコのキーホルダーを触ったりはしないと思う。

もちろん、たこの居場所が書かれたメモだって渡さない。

彼は今、裏切られたのが悔しい、

信頼していた兄貴が別の世界に行って欲しくないという気持ちと、

本人が選んだ道を全うしたいと心から望んでいるのであれば邪魔したくはないという

わずかな気持ちがせめぎ合っている状態なのではないか?と踏んでいます。

子供っぽい自分と、大人でありたい自分が対立していると言いますか。

 

そして、あそこまでコーヒーを嫌うようになったきっかけは…

小学生の時に出会った初恋相手だったんですね。

初めて食べたコーヒーゼリーは苦かった。

大人になって再会した彼女はブラックコーヒーと更にグレードアップしていて、

自分と相手がいかに住む世界が違うかという"現実"を突きつけられた。

コーヒーの良さが分からないお前は下僕の世界に住むべき人間だと、

そこで自分を否定された感覚を覚えて、今に至ったのかも…。

 

でも、そんな彼にもいつかはコーヒーで癒される展開が来る気がしています。

その相手が青山でも良いけど、入れたコーヒーがまずいと言っていたので改心する可能性は低い。

逆に「特別が顔が良いわけでもない」「典型的な学級委員長」呼ばわりされていた

垣根(夏帆)が担ったら、内容的には面白そう。

「コーヒーは高嶺の花」だと捉えている偏見の払拭にも繋がるし。

初恋相手が背負っていた赤いランドセルにちなんで、どこかに"赤"が取り入れられていると

彼女に少しだけ近づけた喜びも味わえて、

ハートフルストーリーとしては洒落たものになるのかもしれません。

 

青山については今回で完全には明かされなかったものの、その代わりに

ぺいの過去(幼少期)もじっくり描く事で登場人物に奥行きを感じさせ、

2人の人生がどんなものになるかにますます興味の持てた内容だったと思います。

 

個人的には、青山の過去だけが描かれると思い込んでいた分、

まるでコーヒーを割引サービスしてもらえたお得感がありました。

次回はたこと出会う前の2人の関係に迫るとの事で、そちらも楽しみです。

 

 

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コントが始まる 4話 感想|現実に向き合わせてくれる人

 

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あれはズルいよぉ…長年の時を経ての再会&打ち解け合うシーンに弱いのよ…(泣)

 

母が憎い存在ならば許さなくても全然良いし、むしろそのまま終わる方が多いと思うけど、

瞬太(神木隆之介)は許す事を選んだ。

それは多分、子供の頃は分からなくても、

大人になってから自分の非を認めるようになるまで成長出来た証だろうし。

当時は環境・人間関係云々でしつけに余裕が持てなかった事に対して謝りたくても、

もう会えないままここまで来てしまったから謝りづらいという母の不器用さにも

気づいていたからなのかもしれません。

 

燃え尽きるまで野球部のマネージャーに没頭し、そこで面倒見の良さが発揮されていたらしい

つむぎ(古川琴音)の過去エピソードが描かれたお陰で、

繋がりの濃い2人の代わりに説得し、母に会わせたキーパーソンになったのも頷けました。

「逆襲する最後のチャンス」ねぇ…確かに、感情をぶちまけるタイミングを失って

心の底でずっとモヤモヤし続ける人生を送るより随分マシですよ。

現実に向き合わせる言葉をかけてくれる存在がいるって、幸せな事だと思います。

 

一方で、真壁(鈴木浩介)の発した

「18から28までと、これから先の10年は、別次元の苦しみだぞ」もまた真理。

5人は今、人生の岐路に立たされている真っ最中なんですよね。

3人がマクベスを続けていくのかもそうですけど、

つむぎもこの先ずっとバーでマネージャーをやっていけるのかどうかも分からない。

彼女の性格なら尚更、経歴も経験値も豊富だから、

本人は望まなくともリーダーとして周りを引っ張っていく仕事を強いられる可能性は高い。

そして、このまま"現状"を保っていればいるほど、他人を優先してばかりで

自分で無意識のうちに心を壊してしまう危機も孕んでいる。

自分を受け入れてくれた職場と仲間に恩恵を感じて新たな物事に挑戦するのか、

はたまた、今の環境を断ち切って新たにマネージャーをやれる場所を探すのか…。

いつ何時でも、人生は分岐点の連続だと改めて思い知らされます。

 

つむぎとの出会いで大切な事に気づかされ、若いうちに肉親の死を経験し、

春斗(菅田将暉)と潤平(仲野太賀)は真壁の思ってもみない言葉で"現実"を突きつけられる。

一度にいろんな事が襲ってきて、悩まざるを得ない状況に立たされていく感じ…

ああ、これぞ、青春群像劇だなぁ…という充実感がありました。

 

「こうなったら良いなぁ」と視聴者が願う部分と、人生の厳しさを教える部分を、

どうやって調整すれば大衆に見てもらえるドラマに仕上がるかが

よく分かっている脚本ですね。

 

 

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リコカツ 4話 感想|咲と耕一、離婚の本質を知る…

 

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武史の演者が、佐野史郎さんから平田満さんに変わった事を

リアルタイムで視聴するまで全然知らなくて…え?あれ?って動揺しちゃいましたよ。

腎臓の件で入院されたのですね。お大事になさって下さい…。

役に関しては、浮気したのは佐野さんの方なのに、

全く関係のない平田さんが背負わされる形になって可哀想…って気持ちで見てましたけど(笑)

でも、話し方とか表情とかは佐野さんに寄せてらしたので、

そのうち「軽そうだな〜」と思えるようになりました。

役者の再現力の高さ、やはり恐るべしですね。

 

