病室で念仏を唱えないでください 8話 感想|両忘の自由か?命の奴隷か?

 

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今回のキーワードは「ペースメーカー」と「パンダ」。

複数の患者を巻き込むという最終章らしい壮大な展開だったので、

3人の患者のエピソードの詰め込み感は強くなり、結末もベタにまとめた印象はありましたが。

その分、松本(伊藤英明)と濱田(ムロツヨシ)の関係性は明確になり、

医者としての考え方の違い、それぞれの見せ場をドラマチックに魅せてくれた

満足感を覚えた回でした。

 

某ドラマを思い出させるシロクロのパンダをメタファーにし、

時に対立し、時に交錯し合う二人の関係。

どちらかが完全に"悪"という描かれ方ではない、境界線の曖昧さが良いですね。

 

濱田の性格もはっきり映し出されました。

「医者は金でも法でも正義でもない、命の奴隷だ」

これは"彼そのもの"を表す言葉なのでしょう。

彼がどんな考えを持って医者をやっているかが分かった所で、

最後の田沼(前田公輝)とのシーンは作品を盛り上げさせてくれるものになりましたし、

今回は「濱田回」と言っても過言ではありません。

 

しかし、一人の登場人物を前面に押し出すと

存在感が薄くなってしまいがちな主人公も、押さえる所はしっかり押さえる。

普通だったら「医者の仕事の範疇を超えてないか!?」とツッコむ

警察の指示を無視して子供のいる家に突撃するくだりも、命を人一倍重んじる僧侶と

兼業している人だから納得出来るのであって、

更に、主人公の魅力である「猪突猛進さ」「青臭さ」が強調された

エピソードになっていたと思います。

 

今回、そんな松本が唱えた言葉は「両忘」。

生と死。善と悪。二者択一の世界から逃れるという意味。

つまり、「自由」とも捉えられる訳で、

濱田の言う「奴隷」と対になっているとも考えられます。

 

何事にも縛られない自分らしい道を進む松本と、

ハートセンターを開設する為なら、目の前の命には絶対服従する濱田。

どちらが医者として相応しい行為なのか。

 

その問いに対する答えを出す上で、

意外にも"憲次(泉谷しげる)"という存在が重要になってくるのかもしれませんね。

 

 

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