内容自体は、リコカツを視野に入れて動く咲(北川景子)と耕一(永山瑛太)を、

美土里(三石琴乃)が離婚を切り出すまでの過程に置き換えてみた…という感じ。

 

元彼と結婚を決めていたほど親密な関係だった事にショックを受け

「どうせ離婚するのだから」と諦めの境地でいる耕一に対して、

自分だけがモヤモヤしているのに苛立つ感情を「好きだから生まれる」と図星を突かれ、

もしかしたらまだ間に合うのかと迷い始める咲。

お互いにはっきりと決断出来ていないまま、"幸せ"を象徴する誕生日パーティの準備と

"不幸"を想起させる離婚の準備という、相反する2つの準備を同時進行させていく中で

美土里が離婚を切り出した事で、

「決めるのは自分の勝手」だと無意識にでも軽く捉えていた"離婚"が

いかに大切な人に影響を与える最悪の手段だったかを思い知る。

 

結末は違うけれども、迷いに迷って、

(展開的にも)長い時間をかけて描写したのが効いていて、

美土里が言っていた「35年間生活を共にしてきた相手にはこうするしかなかった」

という台詞に重みが感じられました。

何事も大きな決断をするには、それなりの時間もリスクもかかる。

離婚の現実に2人で直面して、

「やっぱり離婚はやめよう。君が傷つく姿をもう見たくない」と支え合うシーン…

こんな形になるのも納得の流れでした。

いつも入れるコミカルな要素をほとんどなくして、

2人の心情変化だけに集中させる作りにしたのも正解だったと思います。

 

本作の夫婦は一目惚れによる結婚で、価値観も好みも、住む世界も何もかも違うので

この間までは「別に夫婦である事にこだわらなくて良いんじゃない?」と

穿った目で見ていましたが、

"両親の離婚問題"という共通項を生み出したのが大きいですね。

同じ境遇を抱えているから、一気に親しみやすさを感じて、自然と共感して、

自然と相手に歩み寄ろうという気持ちになる。

そして、相手に歩み寄ろうとすればするほど、今まで気づかなかった相手の良さを知る。

前回の話し合いも含めて、これだったら、最終的に元サヤに収まるのも頷けます。

設定にドラマらしい偶然さはありますが、主人公サイドのリコカツと両親のリコカツは

群像劇仕立てで描かれていくと想像していた分、

そういう絡め方になるのか〜…と驚かされました。

 

そして、このまま復縁活動を始めるかと思いきや、

今度は離婚届を手にした貴也(高橋光臣)が2人をかき乱していく役割を担うのですね。

中々面白いです。

結構、全体構造が上手く作られている作品なのかもしれません。

 

 

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コントが始まる 3話 感想|誰かのそばにある奇跡の水

 

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里穂子(有村架純)にとっての奇跡の水はマクベスであり、

俊春(毎熊克哉)にとっての奇跡の水は春斗(菅田将暉)だった…。

今考えてみれば、里穂子と春斗の出会いが初回の「水のトラブル」というコントを

生み出したのも、決して偶然ではなかったんですねぇ。

 

過去のブログを漁ったり、熱帯魚にも名前をつけたりしてしまうほどマクベスが好きなんて

随分物好きだなぁと途中まで思っていたけれど、

なぜそうなったのか、よく伝わってきました。

頑張るのが好きな自分を、無名でも独自の道を歩んで頑張り続けた3人と

重ねて見ていた部分があったんでしょう…。

 

今回の中で最もグッときたのは、

たこ焼きパーティで一斉に集まって語り合う日常的なシーンに、

自分も目の前の物事に向き合ってみようという"原動力"の意味合いをさり気なく持たせた事。

里穂子から語られた社員時代の過去、俊春が宗教に手を染めてしまった過去の

2つのエピソードを同時進行させている上に、登場人物のそれぞれの設定や関係性もかなり複雑で

話が散漫としそうなものを、

1つの空間で誰かの話を共有する事で

同時に"何か"に悩んでいる誰かも「案外辛いのは自分だけじゃないんだな」と励まされつつ、

そこから1人で解決させていくまでの流れで全てをまとめてみせたのが素晴らしかったです。

 

そして、繊細な優しさとコミカルさを持つ本作らしく、

「足を洗ったタオル」の笑いを誘うオチまでしっかり用意。

エピソード自体はシビアであまりにも笑えないものでも、全然重苦しく感じさせません。

むしろ、作り手が「辛い時こそ笑え!」というメッセージを訴えかけてきているようで、

涙を笑いに変える…これが笑いの真髄だよなぁと実感させられます。

 

本作、良い意味でドラマっぽくないんですよね。そこも魅力的です。

例えば、会社を辞めた時の過酷さを表現するために

社員時代の回想を挟んだり、1話での酔いつぶれたシーンを再び見せたり出来たと思うのですが、

(もちろん有村架純さんの演技力の凄さもあるのですが)

長台詞だけで当時の姿を思い浮かばせるなんて相当難しい技でしょう。

それに、言葉選びに関しても、"ドラマらしさ"と"ドラマらしくなさ"の塩梅が抜群。

何気ない会話の中に「着信履歴はね、心配してるよーってメッセージなんだよ」といった

如何にも名言っぽい真理を突く台詞を時たま入れるから、

逆にその台詞が刺さると言いますか。

 

またしても最高記録を更新してきたので、この面白さをどう文章にしようか迷った挙句

イマイチまとまりきれていない感想になってしまいましたが…(汗)

それくらい、よく出来ています。

今回だけで賞が取れそうなほどのクオリティの高さです。

 

 

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